政府が今日にも東電福島第1原発の汚染水海洋放出の意向を決定しようとしています。
この問題に関し、4月11日、原子力市民委員会が次のような緊急声明を発出したので紹介します。
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2021年4月11日
福島第一原発のALPS(多核種除去設備)処理汚染水
海洋放出問題についての緊急声明
原子力市民委員会
座 長: 大島 堅一
座長代理: 満田 夏花
原子力規制部会長:後藤 政志
福島第一原発のALPS(多核種除去設備)処理汚染水について、政府は4月13日にも、海洋放出による処分を決定すると報道されている。
原子力市民委員会は、以前より汚染水は海洋放出すべきではなく、堅牢な大型タンクによる陸上保管の継続か、モルタル固化による処分を選択すべきであると提言してきた。その後、政府および東京電力は、私たちが指摘してきた問題点を考慮することもなく、また、私たちが提案してきた有効な代替案を具体的に検討することもなく、海洋放出を決定しようとしている。このことについて、原子力市民委員会は強く抗議する。
今回、汚染水海洋放出を決定しようとしていることには、さしあたって次の5つの問題を指摘する。
1.社会的な合意形成の手続きが踏まれていない
ALPS小委員会の「海洋放出が現実的」とする報告書が公開されて以降、一般市民が意見を言えるような公聴会は開催されておらず、政府が「関係団体」として指定した団体の代表42人の意見が聴取されたのみである(しかも42人中、41人が男性である)。パブリック・コメントは集められたものの、きわめて形式的な手続きにとどまり、一般から提起された懸念や提案された代替案については、何ら議論されていない。
2.トリチウムは放射性物質であり、環境への放出は厳に避けるべきである
政府は、トリチウムの環境や生体への影響を軽視しているが、トリチウムの有害性を指摘する研究報告は少なからずある。各国でのトリチウムの規制値にも幅があるが、その規制値は、原子力施設の稼働を前提としたものであり、それ以下であれば安全性が確認された値と理解するべきではない。
政府は、トリチウムの年間放出量を22兆ベクレル以下にするとしている。しかし、これは、福島第一原発における事故前の放出管理目標値(上限)であり、実際の放出実績は、年間約2兆ベクレルであった。つまり、福島原発事故前に、発電にともなって放出していたトリチウムの10倍の量を、放出し続けようとしているのである。
政府および東京電力には、福島原発事故によって、大量の放射能を環境に放出した責任がある。その上で、現状はタンクで保管されている放射性物質を環境中に意図的に追加放出し、再汚染をもたらすこと自体、断じて許されない。
なお、東京電力は、処理水を海水で薄めて、トリチウムの濃度を1,500ベクレル/L以下にするとしている。これは、地下水バイパスからの排水の運用基準と同様である。これをあたかも、トリチウムの排出基準である6万ベクレル/Lの40分の1であるというような言説が流布されている。しかし、これは完全にミスリーディングである。
1,500ベクレル/Lとするのは、規制基準の40分の1にするのではなく、規制上満たさなければならない要求である。地下水バイパス・サブドレンからの排水の運用を決める際、福島第一原発の敷地内には、排水以外に考慮すべき放射線源があり、敷地境界線上1mSv/年という法令を遵守するためには、排水に割り当てられるのはその約2割とされた。その上、排水中に含まれるストロンチウム90などの放射性物質の存在を考慮すると、トリチウムに割り当てられるのは1,500Bq/Lとされた。これが1,500ベクレル/Lとする経緯である。こうした経緯について、経産省、原子力規制庁、東京電力は国民に正しく説明すべきである。
3.海洋放出を決定しても、数十年におよぶ長期間のタンク保管は避けられない
大量の汚染水タンクの存在が風評被害の要因であるとの指摘や、タンク保管の長期化にともなう老朽化や災害時の漏洩リスクなどが、早期の海洋放出決定への口実とされている。しかし、政府の計画に基づいて海洋放出をするとしても、汚染水(現時点でのトリチウム総量856兆ベクレル)の全量を放出するまでに40年の期間を要する。その間、タンクによる長期保管は不可避であり、汚染水タンクの耐久性、耐震設計、維持管理等の問題が、海洋放出によっては解消されない。
4.汚染水対策を含む「廃炉」方針および工程の技術的な見直しが不可欠である
汚染水が増え続け、タンクを増設する敷地が足りないことが海洋放出の理由とされている。しかしそれは事実ではない。私たちは次のように、現実に実行可能な技術的代替策について、これまで繰り返し提言してきた。
・汚染水については、堅牢な大型タンクによる保管継続か、モルタル固化処分が現実的かつ合理的である。政府は大型タンクからの漏洩リスクについて指摘しているものの、石油備蓄タンクなどの設置・運用実績から、十分な信頼性がある。
・デブリの取出しを前提として、そのための敷地を確保することが、タンクを増設できない理由とされている。しかし、デブリの取出しは技術的にも費用的にまったく見通しが立っておらず、無理にすすめるべきではない。
・汚染水の増加を防ぐためには、デブリの空冷化を早期に実現すべきである。
・デブリを含む事故炉を「外構シールド」で覆い、放射能の拡散を防ぐ「長期遮蔽管理」に移行すべきである。
一方、2月13日に発生した福島県沖を震源とする地震により、汚染水タンクが横ずれし、配管が損傷した事故から、そもそも汚染水タンクを基礎に固定していなかったことが発覚した。これは、この規模のタンクの施工事例からは考えられない設計・施工ミスであり、これを正当化している東京電力や、問題視していない政府、原子力規制委員会の基本的な技術力を疑わざるを得ない。
福島第一原発の後始末が長期にわたることは間違いない。現存する汚染水を、堅牢かつ十分な耐震設計の施された大型タンクに移送するような対策は、当面の応急措置としても不可欠である。
5.復興を妨げている最大の要因は、政府および東京電力への不信である
本来は別の問題である「復興」と「廃炉」の「両立」を強調する政府の主張は、廃炉の困難さを指摘する主張を、「復興を妨害する」ものとして切り捨て、自らの責任を他者に転嫁している。
関係者との意見交換、パブリック・コメントでの多数の反対・慎重意見を無視して、海洋放出を正当化する根拠として「復興」を掲げることは、現場で日々復興のために従事してきた漁業関係者、関連事業者を含む市民の地道な営みに対する暴挙であると言わざるを得ない。
政府・東京電力は、問題を「風評」に矮小化し、魚介類や農産物の安全PRや、販路拡大の支援などで対処しようとしている。根本的な問題は、これまでの政府や東京電力の情報公開や説明が不正確かつ不誠実であったことにある。
信頼の回復には、現実的かつ技術的な裏付けのある政策を、十分な情報とともに示し、理解を得る努力が不可欠である。しかしながら、政府および東京電力のこの間の対応には、その全てが欠けている。
このような状況での海洋放出決定は誤りである。誤った政策であっても、いったん決定されれば変更しない/できないのが日本の原子力政策の特徴である。ALPS処理汚染水海洋放出は行うべきではないし、国民からも到底受け入れられないであろう。
以上
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韓国や中国からも懸念の声が出されています。福島第一原発の汚染水の海洋放出を国民の運動でストップさせましょう。
この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
重松清原作のNHKドラマ「きよしこ」を観ました。
重松清原作のNHKドラマと言えば「とんび」を思い起こします。
重松清=NHK=感涙の流れの中で「きよしこ」を見ました。
原作の文庫版の解説であさのあつこさんがこの作品をこう評しています。
「『きよしこ』は物静かな作品だ。吃音の少年が少年と呼ばれる時期をどう生きたかが、淡々と実に淡々と書き綴られているだけなのだ。凄まじい戦いがあるわけではない、殺人があるわけではない、華やかな恋愛騒動も深まる謎もない。英雄譚でもピカレスク小説でもない。強いて言えば人間の物語なのだと思う。」
この作品を的確に表した名解説です。
3月22日、しんぶん赤旗「日刊紙」の潮流でこの作品が次のように取り上げられました。
「人にやさしいドラマでした。重松清さんの小説を原作にした「きよしこ」。吃音(きつおん)を抱えながら、誰かとつながり合って成長していく少年の姿を温かく描きました。大切なことを伝えるために▼生きづらさに悩む人たちを励ましてきた重松さん。かつて小池晃さんとの対談で国民の生存権を保障する憲法25条の「健康で文化的な」生活の意味を語っていました。自分の居場所や安らげる場所があり、安らげる人間関係がある。そういうのを全部含めて「健康」だと▼コロナ禍で女性の自殺が急増―。去年の自殺者は2万1000人をこえ、リーマン・ショック直後の2009年以来の増加に転じました。とくに女性は前年比で15%増と深刻で、高校生までの子どもの自殺も過去最悪となっています▼ウイルス拡大による経済活動や日常生活へのしわ寄せ。それが女性や若い世代に大きく影響していると専門家は指摘します。非正規で仕事を失い、貧困や孤立、絶望にあえぐ状況はひろがっています▼渦巻く不安のなかで、政府はすべての緊急事態宣言を解きました。これまでの対策を反省し、封じ込めの手だてを打つつもりはあるのか。気のゆるみや自粛といった国民に責任を押しつけることばかりでは…▼うつろな表情で原稿を棒読みするだけの菅首相。「(マスクなんて)いつまでやるの」と記者に食ってかかる麻生副総理。こんな面々に、重松さんの小説のような人を独りぼっちにさせない世をつくることはできません。命を守る政治をともに早く。」
重松清さんの作品に触れて、「命を守る政治をともに早く」の思いを強くしました。
インターネットで重松清さんを検索していると、2022年公開予定で、映画「とんび」が製作されているとの情報に触れました。
阿部寛さんが主演とあります。映画「とんび」で、また泣きたいと思います。
帚木蓬生さんは、私が敬愛する作家の一人です。
今、帚木さんのオウム真理教による一連に事件を追った最新著「沙林 偽りの王国」を読んでいます。
帚木さんは、「後記」でこの作品の意図について次のように書いています。
「事件当時、多くのメディアが事件をつぶさに追い、膨大な裁判でも個々の事件が長期にわたって裁かれた。これによって事件はすべて明るみに出されたような錯覚を与える。事実はそうではなく、メディアにも裁判にも欠けていたのは、犯罪の全体像である。さらに、高学歴の連中が何故いとも簡単に洗脳され、やみくもに殺人兵器を作製したかについては、何ひとつ解明されていない。」
「高学歴の連中が何故いとも簡単に洗脳され、やみくもに殺人兵器を作製したかについて」本文にこのような件があります。
「文系の研究者がそうであるように、理系の研究者たちも、進まなければならない先が長い。頂点にのぼりつめるのには、10年20年、30年とかかる。教団の中では、教祖のいいなりになっている限り、文字どおりトントン拍子に出世する。しかもふんだんに資金があるので、専門分野でやりたいことがあれば、教祖の目論見の範囲内で、何でも思いどおりにやれる。となれば、彼らにとって、教団は別天地であったはずだ。倫理観などはその過程でどんどん薄くなっていく。教団の『敵』のためには力を惜しまなくなる。そうした強力な流れを固定してしまえば、途中で抜け出すのはもはや不可能だ。教祖は抜け出そうとする人物を、配下の別動隊である『武闘派』を使っていつ何どきでも抹消できる。こうなると教祖が定めた道をまい進するしかない。科学者の悲劇だ。」
昨日、毎日新聞に帚木さんが、本著について語るインタビュー記事が掲載されました。
この中で帚木さんは、本著について「自らの経験と知識をフル回転させて完成した」と語っています。帚木さんの精神科医としての知識と作家としての経験が相まって、オウム犯罪の全体像に肉薄したのが本作だと思います。
帚木さんのインタビューの中で、上村里花記者は、次のように書いています。
「物語の横糸として、毒ガスをはじめた化学兵器の歴史が第一次大戦までさかのぼって語られる。そこでは目的のためにはどこまでも残酷になれる人間の本性があらわとなる。日中戦争での旧日本軍731部隊の毒ガス・生物兵器の開発と人体実験もたびたび言及される。生き残った731部隊員の戦後の華麗な経歴には驚きを禁じ得ない。オウム事件どころか、戦争の総括すらできない日本社会の現状を突きつけられる。」
本文のこのような件があります。
「オウム真理教の『化学班』の連中は、遅かれ早かれ捕縛され、断罪されるだろう。それは間違いない。しかし731部隊はそうではなかった。反対に、敗戦後も華々しい経歴で生き延びた。それを思うと、日本は果たしてこれでよかったのかと、疑念にかられると同時に戦慄を禁じ得ない。」
731部隊員は戦後、学士院会員や日本医師会長を務めた人物までいました。まさに戦慄を禁じえません。
インタビュー記事に副題である「偽りの王国」の意味は当然オウム真理教をさしますが、加えて、帚木さんはこう述べています。
「オウムの犯罪を防げなかった警察組織と、松本サリン事件で被害者を『犯人』にしてしまったマスコミも意味する。」
帚木さんは、現在の日本の姿をも「偽りの王国」と問いかけているのではないかと思います。そのことは、本書「後記」での帚木さんが現代の日本について次のように書いている文書に現れています。
「記録の改竄と廃棄を宗とする国策が続く」
インタビューで、帚木さんは本書を次のように述べています。
「誰かが総合的、ふかん的に総括しなければならないと思った。これが『紙碑』です」
帚木さんの現代社会に向けられた「紙碑」である本書をしっかり読み進めていこうと思います。
これからも帚木さんからしっかり学んでいこうと思います。
帚木蓬生ファンの皆さん、感想をお聞かせください。
4月8日、山口市内の二人の県民の方が、柳居俊学議長に陳情書を提出しました。
陳情項目は以下の通りです。
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1、県議会議員の活動は、県民から付託された公務であり、県議会への登頂は、議長・副議長・議会運営委員長を含めて議員自身の責任で行うべきものです。議長・副議長・議会運営委員長について公用車による自宅送迎はやめ、他の県議と同様の扱いとすべきです。
2、議会に出席した県議会議員には、議長・副議長・議会運営委員長を含めて、「招請旅費」が支給されています。これは、県議会への登庁費用の公平な負担を目的としたものと思われます。
他方で、議長・副議長・議会運営委員長は、公用車による自宅送迎が行われています。従って、登庁費用は発生しません。
このような状況で議長・副議長・議会運営委員長に「招請旅費」を支給することは、公費の二重払いであり、直ちに是正すべきです。
3、山口県議会議員に支給されている「招請旅費」は、算出根拠が明らかでなく、交通費の「実費」と比較して非常に高いものになっています。
税金の適正な支出という観点からも、「招請旅費」の見直しをすべきです。
私たちの招集旅費の見直し案は、「山口県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例」の第三条(費用弁償)の4項を「議員が招集に応じて議会又は委員会に出席した場合における費用弁償の額は、別表第二『鉄道費』『車賃』『宿泊料』とする」と見直しべきだと考えます。
4、予算書の形式の改善を執行部に求めるべきです。
今回のセンチュリー購入につて、県議会では一切議論にならず、知事さえも昨年8月まで知らなかったと言われてきました。県議会の議員全員が知らなかったとは思いませんが、予算書を見ただけではわからなかった議員も多いと思います。私たちもわかりませんでした。今後の教訓として、予算書を見ただけで内容がわかる予算書の形式の改善を執行部に求めるべきです。
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この陳情内容を私も議員の一人として重く受け止めたいと思います。
柳居議長は、この陳情を議会改革検討協議会などの場での協議議題とするよう関係者に指示すべきだと思います。
県民の方から議会三役の登庁費用などに関する陳情書が県議会議長に提出されました。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
3月28日、村岡知事が記者会見を行い、「高齢者施設における感染拡大防止を図る観点から、県内の高齢者施設等の従事者にやいして、症状の有無に関わらず、一斉PCR検査を実施して、感染の未然防止、そして早期発見に努めてまいります。」と述べました。
3月29日、朝日新聞は、高齢者施設での検査内容について次のように報じました。
「県は、4月~6月に県内6市にある高齢者施設と療養病床をもつ病院などの職員を対象に、重点的にPCR検査をすると発表した。検査は岩国、周南、山口、宇部、山陽小野田、下関の6市約460施設が対象。職員約2万2千人の1回分の検査費用を県が負担する」
厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、3月22日、都道府県に「4月以降の高齢者施設等の検査について(要請)」を行い「4月から6月までを目途とする、新たな感染多数地域における高齢者施設等の従業者等の検査の集中的実施計画(新集中的実施計画)の策定及び実施」を要請しました。
厚労省は、都道府県の「新集中的実施計画」を3月29日までに策定することを求めています。
山口県が厚労省の要請を受け策定した「山口県の新集中的実施計画」は次の通りです。
◆対象地域
〇6市(感染拡大地域=これまでに感染者の累計が100人以上で、かつクラスターが発生した市)岩国市、周南市、山口市、宇部市、山陽小野田市、下関市
〇6市以外の市町
◆対象施設種別
〇介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症グループホーム、介護療養型医療施設、介護医療院)
〇障害者施設(障害者支援施設〈入所施設〉、共同生活支援事業所、自立訓練事業所〈宿泊型〉、福祉型障害児入所施設、医療が他障害児入所施設
〇医療機関(精神科入院医療機関、療養型入院医療機関)
◆対象者
〇施設従業者(施設に勤務する事務職員、給食職員、運転職員などを含む)
◆検査方法
〇だ液採取によるPCR検査(プール法含む)(民間検査機関を活用予定〈業務委託〉)
◆実施区分
〇対象地域の6市に所在する施設は感染拡大地域としての位置づけであるため行政検査とし、6市以外の市町に所在する施設は、独自の事業とする。
◆集中的実施計画期間
〇令和3年4月1日~6月30日
◆検査の頻度
〇計画期間中1施設あたり、1回
※対象施設数(予定)は、合計454、うち高齢者施設288、うち障害者施設101、うち医療機関65
以上が、山口県の新集中的実施計画です。
朝日新聞の報道の中身は、山口県の新集中的実施計画と符合します。
454の対象施設の職員数が約2万2千人になるということでしょう。
山口県が、厚労省の要請を受け、6月までに、感染拡大地域である6市内の高齢者施設等の従業員にPCR検査を実施することは、評価します。
その上で、「6市以外の市町に所在する施設は、独自の事業とする」としている点についてです。
施設独自の事業とせず、国や県や市町の補助を行い、行政検査として実施することを検討すべきだと思います。
今月から県内6市の高齢者施設等で施設従事者を対象にPCR検査が実施されます。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
4月5日、原子力市民委員会のオンライン企画「原発ゼロ社会への道」第三回を視聴しました。
メイン弁士は、原子力市民委員会原子力規制部会の筒井哲郎さんでした。
演題は「燃料デブリ『長期遮蔽管理』の提言ー現実性のない取出し方針からの転換ー」でした。
東京電力廃炉汚染水対策チーム事務局は、2019年に「福島第一原子力発電所の廃炉に向けた中長期ロードマップ改定案」を示し、今年12月から燃料デブリの取出しを始めるとしています。
東京電力の「2019年度の連結業績予想」によると、デブリ取出しに着手するための支出は1兆3700億円です。また、東京電力は、燃料デブリの取出しが10年後の2031年末には終わらないことを明らかにしています。
筒井さんは、次の点からデブリ取出しは困難だと指摘します。
①デブリはコンクリート層や鋼構造材と融合しているものが多く、全量を取り出せない。
②デブリを取り出したら核物質管理に関する査察を受けなければならない。微細な量まで管理できない。
③格納容器は80㏜/hの放射能が観測されている。200年後でも1.6㏜/hでとうてい人が近づけない
④本来アクチノイド核種はグローブボックスやホットセルの中でマニュピュレータを使って扱う。内部被ばく管理を厳格に行わなければならない。そのように厳しい作業は現実的に無理である。
筒井さんは、燃料デブリの長期遮蔽管理を次のように提案しました。
①デブリ空冷化で汚染水増加を止められる。
②今、デブリの取出しを急ぐことは、サイト内に不安要因を作り出す結果になる。
③私たちの検討結果は、デブリを原位置で数百年の長期にわたって遮蔽管理を継続することが、最も安全で信頼性が高く、経済的な方法であることを示している。
原子力市民委員会原子力規制部会は、4月5日発行で「燃料デブリの『長期遮蔽管理』の提言ー実効性のない取出し方針からの転換ー」とする特別レポートをまとめました。
原子力市民委員会のウエブサイトに、この特別レポートがアップされています。詳しくは、このレポートを参照してください。
この学習会で、原発事故が発生した原子炉の今の実態を深く理解することができました。
原子炉は、過酷事故が起きれば取り返しのつかない事態に陥ることを改めて学ぶことができました。
やはり、日本は、「原発ゼロ社会」を実現すべきです。
引き続き、原子力市民委員会の連続オンライン企画を学んでいきたいと思いました。
山口県に上関原発を設置させないために、引き続き、学んでいきたいと思います。
原子力市民委員会のオンライン企画を視聴した皆さんのご意見をお聞かせ下さい。