12月9日、11月県議会文教警察委員会が行われ、教育委員会に関する質疑が行われました。
文教警察委員会の様子(右奥端が私)
私が行った質疑の内、その主なものを紹介します。
岡田県学事文書課長は、報告事項で、山口県立大学附属高校の設置について報告しました。
県立周防大島高校を県立大学附属高校とする計画は、26年春開校に向けて取り組まれています。
私は、「教職員の体制についてどのような検討が行われているのか」質しました。
岡田課長は、「県立大学は、プロパー職員で対応することは考えていないようだが、教職員の体制について、現在、県教育委員会と大学で協議中である。現時点で、示せるものはない」と答えました。
県教委の窓口となる安武教職員課長は「県立大学と協議を行っている所であり、現時点で、示せるものはない」と答えました。
一般会計補正予算に、債務負担行為として、「山口県公立学校教員採用候補者選考試験の問題作成に係る業務委託の年度を超える事業を一括契約すること」として、1千546万円余が計上されています。
これは、教員採用試験を今年度7月だったものを5月に早期化するためのものです。
私は、「今年度の教員採用試験の合格者数と辞退者数は」と質しました。
安武課長は「合格者が405名で、辞退者は24人だ」と答えました。
高知県教委は、今年実施された教員採用試験で小学校教諭の合格者の7割以上が辞退したと発表しました。
私は、「採用試験の早期化で、辞退者を最小にするための努力をどう行うのか」と質しました。
安武課長は「高知県の辞退者が多い状況は、試験の早期化だけの問題ではないと考える。山口県で教員になりたいという魅力を受験者に示すことが大切だと考える」と答えました。
同じく債務負担行為に、総合支援学校の「通学用バスの運行に係る業務委託の年度を越える事業を一括契約すること」として、8億3814万円余が計上されています。
これは、運転士の確保など、事業者の準備期間を確保するため、契約手続きを前倒しするためのものです。
総合支援学校の通学バスについては、運行時間が60分以上の路線が、岩国総合支援学校で2路線、田布施総合支援学校で3路線、徳山総合支援学校で3路線、防府総合支援学校で2路線、山口総合支援学校で1路線、宇部総合支援学校で5路線、下関総合支援学校で5路線、萩総合支援学校で3路線、合計27路線あります。
私は、「通学バスの検討の中で、60分以上の路線をどう改善するのかという視点を含めるべきだ」と質しました。
岡崎特別支援教育推進室長は、「債務負担行為とは別に60分以上の路線の見直しについても引き続き取り組んでいく」と答えました。
次に、寄宿舎についてです。
学校教育法第79条2項に「寄宿舎における幼児、児童又は生徒の日常生活上の世話及び生活指導に従事する」と規定されています。
「生活指導」とは、子どもを一方的に「教育される存在」と位置づけるのではなく、自分の人生の主体者として位置づけることも目的とすべきです。
文科省は、寄宿舎について「生活基盤を整え、自立し社会参加する力を養う貴重な場」としています。
過去の「山口県特別支援教育ビジョン実行計画」は、寄宿舎はについて「遠隔地に居住する通学が困難な児童生徒の通学の利便性を図るため」のものと位置付けています。
私は、「寄宿舎について、文科省の位置づけをどう評価しているのか」と答えました。
岡崎室長は、「県教委も文科省と同じく、寄宿舎は、通学が困難な児童生徒のために設置が必要なものと認識している」と答えました。
私の本会議での質問に、副教育長は、寄宿舎の入居に対する合理的配慮について「配慮が必要な児童生徒が入舎する際、段差解消」を行うと答えました。
宇部総合支援学校の寄宿舎は、1階が男子、2階が女子です。現在、女子の入居はありません。私は、「肢体不自由との重複のある女子が入居する場合、エレベーターを設置するのか」と質しました。
山田学校運営施設整備室次長は「その場合、1階と2階の部屋割りを考えるなど対応を検討する」と答えました。
私の本会議での質問に、副教育長が、「寄宿舎の建て替えについて考えていない」と答えました。
私は、「この答弁こそ『合理的配慮』に欠けるものだ。このまま寄宿舎の建て替え計画を持たないまま推移すれば、老朽化が理由で寄宿舎が閉鎖されかねない」と質しました。
山田室次長は「学校からの要望を踏まえ、必要に応じて寄宿舎の修繕や改修を行っていく」と答えました。
次は、定員内不合格についてです。
私は、「過去3年の定員内不合格の数」を質しました。
中野高校教育課長は「22年度が131人、23年度が111人、24年度が151人」と答えました。
文科省は、「令和5年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査」で、全国の定員内不合格者数を公表しています。
定員内不合格者数は、沖縄県は226人、福岡県は153人、高知県は130人、福島県は118人、次いで、山口県と愛媛県が111人です。山口県は、愛媛県と並んで定員内不合格者数が、全国で5番目に多い県です。ゼロが、北海道、埼玉県、東京都、神奈川、愛知県、滋賀県、大阪府、兵庫県、和歌山県の9都道府県。16都道府県が一桁以下です。
私は、この状況をどのように捉えているのか質しました。
中野課長は「引き続き、学校長に、定員内での不合格者を極力出さないよう、配意をお願いしたい」と答えました。
私は、小学校、中学校、高校、特別支援学校での5月1日、10月1日、11月1日の教員の未配置数を尋ねました。
林義務教育課長は「5月1日、小学校10人、中学校12人。10月1日、小学校24人、中学校16人。11月1日、小学校31人、中学校19人だ」と答えました。
安武教職員課長は「5月1日、高校4人、特別支援学校22人。10月1日、高校4人、特別支援学校25人。11月1日、高校3人、特別支援学校28人。だ」と答えました。
私は、「県内の学校で、81人の未配置教員が存在する。年度内に未配置を解消する努力をすべきだ」と質しました。
林課長は「臨時的任用教員の確保に努める」と答えました。
私は、「昨年度は、中学校2年・3年に38人学級になったが、新年度は、35人学級が維持できるのか」と質しました。
林課長は「新年度も、35人学級が維持できるよう教員の確保に努めたい」と答えました。
私は、12月5日に一般質問で登壇しました。
今日は、中小企業の賃上げのための支援策について報告します。
県は、中小企業の賃上げのために22年度から制度融資を実施しています。
私は、これまでの実績を質しました。
高林産業労働部長は「令和4年度に創設した県制度融資『賃金引上げ・価格転嫁支援資金』の実績は、10月末で31件、4億9300万円」と答えました。
県は、23年度から奨励金を実施しています。
私は、昨年度と今年度の実績を尋ねました。
高林部長は「昨年度実施した『賃上げ環境整備応援奨励金』の交付実績は444件であり、今年度実施している『初任給等引上げ応援奨励金』は、11月末時点で454件の交付決定を行っている」と答えました。
私は、「新年度も今年度と同様の制度融資と奨励金を実施すべき」と質しました。
高林部長は「来年度の制度融資及び奨励金の実施については、現時点で答えることはできない」と答えました。
中小企業の最賃引き上げと生産性向上を一体で実施するのが、国の業務改善助成金です。11月12日時点で、国の助成金が支給された県内の事業者は17件です。石川県は、業務改善助成金を受けた後の会社負担額の半分を負担する県の奨励金を実施しています。
私は、「国の業務改善助成金の会社負担を補助する制度を創設すべき」と質しました。
高林部長は「国の業務改善助成金の事業者負担に係る県の補助制度の創設は考えていないが、県では、本年度、奨励金の支給により若年層の賃上げを支援するとともに、デジタル化の段階に応じた補助制度等により、生産性向上を図っている」と答えました。
岩手県は、中小企業の賃上げを支援する制度を来年度継続することを明らかにしています。
福島県は、時給930円未満の従業員の賃金を980円以上に引き上げた中小企業等を対象に、一時金を支給する制度を創設しました。
私は、「山口県が、中小企業賃上げ支援のための今年度の事業を継続することは最低限の責務だ」と質しました。
高林部長は「来年度の事業の実施の有無については、現時点で答えることはできない」と答えました。
私は、12月5日、一般質問で登壇しました。
今日は、防災対策に関し、落橋等防止性能がない橋りょう対策について報告します。
10月23日、会計検査院は、6事業主体が管理する354橋で、緊急輸送道路の橋で落橋等防止性能が確保されていないと、国交省に意見表明しました。県内では、48橋の落橋等防止性能が確保されていません。
国交省は、会計検査院の意見表示を受け、自治体などに「落橋等防止性能の対策が未了の橋りょうがある場合は、これを優先する」よう整備方針を示しました。
私は「県は、新年度からどのように対策を講じていこうとしているのか」質しました。
「県では、緊急輸送道路上の橋りょうや離島架橋などで耐震化を進めています。このうち、緊急輸送道路上の橋りょうや離島架橋などで耐震化を進めています。このうち、緊急輸送道路上の橋りょうにおいて、『落橋等防止性能』の有無に加え、迂回路がないなど、路線の特性等を考慮した上で、耐震強化を実施する橋りょうの優先順位を定め、『速やかな機能回復性能』の確保に取り組んでいるところです。こうした中、先般、会計検査院から国に対し、『緊急輸送道路にある橋りょうの耐震補強の効率的な実施等について』の意見が表示されたことを受け、国から自治体などへ、『落橋等防止性能の対策が未了の橋りょうがある場合は、当該橋りょうを優先する』という整備方針が示されたところです。県としては、国から示された整備方針も踏まえ、引き続き、県民の安心・安全の確保に向け、橋りょうの耐震化を適切かつ計画的に進めてまいります。」と答えました。
KRY山口放送は、5日、私が一般質問で取り上げた、PFAS含有泡消火薬剤について次のように報じました。
「泡消火剤などに含まれ、一部で有害性が指摘されている有機フッ素化合物、PFAS。山口県議会で県内の消防や空港などでおよそ1万1000㍑あることが示されました。これは5日の県議会一般質問で各施設にある有機フッ素化合物の総称、PFASの中でも代表的なPFOSを含む消火剤の量を県が示したものです。(山口県総務部長)『消防機関では5700㍑、自衛隊関連施設では1920㍑の在庫があるとされています。』(山口県土木部長)『山口宇部空港では、PFOS等を含まない泡消火剤への交換をすでに完了しており、現在、処分予定の3700㍑のPFOS含有泡消火剤を保管しています。』消防では宇部・山陽小野田消防本部に5600㍑、美祢市消防本部に100㍑あり、いずれも交換予定ということです。また、自衛隊にも1920㍑あるとしましたが、施設ごとの内訳は不明ということです。なお、水道の水質検査では阿武町など未実施を除けばすべて国の暫定目標値を下回っているということです。県内での定期的なPFAS調査は国と県により行われていましたが、いずれも基準値を下回っていたため2021年以降行われていません。ただ、岩国基地周辺に関しては岩国市が独自の調査を実施していて、県も来年度に向けて調査の必要性を検討しているとしました。」
昨日、自民党の山手議員の質問に、環境生活部長は、「県では、PFOS等の前回調査から一定期間経過していることもあり、国の検討結果を待つことなく、来年度、県下全域を対象に、河川、海域、地下水での調査を実施する方向で検討」すると答えました。
私の質問と、山手議員の質問で、県内でのPFASの実態や今後の調査の内容が明らかになりました。
引き続き、PFASの問題について議会で取り上げていきたいと思います。
皆さんのご意見や情報をお寄せください。
私は、昨日、一般質問で登壇しました。
昨日、一般質問で登壇しました。
今日から、随時、質問した内容と答弁を紹介します。
今日は、新年度予算編成に向けての諸課題の内、防災対策の強化(避難所の環境整備)について報告します。
能登半島地震などを受け、政府は、地方創生交付金を増額し、災害時に設置する避難所の環境改善に向けた取り組みを強化する方針を明らかにしました。
急がれる一つは、避難所になる施設のトイレの洋式化と洋式・水洗タイプの災害用トイレの確保です。
県立学校体育館の洋式便器率は、今年度54.7%に留まっています。
大阪府は、今年度予算に、洋式・水洗タイプの組み立て式災害用トイレ500基と『トイレ・トレーラー』1台を購入する費用を計上しています。
私は、新年度予算において、避難所となっている県立学校の体育館のトイレの洋式化と、災害用トイレを確保すべきと質しました。
県立学校体育館のトイレについて、根ヶ山副教育長は「各学校の要望を踏まえながら、順次、整備している」と答えました。
災害用トイレの確保について、佐藤総務部長は、「県では『避難所運営マニュアル策定のための基本指針』を策定し、避難所の衛生環境を保つため、災害用トイレの十分な確保や、高齢者等に配慮した多目的トイレの確保を市町に対して求めているところだ。避難所の運営については、市町が地域の実情等を踏まえながら、主体的に行うものであり、災害用トイレの確保についても、各市町において適切に検討されるべきものと考えている。なお、先般示された国の総合経済対策において、『避難所環境の抜本的改善』に取り組むこととされていることから、県としては、こうした国の動向も注視してまいる。」と答えました。
日本トイレ研究所が行った地方公共団体における災害時のトイレ対策に関するアンケートに対して、山口県はトイレ対策の全体統括責任者を決めていないと回答しています。この調査結果によると、全国44.6%の自治体が責任者を決めています。
今後避難所運営に係る各種指針の見直し作業を進めると、本会議で答弁されています。
私は、「トイレ対策の全体統括責任者を山口県も決めるべきだ」と質しました。
佐藤総務部長は「トイレの確保を含む、避難者の生活環境の改善については、避難所の運営主体である市町において適切に検討されるべきものと考えている」と答えました。
次に、避難所のエアコン設置についてです。
愛知県は、今年度から、福井県は新年度から避難所となる県立学校体育館にエアコンを設置する予算を計上すると報じられています。
文科省が9月30日に公表した「公立学校施設における空調(冷房)施設の設置状況調査」によると、体育館等の設置率は県立学校は38.7%、特別支援学校は85.7%でした。
私は、この内、スポットクーラーを除くエアコンの設置率を求めました。
根ケ山副教育長は「県立学校が1.6%、特別支援学校が0.7%」と答えました。
私は、「新年度において、避難所となっている県立学校の体育館にエアコン設置を進めるべき」だと質しました。
根ケ山副教育長は「エアコンについては、建物の断熱性が必要であり、整備に多額の費用を要することから、スポットクーラー等、持ち運び可能な空調機器の設置を基本に整備しているところだ」と答えました。
昨日、参議院の代表質問で日本共産党の小池晃書記局長が長生炭鉱犠牲者の遺骨収集を政府に迫りました。
今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、この内容を次のように報じました。
「日本共産党の小池晃書記局長は4日、参議院本会議の代表質問で、1942年に山口県宇部市の長生炭鉱で起きた水没事故をめぐり、犠牲者に朝鮮半島から強制連行された136人も含まれているとして、遺骨の発掘調査を始めるよう政府に求めました。小池氏は、戦時中の民間徴用者の遺骨返還について、2004年の日韓首脳会談で、当時の小泉純一郎首相が『何ができるか真剣に検討する』と応じた一方、政府は、長生炭鉱の遺骨の埋没位置は不明のため、発掘は困難だと答弁してきたことをあげました。市民団体が募金を集め、炭鉱の入り口を掘り出し、10月にはダイバーが坑道内の潜水調査を実施したと述べ、『82年もの間、冷たい海底に眠る遺骨を可能な限り速やかに、遺族のもとに届け、尊厳の回復を図るべきだ』と求めました。石破茂首相は、『現時点では遺骨発掘を実施することは困難』と答弁。一方、国内に存在する旧朝鮮半島出身労働者の遺骨について、遺族が返還を希望する場合は『可能な限り返還するのが望ましい』として、『引き続き、人道的観点から対応を検討する』と述べました。」
私は、昨日の議会終了後、参議院のインターネット中継で、小池書記局長の質問と石破首相の答弁を視聴しました。
私は、10月18日、小池書記局長が、宇部市内で街頭宣伝を行った後、飛行機に搭乗するまでの間という時間でしたが、長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会が市民に募金を集め、入り口が開いたばかりの長生炭鉱の坑口付近を案内しました。
小池晃書記局長と開いたばかりの長生炭鉱の坑口を見学しました。
その後、訪れた追悼ひろばでは、韓国の学者・研究者の方々と合流し、小池書記局長に、参加者たちは「遺骨収集のため日本政府が努力するよう論戦を行ってほしい」と激励を受けました。
この時の視察が、今度の質問に繋がったと感激しながら質問を聴いていました。
石破首相の発言の前半は従来のものでしたが、旧朝鮮半島出身労働者の遺骨について、遺族が返還を希望する場合は「可能な限り返還するのが望ましい」とする答弁は、前向きなものと受け止めました。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会は、来年1月末に、10月に坑口から初めて潜水調査を行った、ダイバーの伊佐治さんによる再びの潜水調査を行うことを計画しています。
政府は、遺骨が発見されたら、遺族に返還するのが望ましいという傍観的立場ではなく、自ら遺骨収集に尽力する姿勢を取るべきです。
地元、宇部市の刻む会の運営委員の一人として、県議会議員として、小池書記局長をはじめとする遺骨発掘を政府に求める国会議員の皆さんと連帯して、遺族への遺骨返還を実現していきたいと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。