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パートナーシップ宣誓制度スタート 知事が「提供可能な行政サービスの拡充図る」と答弁

 9月30日、一般質問で登壇しました。
 今日は、パートナーシップ宣誓制度について報告します。
 県は9月1日からパートナーシップ宣誓制度をスタートさせました。制度導入を求めてきた者として嬉しく思います。
 県は、8月19日から宣誓日の予約受付を始めました。
 私は、「今日までに、宣誓書を受領したカップルは何組か、又は、宣誓日を予約したカップルは何組か」と質しました。
 平屋副知事は「宣誓については、現時点で宣誓書を受領したカップルが3組、宣誓日を予約されているカップルが1組となっている」と答えました。
 9月1日現在、山口県提供サービスは、①県営住宅の入居申し込み②犯罪被害者等に対する転居費用の助成③11月22日に県立美術館に来館したカップルへ記念品を配布④自動車税の身体障害者等の減免⑤やまぐち結婚応援パスポートによる各種優待サービスです。
 私は、「更に提供サービスを拡大すべきだ」と質しました。
 村岡知事は「昨年、LGBT理解増進法の施行を受けて設置した庁内ワーキンググループにおいて、同性のカップルが、事実婚のカップルと同等のサービスを受けることが可能となるよう、県で提供可能な行政サービスを受けることが可能となるよう、県で提供可能な行政サービスについて取りまとめ、制度の施行に併せてホームページで紹介しているところだ。私は、引き続き、当事者の方々が利用しやすい制度となるよう、市町と連携し、提供可能な行政サービスの拡充を図ってまいる」と答えました。
 福島県は、①住宅確保給付金②生活保護制度③DV相談の利用について「これまでも利用できた制度」として県提供サービスに掲載しています。
 私は、「県も同様の対応を行うべきだ」と質しました。
 平屋副知事は「本県では、制度の施行にあたり、当事者団体等で構成する調整会議のご意見を踏まえ、新たに、提供可能とした行政サービスについて取りまとめ、現在ホームページで紹介しているところですが、掲載の内容は引き続き充実を図っていくこととしている」と答えました。
 不妊治療について、パートナーシップ宣誓制度を実施している3県で提供サービスとしています。里親については、8都府県で提供サービスとしています。
 私は「この二つの制度は、県でも同性パートナーが利用できるのか」質しました。
 國吉健康福祉部長は「特定不妊治療については、パートナーシップ宣誓制度の有無に関わらず、保険診療の対象となれば、支援の対象となります。療育里親制度については、パートナーシップ宣誓制度の有無に関わらず、認定要件を満たせば、養育里親になることができることとなっている」と答えました。
 次は、県職員への福利厚生についてです。
 私は、「正規職員、会計年度任用職員に諸手当、旅費、休暇等、同性パートナーにどのように適用できると通知したのか、知事部局、教育庁、県警にそれぞれ聞く」と質しました。
 佐藤総務部長は、「本件のパートナーシップ宣誓制度を利用した職員については、事実婚のカップルと同様に、扶養手当や結婚休暇等の対象に含めることを各所属長に通知したところだ」と答えました。
 根ケ山副教育長は、「知事部局と同様に、本件のパートナーシップ宣誓制度を利用した教職員について、扶養手当や結婚休暇等の対象に含めることを通知したところだ」と答えました。
 熊坂県警本部長は「県と同様に職員が本件のパートナーシップ宣誓制度を利用した場合、扶養手当や結婚休暇等の対象に含めることを各所属長に通知している」と答えました。

 私は、「県内市町や他県とどのように連携を図ろうとしているのか」質しました。

 平屋副知事は、「県内で先行している制度を導入している市町については、サービスが相互利用できるよう、市町の制度に基づく受領証等は、県交付の受領証等と同等の効力があるものとして取り扱うこととしています。また、他県との連携については、各都道府県によって手続き等の差異があるため、どのような形で連携していくか、現在検討を進めている」と答えました。
 

山口県の近代化遺産である旧長生炭鉱の排気竪坑(ピーヤ)を県独自の文化財登録制度を創設し、文化財に登録すべきと主張

 私は、9月30日に一般質問で登壇しました。
 今日は、長生炭鉱の水没事故を歴史に残す課題の内、排気竪坑(ピーヤ)について報告します。
 教育委員会は96~97年度に、県内の近代化遺産を調査し、672件を「山口県の近代化遺産」として調整し報告書に収録しました。報告書各論編に掲載された103件の建造物等の内、国指定文化財が7件、国登録文化財が19件、県指定文化財が7件あります。
 私は、「県文化財保護条例は、所有者の同意が得られないものでも指定できるのか」と質しました。
 道免観光スポーツ文化部長は「県条例においては、指定をしようとするときは、あらかじめ当該文化財の所有者の同意を得なければならないところだが、所有者が判明しない場合は、除かれているところだ。なお、個別の指定に当たっては、財産権の尊重及び他の公益との調整の他、指定後の管理体制も含めて判断することとしている」と答えました。
 22年の文化財保護法改正により自治体独自の文化財登録制度を設けることができることとなりました。共同通信の調査によると、登録制度を9府県が設けています。
 旧長生炭鉱の排気竪坑(ピーヤ)は、近代化遺産に入っています。所有していた会社は解散しています。
 私は、「ピーヤを含め、近代化遺産の内、国・県の文化財になっていないものは、県独自の文化財登録制度を創設し、文化財に登録すべきだ」と質しました。
 道免部長は「現在、県内においては、国、県、市町の指定制度と国の登録制度により、未指定文化財の指定、登録を進めているところであり、現時点、県独自の登録制度の創設は考えていない」と答えました。

刻む会の「長生炭鉱被害者遺骨収集を」の要望を「適切な形で国に伝える」と部長答弁

 私は、9月30日に一般質問で登壇しました。
 今日は、長生炭鉱の水没事故を歴史に残す課題についての内、国への要望の伝達についての部分を紹介します。
 8月22日、日本共産党山口県委員会は、厚生労働省に「日韓合意に基づいて長生炭鉱水没事故の犠牲者の遺骨収集に向けた検討を行うこと」を要請しました。
 人道調査室長補佐は「長生炭鉱水没事故の犠牲者の遺骨は、発掘しなければ、具体的な課題が確認できない。政府として現時点では調査は実施していない」と答えました。
 長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会では、排気竪坑や坑口から遺骨収集のための調査を開始しました。
 私は、「県として宇部市と共に、厚労省人道調査室に直接出向き、刻む会が遺骨収集のための調査を開始したことを伝え、国が犠牲者の遺骨収集に取り組むよう要請すべきだ」と質しました。
 道免観光スポーツ文化部長は「長生炭鉱の水没事故において、多くの方々が亡くなられたことは大変痛ましく、犠牲者の方々に哀悼の意を表する。遺骨の収集、返還については、国の責任において対応されるべきものであることから、県では、これまで、日韓親善と人道上の立場から、国よる遺骨収集等が進むよう、『刻む会』の皆様などのご要望やご意見を国に伝えてきたところだ。現時点、国への訪問予定はないが、県としては、引き続き、『刻む会』の皆様などからのご要望を国に伝え、国による遺骨収集等が進むよう努めてまいる」と答えました。
 私は、「宇部市とどのような協議をしてきたのか。11月県議会までに、県として宇部市と共に厚労省人道調査室に行くべきだ」と質しました。
 道免部長は「宇部市とは随時、情報を共有しているところだ。現時点で国への訪問予定はないが、引き続き、宇部市と情報を共有しながら、適切な形でご要望を国に伝えてまいる」と答えました。

 昨日は、長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会が、「長生炭鉱坑口開けたぞ!現地記者会見」を行い、私も運営委員の一人として参加しました。

  発見された坑口の付近で、記者の取材に応じる長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会の井上洋子共同代表

 

 県内を中心に多くのマスコミの方々が記者会見に参加され、昨日の夕方のニュースなどで報道されました。

全国の信用保証協会51のうち50のトップが地元自治体元幹部 山口県も同様の状況

 10月6日、朝日新聞は、信用保証協会の全国51協会のうち、50協会のトップが地元自治体の元幹部であることが分かったと次のように報じました。
 「中小企業が融資を受ける際に保証人になる『信用保証協会』をめぐり、全国51協会のうち50協会のトップが地元自治体の元幹部であることが、朝日新聞の調べでわかった。政府は『天下り』批判を受けた11年前の国会で是正の意向を示していたが、いまも98%で天下りが続いている実態が明らかになった。信用保証協会は中小企業が金融機関からお金を借りやすいように債務を保証し、企業が返済できなくなった場合は肩代わりする。信用保証協会法に公的機関で、47都道府県と4市(横浜、川崎、名古屋、岐阜)にある。協会のトップである会長や理事長の出身を調べたところ、51協会のうち50が地元自治体だった。うち25人は都道府県の元副知事で、その他は県教育長や県議会事務局長、県・市の局長や部長といった元幹部だった。大阪や兵庫の協会は1948年の設立時から76年刊、府県の出身者がトップに就き続けている。トップが唯一、民間出身の新田八郎知事が2020年の知事選で、『金融・経営の専門的知見を持つ人材による協会運営』を目指し、『民間人を対象とした公募』を検討すると公約して初当選した。協会役員の任命権は知事や市長にあるが、経済産業省も金融庁も協会を監督する。13年の参院予算委員会で野党議員が、教会トップは『自治体からの天下りポスト』と指摘し、『(保証するか否かの)審査体制がずさんだ』とも訴えた。茂木敏充経産相(当時)は『何十年、理事長らが同じところから出ていること自体、適正だとは思っていない』とし、『国民目線で見ておかしいことはおかしいという方向で検討する』と答弁していた。翌14年、経産省は、協会に対する監督指針を改正。自治体出身者を役員にする場合は『複数の候補者からの選定や公募など』を求めたが、いまだに天下りの是正には至っていない。こうした現状について、経産省の担当者は『自治体出身者でも一概に否定されるものではない』と答えた。一方で協会の役割は増え、今年6月に改訂された監督指針では『中小企業の経営支援』が加わった。東洋大の野崎浩成教授(金融論)は『協会トップにはますます専門的な金融の知見が必要になるが、自治体出身者にそれがあるかは疑わしい』と指摘。株主が人事を監視する民間会社を引き合いに『天下りという既得権益を守る人事になっていないか、問われるべきだ』と話した。」
 山口県信用保証協会の会長は、元県部長です。
 私は、7日付で、県産業労働部に対して、以下の照会を行いました。
 ①山口県信用保証協会が設立された時期は。
 ②歴代の山口県信用保証協会会長の名前と就任期間と直前の県庁での肩書
 ③経済産業省が示す協会に対する監督指針に「複数の候補者の中から選定や公募など」とあるが、山口県信用保証協会はどう検証したと県は認識しているのか。
 ④県は、歴代会長が、県の元幹部である現状をどう認識し、どう改善しようとしているのか。
 回答が届き次第報告します。

米軍・自衛隊岩国基地におけるPFASとPCB廃棄物について質問しました

 私は、9月30日、一般質問で登壇しました。
 今日は、岩国基地と環境問題について報告します。
 まず、米軍岩国基地のPFASについてです。
 沖縄タイムズのジョン・ミッチェル特約通信員は、2018年5月18日、米情報公開制度で入手した内部文書をもとに、岩国基地で2007~16年の10年間で、少なくとも344件の環境事故が起こったこと、残留性有機フッ素化合物PFOS含有とみられる油圧作動油と泡消火薬剤の漏れなどの事故がったことを明らかにしました。私は、「岩国基地における①消火訓練施設の設置状況②2010年以降に行われた消火訓練の実施状況③泡消火薬剤漏出事故の発生状況④飲料水は米国の環境基準をクリアしているのか⑤PFAS等についての公開状況等を県は、基地に照会し、結果を公表すべきだ。」と質しました。
 田中総務部理事は「PFASに関する報道等を踏まえ、岩国基地内のPFASについて、お示しの内容を含め、現在、国を通じて照会をしているところであり、その回答を待って、適切に対応してまいる」と答えました。
 私は、「岩国地内のPFASについて、国や県は米側にどのような要望を行っているのか」質しました。
 田中理事は「国からは、PFOS等の環境に関する問題については、日米間で様々なれレベルでの協議を行っているとの説明を受けている。県では、基地を抱える都道府県で構成する渉外知事会を通じ、国や米側に対し、PFOS等を含む製品の適正処理についての要望を行っている」と答えました。
 在日米軍司令部は22年4月、日本環境管理基準の中で、「重大な漏出が発生した場合は、適切な地方公共団体に直ちに通知しなければならない」としています。
 私は、「過去、重大な漏出事故として、岩国基地が、岩国市や山口県に通知したケースはあったのか」質しました。
 田中理事は「県の保存文書で確認できる範囲内におきまして、本県に対して、国から、日本環境管理基準に基づき、通知を受けた事はない」と答えました。
 私は、「日本環境管理基準に基づく、通知された事案がないということは重大だ。基地側に、日本環境基準の遵守を強く求めるべきだ」と質しました。
 田中理事は「国からは、そうした事故等が発生した場合は、適切に、通報手続きに基づき、情報提供するという説明を受けていおり、国から適切に情報提供があるものと考えている」と答えました。
 「瀬戸内海の豊かな環境を守る住民ネットワーク」から私に、2021年12月11日、空母艦載機格納庫下のタンクからバキュームカーに汚水を流す際、バキュームカーからAFFFを大量に含む汚染水があふれ出し、付近の地表を汚染したとの情報が提供されました。
 私は、「この漏出事故は、どのようなものだったのか、岩国基地にこの問題を照会すべきだ」と質しました。
 田中理事は「報道等を踏まえ、お示しの内容を含め、現在国を通じて紹介しているところだ、その回答を待って適切に対応していく」と答えました。
 次に、海上自衛隊岩国航空基地についてです。
 防衛省が今年6月、自衛隊基地内にあるPFOSを含有する消火剤の2023年度末の保有状況を明らかにしました。全体が33800㍑のうち、岩国航空基地に、自衛隊基地で最大量の8180㍑の泡消火剤が残存していることが明らかになりました。
 また、岩国航空基地は、9月30日までを履行期限として、PFOSを含む泡消火剤等の汚染物の収集・運搬及び処理を行うための入札を行っています。
 私は、「この入札で、自衛隊の基地内のPFOSはどれだけ減ったのか。まだ残っている場合は、今後どのように処理しようとしているのかについて自衛隊岩国航空隊に照会すべきだ」と質しました。
 田中理事は「国からは、海上自衛隊岩国航空基地では、PFOS含有泡消火薬剤について、本年9月末を目途に処理を終える計画であるとの説明を受けている。現時点での状況は承知していないが、進捗については、今後、国から情報提供があるものと考えている」と答えました。
 次に、岩国基地周辺でのPFASなどの調査についてです。
 岩国基地付近で、アメリカ民間環境保全団体と日米退役軍人団体の協力で、PFASの水質調査が行われ、国の暫定指針値の1.8倍の濃度が検出されました。
 日本共産党岩国市議団は、岩国市議会9月定例会で、この調査結果に対する市の見解を質したのに対し、岩国市長は「国や山口県に対し、前回実施した調査から数年も経過していることから、モニタリング調査を検討するよう、依頼したい」と答えました。
 私は、「PFASに関し、国や県は、これまで岩国基地付近で、どのような調査を行ってきたのか」と質しました。
 平屋副知事は、「これまで、基地周辺では、海域の環境基準点において、令和元年度に環境省が、令和3年度に県が、それぞれ調査を実施しており、いずれも国が定める暫定指針値内でした」と答えました。
 私は、「岩国市からモニタリング調査の実施を検討するよう依頼された場合、どう対応するのか」質しました。
 平屋副知事は、「今後、岩国市の依頼内容を確認し、国とも連携しながら、調査の必要性について検討してまいる」と答えました。
 次に、岩国基地内のPCB廃棄物についてです。
 沖縄タイムズは、岩国基地において「『PCB漏れ』と記された2015年5月20日付の写真もあった。これは、大型変圧器がトラックから落下し、汚染液が漏れた事故処理の記録だ」と書いています。
 防衛省は、2003年度から22年度までのPCB廃棄物を8トンだと発表しています。
 私は、「PCB廃棄物量と処理状況を、県は、基地に照会して、結果を公表すべきだ」と質しました。
 田中理事は「PCB廃棄物に関する報道等を踏まえ、岩国基地内のPCB廃棄物について、お示しの内容を含め、現在、国を通じて照会しているところであり、その回答を待って、適切に対応してまいりたい」と答えました。
 私は、「国や県は、岩国基地のPCB廃棄物について、米側に対しどのような要望を行っているのか」と質しました。
 田中理事は、「国からは、PCB等の環境に関する問題については、日米間の様々なレベルでの協議を行っているとの説明を受けている。県では、渉外知事会を通じ、国や米側に対し、基地内のPCB廃棄物の適正な保管と処理、国外への搬出に当たっては、その安全確保に努めること等を要望している」と答えました。
 

藤本かずのり県議会報告(かえる通信)2024年11月1日 No115