若気の至りで、私は、30代の頃、勧めもあり、川柳句集を3冊上梓しました。
私のブログに、句集の事も書いてあります。
先日、東京都在住で東京川柳会副主宰の平宗星さんより、句集の注文をいただき、お送りしたところ、丁寧な返事が返ってきました。
「私がこの『藤本一規句集』(第1輯から第3輯)を読んで心に残った川柳を以下、記しておきます。
砂場には小さな夢が置いてある
湯気昇る魂だけは引き留める
地雷踏み足のない子のうつろな目
魂を和紙に吹き込み昇る凧
人間は脱皮しないから裸です
大地から離れ花瓶の中に居る
(第1輯『ブランコ』より)
セロテープなかったような澄まし顔
ふくろうに見破られて隠し事
太陽とカレーライスをともに食う
通信のるつぼの中に虚無がある
歯形だけ残すすいかの夏終わる
あの日から地球の軸がずれている
伸びチジミしてるミミズの日曜日
(第2輯『あの日』より)
石段に刻まれた影許すまじ
青い実の痛みわからぬ猿である
エリートと呼ばれたことがないカラス
過労死という実弾で殺される
無差別の花粉のテロで逝った人
(第3輯 『春夏秋冬』より)
『一規川柳』の核となる特質は『自分発』の『広く深く社会』を詠もうとする『穿ち』の視点だと思います。この視点こそ江戸の『古川柳』から現在川柳まで共通して認められる特徴なのではないでしょうか。第3輯には、この視点が強く認められます。鶴彬の『プロレタリア川柳』の影響が深く認められる現代川柳です。」
川柳につかず離れず25年が経過しました。今は、二つの機関紙で川柳の選者を務めています。
平さんの手紙は、自分にとっての川柳を再認識する過分なるものです。
平さんから、井上剣花坊生誕150年記念誌上川柳大会のお誘いを受けました。
久しぶりに川柳作家として大会への投句をしてみようと思います。
私の句集を読んでみたいという方はお送りします。
本ウエブの問い合わせから、ご注文ください。
これからも川柳を続け、自分を磨いていきたいと思います。
台風10号が猛威を振るい日本列島を襲いました。そして、新潟県で、9月に入り気温が39度以上の過去最高を記録しました。
巨大台風と猛暑など気候変動の問題は、地球温暖化の問題と深いかかわりを持っています。
これらの問題について、日本共産党の志位和夫著「改定綱領が開いた『新たな視野』」から考えていきたいと思います。
志位委員長は、地球規模の気候変動問題は、もはや先送りが許されない非常事態として次のように指摘しています。
「気温上昇を『1・5℃以内』に抑えるということは、人類共通の死活的な急務となっています。かりに有効な対策をとらないとどうなるか。環境省は、2019年7月8日、『2100年、未来の天気予報』をウェブサイトで公開しました。それを見ると、『このまま有効な対策を執らず地球温暖化が進行すると、2000年頃からの平均気温が最大4・8℃上昇すると予測されています』として、『産業革命以前からの気温上昇を1・5℃に抑える目標を達成した2100年と、その目標を達成できなかった2100年の天気予報』を、それぞれの夏、冬について作成しています。『2100年 未来の天気予報』のデータを環境省に求めたところ、データを送ってきてくれました、今日はパネルにしてもってまいりました。これが、『15・5℃未達成』-最大4.8℃上昇した場合の『2100年夏の天気予報』です。いつものNHK天気予報と同じ格好で書いてありますが、夏の最高気温は、東京43・3℃、札幌40・5℃、名古屋44・1℃、大阪42・7℃、福岡41・9℃など、沖縄以外の日本列島はまるごと40℃以上となっています。とてもこれでは生きていけません。灼熱地獄になってしまうという『天気予報』です。もう一つ、これは台風の予測図です。『台風情報 台風10号 中心気圧870hPa 最大瞬間風速90m/s』とあります。文字通りの『スーパー台風』です。この予想図を見ますと、台風の大きさは日本の半分くらいがすっぽり入ってしまう巨大なものであり、『台風の目』だけでも東京都がすっぽり入ってしまいます。こういう猛烈な巨大台風が毎年接近し、大雨、暴風、海面上昇によって、大被害をもたらすという予測です。」
志位委員長が取り上げたデータは、気温でもスーパー台風でも、気温上昇を「1・5℃以内」に抑えることができなかった2100年のケースです。
しかし、気温は、冒頭指摘したように、今月、新潟県で、最高気温39・2℃を記録しました。今日も吹き荒れている台風10号の中心気圧は950hPa、最大瞬間風速は60メートルとなっています。
2020年の日本に住む我々は、環境省が示した2100年の天気予報が的中する中での生活を強いられています。
志位委員長は、この章の最後にこう訴えています。
「まさに現状は、世界でも日本でも、文字通りの『気候危機』というべき状況です。私は、世界の運動に連帯し、この日本から、気候変動抑止のための緊急の行動を心から呼びかけるものであります。」
2019年1月、世界経済フォーラム年次総会(ダボス)で行ったグレタ・ツゥーンベリさんのスピーチの最後の部分を引用します。
「大人はつねに、若者に希望を与えなければならない、と言っています。けれど私は、大人の語る希望なんていりません。大人には、希望を持ってほしくない。パニックに陥ってほしい。私は日々感じている恐怖を感じたうえで、行動を起こしてほしい。危機の真っただ中にいるように、行動してほしい。家が火事になっているように、行動してほしいのです。実際、今はそうなのですから。」
6日は、我が家でも不安な一夜を過ごし、昨日も終日、強風が我が家を襲い続けました。
私たちは、この台風で、危機の真っただ中にいることを実感しました。産業革命前に比べて世界の平均気温上昇を「1・5℃以内」に抑えることは、人類共通の死活的急務であることを皆さんとともに考え続けていきたいと思います。
そして、政治家として、「1.5℃以内」を抑えることに悪影響を及ぼすと考えられるものは、県民の皆さんと一緒に除外されるように運動し、発言を続けていきたいと思います。
巨大台風の中で、皆さんが感じたことをお教え下さい。
台風10号の暴風雨が山口県内をおそっています。
被害を受けられた方や避難所生活を送っておられる方に心からお見舞い申し上げます。
毎日新聞は4日、台風10号に対し、国土交通省は、「九州などのダムで事前放流を実施することも明らかにした。」と報じました。
私は、6月県議会で、県管理ダムの事前放流について次のように質しました。
「山口県においても、県管理の二級水系で、事前放流に向けて、関係利水者と治水協定を締結し、事前放流を行える体制を整備すべき」
これに、阿部土木建築部長は、「二級水系については、一級水系での取組を参考に、近年、甚大な浸水被害を受けるとともに、貯水容量の大きなダムがある水系から、関係利水者等の理解を得ながら、事前放流の実施に向け、治水協定を締結していく考えです。」と答えました。
更に私は、「二級河川損失補填制度を作るのか、作る場合、国に財政措置を求めるべきだ」と質しました。
これに、阿部部長は「国が4月に定めた事前放流ガイドラインでは、損失補填制度について『具体の手続きや算定方法については、別途、整理する予定』とされており、県としては、引き続き、損失補填制度の具体的な算定方法や国からの財政措置等、国の動向を注視してまいります。」と答えました。
昨日のしんぶん赤旗日刊紙は、二級河川ダムの事前放流に伴う損失補填制度について次のように報じました。
「激甚化する豪雨災害に対応するため、国土交通省は来年度、都道府県が管理する2級水系を対象に、ダムの貯水量を前もって低下させる『事前放流』に伴う損失補填制度を創設する方向で検討に入りました。国が管理する1級水系では同様の制度がありますが、2級水系でも事前放流がしやすい体制を整備し、洪水被害の防止を目指します。新たな制度の対象は、洪水対策を本来の目的としていない『利水ダム』。利水ダムでは、ためた水を水力発電に利用するほか、導水路などを使って水道、工業用水、農業用水を供給しています。利水ダムで事前放流を行った場合、降雨後に元の水位に戻らないと、発電量や水の供給量が減少するリスクが生じます。このため、電力会社などの利水関係者に対し、発生した損失を補填する制度を検討することにしました。財源は国と都道府県で負担する方向で想定し、詳細な枠組みは今後詰めます。近年の水害の激甚化を受け、政府は昨年12月、国や自治体が利水ダムの管理者や利水関係者との間で事前放流を実施するための協定を締結する方針を決定。このうち、1級水系では、国交省が今年4月、電力や水供給が減少した場合の損失補填制度を導入しており、6月までにダムのある全国の99水系全てで協定が締結されるなど、事前放流をスムーズに行うための補填制度の整備が求められていました。」
私は、6月県議会で質問するにあたって、中国整備局の担当者から1級水系における「事前放流」のための治水協定について説明を受けました。
この中で、事前放流後、想定した雨量が確保出来ず、利水者が損害を被った場合の、損失補填制度について説明を受けました。
1級水系の損失補填制度は、国が財政措置をするとも説明を受けました。
これから、2級水系で事前放流のための治水協定締結を進めるためには、2級水系での損失補填制度が不可欠であることが分かりました。更に、2級水系での損失補填制度の財政負担は、都道府県だけでは困難だとも感じました。
このような思いから、私は、6月県議会で2級水系での事前放流のための治水協定締結のために、損失補填制度の創設と、制度運営に対する国の財政支出の創設についての再質問を行ったのです。
しんぶん赤旗日刊紙が報じるように、2級水系に対して「事前放流」に伴う損失補填制度が創設され、財源を国も負担する制度となるなら、この点は評価したいと思います。
国も財政措置を行う2級水系の事前放流のための損失補填制度の創設を飛躍台として、県内で激甚化する豪雨災害に対応するために、県内2級水系のダムで、一日も早く事前放流のための治水協定が締結されることを望みます。
国が財政措置し、2級水系で「事前放流」を実施するための治水協定を締結するために損失補填制度が創設される方向としんぶん赤旗日刊紙が報じました。この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
第16回「このミステリーがすごい!」大賞(2017年)の優秀賞を獲得した、くろきすがや著「感染領域」を読了しました。
文庫本の裏表紙から本書の概要を引用します。
「九州でトマトが枯死する病気が流行し、帝都大学の植物病理学者・安藤仁は農林水産省に請われ現地調査を開始した。安藤は、発見した謎のウイルスの分析を天才バイオハッカー『モモちゃん』の協力で進めるが、そんな折、トマト製品の製造販売会社の研究所に勤める旧友が変死。彼は熟さず腐りもしない新種のトマト『カグラ』を研究していたが・・・。弩級のバイオサスペンス、登場!」
トマト枯死の原因は、ウイルス感染です。トマトの枯死が全国に広がります。
この状況を作者は、こう述べています。
「その先に待っているのは、人類および陸上の全生命体への壊滅的な打撃だ。なぜなら、地球上で、植物だけが環境からエネルギーを取り出し、動物など他の生命体の育生に必要な有機化合物を合成することができるからだ。食物連鎖の下部構造を成している植物が、あらゆる生物の栄養源なのだ。」
本ブログでは、初めての公表ですが、コロナの自粛の頃から日本園芸協会「薬草コーディネーター」の資格を獲得するために「薬草ガーデン講座」を受講しています。5回、課題提出が必要ですが、現在、3回まで課題を提出し、現在までは300満点中295点を獲得しました。
明日は、台風のため自宅待機ですので、4回目の課題提出に挑もうと考えています。
薬草ガーデン講座のテキスト1に、引用した小説部分と同一の事を指摘している以下の記述がありました。
「動物は他の生物を食べて、他の生物の中にあった有機物を利用して生活していますが、植物は『光合成』によって有機物を合成しています。植物のように、無機物から有機物を合成し、その栄養物質で生活できる生物を『独立栄養植物』、動物のように、他の生物の有機物に頼っている生物を『従属栄養生物』といいます。『従属栄養生物』である動物は、『独立栄養生物』である植物が存在しなければ生存することができません。」
食物連鎖の上部にいる動物は、食物連座の下部構造を成している植物に従属して生きているのです。
植物だけが、「光合成」によって有機物を作る力を持っているのです。
この小説は、植物の種を守ることの人類的意義を説いていると感じました。
この小説の解説でコラムニストの香山二三郎さんはこう書いています。
「トマトで起きたことは人体に起きても不思議じゃない。本書で描かれている病変は人体に害をなすパンデミックともパラレルになっている。」
新型コロナウイルスのパンデミックの中で、この小説を読み、この小説の意義を再認識しています。
香山さんは、解説でこのようにも書いています。
「本書のラストにほっとひと息つく人もいれば、こんなことがあり得るのかと震撼される向きもおられるようだが、ここで描かれた事件はいつ起きても不思議ではないのだ。本書がSFサスペンスであると同時にリアルフィクションでもあることをゆめゆめ忘れてはなるまい。」
作家の「くろきすがや」さんは、シリーズ第二弾「感染領域 ラストスタンド」をこの度、上梓しました。
事件はトマトで終わりではなかったのです。
今度の植物は、イネです。今、「感染領域 ラストスタンド」を読んでいます。
イネと言わば、収穫の秋を迎え、トビイロウンカが大発生して、甚大な被害を県内農家に与えています。
我が家の田にも影響がありました。県内各地でウンカの被害で全滅した光景を目にします。
山口県の農業は水稲中心と言っていいと思います。その水稲がかつてない被害です。
明日から県内に影響を及ぼすであろう台風10号の水稲など農作物への被害も心配されます。
トビイロウンカの被害が甚大に広がる中で、バイオサスペンスを読む意義を感じています。
トビイロウンカの被害については、県議としてもしっかり取り組んでいきたいと思います。
この点についてご意見をお聞かせいただきたいと思います。
くろきすがやさんの「感染領域」シリーズについての感想もお待ちしています。
戦中に宇部市内の海底炭鉱の落盤事故で、多くの朝鮮人の方々が亡くなられました。この事故を歴史に刻む、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(以下、刻む会)の運営委員をこの数年務めています。
刻む会では、山口朝鮮初中級学校支援の運動に参加しています。
刻む会の次号のニュースに6月県議会での私の質疑のレポートを寄稿しました。寄稿した文書は以下の通りです。
・・・
「県は、朝鮮学校職員へ応援給付金を支給すべき」
刻む会運営委員・県議会議員 藤本一規
昨年5月、国は、「幼保無償化」の対象から外国人学校を除外しました。県は、朝鮮学校幼稚部を「幼保無償化」の対象から外しました。
昨年12月、日本弁護士連合会の菊池裕太郎会長は、「外国人学校の幼児教育・保育施設を無償化措置の対象とすることを求める会長声明」(以下、日弁連会長声明)を発表しました。日弁連会長声明は、「外国人学校が各種学校であることを理由に、外国人学校の幼児教育・保育施設に通っている子どもを無償化制度の対象から除外することは、憲法14条、自由権規約2条1項、社会権規約2条2項、人種差別撤廃条約、子どもの権利条約2条1項などが禁止する差別的取扱いに該当するおそれがある。」と指摘しています。
県は、6月県議会に幼稚園や学童保育指導員等に一人5万円の「応援給付金」を支給する補正予算を提案しました。しかし、県は、朝鮮学校の学童保育や幼稚班の職員への「応援給付金」を支給しませんでした。
私は、まず、朝鮮学校幼稚部職員に応援給付金を支給すべきと質しました。内海総務部長は「応援給付金は、国及び県の要請に基づき、運営を継続した施設を対象にしたものであり、要請を行っていない各種学校である朝鮮学校は対象としていない」と答えました。県は、各種学校を理由に、朝鮮学校を制度の対象外としたのです。
次に私は、朝鮮学校学童保育職員に応援給付金を支給すべきと質しました。県は、山口朝鮮学校に学童保育の開所要請を行いました。その理由を内海部長は「県は参考までに通知を朝鮮学校を含むすべての私立学校等に送付した」と答えました。しかし、県は、朝鮮学校が放課後児童クラブではないことを理由に応援給付金を支給しませんでした。
朝鮮学校を制度から除外する県の行為は、日弁連会長声明が言う「差別的扱いに該当するおそれがある」ものと言わなければなりません。朝鮮学校補助金復活、幼稚班幼保無償化実現、応援給付金支給を求めて行きましょう。
・・・
安倍政権の元で、朝鮮学校への「差別的扱いに該当するおそれがある」事項が増えてきました。
安倍政権に直結して、山口県行政が朝鮮学校へ「差別的扱いに該当するおそれがある」事項が増えてきました。
安倍首相の辞任を契機とし、朝鮮学校への「差別的扱いに該当するおそれがある」事項が解消されることを望んでいます。
朝鮮学校への補助金復活、幼稚班への幼保無償化実現、職員への応援給付金の支給を求めて、引き続き取り組んでいきたいと思います。
朝鮮学校への「差別的扱いに該当するおそれがある」事項に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
9月6日付山口民報に、「コロナ禍と私の活動」と題して私が書いた記事が掲載されました。
「山口民報」に掲載された記事を以下紹介します。
・・・
県内でのPCR検査体制の現状と課題
県議会議員 藤本一規
県内で新型コロナウイルス感染症患者が100例を超えたのは8月20日。わずか1週間後の8月28日までの患者は151例。山口県は、新型コロナウイルス感染が急拡大している瞬間にあります。私は、2月県議会、4月臨時議会、6月県議会で感染拡大防止のために、PCR検査体制を拡充すべきと一貫して発言してきました。
7月28日、志位委員長は、安倍総理に「新型コロナ対策にかんする緊急申し入れ」(以下、志位委員長の緊急申し入れ)を行いました。志位委員長の緊急申し入れの内容に沿って、県内でのPCR検査体制の現状と課題について述べていきます。
志位委員長の緊急申し入れの第一は、「感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤者の全体に対して、PCR検査を実施すること。」です。志位委員長の緊急申し入れ後、厚生労働省は、PCR検査の対象を拡大する方針を地方自治体に示しました。
8月7日、厚生労働省は「事務連絡」で「現に感染が発生した店舗等に限らず、地域の関係者を幅広く検査することが可能」との見解を示しました。早速、厚生労働省のPCR検査対象拡大の方針が、県内に活きる状況が生まれています。
村岡知事は、8月26日に記者会見を行い、山陽小野田市日の出地域の飲食店でクラスターが発生したと判断したとし、「同地域の酒類を提供する飲食店約70店舗のすべての従業員を対象に、8月28日にかけて、臨時の検査場所を設置し、短期間で集中的なPCR検査を実施する」ことを明らかにしました。
県内でのクラスターの発生は初めてです。県が、感染が発生した店舗だけではなく、地域の関係者を幅広く検査することを評価します。
その上で、冒頭引用した志位委員長の緊急申し入れにあるように、PCR検査は、酒類を提供する飲食店の従業員だけではなく、同地域の住民や事業所の在勤者の全体に対して、大規模で網羅的に行うべきであることを提起します。
続いて、県内でのPCR検査体制の現状について報告します。表1は、宇部市内に開設される地域外来・検査センターに関する報道発表資料の一部です。
現在、感染の疑いのある患者は、帰国者・接触者相談センター(保健所)に相談し、渡航歴、感染者との接触、濃厚接触者、行動歴や本人の症状も含め、保健所長が必要と判断した場合、帰国者・接触者外来(専門医療機関)で検体採取が行われています。
これに加え、県は、市町等に委託し、県内8医療圏に1カ所以上の「地域・外来検査センター」の設置を進めています。地域外来・検査センターは、症状など(帰国者・接触者外来に準じる)により、かかりつけ医(登録)が必要と判断した場合、検体採取を行います。これまでに、地域外来・検査センターは、下関医療圏に1カ所(下関市内・8月12日開設)、宇部・小野田医療圏に1カ所(宇部市内・8月31日開設予定)、山口・防府医療圏に2カ所(防府市内・9月3日開設予定、山口市内・9月29日開設予定)の設置が決まりました。全ての市町に一カ所の地域外来・検査センターの設置を求めていきます。
先日、宇部市内で開所目前の「地域外来・検査センター」を視察しました。担当者は、「看護師の確保が困難を極めている」と語りました。地域外来・検査センターで円滑に業務がスタートできるように県として看護師確保を支援すべきです。
宇部・小野田医療圏と山口・防府医療圏の地域外来検査センターの検体は、県予防保健協会に設置された検査機器で検査が行われる予定です。先日、日本共産党県コロナ対策本部は、県予防保健協会に設置された検査機器を視察しました。
PCR検査機器は、県環境保健センターや県予防保健協会、県立総合医療センター等の医療機関等に配置し、県内で1日に310検体が検査できる体制が整備されようとしています。
7月1日、村岡知事など産官学関係者114人が「積極的感染防止戦略による経済社会活動の正常化に向けた緊急提言」を国に提出しました。緊急提言は、「第二波に備え、1日当たりのPCRなどの検査件数を9月末までに10万件、11月末までに20万件できる態勢の整備が不可欠」としています。全国一日10万件を県に当てはめると1日当たり約1000件となります。県内でこれまで1日当たりの最大PCR検査実施件数は8月28日の228件です。県内で抜本的にPCR検査数を増やすことが求められます。
志位委員長の緊急申し入れに「医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR等検査を行うこと。」があります。東京都世田谷区は、現行の検査件数を倍加し、さらに介護や保育などの従業者に「社会的検査」を実施します。
県は、世田谷区から学び、介護や保育従事者等への定期検査を始める時です。
(8月28日に記す)
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9月3日までに県内での新型コロナウイルス感染症患者は178例となりました。
引き続き、山陽小野田市や宇部市などで発生しているのが特徴です。
8月28日以降では、9月2日、周南市で今月中旬をめどに、旧新南陽保健センター(新南陽市民病院横)に、地域外来・検査センターが設置される見通しと記者発表されました。
引き続き、県内でのPCR検査体制の強化に向けて発言を続けていきたいと思います。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
私の記事が掲載されている「山口民報」をご希望の方は、1部100円でお渡しできます。藤本かずのりWEBトップページ「お問い合わせ」から私にメールをいただければと思います。