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異論拒む姿勢 保守とは言えない

 14日の朝日新聞で、政治学者の中島岳志さんが韓国に対する批判が強まる、日本の「空気」について次のように述べています。

 「1980年代に日韓それぞれで起こった三つの要因を源流とする、新しいタイプの現象と見ています。一つは、20代から30代で戦争を体験し、戦時体制を毛嫌いしていた戦中派保守の言論人が論壇の一線から退いたことです。二つめは、82年に中曽根康弘氏が首相に就き、首相の靖国神社公式参拝、閣僚の日韓併合をめぐる失言などで日本政府の歴史認識が政治問題化しました。三つめは、87年以降の韓国の民主化です。ハンギョレ新聞のような進歩系メディアも生まれ、慰安婦問題の告発の舞台となります。ただこの三つが相まっても、まだ強い『嫌韓』には至りません。その後、韓国が経済成長で国力をつける一方、世界における日本の相対的地位が下がったこと、根底にはこうした変化があると思います。韓国の姿勢も『日本に言うべきことは言う』と変化してきました。隣国の韓国が自己主張を強める姿は一部の日本人にとって、自信喪失と相まって気に入らない。保守派、とくに年長の世代により表れていると思います。」

 「保守」のありようと言う視点で見て、この問題をどう考えるのかについて中島さんは次のように述べています。

 「18世紀の英国の政治家エドマンド・バークに従えば、保守思想は、人間の不完全であり、人間の理性は間違いやすいと考えます。自分と異なる主張にも耳を傾け、『なるほど』と思える異論とも合意形成を図ろうとする。これが保守政治の矜持です。」「『自分こそ正しい。韓国はおかしなことを言い続けている』と言う頑なな姿勢は、私は保守とは見えません。『日韓とも自分の思う(100%)をめざしている現状ではどうにもならない。膠着状態のときこそ解決の糸口を見だすため、多元的なチャンネルを使う策もめぐらす。これも保守政治家の要諦です。」

 対話こそ、アジアの平和を築く道です。

 保守思想こそ、「自分と異なる主張にも耳を傾ける」。この中島さんの指摘を胸に刻む時です。

 「反韓」「嫌韓」の書籍が書店に陳列される時代です。皆さんは、この状況をどうお考えですか。

 

 

台風19号と緊急放流

 台風19号は12日夜から13日未明にかけて、東海、関東、東北地方を縦断して太平洋に抜けました。

 この台風により、50名以上の死者が出ました。この災害で亡くなられた方々に、お悔やみを申し上げると同時に、行方不明の方の早期発見を願います。また、負傷された方や避難生活を送られている被災者の方々にお見舞いを申し上げます。

 さて、この台風で、21の河川が決壊しました。また、6つのダムで緊急放流が行われました。

 この緊急放流について、14日の毎日新聞は、次のように報じています。

 「12日夜から13日未明、貯水の限界が見込まれた際に流入量とほぼ同量を下流に流す異常洪水時防災操作(緊急放流)が関東や東北のダム計6か所で実施された。12日夜にニュースなどで緊急放流が予告されると、ツイッターなどで不安の声も出た。国土交通省によると緊急放流は、水沼ダム(茨城)▽美和ダム(長野)▽山城ダム(神奈川)▽塩原ダム(栃木)▽高柴ダム(福島)▽竜神ダム(茨城)-で、12日午後8時50分~13日午前0時35分に行われた。夜間に実施された点について、国交省の担当者は『この水位になったら実施するという取り決めがあり、結果的に夜間になった』と説明する。このうち、神奈川県が管理する城山ダムでは、まず12日午後0時40分ごろから約1時間かけ、『午後5時ごろ緊急放流を実施する』との見通しを流域自治体などに伝えた。ただ雨量が予測より少なく、いったん見送った。その後に水位が上昇し、午後8時35分ごろに改めて『午後10時から実施する』と伝えた。ところが雨量の増加が予測を上回り、同9時20~25分に『10時を待たずに放流する』と予告。実際に放流したのは直後の同9時半、通知は9時25~35分だった。県の担当者は『急激に予測を超える流入がありバタバタになってしまった』と振り返る。」

 読売新聞は、14日付けで緊急放流についてこう書いています。

 「西日本豪雨や今回の台風では、流域を浸水から守るためのダムが大雨に持ちこたえることができず、緊急放流にも踏み切らざるを得なかった。国土交通省幹部は13日、『豪雨の激甚化に整備のスピードが追い付いてない』と語った。

 朝日新聞は、14日付けで、緊急放流を次のように報じました。

 「ダムの貯水量が急増して決壊するのを防ぐための緊急放流も、5県6か所で実施された。昨年7月の西日本豪雨の際の6府県8ダムに続き、一度の大雨で実施される規模としては異例の多さだった。国交省の中堅幹部は『予想量を超える水量がダムに流れ込んだ』と分析する。

 山口県では、今後、河川の決壊を防ぐ河川改修工事を急ぐ問題や、緊急放流を可能な限り防ぐダムの管理体制をどのように構築していくのかなど、台風19号から学ぶ課題は多いと思います。

 県内でも大きな被害が発生した、昨年の7月豪雨をしっかり検証していくために、決算特別委員会では、防災対策を一つの大きなテーマとしていかなくていけないと感じています。

 決算特別委員会や次の12月定例会で、防災問題をしっかり議論していきたいと思います。

 台風19号から学ぶべき教訓を皆さんはどう感じておられますか。ご意見をお聞かせ下さい。

 

 

辺野古埋め立て土砂採取調査下関市など追加

 11日のしんぶん赤旗日刊紙は、辺野古埋め立て土砂採取に関し次のように報じました。

 「沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で使用される埋め立て土砂(岩ズリ)に関し、防衛省沖縄防衛局が埋め立て承認願書に記載した土砂採取地区のほかに、県内外41カ所の追加調査をしていたことが10日までに分かりました。沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏が情報公開請求で入手した資料で明らかになりました。埋め立てに必要な総土量約2062万立方メートルのうち、県内外から購入する岩ズリの採取量は約1644万立方メートル。2013年12月に当時の仲井真弘多知事が承認した埋め立て願書は沖縄県のほか、西日本7地区の採取場所を記しています。資料によると、防衛局は、13年度に沖縄県と西日本6県の計21か所で岩ズリの採取場を調査し、2830万立方メートルの蓄積量があるとしました。ただ一部施設の廃止などがあり、14年度時点で、蓄積量は2011万立方メートルにとどまりました。そのため、新たに県内外41カ所の採取場で調査を実施。3680立方メートルの蓄積量を確認しました。」

 山口県内では、これまで、防府市と周南市に辺野古への土砂採取地区があることが明らかでしたが、追加調査された41箇所の中に、下関市が含まれています。

 山口県内には、「辺野古に土砂を送らせない!山口のこえ」が結成され、全国には、「辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会」が結成されています。

 これら団体は、「西日本各地からの辺野古埋立て用の土砂採取計画の撤回を求める署名」を安倍首相や衆参議長に提出しています。

 山口県から辺野古へ埋め立て用土砂を採取させないために、私も力を尽くしたいと思います。

 下関市で新たに、辺野古への土砂採取のための追加調査が行われました。

 この問題に関する情報やご意見をお聞かせ下さい。

第2回ミサイル基地をつくらせない県民大集会

 昨日、阿武町のうそんセンターで、第二回ミサイル基地をつくらせない県民大集会が開かれました。

 約300人の市民が集いました。

第2回ミサイル基地をつくらせない県民大集会

 第二回ミサイル基地をつくらせない県民大集会

 冒頭、東京新聞の半田滋さんが講演しました。

 また、秋田県の「ミサイル基地『イージス・アショア』を考える県民の会」の渡部雅子共同代表が訴えました。

 私は、県議として、念仏者9条の会の会員として発言する機会を頂きました。

 私が発言した内容は以下の通りです。

・・・

 ミサイル基地イージス・アショアをつくらせない第二回県民大集会にご参加の皆さん、只今紹介を受けました県議会議員の藤本かずのりです。

 昨年の第一回目の県民大集会は、台風が山口県に接近した中で行われた集会でした。今日も台風が日本を襲う日の集会開催となりました。
 台風は天災ですが、ミサイル基地の建設は、明らかに安倍政権による人災です。人災は政治の力で変えることが出来ます。今日の集会を力に、県民の心を一つにして、秋田と連帯してミサイル基地をストップさせましょう。私は、県議会立憲議連の皆さんと益々連帯して県議会で力を尽くす決意です。
 さて、私は、昨年の集会では、県議ではありませんでしたので、念仏者9条の会のメンバーとして、「兵戈無用」=兵隊も武器もない社会つくろうと訴えました。その気持ちも持ちつつ、県議に戻りましたので9月県議会の報告をさせていただきます。
 9月17日、花田阿武町長は、「町民の理解は得られていない」と改めてイージス・アショアに反対の意向を示し、候補地選定について「ゼロベースでやり直してほしい」と発言しました。
 今月、業者が決まり、防衛省の再調査が行われますが、むつみ演習場での再調査は、西台の標高に限られています。
 5月に示した資料で防衛省は、他の国有地の検討結果として「約1キロ㎡以上の、なるべく平坦な敷地で、日本海側に位置している国有地はありませんでした。」と結論づけました。
 私は、阿武町長が求める適地の「ゼロベース」での選定を県として防衛省に求めるよう質しました。
 総務部長は、この点を含め「不明な点やさらに説明を求めたい事項については、国に質してまいります。」と答えました。
 更に、私の秋田と山口はセットで、山口だけの配備は無いものと思うがとの質問に、総務部長は「そのように理解している」と答えました。
 皆さん、むつみ演習場はミサイル基地の適地ではありません。新屋演習場も適地ではありません。日本中にミサイル基地の適地などありません。
 北朝鮮のミサイルは話し合いによって解決していくこの道を皆さんとともに歩んでいく決意を述べて私の挨拶といたします。

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 引き続き、県政全般に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

山口自治労連第35回定期大会で挨拶

 本日、自治労連第35回定期大会が行われました。

山口自治労連定期大会

山口自治労連第35回定期大会での中野委員長

 私は、日本共産党を代表して挨拶を行いました。

 私の挨拶の要旨は以下の通りです。

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 自治労連第35回定期大会にお招きいただきまことにありがとうございます。日本共産党を代表して御挨拶いたします。

 昨日は、山口県自治労連結成30周年記念レセプションにも参加いたしました。私は、28年前、26歳で宇部市議会議員となりました。
 地方自治とは何かを宇部市職労出身の飯田健さん、福山清二さん、中野俊彦さんらに教えていただきました。県自治労連とともに、議員生活を送ってきた私は、山口自治労連の30周年を心からお祝いし、次なる40周年に向けて益々の発展を祈念しています。
 さて、自治労連の30周年は、消費税の10%増税の中で迎えました。
 消費税は、「社会保障のため」と政府は市民に説明してきました。
 しかし、この31年間、年金は減らされ、サラリーマンの医療費窓口負担は3倍になり、介護保険は負担あって介護なし、社会保障は切り下げの連続です。山口県においても、福祉の水準は上がらず、2009年に福祉医療費助成制度は一部負担金が導入されました。
 消費税は、「財政再建のため」と政府は市民に説明してきました。
 この31年間、国と地方の借金は246兆円から1069兆円と4倍以上に膨れ上がりました。
 山口県では、3343億円から1兆2606億円に、この31年間で、3.77倍に膨れ上がりました。消費税は、山口県でも社会保障のためでも、財政再建のためでもなかったことが明らかです。
 この31年間の消費税収は397兆円ですが、同時期に法人3税の税収は298兆円減り、所得税・住民税の税収も275兆円減りました。
 消費税増税分が、法人税減税に消えただけではなく、消費税増税が経済を停滞させ、市民の暮らしを苦しめていることが明らかです。
 10月1日の日銀短観は、大企業製造業で3期連続の景気判断が悪化となりました。7日に発表した景気動向指数も下方修正され、「悪化」となりました。これまでの消費税増税の時期は、いずれも景気が上向いている時でした。景気が低迷している時に消費税が増税したことは、安倍政権による「二重の経済失政」と言わなければなりません。国民の運動によって「消費税を5%に」戻し、市民の暮らしを応援する政治を実現しましょう。

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 引き続き、国政・県政全般に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

勇者たちへの伝言

 増山実著「勇者たちへの伝言」を読んでいます。

 この本は、第19回松本清張賞の最終候補になり、2016年度大坂ほんま本大賞を受賞した作品です。

 大阪ほんま本大賞受賞作に相応しい、大阪の成り立ちがとても良くわかる作品です。

 ここで言う大坂は、兵庫県の一部を含む地域が含まれています。少し広い意味でも大阪です。

 主人公の正秋の父は、石川県の出身です。

 小説の中に、父の両親の生い立ちが詳しく書かれています。

 石川県から北海道や関西に移住した方が多いとあります。

 大阪の風呂屋と豆腐屋の多くが石川県出身者とも書かれています。

 私の妻は、大阪府出身です。妻の父の父。妻の祖父は、石川県の隣の富山県出身です。

 世界遺産の合掌造りで有名な五箇山の近くです。

 一度、子どもたちと妻と義父と義父の親戚の方のお宅を訪ねたことがあります。

 味わったことのない山菜を沢山いただいたことを思い出します。

 義父の父は、農家の倅で、若い時に、うどん屋の丁稚として大阪で働いていたそうです。

 明治期以降、石川県や富山県など北陸地域から多くの若者が大阪に移住したことがうかがえます。

 この小説には、安子という在日朝鮮人の方が登場します。

 大阪には、多くの在日韓国・朝鮮人の方々が住んでおられるのも特徴の一つでしょう。

 灰谷健次郎さんの「太陽の子」は、沖縄県出身の方々が大阪に移住してこられてからの話だったと記憶しています。

 大阪には、沖縄県出身の方々も多いと思います。

 北陸や沖縄や在日韓国・朝鮮人の方々が多く暮らし、大阪が形成されていることをこの小説を通じて感じました。

 増山さんの、北陸や在日韓国・朝鮮人の方々へ向ける目の優しさがにじむ作品でもあります。

 冒頭は、阪急ブレーブスファンの正秋少年の物語ですが、父の歴史を通じて、物語が大きく展開していきます。

 苦労の連続を生きる庶民への増山さんの優しい筆致に、時々涙しながら読んでいます。

 この小説を通じて、増山実さんのファンになりました。

 増山さんは、関西を中心に活躍されてきた放送作家ですが、この作品で小説家デビューされました。

 早速、今日、増山さんの第二作「空の走者たち」を書店に注文しました。

 この本は、妻が実家に帰省した際に購入した本です。

 妻と一緒に、増山実さんを応援していきたいと思います。

 増山実ファンの皆さん、作品への感想をお聞かせ下さい。