堤幸彦監督の映画「ファースト ラヴ」を観ました。
原作をしっかり読み込み、映画を鑑賞したのは久しぶりだったかも知れません。原作も良し、映画も良し、合わせて「ファースト ラヴ」の世界観に浸っています。圧巻は、環菜役の芳根京子さんの演技でした。前から演技力のある俳優さんだと感じていましたが、「ファースト ラヴ」での演技は秀逸でした。
そもそも、この物語がなぜ「ファースト ラヴ」なのか。映画のパンフレットの中で、多くの方が語っていますが、私は、公認心理師の福島哲夫さんの言葉に納得しました。
「『ファースト ラヴ』というのは、人生の早期に、親や主たる養育者から受け取るものと言えるのではないでしょうか。それが思春期や青年期の愛に色濃く影響を与え、さらにその後の、現在もしくは未来に、いたわり、支え合える愛を形作っていく・・・。そのプロセスが、感動的に描かれている作品だと思います。」
原作者の島本理生さんがこの作品を「ファースト ラヴ」と名付けた理由も、きっと福島さんの指摘の通りだろうと思いました。
そう考えると、私は、私の両親や祖母など家族から「ファースト ラヴ」を十分に受けて育ったのだということを改めて感じました。
そして、私は、4人の子どもたちの親として、十分な「ファースト ラヴ」を与えてきたのだろうかと考えさせられました。
そして、この物語を読み、そして、観終わって、いつからでもやり直せるが、やり直すためにも、「ファースト ラヴ」が必要だということを感じました。
父を刺した環菜と対峙する由紀と迦葉が、「環菜と真剣に向かえっているのか」と問い合うシーンがありますが、由紀と迦葉から環菜への「ファースト ラヴ」がこの映画の核心ではないかと思いました。
私が、この映画で憧れたのは、由紀を支える我聞の姿です。
彼は、由紀と出会う前は報道写真家でした。由紀は、我聞の写真に涙します。
映画のパンフレットにフォトジャーナリストの安田菜津紀さんが、作品の感想をこう書いています。
「映画を観終えて強く心に残ったのは『いつか私が、自分の言葉で事件のことを書いてみたい』という環菜の最後の言葉です。それまで『お前は嘘つきだ』と言われ続けてきた環菜が、押し込めていた言葉を放ち、それを受け止めてくれる人がいたことで先に進むことができた。ラストの家族写真も、育児放棄され餓死寸前になるまで自分を見てくれる存在がいなかった迦葉に対する、『あなたのことを見ていますよ』という我聞からの意思表示であって。そうした愛に触れることで、自身の声が言葉を、それぞれが取り戻していく、そんな物語だと感じました。」
2月14日付しんぶん赤旗日曜版が我が家に届きました。
安田さんのインタビューが掲載されていました。安田さんは、仕事についてこう語っています。
「写真を撮る仕事は人に会いに行くこと自体が仕事です。一緒にいさせていただく、時間をいただく、というもの。取材を通してたくさんの温かないただきものをしてきた、という感覚が強くあります。紛争地や被災地など、あれだけ厳しい環境で生き抜いている人々がいる。『伝える立場の私が絶望している場合ではない』ということを、取材で出会った人たちが教えてくれました。」
議員と言う仕事も、人に合いに行く仕事です。その実態を質問として発言するのが議員の仕事です。この仕事に約30年関わってきましたが、「伝える立場の私が絶望している場合ではない」との想いは安田さんと共通するものがあると感じました。
私は、「ファースト ラヴ」から多くの気づきと勇気を与えられました。
映画「ファースト ラヴ」一人でも多くの方に劇場でご覧いただきたい作品です。ご覧になられた皆さんは感想をお聞かせ下さい。
18日付しんぶん赤旗日刊紙は、島根県の丸山知事が東京五輪の開催について発言したことについて次のように報じました。
「島根県の丸山達也知事は17日、県内で5月に予定されている東京五輪・パラリンピックの聖火リレーの中止を検討していると表明しました。丸山氏は県庁で開かれた聖火リレーの実行委員会で方針を表明。会合後記者団に、東京五輪について『現在の状況では開催すべきではない』と強調し、都が感染経路を追跡する『積極的疫学調査』の縮小を決めたことなどを理由に挙げました。丸山氏は、政府や東京都の新型コロナウイルス対応を批判。聖火リレーが3月25日に福島県から始まることを念頭に『状況の推移を1カ月程度見て、改めて(実施の可否を)判断したい』と述べました。島根県内の感染状況は比較的落ち着いていますが、丸山氏は県内事業者の経営状況は緊急事態宣言の対象地域と同様に厳しいと指摘。政府の財政支援は十分ではないとして、『今のような政府の感染拡大地域と非拡大地域に対する著しい格差を当然とするような姿勢が続くようであれば、許容できない』と訴えました。聖火リレーの実施について、県は大会組織委員会と協定を結んでおり、県は交通誘導など2021年度に7200万円の予算を負担します。丸山氏は中止する場合、協定の解除も視野に入れていると明らかにしました。島根県の聖火リレーは5月15、16日、ランナー約170人が走る計画。県によると、既にランナーから問い合わせがあり、近く現状を説明する方向で検討しているといいます。」
18日付の山口新聞は、丸山知事の発言を報道した上で、村岡県知事の見解を次のように報じました。
「島根県の丸山達也知事が東京五輪の聖火リレー中止の意向を表明したことを巡り、山口県の村岡嗣政知事は17日、記者団の取材に『リレーをやめることが主眼ではなく、感染防止対策をしっかり講じることを促している。重要な事だと思う』と問題提起に理解を示した。山口県では予定通り聖火リレーを実施する予定とし『聖火を渡す先となるので、今後の動きを注視したい』と話した。」
私は、昨日、東京2020オリンピック聖火リレー開催事業を担当する県観光スポーツ文化部スポーツ担当課の担当者から山口県での新年度予算について説明を受けました。
山口県での聖火リレーは、今年5月13日、5月14日に予定されています。
13日には、岩国市→柳井市→光市→下松市→周南市→防府市→山口市で聖火リレーが実施され、山口市の中央公園でセレブレーションを行う計画です。
14日には、宇部市→山陽小野田市→下関市→美祢市→長門市→萩市で聖火リレーが実施され、萩市萩中央公園でセレブレーションを行う計画です。
以上、県内の聖火リレーに、交通誘導等に約5千万円、催事に約7千万円、合計1億3千万円程度の費用がかかります。これら事業費の概ね2分の1を県が負担します。
以上の県負担額が、新年度予算に「東京2020オリンピック聖火リレー開催事業」として7327万円計上されています。
また、県は新年度予算に「東京オリンピック等世界大会活用地域活性化推進事業」として約1164万円計上しています。
合計、県は、新年度、東京オリンピック大会開催に向けて、約8500万円を計上しています。
日本共産党の志位和夫委員長は、1月22日、衆院本会議の代表質問で、今夏の東京五輪を中止し、「日本と世界のあらゆる力をコロナ収束に集中すべきだ」と主張しました。
年明けの共同通信の世論調査で東京五輪について「中止すべきだ」が35・3%、「再延期すべきだ」が44・8%、合わせると反対意見は80・1%でした。
今朝の読売新聞は、聖火リレーについて「来月25日には聖火リレーが福島県をスタートする。組織委は昨年末に都道府県に対し、新型コロナウイルス対策を踏まえた実施方法を示す予定だった。だが、年末年始に感染が拡大し、森氏の不適切発言による混乱もあって、いまだに指示が出来ていない。」と報じました。
日本共産党の志位委員長が提起したように、今夏の東京五輪を中止し、「日本と世界のあらゆる力をコロナ収束に集中すべき」時ではないでしょうか。
都道府県でも、東京五輪を中止した予算も使って、今、コロナ収束に集中すべき時ではないでしょうか。
菅政権は、五輪中止の判断を行う時です。
都道府県としてもそのことを政府に求める時ではないでしょうか。
山口県知事も、丸山島根県知事の発言に呼応して、五輪開催について国に発言すべき時だと思います。
丸山島根県知事が、県内で実施する東京五輪の聖火リレーについて「開催すべきではない」と発言しました。
皆さんはこの発言をどう受け止めておられますか。ご意見をお聞かせ下さい。
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動うべ実行委員会(佐々木明美共同代表、坂田勇司共同代表)は、昨日、篠﨑圭二宇部市長に、「核兵器禁止条約への署名及び批准を日本政府に求める要望書」を提出しました。
「核兵器禁止条約への署名及び批准を日本政府に求める要望書」を宇部市長に提出する佐々木共同代表
(手前が宮本県議、奥が私)
今年、1月22日、核兵器禁止条約が発効しました。
宇部市議会は1985年に「非核平和都市宣言」を決議しています。
要望書は「宇部市民として日本国民の核兵器廃絶への願いを実現するため、一日も早い核兵器禁止条約への署名と批准、そして条約の求める立法上の措置が必要」として、日本政府に「核兵器禁止条約にただちに調印、批准」することを求める意見を宇部市長として国に提出することを求めています。
対応した大畑総務財政部参事は、昨年12月定例会での荒川市議への答弁が市長の意思だとし、次のように市長のこの問題での意向を説明しました。
「核兵器禁止条約については、国は、条約への参加という手法によらず、核兵器国と非核兵器国の協力のもとに現実的・実践的な核兵器廃絶に向けた取り組みを進めることとしています。本市では、市議会において、昭和60年6月に非核平和都市宣言が決議され、毎年原爆投下の日に、死没者の御冥福と恒久平和を祈念して、市民の皆様に黙祷の御協力を呼びかけるなど、平和の啓発を行っています。また、私自身も、学生時代、原爆が投下された広島で過ごし、当時の話を現地で聞く経験などを経て、核兵器の悲惨さ、平和の尊さを改めて学び、核兵器の廃絶については、強く願っているところです。しかしながら、この条約は、国の専管事項である安全保障とも密接に関わるため、私としては、国の取り組みを尊重し、国に対して条約の批准を働きかけることは、考えておりません。」
私は、核兵器禁止条約に対する国会議員らの意思を確認し公表している「議員ウォッチ」の内容を紹介して発言しました。
「『議員ウォッチ』によると、25%の国会議員が、42%の都道府県知事が核兵器禁止条約に賛同している。中国地方では広島県、鳥取県、島根県の各知事が核兵器禁止条約に賛同している。30%の市区町村議会が日本政府に核兵器禁止条約に加わることを求めている。篠﨑市長は、『国の専管事項』を理由に、核兵器禁止条約の批准を国に求めないとの立場だが、同じ、憲法と地方自治法のもとで、多くの知事や市町村議会が、国に核兵器禁止条約の批准を求めているという事実を学んでいただきたい。そして、核兵器禁止条約の批准を国に求めてほしい」と発言しました。
市長への要請の後、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動うべ実行委員会は、宇部市議会に「核兵器禁止条約への日本政府の署名及び批准を求める意見書提出を求める請願」を提出しました。
本請願が採決され、宇部市議会の意見書が国に提出されることを願っています。
核兵器禁止条約が発効しました。唯一の戦争被爆国である日本が一日も早く、この条約を批准することを望みます。
この問題に関する皆さんの御意見をお聞かせください。
宇部警察署に要望していた二つの問題が前進しましたので報告します。
第一は、県道琴芝際波線と市道(小羽山団地入口)との合流点の横断歩道と停止線の白線が消えかかっている問題です。
先日、横断歩道と停止線の白線の塗り替え工事が完了しました。
市道側の停止線(手前)と県道琴芝際波線との交差点の横断歩道の白線が引き直されました
第二は、フジグランうべからコジマの間の歩行者信号の時間が短い問題です。
先日、この間の歩行者信号の時間を5秒延長する工事が完了しました。
フジグラン(手前)からコジマの間の歩行者信号の時間が5秒延長されました
皆さんの身近な要望を藤本にお寄せ下さい。
皆さんと一緒に解決にあたっていきたいと思います。
昨日、NHK山口放送局は陸自自衛隊のオスプレイがアメリカ軍岩国基地に陸揚げされたことについて次のように報じました。
「千葉県にある自衛隊の駐屯地に暫定的な配備が予定されている輸送機のオスプレイは、14日、新たに5機がアメリカ軍岩国基地に陸揚げされました。今後、整備や試験飛行などを行い、来月上旬以降、千葉県に移される予定です。陸上自衛隊の輸送機オスプレイについて、防衛省は、千葉県にある木更津駐屯地に暫定的な配備を進めていて、予定している17機のうち最初の2機が去年5月、岩国市にあるアメリカ軍岩国基地に陸揚げされ、その後、駐屯地に移されました。防衛省中国四国防衛局によりますと、新たにオスプレイ5機がアメリカから海路で輸送され、14日、アメリカ軍岩国基地に到着したということです。5機は貨物船から次々と陸揚げされたあと、アメリカ軍の車両でけん引され、基地の施設に入ったものとみられます。基地に陸揚げされたオスプレイは今後、アメリカ軍が点検や整備、試験飛行などを行うことにしていて、中国四国防衛局によりますと来月上旬以降に順次、千葉県に移される予定だということです。一方、山口県や岩国市は先月防衛省に対し、安全対策に万全を期して住民への影響を最小限にするとともに、今後の陸揚げについては岩国基地での実施を通例としないよう求めています。」
2012年、米軍普天間基地に配備されるオスプレイが米軍岩国基地に陸揚げされる問題が浮上し、6月県議会最終本会議で「MV-22オスプレイの岩国基地への先行搬入に関する意見書」が全会一致で採択されました。
意見書は、こう指摘しています。
「岩国基地について、これまで、県及び地元は、これ以上の負担増は認められないとする基本スタンスのもと、国の外交防衛政策を尊重し、これに協力する姿勢で対応してきたところであるが、今回の国の一方的で唐突な説明は、県及び地元関係自治体との信頼関係を損ねるばかりか、地域住民に新たな不安と混乱を招くものであり、断じて許されるものではない。今回先行搬入が申し出られているオスプレイは、今年4月にモロッコで墜落事故を起こし、その事故原因も未確認の中で、国からの説明がなされ、かつ、その直後の6月14日には、米国での訓練中に同機種が墜落するという、あってはならない重大な事故が発生した。いずれの事故も、現時点では、原因も明らかになっておらず、国の安全性への説明についても、大きな疑念と不信を抱かざるを得ない状況にある。」
意見書は、次の点への国の対応を要望しました。
①岩国基地については、「これ以上の負担増は認められない」とする県及び地元の一致した基本スタンスを十分理解した上で、これを尊重した対応を行うこと。
②岩国基地への先行搬入については、事故原因の究明や安全性の再確認、配備先の関係自治体の理解を得るなどの条件整備をした上で提示されるべきであり、こうした条件整備がなされるまでは、岩国への先行搬入は進めないという姿勢を明らかにするとともに、その旨を米国政府に伝えること。その上で、岩国市をはじめ関係自治体住民に対する十分な説明責任を果たすよう努力すること。
県議会で意見書が採択されたにも関わらず、同年7月23日、岩国基地でオスプレイの陸揚げが強行されたことを受けて、同年7月25日、二井知事(当時)が県議会議長、岩国市長、岩国市議会副議長らとともに、森本防衛大臣(当時)らに対し、陸揚げに抗議し、5項目の要請を行いました。
昨年12月13日付、琉球新報デジタルには、2016年12月13日にMV22オスプレイが名護市に墜落して以降の普天間飛行場の所属機の主な事故やトラブルを掲載しています。
この資料によると普天間飛行場所属のMV22オスプレイの「墜落・不時着事故・緊急着陸」などが、2016年の名護市での墜落を含め、それ以降13回発生しています。落下物事故は、2018年2月9日の1回です。
山口県議会の意見書にあるようにオスプレイの安全性に「疑念と不信を抱かざるを得ない」状況は今日的に解消されていません。
なぜ、陸上自衛隊のオスプレイについて、米軍岩国基地の陸揚げが常態化しているのか、県や岩国市の疑問に、国は十分に答えているとは言えません。
山口県は、2012年に県議会の意見書が採択され、当時、県知事らが陸揚げに抗議の要請を行った経緯を振り返り、陸上自衛隊のオスプレイの米軍岩国基地の陸揚げが今後も継続することがないよう、地元岩国市と連携して、国に抗議の声を上げる時だと思います。
米軍岩国基地に、陸上自衛隊のオスプレイが再び陸揚げされました。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
14日のしんぶん赤旗日刊紙は、敵基地攻撃兵器の開発が進んでいるとして次のように報じました。
「日本政府は『島嶼防衛のため』と称して、南西諸島地域に、違憲の敵基地攻撃兵器=『スタンド・オフミサイル』(長距離巡航ミサイル)の配備を計画しています。このうち、音速の5倍以上に加速する『極超音速誘導弾』の開発に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が組み込まれており、同機構の『軍事化』と、日本の『宇宙戦争』参戦の懸念の声が強まっています。防衛省によれば、極超音速誘導弾の研究協力に関して、2016年にJAXAと防衛装備庁が取極を締結。25年度の研究終了を目指しています。17~18年度にかけて、JAXA角田宇宙センター(宮城県)で、推進装置である『デュアルモード・スクラムジェットエンジン』の燃焼試験を実施。さらに、現時点では、『飛しょう体の各要素についての共通技術課題を段階的に解明している』としており、本体=『飛しょう体』の研究協力を行っていることを明らかにしました。また、極超音技術の研究には、装備庁の『安全保障技術研究推進制度』に基づき、岡山大・東海大も参加。敵基地攻撃兵器の開発への動員であり、重大です。極超音速兵器は米軍主導の『弾道ミサイル防衛』網を突破し、低高度を超高速で飛行して攻撃します。中国やロシアが開発を先行。米軍も開発を急いでおり『ミサイル戦争』の次代の主役といえます。ここに、日本が参戦しようとしているのです。自民党内からは『敵基地攻撃に転用しうる』との発言も出ています。超音速兵器の開発へのJAXAの関与が発覚したのが、19年11月の防衛装備庁シンポジウムでした。軍事研究に反対する『軍学共同反対連絡会』は同年12月、質問を提出。JAXAは翌年1月、『防衛省とは、法に定められた範囲で、双方に共通する要素技術課題についての研究協力を実施しています』と回答しました。政府はこれまで、1969年の衆院決議に基づき、宇宙政策を『平和利用目的』に限っていましたが、08年に宇宙基本法を作成して宇宙の軍事利用に道を開きます。さらに12年のJAXA法改正で『安全保障』の研究開発が追加されました。同連絡会の小寺隆幸事務局長はこう指摘します。『百歩譲って(専守防衛)は(法の範囲内)であるとしても、JAXAが研究する超音速エンジンが、島嶼防衛のためとしつつも他国の先制攻撃に使われる可能性がある以上、それを(専守防衛)のためという虚偽性は明らかです。敵基地攻撃能力保持論の本質は、北朝鮮や中国と米軍との間に軍事衝突が起きたときに、米軍と一体化して相手の基地に自衛隊が先制攻撃を行うことを想定したものであり、明確な憲法9条違反です。」
14日付しんぶん赤旗日刊紙は、更に宇宙軍拡の動きを次のように報じています。
「2003年のイラク戦争を前後して、米国は宇宙軍拡に本格的に着手。圧倒的優位性を確保しますが、ロシアや中国も参戦し、宇宙での軍拡競争が過熱していきます。宇宙を新たな戦闘領域と位置付けるトランプ前政権は19年12月、独立した軍種である『宇宙軍』を編成しました。これに追随する形で、航空自衛隊も20年5月、『宇宙作戦隊』を創設。『我が国の宇宙利用の優位を確保する』(防衛白書)としていますが、実際は宇宙空間における米軍の優位性確保の一端を担うことにあります。宇宙作戦隊の主要任務に位置づけられているのが、宇宙状況監視(SSA)です。宇宙空間では、運用を終えた人工衛星に加え、中国などの『衛生破壊実験』による宇宙ゴミが増加。これらが人工衛星に衝突しないよう監視するとともに敵対国の宇宙監視も行う見通しです。その背景には米国の要求があります。日本の宇宙政策の司令塔である内閣府は、『米国は安全保障や民生利用に資する宇宙インフラの共同利用を、同盟国・日本に期待している』と説明。日本は世界第4位の衛星保有国であり、その資源活用が狙われているのです。15年の日米新ガイドライン(軍事協力の指針)で、SSAの『協力強化』を明記。さらに19年4月の日米安全保障協議会(2プラス2)では、①日本の深宇宙(DS)レーダー開発②23年打ち上げ予定の準天頂衛星システムへの米国のSSAペイロード搭載ーなどを確認しました。②について、日米両政府はすでに実施細目取極を実質的に承認しており、日米のシステムが連接します。また、高高度を監視するDSレーダーが山口県山陽小野田市の海自山陽受信所跡地に設置される計画が進行。自衛隊初のSSA拠点となります。自衛隊にノウハウを提供しているのが宇宙航空研究開発機構(JAXA)です。防衛省は本紙の取材に、17年にJAXAとSSAに関する協力協定を締結し、同協定に基づき、航空自衛官1名が『知見を得るため』、JAXA筑波宇宙センター(茨城県)に常駐していることを明らかにしました。宇宙基本法の制定(08年)、JAXA法改定(12年)さらに『宇宙安全保障の確保』を第一に掲げた宇宙基本計画の改定(20年)は、こうした動きと軌を一にしています。JAXAは13年から始まった日米SSA協力に当初から参加。すでに、米国と同盟国の宇宙監視網の一部を構成しています。宇宙軍拡に警鐘を鳴らしてきた前田佐和子・元京都女子大教授は、日本が米国の『ミサイル防衛』計画に参加した2003年が転機だったとの見方を示しています。宇宙科学研究所(文部科学省)、宇宙開発事業団(科学技術庁)、航空技術研究所(同)が統合され、JAXAが発足したのがこの年でした。さらに12年、JAXAの所管が文科省から内閣府などのもとに移されます。『宇宙軍拡の体制を整えることが、内閣府の一元的管理を可能にする中央省庁の再編と結びついて進められた』。また、03年に米軍のGPS(全地球測位システム)衛星を補完する準天頂測位衛星の開発が開始されました。10年に『みちびき』初号機が打ち上げられ、23年度に7機体制となります。前田さんは、国産の長距離巡航ミサイル=極超音速高速誘導弾や、射程1000キロ以上が想定される12式地対艦誘導弾など敵基地攻撃兵器は、『詳細は不明だが、GPSや準天頂衛星が誘導する』と指摘します。一連の動きから『島嶼防衛』と称した南西諸島への『スタンド・オフミサイル』配備の深層は、米国の宇宙覇権を補完する動きであることがうかがえます。沖縄を宇宙戦争の実験場にするのか―が問われています。」
米国に「宇宙軍」が編成され、自衛隊に「宇宙作戦部隊」が創設されました。米国の宇宙覇権を補完する自衛隊としての体制が整備されています。
宇宙作戦部隊が行う宇宙状況監視(SSA)の拠点が山陽小野田市の深宇宙(DS)レーダーの整備です。
前田元京都女子大教授が指摘するように、開発されていることが明らかになった国産の敵基地攻撃能力を誘導する衛生と自衛隊の「宇宙作戦隊」及び米軍の「宇宙軍」との情報を結ぶのが山陽小野田市のDSレーダーだと思われます。
山陽小野田市のDSレーダーが日米の宇宙軍拡において重要な役割を担わされようとしています。
私は、昨年9月県議会において、山陽小野田市の宇宙監視レーダーについて次の質問を行いました。
「7月31日、山陽小野田市議会議員連絡会が開催され、我が党の山田伸幸市議の証言によると、参加した防衛省職員は、建設中の宇宙監視レーダーの任務について、これまで、宇宙ごみの除去としか説明してこなかったが、中国やロシアのキラー衛星の監視や米軍の宇宙軍に情報を提供することも任務に含まれると説明しました。県は、防衛省から宇宙監視レーダーの役割について、どのような説明を受けていますか、山陽小野田市議会議員連絡会で防衛省はどのような説明を行ったのか照会すべきですが、お尋ねしたいと思います。防衛省は、山陽小野田市の照会に対して、レーダーの設計が完了し、シミュレーションを行って、運用開始前に安全確認をした後に、改めて説明会を開催したいと説明しています。レーダーの任務の重大な変更が明らかになった今、県は、防衛省に住民説明会の早期開催を求めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。」
この質問に内海総務部長は次のように答えました。
「まず、国からレーダーの役割について、県は、どのような説明を受けたのか、また、山陽小野田市議会議員連絡会で国がどのような説明を行ったのか照会すべきとのお尋ねです。宇宙監視レーダーの役割については、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみや衛星の状況を監視するものと国から説明を受けています。また、国の山陽小野田市議会議員連絡会での説明に先立ち、事前にその内容について説明を受けていることから、県として、国に対し、改めて照会する考えはありません。次に、レーダーの任務に重大な変更があり、国に対し、住民説明会の早期開催を求めるべきとのお尋ねです。宇宙監視レーダーについては、衛星の監視等についても、当初より国資料において言及されており、その任務に変更があったものとは考えておりません。また、地元への説明については、国から、現在のレーダーの設計が終了しなければ、運用や影響などについて、具体的な説明ができないことから、レーダーの設計を終えた後に地元に対し、説明を行う旨聞いているところです。県としては、国の責任において、地元に対し丁寧に説明していただきたいと考えており、今後、山陽小野田市から要請があれば、連携して対応していくこととしております。」
2月7日付山口民報で、山田伸幸山陽小野田市議は「山陽小野田市埴生地区に建設が進めらている宇宙監視レーダーをめぐり、今年早々にも設計書が仕上がってくるとみられており、その内容が注目されます。」と述べています。
防衛省は、レーダーの設計書が仕上がったのなら、早急に、山口県や山陽小野田市と協議し、地元説明会の開催の協議を開始すべきです。
防衛省は、住民説明会の中で、宇宙監視レーダーが米軍の「宇宙軍」への情報提供を行う任務を担っていることやレーダーの住民生活に与える影響などについて説明すべきです。
改めて、山陽小野田市埴生地区に建設が進む宇宙監視レーダーについて皆さんのご意見をお聞かせ下さい。