13日、中国新聞は、上関町に計画されている中間貯蔵施設について次のように報じました。
「中国電力が、使用済み核燃料の『中間貯蔵施設』建設へ向け、山口県上関町で実施したボーリング調査の現現地作業終了から14日で半年となる。計画地が適地かどうか判断する時期について中電は当初、『過去の実績からすると(作業終了から)半年程度』としていたが、ここにきて遅れるとの見方が広がる。行方を左右するとみられるのは『政治の動き』と『周辺の反発』だ。先日30ン私費にあった中電の決算記者会見。中間貯蔵し越について中川賢剛社長は、ボーリング調査で採取した試料の分析を進めており『現時点で完了の時期をお示しできる状況でない』と説明。慎重な姿勢をにじませた。昨年11月14日にボーリング調査の掘削作業が終わった際、半年後の今年5月中にも中電は『適地判断』すると見られてきた。しかし今は『数カ月遅れるのでは』などの見方が山口県議会や周辺自治体などに広がる。背景にあるのが政治の動きだ。今夏に予定されている山陰線山口選挙区には既に数人が立候補を表明。うち新人1人は『中間貯蔵施設に反対する人たちの受け皿になる』としており、選挙で一定の争点となりそう。ある山口県議は、選挙前に中電が適地判断や事業計画を公表すれば反対の声が強まりかねないとして『中電は選挙が終わるまでは公表しにくいだろう』との見方を示す。一方、中電としては適地判断や事業計画の公表をずるずると先延ばしすることも難しい。上関町の西哲夫町長は、施設受け入れの可否について『1年くらい議論が必要』と周辺に語ってきた。町長の任期は2026年10月まで。西町長は『自分の任期中に結論を出すかは議論次第だ』と述べるが、計画に理解がある西町長の現在の任期中に判断してもらうためには、中電は今秋ごろまでに事業計画を公表する必要がある。また26年2月にも予定される上関町議選も影響する可能性がある。一部の町議からは『選挙で民意を問うべきだ』として中電の事業計画を基にした住民説明会を早期に開催するよう求める意見も出ている。中間貯蔵施設の計画は上関町の周辺自治体でも波紋を広げており、市町の今後の動向に注目が集まる。田布施町議会(定数12)では2月の町議選で計画に明確に反対の意向を示した候補6人が当選。3月議会では建設反対決議案を賛成多数で可決した。背景に国の核ね’両サイクルへの不信がある。決議案では、六ケ所村の核燃料の再処理工場が着工から30年余り過ぎても完成していないことを踏まえ『核燃料サイクルが行き詰っている』と指摘。中間貯蔵施設が『最終の貯蔵施設になる可能性が高い』と主張した。決議案を提出した小中進町議は『該当で特に若い人から声援の声をもらうことが増えた。関心が高まっていると感じる』と話し、山陰線を控え県内の他の市町への波及を期待する。核燃料サイクルについては、政府が2月に閣議決定した新エネルギー基本計画に、中間貯蔵後に再処理工場へ搬出すると初めて明記した。上関町の西町長は『永久貯蔵への不安や懸念は解消される』との考えだ。ただ田布施町を含む周辺1市3町の首長は、核燃料サイクルが本当に成功するのか確信が持てないとして国への説明を連携して求める方針でいる。関西電力の原発から使用済み核燃料が持ち込まれることへの批判は根強い。中電や関電、国がどのように説明し、住民が熟議を尽くせるかも今後の鍵となる。」
14日付、しんぶん赤旗日刊紙は、「全国の原発から出た使用済み核燃料の海外再処理で発生した高レベル放射性廃棄物が、日本原燃の一時貯蔵施設に運びこまれてから4月26日で30年となりました。同社が県や村と結んだ協定では貯蔵期間を『受け入れた日から30~50年間』としています。搬出先となる最終処分場の選定は難航しており、展望は見えないままです。」と報じました。日本原燃に運び込まれた使用済み核燃料の再処理で生じた高レベル放射性廃液と、物質として安定性のあるガラスを混ぜ合わせて固めた、ガラス固化体は、1830本あり、その内、70本は、中国電力の原子力施設から発せ下使用済み核燃料です。
この問題を含め、日本の「核燃料サイクル」は完全に破綻しています。
核燃料サイクルが破綻したまま、中間貯蔵施設に、使用済み核燃料が、上関町の施設に運びこまれたら、県民の皆さんが不安に感じる通り、最終処分場になってしまいます。
県は、「核燃料サイクル」が破綻しているかどうかは国が、責任を持つべき問題だと繰り返し県議会で答えています。
しかし、適地となり、知事が計画を同意すれば、交付金が9億8千万円に増額されます。この際の判断は、県として、国の「核燃料サイクル」の現状を主体的に把握し、県民の立場で判断すべきです。
村岡知事は、3月25日の朝日新聞のインタビューで、中間貯蔵施設に関し中国電力から立地可能との調査結果が出された場合、どう判断するのかの問いに「上関町に限らず周辺地域の理解が大前提」と述べています。
この間、柳井市で、アンケートに答えた住民の7割以上が計画に反対の意見だったり、田布施町議会で、反対派候補6名が全員当選し、新しい議会で、反対決議が可決したりしました。
知事は、これらの事実に依拠し、中国電力から適地かどかを判断し、事業計画が示された場合は、きっぱり反対の立場を示すべきです。そのことが「上関町に限らず周辺地域」を大切にした判断だと言えると私は考えます。
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