17日のしんぶん赤旗日刊紙は、シリーズ「生みづらく育てにくい」で障害児支援を取り上げ次のように報じました。
「岸田政権の『異次元の少子化対策(試案)』で抜け落ちているのが、障害児を育てる家庭への支援です。日本は障害者施策の予算が世界的に少なく障害児のケアの負担が母親に集中していることが、さまざまな調査で明らかになっています。京都大学の笹井佐和子氏らの調査では、夜間のケアのため障害児の母親の平均睡眠時間は5時間29分しかなく、4割超が『心の健康不良』でした。医療的ケアが必要で学校バスに乗れないなど、半数近い保護者が通学の送迎をしていました。茨城キリスト教大学の江尻桂子教授らの調査では、子育て世帯の平均と比べ就労率が有意に低く、収入も低い結果が出ています。(ともに特別支援学校に子どもが通う母親が対象)。就労の困難さに加え、障害児が使う車いすなどの補装具や放課後デイサービスなどの利用率も家計を圧迫します。公費助成があるものの所得に応じた自己負担があり、補装具は一定の所得以上で全額自己負担になります。『試案』には児童手当の所得制限撤廃が入ったものの、補装具や放課後向けの特別児童扶養手当の所得制限には言及せず。全国で3740の教室が不足し、通学に片道2時間かかる地域もあるなど、特別支援学校の劣悪な教育環境も見落とされています。」
昨年の5月1日現在、県内の特別支援学校の通学バス(登校時)が70分を越えているものは、岩国総合支援学校の玖北線が72分。田布施総合支援学校の熊毛線74分、光線75分。宇部総合支援学校の東岐波線70分、西岐波線75分、小野田線70分。下関総合支援学校のA-1コース70分、萩総合支援学校の仙崎線72分、田万川線70分となっています。
特別支援学校の今年度のデータや不足教室の状況、医療的ケアが必要な子どもの内、保護者が送迎している実態などについて調査を行っていきたいと思います。
調査結果については、今後のブログで報告していきたいと思います。
「令和4年度包括外部監査の結果報告書」(デジタル化の推進に関する施策に係る財務事務の執行について)が(以下報告書)今年3月に公表されました。
今回の包括外部監査は、表題の通り県が行ったデジタル化推進に関する施策の執行について行いました。
この中で、今日は、県知事にデジタル政策について指南する役割を担うCIO補佐官が所属している企業が、県の外郭団体である(一財)山口県デジタル技術振興財団の入札で落札していたことについて包括外部監査意見を次のように述べています。
まず、報告書29頁に、次の意見があります。
「No1-7では、外部団体である(一財)山口県デジタル技術振興財団(以下、『財団』という)と本県のCIO補佐官(県の非常勤特別職)に就任している民間の第三者が代表を務める一般社団法人との委託契約(プロポーザル審査)について、委託業者選定手続きの過程で、ともすれば特別な配慮があったとみられかねない外眼(県のCIO補佐官という立場が財団内部での委託業者選定過程に影響を及ぼしたのではないかとの外観)が確認されたが、委託業者選定過程が公正であったことが客観的かつ合理的に説明可能となるよう文書等が残されるべきであった。」
また、報告書100頁に、次の意見があります。
「『山口データアカデミー』実施に係る企画・運営等の委託先として本件のCIO補佐官が代理理事を務める法人が選定されている。CIO補佐官は、CIO(最高情報責任者)である知事に対して専門的知見から提案や助言等を行う者であり、非常勤特別職として令和3年4月より登用されている。そhして、官民が一体となって改革を行う『やまぐちデジタル改革』を進めるにあたり重要な役割を担っており、CIO補佐官登用前からも上記の代表理事者より助言を受けている。委託先の選定は公募型プロポーザル方式によって行われ、全応募者2者のうち1者は辞退したことから、本件委託先である法人の審査が行われた。審査委員会は、財団の理事長・専務理事・事務局長及び、県のデジタル推進局長・課長の5名で構成され、審査の結果、『提案内容に支障は認められなかったため』として、同法人を最優秀提案者に決定し、委託業者として選定している。」「いわゆる利害関係を有すると見られかねない者(当該者が代表を務める法人)との契約手続きについては、特別な配慮等があったとの疑念を会部から持たれることがないよう、より細心の注意を払うことが求められ、委託先の選定過程が客観的かつ合理的な説明可能となるよう文書等で残されるべきである。」
私は、以上の包括外部監査の意見を受けて、以下の点について県デジタル推進局に質問書を提出します。
①本件の入札に関する資料を提出してください。
②包括外部監査の意見にどう答えますか。今後ルールを見直す計画はありますか。
③令和4年度及び令和5年5月までに行われた入札で、CIO補佐官が所属する団体が落札した契約はあったのでしょうか。あったのならその入札結果に係る資料を提出してください。
回答は、文書で、今月末を目途に求めています。
回答が届き次第、本ブログでも報告していきたいと思います。
山口県のデジタル化の推進について皆さんのご意見をお聞かせください。
5月19日から「中小企業原油価格・物価高騰等対策支援事業」(以下、支援事業)の第三次募集が始まります。
対象者は、山口県内に事業所を有する中小業者等で以下の要件を満たす者
(1)令和4年5月から令和5年4月のうち、任意の3カ月の合計売上高または売上総利益が前年又は前々年の同期と比較して減少している事業者
(2)山口県内で以下の取組を行う事業者
①省エネルギー機器の導入
②業務効率化に資する機器の導入
対象経費は、省エネルギーや業務効率化に資する新たな設備等の導入に要する経費です。
対象経費の例は以下の通りです。
〇省エネルギー設備等の導入に係る経費
(例)調光制御装置、人感センサ、デマンド監視制御装置、太陽光発電・蓄電設備、業務用冷蔵庫、高公立ボイラー等
〇業務効率化に資する生産設備等の導入に係る経費
「既存の生産設備の更新や作業の児童かに資する機器導入等のための経費」
(例)急速冷凍機、自動食品下処理器、業務用食洗器、自動包装機、デジタル溶接機、配膳ロボット等
対象となる期間は、令和5年4月1日(土)~令和5年12月22日(金)です。
申請方法は、原則として郵送または電子申請です。
必要書類は、申請書、事業収入の減少を確認できる書類の写しなどです。
申請受付期間は5月19日から6月16日(消印有効)です。
問い合わせ先・申請書の提出先は、中小企業原油価格・物価高騰等対策支援事業補助金事務局(第3次募集担当)です。
℡0836-52-8277
https://sanji.yamaguchi-genyu.jp/
日本共産党県議団(木佐木大助団長)は、5月15日、村岡知事に、「県議会へのセンチュリーの貸出し中止を求める要請書」を提出しました。
県知事へ県議会へのセンチュリーの貸出し中止を求める要望書を提出する県議団(左から、藤本、木佐木、河合の各県議)
知事部局が集中管理している7台の車両のうち、2台のセンチュリーは県議会議長と副議長が公務出張や送迎で使用しています。
「センチュリー裁判」を通じて、「センチュリーを議長・副議長が使用しているのはおかしい」との県民世論が高まっています。
県が集中管理している自動車は、センチュリー2台の他、CX-8、クラウン2台、ティアナ、アテンザの5台です。
折しも、県は、東京出張の際、議長・副議長が使用していたハイヤーをセンチュリーなど「大型車」から、クラウンなどの「中型車」に変更する方針に改められました。
日本共産党県議団は、「県議会への貸出しについては、センチュリー2台ではなく、他の5台で運用することは可能だ。県議会の新たな任期が始まったことを契機に、議長、副議長へのセンチュリー貸出をやめることは、何より県民の期待に添い、県への信頼を高めることにつながるものだ。日本共産党県議団は、知事が県議会へのセンチュリーの貸出しを中止する」よう村岡知事に要請しました。
要請書を受け取った県物品管理課の担当者は、「今月末までに、文書回答及び自動車の利用実績をについて回答する」と答えました。
日本共産党県議団の申し入れについては、中国新聞などが報道しました。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
5月8日、教育新聞は、夜間中学校が、再来年度28都道府県59校に広がる見通しだと次のように報じました。
「2020年の国勢調査によると、最終学歴が小学校卒業の人は全国に約80万4000人。義務教育を十分に受けられなかった人や外国人など、多様な人々の学び直しの場である夜間中学校のニーズが再確認され、全国で設置に向けた動きが加速している。特にここ数年は顕著で、現在17都道府県44校と、4年前の19年度と比べ11校増加。文科省によると24、25年度の開校に向けて動いている自治体も複数あり、不登校生徒の新たな学びの場としても期待が高まっている。各都道府県・政令市に設置を目指す文科省も、自治体のサポートや啓発活動に本腰を入れる。3月末には夜間中学の認知度拡充を図る狙いで、生徒や教員が出演するYou Tube動画を公表した。同省初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室の前田幸宣史室長に、夜間中学の現状を聞いた。夜間中学は現在17都道府県44校ある。同省によると、24年度には8校(福島市、群馬県、大阪府泉佐野市、鳥取県、宮崎市、北九州市、佐賀県、熊本県)、25年度には7校(石川県、愛知県、名古屋市、三重県、滋賀県湖南市、岡山市)がそれぞれ設置予定と、近年急ピッチで開設が進められている。その一方で、東北地方や北陸地方などではいまだに検討すらも始まっていない自治体もあり、地域によってばらつきが見られるのが実情だ。国は各都道府県、政令市に設置を目指す。同省の前田室長は、目標を達成するためには『夜間中学の認知度を高めるための、広報活動を充実させることが重要だ』と強調する。20年の国勢調査によると、未就学者(小中学校どちらにも在学したことがない、小学校を中退した)は約9万4000人、中学校を卒業していない人は約80万4000人に上る。同省ではこの約90万人を潜在的な入学希望者として捉え、ニーズの掘り起こしを図ろうとしている。設置に向けて全国の自治体を飛び回り、説明会などに立ってきた前田室長。夜間中学のニーズが比較的高いと思われる高齢者や外国人など市民の生活圏内に入り込み、広報活動をする必要があると強調する。『例えばポスターを貼る場所。これまでは役所周辺が多かったが。それでは限られた人しか見られず、なかなか夜間中学の存在を知ってもらいづらい。駅やバス、病院、コンビニ、郵便局、市民の生活圏内に積極的に貼ってほしい。』と、自治体の関係者に伝えているという。他にも3月末には、夜間中学の生徒や教員が出演するYou Tube動画を作成した。動画は札幌市立星友館中学校と、京都市立洛友中学校の2パターンがあり、それぞれ見どころを短くまとめたダイジェスト版も用意。年代も国籍もバラバラな生徒たちが、夜間中学に通い始めたきっかけやリアルな学校生活について『夢みたいにうれしかった』と顔をほころばせる。外国人の男性は『電気関係の資格をとって、母国との懸け橋になりたい。今までお世話になった分を、どこかで返せばと思う』と、将来の目標を語る。それぞれの生徒が学ぶことの喜びをかみしめつつ、学びや仲間と真摯に向き合っている姿が印象的だ。前田室長は『ポスターなどの掲示物だけでは、その場所に行かなければ見ることはできない。動画であれば、場所を問わず情報に触れられるはず。再生回数も伸びてほしい』と期待を寄せる。夜間中学は、新たな可能性も模索している。近年増加する、不登校生徒の受け入れ場所としての活用だ。現在ある夜間中学44校のうち、洛友中学校と香川県三豊市高瀬中学校の2校が不登校特例校と併設されており、現役の中学生を受け入れている。動画に登場する洛友中学校は、不登校の中学生のための昼間部と、それ以上の年代が通う夜間部とすみ分けし、お互いが交流しながら学びを深め合っている。さらに文科省は16年に、不登校特例校を併設しない通常の夜間中学も『本人の希望を尊重した上で』中学生を受け入れることもできると通知している。一方、22年1月に同省が公表した『22年度夜間中学等に関する実態調査』をみると、不登校生徒を夜間中学(不登校特例校併設など含む)で受け入れている回答したのは3校のみ、検討開始予定との回答も6校にとどまった。前田室長は『在籍校に籍を置きながら、通常の夜間中学に通って学びを進めるケースも増やしていきたい。例えば起立性調節障害で朝は登校が難しいが、夜間であれば学校に通えるといった生徒など、さまざまなニーズがあるだろう』と、今後の拡大に意欲を見せる。『なくてはならない場所』『家以上に安心できる場所』。動画に登場した夜間中学の生徒は、生き生きとした表情でこう語る。年齢や国籍の違いで線引きせず、誰でも、いつからでも学びにアクセスできる場、夜間中学。その意義について、前田室長は『20年の国勢調査の結果を受けて、全国各地に学び直しのニーズがあることは明らかになった。各自治体には、夜間中学のニーズがある前提で動いてほしい。何歳になっても学び直せる環境を、行政は担保しなければならない。さらに共生社会を踏まえると、日本で暮らしている外国人の学びたい気持ちに応えることも行政の役割だ。国としても、さまざまな補助や支援を用意し、後押ししていきたい』と強調した。」
私は、2月県議会において、夜間中学を設置するよう求める質問を行い、木村副教育長は「県教委でニーズ調査の結果を踏まえ、今後、各市町教委と協議の場を設け、引き続き夜間中学校の必要性について検討していくこととしている」と答えました。
文部科学省の今年4月時点の調査によれば、今年4月までに設置されているのが、17道府県、開校を公表したのが11県、開校に向けて検討を進めているとしている地域が3県、合計31都道府県となっています。
この内県立で夜間中学を開設したのは、静岡、徳島、高知の3県です。開設予定の県立のものは、群馬、愛知、三重、熊本、長崎、佐賀の6県、合計9県です。
夜間中学の設置の予定がないのは、青森、岩手、秋田、山形、新潟、栃木、山梨、富山、岐阜、福井、和歌山、愛媛、島根、山口、大分、沖縄の16県となっています。
山口県でも県立での実施の検討も行い、一日も早く夜間中学を設置すべきです。
私は、不登校特例校についても設置を急ぐべきだと2月県議会で質しました。木村副教育長は「まずは、市町村教委等と連携し、本県の不登校児童生徒の実情やニーズの把握に努めてまいる」と答えました。
記事にあるように、夜間中学と不登校特例校を併設することも山口県として検討すべきです。
引き続き、県内への夜間中学校の設置と不登校特例校の設置を県教委に求めていきたいと思います。