月別アーカイブ:2023年2月

3年ぶりに韓国から遺族招き長生炭鉱水没事故犠牲者追悼集会行われる

  2月4日、長生炭鉱水没事故81周年犠牲者追悼集会」が3年ぶりに韓国から遺族を招き行われました。最初に、犠牲者の姪の孫にあたる福岡在住のシンガーソングライターのハルナユさんが長生炭鉱水没事故をテーマにした「カヂマヨ」などを熱唱しました。
 長生炭鉱犠牲者大韓民国遺族会の楊玄会長は「ピーヤをむなしく通り過ぎる床波の風があまりにも冷たく感じられる今日、寒い日にも関わらず3年ぶりに参加できる追悼式を執り行ってくださる『歴史を刻む会』の方々や、同じ思いで参加されている皆様方に感謝を申し上げます」「遺骸発掘と奉還の問題は、原因の元である日本政府が当然解決しなければなりません。にもかかわらず、いまだに床波の冷たい海の底に放置されている遺骸があることは、どのような言い訳も通用しない卑怯な行為です。日本政府は一日も早く、過去の過ちに対して誠意を持った謝罪と共に、速やかに遺骸を発掘し、収集して、韓国の地に奉還してくださることを再度要求します」と挨拶しました。
 追悼集会には、日本共産党から藤本県議、河合前県議、時田宇部市議、浅田宇部市議が参加しました。仁比総平参議院議員、宮本徹衆議院議員のメッセージが紹介されました。
 犠牲者名が朗読される中、遺族が、朝鮮半島の追悼儀式であるチェサを捧げ、参加者が献花を行いました。

 献花を行う韓国の犠牲者遺族の方々と韓国総領事、高良参議院議員

 二部では、遺骨収取と返還に向けての市民交流集会が行われ、沖縄の風の高良参議院議員が挨拶を行いました。

「同志少女よ、敵を撃て」の読書感想文が文部科学大臣賞(高等学校の部)を受賞

 昨日の毎日新聞に、「第68回青少年読書感想文全国コンクールの入賞作品」が掲載されていました。
 その中に、高等学校の部で文部科学大臣賞を受賞した香川県立丸亀高2年の吉久萌花さんの「戦わない選択肢」に心を奪われました。
 吉久さんが読んだのは、昨年の本屋大賞作品でもある逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」です。私も関心を持って読んでいた作品なので、若い読者の感想に度肝を抜かれました。
 吉久さんは、「戦争の裏で起こる戦争犯罪など、それらを知識として知った上で漠然と思っていたこどだった。」とこれまでを振り返り、本書を読む中で「自分とほとんど年の変わらない少女セラフィマが見た戦争の世界を浴びて、疑似ではあるが戦争を体験し、その本当のむごたらしさを思い知ることとなった。」と書いています。
 吉久さんは、「少女たちがなぜ、戦地で銃の引き金を引くことができたのか」と問いかけ、「その手段が戦場でドイツ兵たちを射殺することだというのはあまりに悲しかった。」と書いています。
 吉久さんは、題名の「同志少女よ敵を撃て」の敵とは何かを考えます。吉久さんは、「私が思うに、本書における『敵』とは、戦争が持つ『悪意』だ。揺るぎない信念を持っていたはずのセラフィマの認識をねじ曲げる程の悪。」と書いています。
 吉久さんは、感想文を「戦争のリアルを知った今、殺す、戦う、そんな選択肢の無意味さに1秒でも早く多くの人が気付き、これ以上彼ら彼女らの戦争で命が散ることのないように祈る」と結んでいます。
 この作品を書いた逢坂冬馬さんは、本屋大賞を受賞したスピーチで「絶望することはやめます。戦争に反対し、平和構築のための努力をします」と述べました。
 吉久さんのような高校生が、本書を読んで「戦わない選択肢」を考えたことは、逢坂さんの想いが共有された証左だと思います。
 私も、「同志少女よ、敵を撃て」を読み直しながら、ロシアのウクライナ侵略の中止や、日本での大軍拡について考えていきたいと思います。
 吉久さんすばらしい感想文をありがとうございます。
 逢坂さんこれからも平和を構築していく作品に期待しています。
 「同志少女よ、敵を撃て」を読まれた皆さんの感想をお聞かせください。
 

国は骨太方針で不登校特例校を全都道府県で設置する方針 山口県にも設置すべき

 1日、読売新聞は、不登校の小中学生が過去最高になったことを受け、対策を強化する方針を示したと次のように報じました。
 「不登校の小中学生が過去最多となったことを受け、文部科学省は31日、不登校の総合的な対策に乗り出す方針を固めた。受け皿の『不登校特例校』を拡充し、兆候を早期に把握するなど未然防止にも力を入れる。長岡文科相は31日の閣議後の記者会見で『教育の根幹を揺るがす憂慮すべき課題だ』と述べ、対策を講じることを明らかにした。文科省は専門家らの意見を踏まえて検討を進め、今年度内に具体策を打ち出す予定だ。文科省によると、総合的な対策は①不登校特例校の設置促進②小中学生に一人1台配備された学習用端末を活用し、兆候を早期発見③子どもたちが安心して過ごせる学校環境づくりーが柱。4月に発足する『子ども家庭庁』とも連携する。不登校特例校は、子どもの実態に合わせて午後から授業を組むなど授業時間や学習内容を調整できる。同省は現在21校ある特例校を全都道府県・政令市で1校以上設置することを目指しており、将来的には300校に増やす考えだ。」

 22年4月現在、不登校特例校は、10都道府県の21校に設置されています。

 政府は昨年6月に策定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に、「不登校特例校の全都道府県等での設置」を明記しました。

 今後、文科省が示す不登校の総合的な対策方針を受け、山口県にも不登校特例校を早急に設置すべきです。

 不登校特例校の設置に向けて大いに発言していきたいと思います。

新生児のSCID、SMA検査18府県で実施 山口県は未実施

 1月30日付読売新聞は、新生児の難病検査に地域差があると次のように報じました。
 「早期発見すれば救命が可能になった二つの難病について、新生児の検査体制に地域差があることが、読売新聞の調査でわかった。どちらの検査も実施されていたのは18府県にとどまり、26都府県ではいずれも行われていなかった。医師や患者家族らは『検査を受ける機会の格差を解消すべきだ』として、国に全国一律の実施を求めている。調査は2022年11月~12月、全都道府県に書面で実施。原則すべての新生児に対し公費で行う新生児マススクリーニング検査と同時に、感染に対する抵抗力がない『重症複合免疫不全症』(SCID)と、全身の筋力が低下する『脊髄性筋萎縮症』(SMA)の検査が実施されているか、都道府県内の状況を尋ねた。同年11月現在で、SCIDとSMAの両方の検査が実施されているのは18府県で、3道県ではSCIDの検査のみが実施されていた。ただし、自治体が行う公費検査とは別の扱いで、地域の小児科医らの団体が実施主体となり、道府県の協力を得て、参加医療機関で進めていた。実施されていない自治体からは、『全国一律であることが望ましい』などの回答があった。二つの難病は、検査で早期発見できれば治療が可能で、子どもは健康に成長できる可能性が高い。SCIDは、生後1、2か月で感染症による極度の下痢や肺炎になり、1歳までになくなることが多い。造血幹細胞移植で治療できるが、病気だと気づかれないまま、ロタウイルスを弱毒化したワクチンを接種すると命に関わり、移植の成功率も下がる。このワクチンが20年10月に0歳児を対象に定期接種化されたために、日本小児科学会が国に公費での検査を求めている。SMAは、20年に遺伝子治療薬が承認され、発症予防や順調な発達につなげられるようになった。『SMA家族の会』は21年3月、全国での検査体制整備を、国に要望した。米国では、二つの難病を調べる検査が一般的に行われている。厚生労働省母子保健課は、『公費での検査に加えるか検討している。検査の精度や治療体制の検証を進めており、それを踏まえて判断したい』としている。新生児の検査に詳しい窪田満・国立成育医療研究センター総合診療部統括部長は『生まれた場所で、救命につながる検査が受けられるかどうかが決まってしまう。国は、この不平等を解消すべきだ』と指摘する。」

 健康福祉部に尋ねたところ「SCID、SMAについて、現時点、県として特段の予定はない」との回答でした。

 山口県内で、小児科医の先生方の音頭での実施なども含めて、SCID、SMAが行える体制が構築されることを願います。

 また、国の制度によって、SCID、SMAが行えることも急がれます。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

宇部西高校を存続させる会と高森みどり中学校の存続を求める会が県教委に公開質問状を提出

 今朝の読売新聞は、宇部西高校と高森みどり中学の生徒募集停止を巡り、両校の存続を求める会が、県教育委員会に公開質問状を発送したと次のように報じました。
 「県立高の再編計画を巡り、宇部市の『宇部西高校を存続させる会』と岩国市の『高森みどり中学校の存続を求める会』は31日、繁吉健志・県教育長宛てに、それぞれの2回目の公開質問状を一緒に郵送した。いずれも地域の声を聞かずに短期間で話を進めたとして理由をただす内容で、2月10日までの回答を求めている。させる会はこのほか、園芸など3学科に絞った高校といった対案はなかったのかや、農業関連施設の他校への移転費用を尋ねた。求める会は、県の地域振興担当部署との調整の有無や、県立中は今後つくらないのかを聞いた。宇部西高2977筆、高森みどり中329筆の追加署名も送った。これで、署名はそれぞれ2万511筆と1万280筆になった。させる会の岡本清代表(54)は『県教委は思いを受け止め、誠実な回答をしてほしい』、求める会の藤田正則会長(57)は『一緒に行動することで、県全体の問題だと訴えたい』と話した。」

 昨日、県教委に郵送された今日付けの宇部西高校を存続させる会の公開質問状は以下の通りです。

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令和5年(2023 年)2月1日

山口県教育委員会
教育長 繁吉 健志 様

宇部西高校を存続させる会
代表 岡本 清

山口県立宇部西高校の募集停止(素案)についての公開質問状

 山口県教育委員会におかれましては、山口県の教育行政の発展にご尽力のことと敬意を表します。
 さて、山口県教育委員会は令和4年(2022 年)12 月 23 日、「県立高校再編整備計画前期実施計画(2022 年度~2026 年度計画)」を(案)として策定いたしました。素案からほとんど修正もなく、山口県立宇部西高校を令和6年度(2024 年度)をめどに募集停止とする計画が打ち出されました。
 このことについて下記の通り公開質問しますので、ご多忙の中とは思いますが、2 月 10 日(必着)までに文書での回答を求めます。

1.山口県立宇部西高校の募集停止(素案)を発表され、「地域説明会やパブレックコメントなどの意見を伺い、地域住民の皆様にご理解をいただいた上で策定する」と説明されていましたが、提出した反対署名は17、534筆、地域説明会、パブリックコメントでの意見の多くは募集停止反対であるにも関わらず真逆な策定となりました。また、3回目の説明会を求めていた地域の意見も聞き入れられず、とても「地域の皆様にご理解をいただいた」とは思えません。地域の意見を一切聞かないで、これほどの短期間で進めなければいけない理由をお答え下さい。
2.最初の公開質問状で募集停止を急ぐ理由として、少子化を理由とし新しい時代に対応した学校づくりを積極的にすすめるため、とされていましたが、宇部地域で最も特色ある宇部西高校が、新しい学校づくりの中で社会を担う人材の育成を担う場としてふさわしくないと考えられ、廃校にすると決定するにいたった理由を具体的にお答えください。
3.宇部西高校は「総合学科としては、十分な生徒数が確保できず、満足な教育活動を行うことができない。」と説明会ではお答えされていましたが、園芸・造園・福祉の3つの学科の高校として再出発するなどの対案はなかったのでしょうか。また、この対案が実現できない理由は何でしょうか。
お答えください。
4.山口県立宇部西高校から山口農業高校に教育機能を継承するということですが、宇部西高校の農業関連の設備を移転する場合、どのくらいの予算が必要になるのでしょうか。概算でよいのでお答えください。また、福祉関係の教育機能を田部高校と厚狭高校が合併してできる新高校に継承すると説明会でお答えされましたが、同じように移転にどのくらいの予算が必要となるのか概算でよいのでお答えください。
5.宇部西高校を廃校にした場合、卒業証明書、成績証明書、単位取得証明書などの証明書類の発行や学籍に関する文書の保管はどこが管理し、誰が責任を持つのでしょうか。また、そのことを在校生、卒業生に周知させ、不利益を被らないようにするにはどのような方法を考えておられるのでしょうか。お答えください。
6.宇部西高校には彫刻家の田中米吉さんの「ドッキング(表面)No70」という学校で管理された現代彫刻の芸術作品がありますが、こちらは廃校とする場合は廃棄されるのでしょうか。それともどこかへ移設されるのでしょうか。お答えください。

以上

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 両会の公開質問状に対する県教委の回答を共有させていただき、2月県議会で、必要な発言を行っていきたいと思っています。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。