10月4日、県議会環境福祉委員会の審議が行われました。
4日は、健康福祉部の審議が行われました。
昨日行われた環境福祉委員会(健康福祉部所管)の審議に参加する私
私が行った審議の内、主なものを報告します。
第一は、新型コロナ対策です。
10月3日の記者会見資料によると、感染者数は214人、内訳は、医療機関等からの報告数は170人、自宅療養者フォローアップセンターからの報告数は44人でした。
私は、「170人の内、65歳以上など国に発生届を出さなければならない人数とそれ以外の人数は何人か」尋ねました。
村尾健康増進課企画監は「国への発生届が必要な方は12人で、それ以外が158人だった。」と答えました。
私は、「158人の内、自宅療養者フォローアップセンターに登録した人数は何人か」尋ねました。
村尾企画監は「154人だ。」と答えました。
私は、「国へ発生届が必要な人は、全てフォローアップセンターに登録するよう働きかけるべきだ。また、自己検査等で陽性だった方全てがフォローアップセンターに登録するよう働きかけるべきだ」と要望しました。
私は「フローアップセンターの契約金額とセンターの場所はどこか」尋ねました。
村尾企画監は「8億3千万円で東京を中心に複数の法人と契約している。」と答えました。
私は、「フォローアップセンターはつまりコールセンターである。患者の容態の急変についても本人が届け出なければ始まらない。自宅療養中に亡くなるケースを生まない体制にしていくべきだ」と求めました。
次に施設入所の高齢者の死亡を防ぐ対策についてです。
私は、「第7派で約200人の高齢者が亡くなられたが、高齢者施設で、入院が必要な患者が施設内に留め置かれて死亡するケースはなかったのか」質しました。
村尾企画監は「施設に留め置かれて亡くなったケースはなかった」と答えました。
全数把握の方針が見直された際に政府は「WITH コロナに向けた政策の考え方」を示し、高齢者施設等に対する医療として「施設内療養に対する支援体制の強化」とする方針を示しました。
私は、「この方針によって、患者が施設に留め置かれることはないのか」質しました。
村尾企画監は「今後も患者を施設に留め置くことはない」と答えました。
第二は、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県条例」についてです。
委員会の審議の中で、条例の内容を逐条解説する「解説書」が作成されることが明らかになりました。
9月26日に行われた内閣府の第70回「障害者政策委員会」で、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針改定案」が示されました。
方針案では、不当な差別的取扱いについて「行政機関等及び事業者と障害者の双方が、お互い相手を尊重しながら相互理解を図ることが求められる」としました。
私は「条例7条2は『理解を得るように努めなけらばならない』に留まっているが、解説書に、内閣府の方針案にある『相互理解を図る』ことなどを盛り込むべきだ。同時に、条例8条2は、合理的配慮について『理解を得るよう努めなければならない』に留まっているが、内閣府の方針案に『相互理解を図り、代替措置の選択も含めた対応を柔軟に検討』とある。この内容も解説書に盛り込むべきだ」と質しました。
田村障害者支援課長は「解説書を作成する中で、内閣府の方針案の内容を参考にしたい」と答えました。
第三は、通園バスでの死亡事案への対応についてです。
小倉少子化担当大臣が9月29日に「緊急対策のとりまとめに当たっての基本方針」を示しました。
基本方針には「分かりやすく、簡潔な安全管理用マニュアルを早期に作成する」とあります。
私は「マニュアルの作成は必要だと思う。県はどう対応するのか」質しました。
伊藤こども政策課長は「国が作成するマニュアルの動向を見守りたい」と答えました。
第四は、母子生活支援施設についてです。
私は、「中国5県の母子生活自立支援施設の数と、一施設あたりの母子世帯数」について尋ねしました。
岡田こども家庭課長は「施設数は、山口1、鳥取5、島根1、岡山2、広島9。一施設当たりの母子世帯数は、山口約19800世帯、鳥取約1500世帯、。島根約8100世帯、岡山約12400世帯、広島約4700世帯」と答えました。
私は、「母親が免許を取得したり、就職活動をする間、子どもの面倒を見てくれる母子生活支援施設の役割を施設見学で実感した。県内に母子生活支援施設を複数設置すべき」と質しました。
森光こども・子育て応援局長は「現時点で、母子生活支援施設は充足していると認識している。今後、母子生活支援施設の不足が生まれる事態になれば、関係者と協議することになる」と答えました。
私は、9月28日に一般質問で登壇しました。
今日は、災害に強い県づくりについての質問の内、河川行政に関する部分を報告します。
国土交通省は、台風14号の大雨に備え、全国124ダムで「事前放流」をしたとは発表しました。
私は、県内で事前放流を行ったダムについて尋ねました。
和田土木建築部長は「県内では、県管理の小瀬川ダム、菅野ダム、生見川ダム、川上ダム、今富ダムと、国管理の島地川ダムで、事前放流を行った。」と答えました。
私は、「氾濫危険水位に達した河川にあるダムで事前放流しなかったのは、どのダムか」尋ねました。
和田部長は「氾濫危険水位に達した河川について、予測雨量などの状況により事前放流を行うこととしているダムは6ダムあり、このうち今回事前放流を行わなかったダムは、末武川ダム、厚東川ダム、木屋川ダムだ」と答えました。
私は、事前放流の実施を求めてきたものとして、県管理の5つのダムで実施されたことを評価するとして、「事前放流の成果」について尋ねました。
和田部長は「事前放流とは、治水の計画規模や河川・ダムなどの施設能力を上回る洪水が発生したときに、ダム下流の河川沿川での浸水被害の防止軽減を図るため、事前にダムの貯水位置を低下させるものでございます。今回の事前放流については一定の効果があったものと考えている。」と答えました。
私は、「厚東川は、持世寺水位局、末信橋水位局、信高橋水位局で氾濫危険水位に達した。私は、氾濫危険水位に3水位局が達した厚東川などは、事前放流すべきだったと思う。氾濫危険水位に達した河川にあるダムで事前放流がなぜ出来なったのか検証すべきだ。」と質しました。
和田部長は「事前放流については、それぞれのダムにおいて実施を判断する基準を定めており、今回、お尋ねのダムについては、気象庁が予測した降雨量が、その基準に達しなかったため、事前放流を行わなかった。ダムの事前放流については、国が定めたガイドラインに沿って設定した基準に基づき実施することとしており、県では、現時点、関係者と協議することは考えていない。」と答えました。
県は、過去の被害状況等から優先度の高い26水系について、流域治水プロジェクトを策定しています。
私は、「台風14号で、流域治水プロジェクトの効果をどう評価するのか」質しました。
和田部長は「県では、本年2月、流域水プロジェクトを策定し、関係機関と連携のもと、ハード・ソフト両面から対策を推進しているところだ。この取組みは途に就いたばかりであり、現時点で、ハード面からの効果を評価することは困難ですが、ソフト面からの効果としては、今回の台風では、新たに整備した河川監視カメラによる河川の危険度の見える化などにより、住民の適切な避難行動に繋がったものと考えている」と答えました。
私は、「今後26水系での流域治水プロジェクトにあるそれぞれのロードマップを確実に進捗させる必要があるが、県の見解を伺う。」と質しました。
村岡知事は「近年、気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による災害が、全国で頻発・激甚化しており、私は、こうした災害から県民の生命・財産を守るためには、治水対策は極めて重要であると考えている。また、今後の水害リスクの増大に備えるため、県では、河川流域全体のあらゆる関係者が協働し、水害を軽減する『流域治水』の取組として、具体的な対策や役割分担、ロードマップ等を取りまとめた流域治水プロジェクトを策定し、ハード・ソフト両面から対策を推進しているところだ。具体的には、ハード対策として、河川改修や土砂災害防止施設の整備等を計画的に進めるとともに、ソフト対策として、河川監視カメラなどによる情報提供や水害対応タイムラインの運用など、住民の的確な避難行動に繋げるための取組を、市町と連携して行っているところだ。私は、県民の暮らしの安心・安全は、あらゆることの基本であるとの認識のもと、引き続き関係機関と緊密に連携し、流域治水プロジェクトに位置付けた対策を着実に推進してまいる。」と答えました。
気候変動による記録的な集中豪雨などが発生している中で、事前放流の実施を判断する基準について不断の見直しが必要ではないかと感じます。
この点については、更に調査を継続し県民の命と財産を守るために必要な河川行政の在り方について必要な発言を行っていきたいと思います。
激甚化する災害に対する河川行政について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
私は、9月28日に一般質問で登壇しました。今日は、カーボンニュートラルについて報告します。
山口県コンビナート連携会議が9月2日に開かれ、提案された「やまぐちコンビナート低炭素化構想」(案)の基本目標には、「コンビナートの国際競争力の維持・強化を図りつつ、2050年カーボンニュートラルを実現」と記されました。
私は、「現在改定中の地球温暖化対策実行計画の『2050年の目指す将来像』は、『やまぐちコンビナート低炭素構想』(案)に付合し、『2050年カーボンニュートラルを実現』するものだと思うが尋ねる。」と質しました。
藤田環境生活部長は、「実行計画における将来像は、産業から暮らしまで社会全体のあるべき姿を盛り込む方向で、現在、検討を進めているところであり、その具体的な内容については、お示しできる段階にはない。」と答えました。
私は、「県が二酸化炭素排出実質ゼロ宣言を行う前提としている『やまぐちコンビナート低炭素化構想』(案)の基本目標が示された今、『2050年二酸化炭素排出実質ゼロ』宣言を行うべきだが尋ねる。」と質しました。
藤田部長は「お尋ねの宣言については、脱炭素化に係る企業や県民の理解と積極的な参加を得られるような取組を進めながら、『やまぐちコンビナート低炭素化構想』を核として策定する『やまぐち産業脱炭素化戦略』や実行計画などの検討状況を踏まえ、慎重に判断したい」と答えました。
私は、9月28日に新型コロナ対策の問題で登壇しました。
新型コロナ感染症で亡くなった方が8月だけで137人。9月は、54人と過去2番目の死亡者数でした。
8月は、高齢者施設でのクラスターが95件も発生しており、高齢者施設でのクラスターを減らし、高齢者の死亡を減らす対策が急務です。
7月15日、厚労省は「高齢者施設等の従業者等に対する調査の実施について」の事務連絡により「集中的実施計画」の見直しを求めました。
私は、「山口県は、『集中的実施計画』をどのように見直し、高齢者施設等への頻回検査をどのように実施したのか」質しました。
弘田健康福祉部長は「BA.5系統への置き換わりや、夏休み・お盆休みの人流活発化による感染拡大に備え、7月から8月にかけて、再度検査を行うこととし、重症化リスクの高い方が入所する高齢者施設等の従業者を対象に、453施設で頻回調査を実施した」と答えました。
私は、「高齢者施設等での頻回検査の実施を求めてきた者として、頻回検査の実施を評価する。集中的実施計画は期限が8月19日までとなっている。8月20日以降も、高齢者施設でクラスターが相次いで発生して、9月になっても50人を超える死者数である。高齢者施設での頻回検査は、当面継続すべきだ」と質しました。
健康福祉部長は「本県では、これまでも、感染状況等に応じて、高齢者施設等への頻回検査等を実施してきたところであり、今後も、感染状況等を踏まえて、必要があれば実施してまいる。」と答えました。
私は、「感染爆発が起き、死亡者が急増しているにも関わらず、『新型コロナウイルス感染症対策本部本部員会議』は7月15日以降開催されていない。その理由は。」と質しました。
健康福祉部長は「この会議は、部局横断的に情報の共有と庁内組織の連携を図るために設置、開催しているところだ。第7波においては、感染状況が増加に転じたことから、7月15日に本部員会議を開催し、夏休みやお盆期間を見据えた今後の対策について協議を行った。その後は、部局間で緊密な連携のもと、感染状況を共有しながら対策を進めており、基本的な感染対策に大きな変更はなかったことから、改めて本部員会議は開催していない。」
私は、「第7波は、過去最大の山であったことから、しっかり今それらを振り返ること。全数把握方針が見直されたこと。これから冬を迎え、インフルエンザを含めた発熱患者が増加すること。この3点から、至急、新型コロナ感染症対策本部員会議を開催すべきだ」と質しました。
健康福祉部長は「本部員会議は、これまでも適時適切に開催してきたところだ。今後においても、感染状況を踏まえて、必要がある時には開催してまいる」と答えました。
私は、「オミクロン株対応ワクチンの接種の促進について、60歳以上や基礎疾患のある人の4回目の接種とその他の方の3回目接種を急ぐ必要がある」と質しました。
健康福祉部長は「60歳以上等の4回目の接種は、先週の22日から開始したところであり、年末までに希望される全ての対象者への接種完了を目指し、接種の促進を図ることとしている」と答えました。
4月から8月までに月80時間以上の時間外勤務をした職員数は、知事部局全体で延べ531人、42所属。同じく、月100時間以上の時間外勤務をした職員は延べ340人、20所属。月最大の時間外勤務をしたのは保健所職員で240時間でした。
私は、「時間外勤務が恒常化している保健所の体制強化は急務だが、県はこれまでどのような対応を取ったのか」質しました。
内海総務部長は「新型コロナ感染症対策が長期化する中、県では、保健所の負担軽減に向けた抜本的な対策を講ずることとし、本年5月から、保健師業務の重点化や応援職員の派遣期間の長期化、保健所業務全体の標準化・システム化等に取り組んできた。これにより、保健師の負担軽減をはじめとした業務改善が図られ、健康福祉センターの時間外勤務も減少したものの、感染力が非常に強いオミクロン株の流行により感染者数が急増し、業務量が増加したため、7月以降、時間外勤務が再び増加したところだ。8月下旬以降は、新規感染者数が減少し、時間外勤務も減少傾向にありますが、引き続き、感染状況や現場のニーズ、または発生届の重点化による影響等にも留意をしながら、保健所の体制強化に、柔軟かつ機動的に対応してまいる」と答えました。
私は、9月28日一般質問で登壇しました。
知事の政治姿勢について、統一協会(私の表記は、協会とします。執行部の表記は教会とします。)との癒着問題を取り上げました。
安倍氏に対する襲撃事件を契機として、統一協会に対して大きな社会的注目が集まっています。統一協会は、霊感商法や集団結婚などで社会的批判をあびてきたカルト集団です。こうしたカルト集団の広告塔となり被害を拡大させた政治家の責任は極めて重大です。
知事にも昨年11月、統一協会系団体である「日韓トンネル推進山口県民会議」から「設立6周年記念講演会」への参加要請があったことが、情報公開で入手した資料で明らかになりました。同団体の役員には複数の県議会議員の名前も記されています。
私は、「県は、同講演会へは欠席されたが、過去、統一協会系団体の行事への職員等の参加や後援、寄付の授受はなかったのか。今後、統一協会に関連する団体との関わりは一切、持つべきではないと考える」と質しました。
内海総務部長は「過去5年間について確認した結果、旧統一教会及びその関連団体の行事に知事等が来賓として出席した事案や後援、寄付の授受はなかったところであり、今後も、これまでと同様、適切に対応してまいる」と答えました。
私の調査で、日韓トンネル推進関連として、県内で以下の行事が行われていることが判明しました。
2014年4月20日海峡メッセでセミナー
2015年2月14日ニューメディアプラザ山口で県民大会設立大会
2016年4月23日山口県教育会館で県民大会
2017年6月3日パルトピア山口で第2回県民会議の大会
その後、県民会議は設立3周年、4周年、5周年大会が県内で開かれていることは明らかです。
私は、「県有施設を統一協会系団体の日韓トンネルを推進する会議等に貸した事実はあるのか、今後、どのように対応するのか、知事部局、県教育委員会にそれぞれお尋ねする」と質しました。
総務部長は「海峡メッセの指定管理者である山口県国際総合センターに確認したところ、平成26年4月にお示しの行事が開催されている。地方自治法第244条第2項において、地方公共団体は正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならないと規定されている。また同条第3項では地方公共団体は住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的な取扱いをしてはならないと規定されている。使用申請があった際に不許可とすると、憲法に定める集会の自由を制限するということもあることから、質問にあった行事の参加、後援、寄付の授受と比べても、慎重な対応が必要だと考えている。今後施設の申請があった場合には団体の活動内容や施設の利用目的などをよく精査の上、関係法令や施設の使用許可基準等に照らして、個々に慎重に対応する必要があると考えている。」と答えました。
副教育長は「山口県教育会館を管理している山口県教育会に確認したところ、平成28年4月、お示しの行事が開催されている。旧統一教会及びその関連団体から県有施設の利用の申請があった場合には、利用目的であるとか、施設の貸出制限事項等を踏まえて慎重に対応したい」と答えました。
私は、県消費者生活センターの対応について次の二点を質しました。
第一に、私は、「毎年のように県消費生活センターに霊感商法の苦情が寄せられている。霊感商法で苦しむ県民のために、特別な相談体制をとるべきだ」と質しました。
藤田環境生活部長は「県消費生活センターでは、これまでも、国民生活センターや警察、弁護士などと連携し、霊感商法等に関する相談に的確に対応しており、県として、特別な相談体制をとることは考えていない。」と答えました。
第二に、私は、「統一協会関係者が消費生活センターを訪ね『被害相談があれば連絡してほしい』と問い合わせる事案が報じられているが、県消費生活センターへ尋ねた事実はあるのか。また、その際に、どう対処したのか」質しました。
藤田環境生活部長は「県センターに訪問があり、その際、『相談については、個人情報であるためお答えできない』と回答し、対処した」と答えました。
私は、28日に一般質問で登壇しました。
今日は、県民葬について報告します。
私は、「県民葬に当たって、半旗掲揚などの通知を行うべきではない。」と質しました。
内海総務部長は「県民葬の半旗掲揚の対応については、現在検討中」と答えました。
副教育長は、「県民葬での半旗掲揚の対応については、現在検討中」と答えました。
私は、「県民葬は10月15日土曜日だ。週休日に職員が出勤し、半旗掲揚の作業を行うのは酷じゃないかとの批判が私の耳に届いている。土曜であるにも関わらず、職員に多大な負担をかけることになる通知は出すべきではない。」と質しました。
内海部長も、副教育長も、「現在検討中」との答弁を繰り返しました。
私は、知事が県民葬は「県を挙げて哀悼の意を表する」ためと説明していることを指摘した上で、「『県を挙げて』とは『県民』を挙げてということになり、『県民全体で哀悼の意を表す儀式』となる。『哀悼の意』の強制につながり、憲法19条に抵触する。」と質しました。
総務部長は、「県としては、故安倍元総理を多くの県民の皆様と共に追悼することが重要と考えていますが、県民の皆様お一人お一人に弔意を強制するものではなく、憲法第19条に抵触するとは考えていません。
知事は、13日の記者会見で県民葬を行う根拠は、地方自治法第2条第2項であり、「地域における事務」に県民葬が含まれると説明しました。
私は、「たとえ、県が行う事務に県民葬が含まれたとしても、憲法に違反する疑いのある行事を適法とすることはできない」と質しました。
総務部長は「県民葬が憲法に違反する疑いのある行事とは考えていない。」と答えました。
私は、国葬・県民葬に対する問い合わせが何件あったか尋ねました。
総務部長は「7月8日から9月22日までに377件の要望・苦情等を受けている」と答えました。
13日の記者会見で知事は、県民葬の法的根拠について、地方自治法の2条2項にあると同時に和歌山県有田市で行われた市民葬に関する判例を上げました。
私は、「この判決の争点は、憲法の適合性だった。公金の支出が、憲法19条・21条に違反しているかどうかが争点だった。強制の事実を認めることができないという判決だった。この判決は、葬儀を地方自治体で行う場合、葬儀が、憲法19条を侵害して弔意を強制するものであってはならないというものだ。知事は、13日の記者会見で県民葬は『県を挙げて弔意を表するため』と説明した。県を挙げてとは県民を挙げてとなり、知事自身が県民葬は、全ての県民に弔意を強制するものだと説明されたと私は受け止める。判例を示された上でも、弔意を強制した県民葬は、憲法19条を侵害し、地方自治法上も認められないものだが見解を聞く。」と質しました。
総務部長は「県としては、故安倍元総理を多くの県民の皆様と共に追悼することが重要と考えているが、県民葬の開催自体が県民の皆様お一人お一人に弔意を強制するものではないので、判例とも整合が取れていると考えている。」と答えました。
知事は、13日の記者会見で、県民葬について「県を挙げて弔意を表す」と説明したが、20日の議案説明では、「私としては謹んで追悼の意を表すにふさわしい県民葬を行う」と述べました。
私は「知事は、なぜ、20日の議案説明で『県を挙げて』という言葉を省いたのか。『私が弔意を示す』となると知事が私的な行事に公金を使ってもいいのかということになる。20日の議案説明で、『県を挙げて』という言葉を使わなかったのはなぜか伺う。」と質しました。
総務部長は「議案説明で『県を挙げて』とあえて言わなくなったという意図はない。9月13日に知事が発表した資料において、『県を挙げて』という記載をしているが、今回の県民葬については、県や市長会、また町村会といった関係団体からなる葬儀委員会を構成して執り行うものである。そうした県、また、県内すべての市町が、主体となって県民葬を執り行う、そうした趣旨を『県を挙げて』と表現しているのである。今後も関係者と連携して取り組んでいく。」と答えました。
井上議員の質問に関し、知事は、県民葬の基準はないと答えました。
私は、「条例も規則も基準も作ることが困難な県民葬に県民の理解を得ることはできない。」と尋ねました。
総務部長は、「県民葬の実施につきましては、これまでの開催例もふまえて、諸般の事情を総合的に勘案してその都度、県において判断を決定する必要があると考えており、基準をあらかじめ定めておくのは困難だと考えている。こうした過去の開催例に照らしても、今回の安倍元総理につきましては憲政史上最長の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、県政の推進についても大変なお力添えをいただいたこと、また、多くの県民の皆様から哀悼の意が寄せられている、こうしたことを踏まえ、県民葬を執り行うことが適当であると考えている」と答えました。
私は、県民葬の開催経費について次の3点を質しました。
①開催経費が過去最高の2倍となった理由を伺う。
②発注はいつ行うのか伺う。
③今からでも開催経費を減額させるべきと考えるが伺う。
総務部長は、次のように答えました。
①について、総務部長は「今回の県民葬については、主会場の他、県内7カ所にサテライト会場と一般献花会場を設置することや、警備態勢の強化を図ることに加え、消費税率の上昇、当時の社会情勢の変化等による労務単価や物価の上昇等の影響により、開催経費が過去と比べ増加しているものと考えている。」と答えました。
②について、総務部長は「県と関係団体で構成する葬儀委員会において、県民葬の開催に支障が生じないよう、適宜対応していくこととしている。」と答えました。
③について総務部長は「葬儀委員会において業務の執行段階で可能な限り節減を図るなど努力していきたいと考えています。」と答えました。
私は、「補正予算の審議が途上だが、県民葬の招待状が発送された。経費はどの財源で賄われたのか。」と質しました。
総務部長は「県民葬の準備行為として、案内状の発想など、葬儀委員会において、収支計画を策定した上で、業務を発注しているものだが、最終的にはこの9月県議会において、補正予算案の審議をいただき、議決を経た後に支払いを行いたい。」と答えました。