6日付、読売新聞は、映画「教皇選挙」について次のように報じました。
「次期ローマ教皇を選ぶ教皇選出会議(コンクラーベ)が7日に始まるのを前に、上映中の映画『教皇選挙』(エドワード・ベンガー監督)が注目を集めている。4月21日に教皇フランシスコが死去すると満席が続出し、配給会社によると公開5週目にもかかわらず、1週間の興行収入が前週から倍増したという。同26日時点で
興行収入は5億円を超え、大型連休で娯楽大作やファミリー作がそろう中、異例のヒットになっている。同作は教皇の急逝後、思惑や策略が渦巻く中、高位聖職者の枢機卿たちによる秘密投票で次期教皇が決まるまでを描く。外部と遮断された堅い扉の内側で、どのように選挙が行われるかが示される。投票が行われるシスティーナ礼拝堂の内装や枢機卿たちの衣装も細部まで再現された。3月20日に公開され、全国約130館で上映されてきたが、ヒットを受けて50館以上追加されることが決まった。興行成績に詳しい映画ジャーナリストの大高宏雄さんは『出演俳優が亡くなるなどして集客が伸びることはあるが、今回の事例は非常にまれ。コンクラーベのニ
ュースは続くので、映画に関心を持つ人はまだ増えるだろう』と話した。」
私は、6日は、実家の田植えに向け、田の畔の草刈りを行う予定でしたが、雨のため、中止し、この記事を読み、急遽、イオンシネマ防府で上映中の本作を観ました。予習なしで観た映画でしたが、娯楽性と社会性を兼ね備えた素晴らしい映画でした。私は、現在、浄土真宗本願寺派山口教区会議員を務めていますが、宗教団体は誰のためにあるのかを考えさせられました。皆さんも様々な組織や団体に関わっておられると思いますが、この映画は、広く組織は誰のためにあるのかを考えさせる作品です。本作は、イオンシネマ防府だけでなく、近くワイカムシネマでも上映予定です。一人でも多くの方に本作を見て頂きたいと思います。
この映画の娯楽性の高さについて、映画のパンフレットで、ライターの稲垣貴俊さんは、「映画『教皇選挙』は、カトリック教会の最高位にしてバチカン市国の国家元首でもあるローマ教皇の死去を受け、有力候補者が後任を争う政治スリラーだ。選挙中、投票者・候補者となる枢機卿たちは外部から完全に隔絶された環境で生活することになる。これぞ、ミステリーにふさわしい密室空間だ。教皇は死去直前に何をしていたのか、水面下で起きている陰謀の主は誰か、そして候補者たちの秘密とは・・・。本作では殺人事件こそ起こらないが、外に出ることも、外の様子を知ることもできない中で、人々の思惑と疑心暗鬼の圧力がどんどん高まってゆく。」
稲垣さんは、本作を「密室の選挙ミステリー」と評します。
本作のもう一面の社会性について、稲垣さんは「保守とリベラル、マジョリティとマイノリティ、パブリックとプライベート、信仰とテロリズム、民主主義と汚職、そして戦争と平和。さまざまな両極のテーマを内包したミステリーである本作」と評しています。
映画のパンフレットで、映画ライターのISOさんは、「カトリック教会の家父長制とジェンダー不均衡に向けられた変化の願いこの掉尾には込められている」と述べています。
映画のラストは、ここでは書けませんが、ISOさんのこのコメントは強く感じることができました。
カトリック教会に限らず、この社会に残る家父長制とジェンダー不均衡。その流れが強まる社会に対する変化への願いがこの映画には込められいると感じます。このメッセージも極めて今日上映されるに相応しい社会性のある映画だと感じました。
映画「教皇選挙」、私の今年一押しの作品となりました。観られた方は、感想をお聞かせください。
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