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日本 いまは忍耐の時

 19日付毎日新聞に、元内閣官房副長官補の柳沢協二さんが、北朝鮮問題についてコメントを寄せています。

 まず、トランプ政権についての懸念としてこうコメントしています。

 「今は北朝鮮ではなく、米国が『瀬戸際外交』をやっている。戦争のリスクで相手を威嚇し、望む譲歩を引き出すというものだ。だが、瀬戸際外交には前提として①相手が譲歩する見通し②譲歩が得られず武力行使を行った場合の結果に対する見通し-が必要だ。見通しもなく武力を前面に出して成功した例はない。」

 今朝の読売新聞は、「海上自衛隊と米海軍は23日、海自の護衛艦と、朝鮮半島周辺海域に向けて公開中の原子力空母『カール・ビンソン」など米軍の空母打撃群が同日、西太平洋のフィリピン海で共同訓練を始めたと発表した。」と報じました。

 柳沢氏は、この共同訓練実施について「危機的な状況で、共同訓練を行えば『北朝鮮への威嚇に日本も加担する』という政治的な意思表示になる。北朝鮮が暴発したらどうなるか。日本は専守防衛に徹するべきだ。」と指摘しています。

 柳沢氏は、最後に「北朝鮮の核兵器は今や体制の最後のよりどころであり、軍事力による威嚇をすれば、余計に核に固執するだろう。むしろ、核に代わる体制の保障を考える必要がある。核保有を止められないなら核を使う動機を押さえるのだ。核技術の拡散を防ぎ、資金の流入を防ぐ包囲網を強化しながら、対話の機運を待つ。相手が危機を演出する時こそ忍耐が必要だ。」と指摘しました。

 北朝鮮への先制攻撃は1994年、クリントン米政権かで一歩手前までいったことがあります。

 クリントン政権はこの時、朝鮮半島で戦争が起これば、最初の90日間で米軍5万2千人、韓国軍49万人の死傷者が発生、ベトナム戦争などの経験に基づけば米国人8万人~10万人を含め100万人が死亡-などという予測をしていました。当時の金泳三韓国大統領は、クリントン大統領との電話で、米軍が戦争を始めても韓国軍は一人たりとも動かさないと猛烈に反対したことを後に明らかにしています。

 韓国で現在行われている大統領選挙で主要5党の候補者全員が先制攻撃反対を表明しています。

 このような中、安倍首相が米国の体制を手放しで評価し、海上自衛隊が米空母と合同演習をする事態は極めて危険です。

 柳沢氏は、前述の毎日新聞へのコメントで、北朝鮮の攻撃対象は「日本や韓国の米軍基地になる。」とも指摘してます。

 山口県には、米軍岩国基地があります。

 国際社会が一致して対話を通じて北朝鮮問題を平和的・包括的に解決していくことが何より重要です。

 まさに、「日本 いまは忍耐の時」です。

 海上自衛隊と米空母が訓練を開始しました。皆さんはこの状況をどのようにお考えですか。

 北朝鮮問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

傲慢症候群

 香山リカさんの「半知性主義でいこう」を読んでいます。

 この中に、アメリカの精神医学者ナシア・ガミー氏が指摘する「傲慢症候群」の内容が書かれてあります。

 「傲慢症候群」の特徴は以下の通りです。

 ①自己陶酔の傾向があり、「この世は基本的に権力をふるって栄達をめざす劇場だ」と思うことがある。

 ②何かするときは、まずは自分がよく映るようにしたい。

 ③イメージや外見がかなり気になる。

 ④偉大な指導者のような態度をとることがある。話しているうちに気がたかぶり、我を失うこともある。

 ⑤自分のことを「国」や「組織」と重ねあわせるようになり、考えや利害もおなじだと思ってしまう。

 ⑥自分のことを王様のように「わたしたち」と気取って言ったり、自分を大きく見せるため「彼は」「彼女は」などと三人称をつかったります。

 ⑦自分の判断には大きすぎる自信があるが、ほかの人の助言や批判は見下すことがある。

 ⑧自分の能力を過信する。「私には無限に近い力があるのではないか」とも思う。

 ⑨「私の可否を問うものは、同僚や世論などありふれたものではない。審判するのは歴史か神だ」と思う。

 ⑩「いずれ私の正しさは歴史か神が判断してくれる」と信じている。

 ⑪現実感覚を失い、ひきこもりがちになることがある。

 ⑫せわしなく、むこうみずで衝動的。

 ⑬大きなビジョンに気をとられがち。「私がやろうとしていることは道義的に正しいので、実用性やコスト、結果についてさほど検討する必要はない」と思うことがある。

 ⑭政策や計画を進めるとき、基本動作をないがしろにしたり、詳細に注意を払わなかったりするので、ミスや失敗を招いてしまう。

 香山リカさんは、「安倍総理に明らかな⑤の『自分を国家と同一化している』という傾向と、⑦の『自分に批判的な意見を軽視、軽蔑する』という傾向」があると指摘しています。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙に安倍政権の閣僚らの暴言・問題行動が日替わりメニューのように相次いでいることが取り上げられています。

 「今月に入ってからだけでも、今村雅弘復興相、鶴保庸介沖縄北方相、山本幸三地方創生相が、原発事故の自主避難者や沖縄県民、学芸員らを突き放し、侮辱し、居直る暴言を繰り返してきました。政権を構成する大臣政務官も女性問題などで辞任しています。」

 安倍内閣全体に、「傲慢症候群」が蔓延している状況ではないでしょうか。まさに、「傲慢内閣」と言える状況です。

 香山さんはこう書いています。

 「問題はリーダーが傲慢症候群に陥った場合、その人による統治は必ずと言ってよいほど破綻して終わる、ということだ。その計画は本人の思考力などを超えた総代なビジョンになっているため、すでに現実不可能であり、実行に移そうとすると必ず失敗するからだ。つまり、傲慢症候群は本人にとってというより、組織や社会を『死に至らしめる病』なのである。これは、一刻も早く手を打たなければならないだろう。」

 日本共産党の志位和夫委員長は記者会見で、「モラル崩壊がトップから引き起こされて、内閣全体に及んでいる」と指摘しました。

 安倍内閣によって社会が死に至る前に、安倍政権を退陣に追い込んでいきましょう。

 香山さんの「半知性主義でいこう」を読みながら、決意を新たにしました。

 香山リカさんを総がかり行動うべ実行委員会でお呼びする計画を検討しています。

 安保法制強行2年目にあたり、今秋に、宇部市で香山リカさんを講師にして学習会を行うことを計画しています。

 詳細が決まりましたら、本ブログに掲載します。こうご期待下さい。

 香山さんの本は分かり易く、しなやかに、鋭く社会を問題点を炙り出しています。

 秋の講演会までに一冊でも多く、香山さんの著作に触れたいと思っています。

小中高生減らない自殺

 21日付朝日新聞に「小さないのち 大切な君」という特集記事が掲載されていました。

 記事は、「警察庁の統計によると、2016年、320人の小中高校生が自殺で亡くなった。小学生12人、中学生93人、高校生215人。3分の2は男子だった。自殺者全体の数は03年の3万4427人をピークに減少傾向で、16年は2万1897人。06年施行の自殺対策基本法に基づく、相談窓口の整備などが背景にあるとされている。一方、小中高校生の自殺者はこの10年、年間300人前後で推移し、350人を越えた年も。厚生労働省によると15~19歳では自殺が死因の1位、10~14歳では2位だ。16年の小中高生の自殺の原因(複数の場合あり)を警察庁の統計でみると、『学業不振』など学校問題が36.3%、『親子関係の不和』など家庭問題が23.4%。『うつ病』など健康問題が19.7%。いじめが原因とされたのは6件(全体の1.9%)だった。」

 20付読売新聞に経済協力開発機構(OECD)が、2015年に行った国際学力到達調査「PISA」の結果と各国の高校生の生活について聞いた調査結果を公表した記事が掲載されていました。

 私が注目したのは、次の部分です。

 「今回は、テストへの不安感についても尋ねた。日本は『学校で悪い成績を取るのではないかと心配になる』生徒が81.8%でOECD平均より16.1ポイント高かった。『難しいのではないかと心配になる』生徒もOECD平均より18.8ポイント高い78.1%だった。」

 私は、小中学生の自殺が減らない一つの原因として、テストへの過度なストレスが日本の子どもたちを追い込んでいることがあるのではないかと感じました。

 日本の子どもたちがこのような状況にあるにも関わらず、文部科学省は18日、全国の小学校6年生と中学3年生全員を対象に、国語と算数・数学の2強化で全国学力テストを実施しました。

 文部科学省は、14年度からは、それまで禁止だった学校別平均点の公表を解禁し学校の序列化を加速しました。今年度からは各政令指定都市の平均点も公表することにしています。点数アップが最重要課題であるのうに文部科学省が指導しています。

 先日、ある学校関係者から「平均点の公表は、プレッシャーになっている。」旨の声をお聞きしました。

 全国学力テストは、2007年に第一次安倍内閣のもとで始められ、回を重ねるごとに点数教育を劇化させ、教育をゆがめているのではないでしょうか。

 抽出調査で済む学力テストを全員対照で実施し、学校別平均点を公表し、競わせることは、子どもにとっても教師にとっても有益なことなのか、今一度立ち止まって再検証する時だと思います。

 年間50億~60億円が使われている全国学力テストを廃止すれば、35人学級の完全実施が可能です。

 子どもたちの自殺が減らず、子どもたちが、テストへの不安感を高めている日本の状況の中で、更に子どもストレスを高める全国学力テストが必要かどうか、再検討すべきです。

 「点数対策」に子どもと教師をへとへとにさせるだけの「学力テスト」になっている現状なら廃止する方がいいと私は思います。

 子どもたちの自殺が減りません。皆さんはどうお考えですか。

 日本の子どもはテストへの不安感が国際調査で高い傾向です。どうお考えですか。

 全国学力調査は今後も行うべきでしょうか。

 皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

浅沼判決

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙に「朝日訴訟」の事が書かれてありました。

 大学で福祉を学んだ私にとって、政治家として歩む私にとって「朝日訴訟」の浅沼判決は、生きる道標のような存在です。

 朝日茂さんは、1957年に、医療扶助と日用品費として月600円の生活保護をうけていました。

 福祉事務所は35年も音信不通だった兄を探し出し、月1500円の仕送りを約束させ、朝日さんに対する生活保護を打ち切り、仕送りの残りの900円を医療費の一部として国に納入する決定を下しました。

 朝日さんは、国に対して訴訟を行い、1960年、第一審判決が下されました。

 その判決が、裁判長の名を取り「浅沼判決」と言われています。

 「人間裁判」の中で、二宮厚美さんは、この判決の意義をこう書いています。

 「第25条の生存権を抽象的な権利にとどめず、国民の具体的な保護請求権を認めたものとして、解釈し、したがって国家は国民に健康で分解的な生活を保障する義務がある、と判決したことである。生活保護は第二五条を死文化させない、画餅に終わらせないために、健康で文化的な最低限度の生活を保障する水準でなければならないことになる。朝日さんは、これを『憲法二五条の勝利」とよんだ。」

 「生存権保障に対する財政的制約論、国家財政均衡論を退けたことである。浅沼判決は、最低水準の判決は、その時々の予算配分によって左右されるべきものではなく、むしろ予算そのものが最低生活保障の水準によって『指導支配すべきもの』、すなわち導きだされるべきものだとした。予算が生存権を制約するものではなく、逆に生存権が予算を制約する、というわけである。憲法体制下の財政民主主義のあり方をきわめて明確に指摘した判決だといわなければならない。」

 今日の安倍政権による社会保障切り捨て路線は、浅沼判決に反していると言わなければなりません。

 浅沼判決が活きる社会に、憲法25条が活きる社会にしていきたいと決意を新たにした朝でした。

 社会保障の改悪に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

心が叫びたがっているんだ。

 昨日の朝、脚本家の岡田麿理さんが、NHKの番組に登場されました。

 岡田さんは、小学校高学年から高校まで学校に行けない日々が続きました。

 岡田さんは、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがっているんだ。」などのアニメの脚本を書いた方です。

 岡田さんは、初の自伝「学校へ行けなかった私が『あの花』『ここさけ』を書くまで」をこの程上梓されました。

 早速、購入し、今読んでいます。

 小学校5年の頃から学校に行けなくなった岡田さん。

 6年生の担任の先生は、岡田さんが尊敬していた5年の担任の先生を批判し、岡田さんに決定的な一言を吐きます。

 「押田先生のせいで、麿里は不登校児になった」

 岡田さんは、6年生の担任から、この言葉を言われ次のように書いています。

 「登校拒否児のレッテルを貼られたとたん、私は以前より学校をよく休むようになった。月に二度だったものが、がっつりと半分は休むようになった。絶対に受け入れたくないものを強引に飲み込まされたことで、ある意味で開き直って楽になれたのかも知れない。」

 中学校では、頑張って学校に行きましたが、数日休んで学校に行った岡田さん。

 みんなが優しくなっていました。岡田さんが小学校時代に不登校児だったことが学校中に広がっていたのです。

 岡田さんは、その時のことをこう書いています。

 「それは私にとって屈辱でしかなかった。腫れもの扱い、ぽかんと浮いた存在。憐れまれるぐらいなら、無視されたほうがましだ。それでも、どうからどう立て直せばいいかもわからずに、すべてを放り出したくなってしまった。」

 岡田さんは、その日以来5年半の長きにわたって学校に行けなくなりました。

 脚本家の岡田さん、学校にいけなく自分の気持ちを赤裸々に表現しています。

 私は、ここまでの文章を読んで、ありのままの岡田さんを受け入れる学校であってほしかったと思いました。

 今、学校に行けない、引きこもりになっている子どもたちが大勢います。

 それぞれ理由はあるのでしょうが、「ありのままの自分を受け入れてもらえない」苦しみは共通しているのかも知れないと思いました。

 岡田さんが、どうして、脚本家になったのか。後半を今日から読み進めたいと思います。

 そして、昨日、岡田さんが脚本を書かれた「心が叫びたがっているんだ」を観ました。

 両親の離婚依頼、言葉を発せなくなった高校生の順が主人公のドラマです。

 地域の方にミュージカルを披露することになった順のクラス。

 本番当日に、舞台に立てない順。粘り強く順に立ち向かう拓実。

 学校に行けなかった岡田さんだからこそ書けたシナリオだと納得しました。

 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は、まさにひきこもりの少年の物語。

 テレビアニメ版からじっくり鑑賞したいと思います。

 岡田さんの本と脚本を書かれた作品を鑑賞して、子どもに向かう視点を鍛えたいと思います。

 岡田麿里ファンの方も多いと思います。「あの花」「ここさけ」など岡田脚本作品に関する皆さんの感想をお聞かせ下さい。

 

オスプレイの飛行が激しくなって事故が心配

 17日(月曜日)のしんぶん赤旗「おはようニュース問答」にオスプレイの飛行が本土で激しくなった状況が分かり易く解説されていました。以下引用します。

 3月6日から17日まで群馬県と新潟県の演習場で、陸上自衛隊と米海兵隊の演習があって、6機のオスプレイが東京・多摩地域の米軍横田基地を拠点に参加しました。

 横田基地にオスプレイが6機飛来し、前後含めて18日間居座ったことは初めてでした。基地撤去を求める人たちが数えたら104回も離着陸していたそうです。

 長野県では千曲川・上越自動車道沿いの自治体や八ヶ岳近くの原村、県南部の南木曽町などから400件以上の目撃情報が堅調に寄せられています。山梨県や福島県でも目撃情報が寄せられています。

 日米演習とは別に、静岡県の東富士演習場で離着陸訓練や周辺えの低空飛行もしていました。

 3月に18日間、横田基地に居座ったオスプレイは、東京都、群馬県、新潟県、長野県、山梨県、福島県にかかる山岳地帯で飛行訓練をしたことが明らかになっています。

 沖縄県の米軍普天間基地に配備されているオスプレイが、東京都の横田基地まで飛行するためには、山口県の岩国基地を経由します。

 山口県岩国基地対策室が公表している「オスプレイについて」とする岩国基地への飛来状況を見ると、一目瞭然です。

 3月5日から7日、オスプレイは、岩国基地に6機飛来しています。

 基地対策室のメモには「6日に更に1機、7日に更に1機)が飛来、これらのうち5機は5日まで、別の3期は7日まで滞在」とあります。

 更に、3月22日、オスプレイは、岩国基地に6機飛来しています。

 詳細は不明な点も多いですが、横田基地にオスプレイが頻繁に飛来するということは、連動して岩国基地にも頻繁に飛来していることは明らかです。

 しんぶん赤旗の記事は「去年の暮れに、沖縄で落ちた飛行機でしょう。アメリカの海兵隊が最前線に兵隊を送り込むための飛行機で事故が多くて『未亡人製造機』といわれている。人口密集地の東京で事故を起こしたら怖いね。」「事故の危険や、米軍が戦争をする準備を日本でしていることは、沖縄だけの問題じゃないね。自分の問題として、きちんと考えないと。」と書いています。

 オスプレイの問題は、沖縄だけの問題じゃありません。私たちが住む、日本全体の問題だし、私が住む山口県にも関わる大問題です。ともにどうしたらいいのか考えていきましょう。

 アメリカが北朝鮮への軍事的圧力を強めている中で、オスプレイの日本全土での訓練が頻発している事実も重大な問題として受け止めなければなりません。

 日本の平和にとって切実な問題として、アメリカと北朝鮮が軍事対軍事にならないよう、外交的努力で解決していくことが切実に求められています。

 オスプレイの国内での飛行が激しくなっています。皆さんのご意見をお寄せ下さい。