私は、11月県議会で、上関大橋の事故の問題を取り上げました。
その中で、山口県橋梁長寿命化計画の問題を指摘しました。
この計画に、離島架橋および橋長500㍍以上の橋梁16橋については、「個別に補修計画を作成」すると書かれています。
私の質問に、阿部土木建築部長は、個別の補修計画を持っているのは5橋であり、事故のあった上関大橋を含め11橋については、個別計画を策定していなかったことを明らかにしました。
私は、「11橋について補修計画をたてるべきだ」と質しました。
阿部部長は、「今後検討していこうと思っている」と答えました。
私は、道路整備課から、11橋の個別計画の策定状況についてヒアリングを受けました。
道路整備課の担当者は「11橋の内、健全度評価が2及び3の9橋を優先して個別計画の策定作業を進めている」ことを明らかにしました。
また、道路整備課の担当者は、「上関大橋と同じ構造をもつ橋梁の調査方針について、上関大橋復旧検討会議の中で専門家からの助言を受けたいと考えている」と述べました。
上関大橋の早期復旧と上関大橋の事故を受け、県内の橋梁の安全対策が改善されるよう引き続き発言を行ってまいります。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
第155回(2016年上半期)芥川賞を受賞した村田紗耶香著「コンビニ人間」を一気に読みました。
この本は、36か国・地域で翻訳がされ(予定も含む)た世界的ベストセラーと言える書作です。柳美里さんの「JR上野駅公園口」が全米図書賞を受賞しましたが、この本を読んで、彼女の作品が今後更に世界的な評価を受けるであろうことを実感しました。
文庫版の裏表紙から本書の内容を紹介します。
「『いらっしゃいませー』お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、『店員』でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきた・・・。」
本文で古倉さんの言葉の一部です。
「正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。まっとうでない人間は処理されていく。だから治らなくてはならないんだ。治らないと、正常な人達に削除されるんだ。」
文庫の解説で作家の中村文則さんは、本作をこう評しています。
「この小説は、村田さんの会心の一撃だと僕は勝手に思っている。文学的な質の高さだけでなく、生き難さを増す『普通圧力』の社会に颯爽と登場した、まさに逆の意味で時代が生んだ小説でもある。『皆が不思議がる部分を、自分の人生から削除していく』という主人公の言葉などは、本当に染みるものがある。」
この小説を読んで、斎藤幸平さんが解説し先日終了したEテレ「100分で名著」「資本論」の「第三回 イノベーションは『くそどうでもいい仕事』を生むのか」の内容を想起しました。
マルクスは資本論でこう述べています。
「機械労働は、神経系統を極度に疲弊させる一方、筋肉の多面的な働きを抑圧し、心身の一切の自由な活動を封じてしまう。労働の緩和でさえも責め苦の手段となる。なぜなら、機械は労働者を労働から解放するのではなく、労働を内容から解放するからである。」
「労働を内容から解放する」ことの意味について斎藤さんはテキストでこう解説しています。「無内容な労働を強いるからです。内容がないということは、自らの手で何かを生み出す喜びも、やりがいや達成感、充実感もない、要するに疎外されているということです。そして、無内容なので、いつでも、誰とでも置き換え可能となり、労働者の力はますます弱めらてたのでした。」
現代の労働は、「構想と実行の分離」の状況にあること、「構想と実行の分離を乗り越えて、労働における自律性を取り戻すこと」が重要であると斎藤さんは解説します。
小説の中の白羽の言動は、まさに、現代の労働が「構想と実行の分離」状況にあることをあぶりだし、「労働における自律性を取り戻す」苦悩のように感じてきました。
労働における「構想と実行の分離」に苦しんだ古倉は、苦しみから逃れるため「実行」に徹する生き方を進もうとしているように感じました。
文庫の解説で述べている中村文則さんの「普通圧力」とは、「構想と実行の分離」に気づくな、「実行」に徹しろという「圧力」のように感じました。
村田紗耶香さんの「コンビニ人間」と斎藤幸平さんによる「資本論」解説を統合して読んでみました。
村田紗耶香さんの小説は「コンビニ人間」が初めてでした。現代を鋭く斬る作品に魅了されました。村田さんの他の作品も少しづつ読んでいきたいと思います。
「コンビニ人間」の感想をお聞かせ下さい。村田紗耶香ファンの皆さん感想をお聞かせください。
昨日、長生炭鉱水没事故79周年犠牲者追悼集会が行われました。
第一部は、水没事故が起こった近くの追悼ひろばで式典が行われました。
第二部は、ヒストリア宇部で講演会などが行われました。
第二部では、福岡在住のシンガーソングライターのハルナユさんが長生炭鉱水没事故をテーマにした「カジマヨ」の演奏を披露しました。ハルナユさんは犠牲者の姪の孫にあたる方です。
犠牲者の姪の孫にあたるシンガーソングライターのハルナユさんが長生炭鉱水没事故をテーマにした歌を披露
今年の追悼式は、新型コロナ感染拡大の影響で、ご遺族が参加されない中での集会となりました。
大韓民国遺族会の楊玄(ヤンヒョン)会長のビデオメッセージが流されました。楊会長は「私達遺族の願いは位牌を韓国に持ち帰り国が管理する『国立歴史博物館位牌安置室』に安置し、家族や誰でも自由に参拝できるようにすることです。尊敬する西光寺のご住職と『歴史を刻む会』の会員の皆様におかれましては私達遺族の気持ちを察してくださり、位牌を一日も早く故郷韓国の地へ安置できますようご協力下さることを切に切にお願い申し上げます。」と述べました。
その後、証言ビデオが上映されました。これまでの追悼集会で発言された7名の証言を上映しました。
私は、追悼式を主催する「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の運営委員になり約10年経過しますが、私が役員になる前の証言ばかりで、胸を打つものでした。証言をされた方の中に、ご遺族の子どもさんの証言が複数ありました。ご遺族は、強制連行されて父を奪われ、水没事故で父の命まで奪われました。
事故後、母子だけで戦中戦後を生きて来られた様子は、まさに辛酸を嘗めるものでした。
水没事故から約80年、子ども世代のご遺族の証言を映像で残した「証言ビデオ」は、事故の歴史を未来に刻む意味でとても貴重なものだと感じました。
第二部の集会の最後に、長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会の内岡貞雄顧問が「『強制連行』と長生炭鉱および今後の展望」と題して講演を行いました。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会の内岡顧問が「『強制連行』と長生炭鉱および今後の展望」と題して講演
内岡顧問は、ときわ公園の石炭記念館に展示されている年表にある長生炭鉱水没事故に関する記述が「殉職者183名」とあったのを「犠牲者183名」に改められたことを報告しました。
また、内岡顧問は、ピーヤ近くの説明版に「石炭は郷土の産業経済だけでなく、国のエネルギー政策を支えてきました。私たちは先人たちの命をかけた炭鉱への思いを未来へと継承していかなければなりません。」という箇所を7年かけて削除させたことを話しました。
内岡顧問は最後に「『刻む会』は、追悼ひろばにある追悼碑をピーヤ正面の坑口付近に移動し、『殉職者之碑』(1982年4月建立)と共に歴史の真実を語るものにしたいと願っている。」と語りました。
来年は、80周年の節目の追悼集会となります。来年は、ご遺族を招いた追悼式が出来るように運営委員の一人として引き続き刻む会の活動を支えていこうと思っています。
昨日、中国新聞は、県人権推進指針について次のように報じました。
「県人権施策推進審議会は28日、県人権推進指針で配慮すべき分野の一つとされる『性同一性障害』について、性的少数者を広く捉える表記に修正することを決めた。性的少数者を表す表現はLGBTやSOGIなど多い。県によると、性の多様性に理解を促す都道府県の人権推進指針で『性同一性障害』と対象を絞っているのは山口と徳島の2県だけで、他は『性的指向』『性自認』と置き換えたり、併記したりしているという。県庁であった会合には大学教授や医師、人権擁護委員たち13人が出席。性的少数者を取り巻く問題に詳しい鈴木朋絵弁護士が、学齢期はいじめやトイレの利用で精神的に追い詰められ、就職後は不当なハラスメントや解雇を受けがちだと説明した。反対意見はなく、見直すことで一致した。修正後の表現は『性的少数者』が有力視されたが『国内では該当者が1割を超え、もはや少数ではない』『少数派には差別的な意味合いが含まれる』との指摘が相次ぎ、継続審議となった。」
私は、2019年9月県議会環境福祉委員会で県人権推進指針の「性同一性障害」との表現を変えるよう次のように質問を行いました。
「性同一性障害というのは、『性の多様性』と私はあえて言いますけども、その1つの分野の問題であります。広島県の同様の人権プランでは『性的指向や性同一性障害』、岡山県は『多様な性』、鳥取県は『性的マイノリティ』、で、島根県は『性的指向・性自認(LGBT等)』というふうに、だから、まあ言葉もいろいろあります。私は『多様な性』とかいう言葉が一番適切だと思っておりますが、山口県として、やっぱり、問題の1つだけを捉えた性同一性障害を人権指針の1つの分野だとし続けるのは、ちょっと、それこそ経団連が主張している流れとかですね、国際的な流れ、全国的な流れから、ちょっとおくれていらっしゃるんじゃないかと指摘せざるを得ません。この問題は、審議会の中でも議論になっております。ある弁護士の先生の御指摘がずっとされておって、議論はされてることも承知をしております。そろそろですね、あの全体の改定も、もう大分たっておりますので、改定の作業もしながら、この山口県の16分野のうちの1つ、人権指針の中の『性同一性障害』という呼称をですね、変更される。何という言葉を使えとか、私言いません。もう少し全体を捉える言葉に変えたほうがいいと私は思っておりますが、このことをお尋ねします。」
私の質問に、県人権対策室次長は次のように答えました。
「今お示しがございましたように、今、人権施策推進審議会において、まさにその性同一性障害に限定されている問題をもう少し幅広く、性的指向・性自認などに広げるべきではないかという御意見も今出ておりまして、現在、継続審議しているところです。今後、国における動きなども踏まえながら審議をしていただくようにしてと思います。」
私が、環境福祉委員会で指摘して1年半経過しましたが、県人権施策推進審議会で、県人権指針で配慮すべき分野の一つとされる「性同一性障害」について、性的少数者を広く捉える表記に修正することを決めたことを歓迎します。
具体的にどのような表現にするか審議会では継続審議となったようですが、人権推進指針のこの問題での表現が早く変更されることを大いに期待しています。
県人権推進指針のLGBTsに関する表記が改められようとしています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
NHKEテレ「100分de名著」で経済思想家の斎藤幸平さんを講師に、カールマルクス「資本論」を学んでいます。全4回シリーズが先日終了しました。
今日は、第二回「なぜ過労死はなくならないのか」について私の感想を述べてみたいと思います。
齋藤さんは「マルクスは、資本を絶えず価値を増やしながら自己増殖していく運動と捉えた。」と説明します。
この運動を、マルクスは、「G-W-G`」という式で表しました。Gは貨幣。Wは商品です。G`は、最初のGに儲けが上乗せされたものです。
G`が剰余価値であり、この剰余価値を生み出だしているのが、労働者の「労働」です。
資本家は剰余価値を増やすために労働者の労働時間を延ばします。
マルクスは、資本論の中で、女工メアリー・アン・ウォーリーの死亡を取り上げています。メアリーは、26時間休みなく働いて亡くなりました。
齋藤さんは、今日の過労死を生む労働者の状況について次のように述べています。
「労災の申請および認定件数をみると、今世紀に入って以降、鬱など精神疾患が、脳・心臓疾患を超えて増え続けています。マルクスが生きた時代より、労働者の権利に対する認識や労働環境は改善されているはずなのに、労働者に長時間労働を強いる圧力が萎えることはなく、今なお労働力という『富』の破壊が続いているのです。」
1866年に開催された「国際労働者協会」のマルクスが起草した宣言に次の文書があります。
「労働日の制限は、それなしには一切の解放の試みが失敗に終わらざるをえない先決条件であると、我々は宣言する。」
齋藤さんは、マルクスが労働日の短縮を強調したことの意味を次のように解説しています。
「マルクスが労働日の短縮を重視したのは、それが『富』を取り戻すことに直結するからです。日々の豊かな暮らしという『富』を守るには、自分たちの労働力を『商品』にしない、あるいは自分が持っている労働力のうち『商品』として売る領域を制限していかなければいけない。そのために一番手っ取り早く、かつ効果的なのが、賃上げではなく『労働日の制限』だというわけです(もちろん、労働日を短縮して給料が下がったら意味がないので、時給でみれば、賃上げを伴う時短になるわけすが)。」
齋藤さんは、世界で労働時間を短縮しようとする動きとしてフィンランドを例に次のように述べています。
「今、最も注目されているのが、フィンランドのサンナ・マリン首相が打ち出した、大胆な労働時短目標です。2019年、史上最少年で首相に就任したマリン氏は、以前から掲げていた『週休3日、1日6時間勤務』を、自身の任期中の目標とすることを表明しています。」
斎藤さんは、第二回の講座の最後にこう指摘しています。
「深刻化するブラック企業の問題を解決するには、それを個々の事件としてみるのではなく、その背景にある構造的な問題に踏み込んで、別の働き方の可能性を探求する必要があります。今回紹介した『労働日』をめぐるマルクスの洞察は、その大きなヒントになるはずです。」
日本共産党が発行している「議会と自治体」1月号に、未来のためのエネルギー転換研究グループが作成した「原発ゼロ・エネルギー転換戦略」の概要が紹介されていました。
この戦略は、2030年に石炭火力ゼロ、原発ゼロ、再生エネ電力44%を実現することなどを目標にしています。この政策を実現する中でCO²の排出量を2030年に1990年比55%減にし、雇用創出数を2030年までに約2千5百44万人、経済波及効果を2030年までに489兆円にすることを試算しています。
別の働き方の可能性を求める動きは、別の社会を求める動きに直結します。
日本での新しい社会と働き方の可能性を求めるこのような動きがあることに勇気が湧いてきます。この戦略をしっかり学んでいきたいと思います。
引き続き、斎藤さんを講師とした「資本論」の第3回、第4回の感想も紹介していきたいと思います。
斎藤さんを講師とした「資本論」の感想をお聞かせ下さい。
一昨年、県行政改革統括本部は、滞在型の創作活動を中心とした芸術文化活動の拠点施設として国内外で高い評価を築き上げてきた県立の秋吉台国際芸術村など県有12施設について「市町への移管か廃止する」との方針を示しました。
これに対し、昨年1月、秋吉台国際芸術村の存続を求める署名1万8000筆が、県知事らに提出されました。また、昨年2月、秋吉台国際芸術村の存続を求める山口大学関係者20名の連名での要望書が県知事に提出されました。
これらの声を受け、県行政改革統括本部は、市町への移管や廃止を検討してきた県有12施設のうち、おのだサッカー交流公園は山陽小野田市に移管し、残りの11施設は、「市との協議を継続する」としました。
その後、新型コロナ感染対策に対する補正予算などを審議した昨年4月臨時議会で、村岡知事が「現在進めている行財政構造改革の取組については、一時凍結」との方針を示しました。
その後、県行政改革統括本部は、「市との協議を継続する」としていた県有11施設について「市町との移管に関する協議は中止する」との方針を示しました。
私は、昨年6月県議会で、「市町との移管に関する協議を中止した」11施設について「来年度から5年間の指定管理を継続するのか」質しました。
これに、内海総務部長は「来年度も指定管理を継続することとなる」と答えました。
次に私は、秋吉台国際芸術村の指定管理業務について「アーティスト・イン・レジデンス事業が継続できる指定管理業務仕様書」にすべきと質しました。
これに、三坂観光スポーツ文化部長は「現時点、お示しできる段階ではない」と答えました。
その後、秋吉台国際芸術村を含む、見直しが検討されてきた県有11施設について、5年間の指定管理が継続されました。
秋吉台国際芸術村は、これまでと同じ「ひとづくり財団」が新年度以降も指定管理を受託することとなりました。
5年前と今回の秋吉台国際芸術村指定管理者業務仕様書と比較して「アーティスト・イン・レジデンス事業」の扱いについて検証してます。
5年目の仕様書には「滞在型の文化施設の特性が発揮できるよう、芸術家の滞在期間が1カ月から3カ月となる創作活動の支援事業を年間1本以上実施してください」とあります。
今回の仕様書には「芸術家の滞在期間が1カ月程度となる滞在型創作活動の支援事業を実施すること。」とあります。
秋吉台国際芸術村において、「滞在期間が3カ月となる創作活動の支援事業」は行われなくなりますが、「1カ月程度となる滞在型創作活動の支援事業」は継続して行われるようになったことが分かりました。
私が、昨年6月議会で指摘した点が、前進できたこと、秋吉台国際芸術村で引き続き、「アーティスト・イン・レジデンス」事業が継続して行えることになったことを歓迎したいと思います。
秋吉台国際芸術村の存続を求める県内外の皆さんや山口大学の関係者の皆さんの声が秋吉台国際芸術村を県有施設として存続させ、「アーティス・イン・レジデンス」事業を継続させたことを今日の私のブログに明記したいと思います。
秋吉台国際芸術村は新年度以降も県有施設として存続し、「アーティスト・イン・レジデンス」事業が継続されることになりました。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。