10月5日、イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会(森上雅昭代表)(以下、住民の会)は、防衛省中国四国防衛局の今給黎学局長に対し「イージス・システム搭載艦とは『イージス・アショア』の洋上配備ということであり、改めて整備計画の撤回を求める。」申し入れ書を提出しました。中国四国防衛局への申し入れ書は柴田萩副市長に手渡されました。
イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会の申し入れ書を萩市に手渡される(右が森上代表)
柴田副市長は「申し入れ書を中国四国防衛局に渡す。申し入れの内容は、萩市としても主体的に受け止めたい」と話しました。
8月25日、住民の会は、今給黎中国四国防衛局長に対し「防衛省による萩市・秋田市での住民説明会が未だに開催されない経緯と理由の説明を求める」申し入れ書を提出していました。
綿貫賢一中国四国防衛局企画部次長が、電話で、申し入れ書への回答を行いました。
綿貫次長は「イージス・アショア配備断念の経緯を住民説明会の中で、説明したいと考えている。申し入れ書の内容は、住民説明会の中で、質問頂き、回答したいと考えている。」と答えました。
森上住民の会代表は住民説明会の開催の見通しを質しました。
綿貫次長は「どのような形で開催するか、萩市など地元自治体と調整しているところだ」と答えました。
私は、「住民説明会の早期開催を、萩市も阿武町も県も求めている。開催が遅れているのは、ひとえに防衛省に問題があると言える」と質しました。
綿貫次長は「住民説明会がスムーズに円滑に行えるよう調整をしているところだ」と答えました。
私は、「住民説明会は、年内中か、年度内中か。また、山陽小野田市の宇宙監視レーダー基地に対する住民説明会が開催されていないが、山陽小野田市での説明会が先か、萩市での説明会が先か」と質しました。
綿貫次長は「住民説明会の開催に向けて調節中である」と答えました。
森上代表は、「昨年6月15日、河野防衛相(当時)がイージス・アショア配備断念を発表した際『地元の皆様にお詫びとご説明を申し上げ』たいと発言した。地元説明会が1年4カ月開催されていないことに対し、住民に詫びる気持ちはあるのか」と質しました。
綿貫次長は「イージス・アショア配備断念という事態で、住民にご迷惑をかけた事をお詫びしたい気持ちは、変わらない」と答えました。
住民の会が提出した申し入れ書は、中国四国防衛局から11月18日に回答される運びです。
柴田副市長は「11月18日には、住民説明会開催の目途がたっている状況にしたい」と述べました。
日本共産党の政治理論誌「前衛」9月号に「穀田恵二(衆議院議員)に聞く『(イージス・システム搭載艦)計画は中止以外にない」という論文が掲載されています。
この中で穀田議員は、「『イージス・システム搭載艦』の運用海域をめぐっては、『イージス艦のように海を走り回らず、沿岸近くでじっと構える案が有力視されている』といいます(『読売』6月6日付)。陸上イージスの配備では、秋田、山口両県が『最適候補地』とされたことから、地元では『二隻の搭載艦も、両県の沿岸付近で運用されるのではないか』との疑念が出ています。岸防衛相は運用海域について、5月25日の参院外交委員会で『自衛隊の部隊運用を推察されるおそれがあり、明らかにできない』と述べ、沿岸付近での運用を否定していません。もし、沿岸付近で運用された場合どうなるか。自民党の防衛政務官経験者は『山口県むつみ演習場で問題になったのは一段目のブースター。沿岸近くからの(迎撃ミサイル)発射だと、二段目、三段目(のロケットモーター)陸上に落下する可能性がある』と指摘しています。これに関する岸防衛相の答弁は『迎撃ミサイルの二段目、三段目のロケット(モーター)の落下一については、風などによる気象状況、弾道ミサイルの飛翔航路、迎撃ポイントや迎撃ミサイルの発射地点等によって大きく変わってくるため、確定的に答えることは困難だ』と曖昧です(昨年11月19日参院外交防衛委員会)。防衛省は早期に住民と向き合い、この運用海域に関する問題についても正面から答えるべきです。」
イージス・システム搭載艦が、萩市沿岸に常時停泊し、ミサイルが発射されれば、迎撃ミサイルの二段目、三段目のロケットが周辺住民が住む陸上に落下する可能性があるとの穀田議員の指摘は重要です。
イージス・アショアと山口県の関係は、住民説明会で終わりではなく、イージス・システム搭載艦が沿岸に配備される問題は、萩市・阿武町・山口県が連携し、防衛省に照会すべき問題です。
私は、この事を求めていきたいと思います。
引き続き、住民の会の申し入れに参加し、地元の声をしっかり県議会に届けたいと思います。
いずれにしても防衛省によるイージス・アショア配備断念の経緯を説明する住民説明会の早期開催について、引き続き、私としても関係機関に求めていきたいと思います。
イージス・アショア問題、今日のイージス・システム搭載艦に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、山口県障がい児の教育を進める会(山本祐三会長)が、繁吉県教育長に「障害者権利条約が生きる障害児教育の抜本的拡充を求める請願」を提出しました。山本会長が請願書を提出し、その後、懇談会が行われました。
山本障がい児の教育を進める会会長が、県教育長に対し請願書を提出する(右が山本会長)
第一に、小中学校特別支援学級の学級編成についてです。
この点に関し、請願書は「小中学校特別支援学級の学級編成は、教職員標準定数法どおりに学年編成で行ってください。当面、小学校においては生活年齢を考慮し、2学年以内で学級編成を行ってください。また、障害の重度化・多様化に対応出来るよう、実態に応じた複数配置を拡大してください。」と求めました。
この点に関し、懇談会に出席した教員から「県内の特別支援学級は、在籍児童生徒が最大で8名の場合があり、一人の担任で対応している。教員は限界を超えている。教員の増員が急がれる。」「小学1年~6年の児童が一つのクラスに在籍している特別支援学級がある。通常の複式学級では3学年以上が在籍するケースはない。障害児に対する合理的配慮が欠如している実態だ」との意見が出されました。
保護者から「特別支援学級へ支援員が配置されているが、正規の教員の増員こそが必要だ」との意見が出されました。
義務教育課の担当者は「特別支援学級に通う子どもの人数が増え、一クラスに在籍する子どもの人数が増えている状況だ。加配や支援員の配置は行っているが、不十分な部分があることは認識している」と答えました。
第二は、特別支援学校の設置基準についてです。
この点に関し、請願書は「特別支援学校の教育環境の改善に向けて、特別支援学校『設置基準』をただちに策定するよう働きかけてください」と求めました。
懇談会参加者から「9月24日に、『特別支援学校設置基準の公布等について』とする文書が都道府県教育委員会などに届けられた。この文書を受けて、県教委はどのような対応を行っているのか」との質問が出されました。
特別支援教育推進室の担当者は「文科省が示した文書をもとに、まずは、県内の総合支援学校がこの基準をどの程度クリアしているのか実態を調査したいと考えている」と答えました。
第三は、特別支援学校の美祢分教室、長門分教室の「分校」化についてです。
この点に関し、請願書は「特別支援学校の美祢分教室、長門分教室はただちに『分校』化し、将来的には本校として独立できる計画を策定してください。」と求めました。
特別支援教育推進室の担当者は「児童・生徒数の推移、インクルーシブ教育システムの動向などを注視している。現時点で分校化への判断は難しい」と答えました。
山口県特別支援教育推進計画は5年毎に改訂されており、直近の計画は、2022年度までとなっています。
来年度中に計画を改訂する作業が行われる見通しです。総合支援学級や総合支援学校の拡充が新しい計画に具体的に明記されるよう、要望書は上記の点を含め様々な問題の改善を求めています。
私は、昨日の県教育長に届けられた要請書の趣旨をしっかり学び、県内の特別支援教育の内容が拡充されるように、今後とも大いに発言していきたいと思います。
山口県の特別支援教育に関する皆さんのご意見やご要望を藤本にお寄せ下さい。
私は、9月15日に一般質問で登壇しました。
今日は、農業問題の内、米価下落問題について報告します。
農民連ふるさとネットワークのまとめによると、2021年産コシヒカリの概算金・買い取り価格は、全年に比べ、60キロ当たり2520円下落しています。
私は、「県は、21年産の県内米価をどう見通しているのか」質しました。
松岡農林部長は「米価は、需要と供給の状況に応じ、民間団体等の多様な取引により決まるものであり、県として見通しを立てることはできない」と答えました。
全国知事会は、来年度予算に向けた要望の中で「需給環境の改善の取組は生産者、関係団体及び自治体だけでは限界があるため、備蓄米の買入数量を拡充する」よう求めています。
私は、「県内の米価下落を回避するため、県は、国に対し過剰在庫米の買い取りを求め、独自に、過剰在庫米を買い取り、生活困窮者や学生、子ども食堂などに提供すべきだ」と質しました。
松岡部長は「県としては、県産米は、実需者からの要望が多く、過剰在庫となっていないことから、県独自の要望や対策を行うことは考えていない」と答えました。
私は、2日の土曜日に、実家の稲刈りを手伝いました。
農機具販売店の方は「21年産米は通常より1000円程度は価格が下がっている」とおっしゃっていました。
また、その方は、「直接支払制度の復活など、何等かの米価の価格を補償する制度が必要だ」とおっしゃっていました。
その方は、「そうしないと、法人も家族経営も農家そのものが大幅に減るのではないか」とおっしゃっていました。
山口県は、農家の中でも米作が一番多いと思います。米価は、労働者で言う最低賃金のようなものです。
県農林部長の米価下落問題に対する私の質問への答弁は、コロナ禍で苦境にある農家の実情を改善したいという熱意が残念ながら感じられないものでした。
県は、山口県の耕作放棄地が年々広がる農家の苦境を受け止める姿勢に立っていただきたいと質問を終えて強く感じました。
米価下落問題は、今度の総選挙の一つの大きな争点です。
米価下落問題に対する農家を始め、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
私は、9月15日に一般質問で登壇しました。
メガ発電施設について、メガソーラー発電、風力発電に係る個別の質問を行った上で、メガ発電施設に共通する問題としてルールの制定を求めました。
私は「岩国市・山口市・阿武町のメガ発電施設開発地及び周辺には、土砂災害警戒区域や土石流危険渓流がある。土砂災害警戒区域や土石流危険渓流周辺にメガ発電施設の建設を規制するガイドラインや条例を県として制定すべきだ」と質しました。
三浦商工労働部理事は「太陽光発電等の発電施設は、国が電気事業法に基づき規制しているものであることから、建設を規制するルールの制定についても、まずは国において検討されるべきものと考えている」と答えました。
日本共産党は、9月1日「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」を発表しました。2030戦略の大きな柱の一つは「脱炭素、省エネ、再エネを進める社会システムの大改革を」です。
社会システムの大改革の柱の一つが「再エネ導入の最大の障害=乱開発をなくすための規制を」です。
この章を引用します。
「再生可能エネルギーの普及の大きな障害になっているのは、メガソーラーや大型風力発電のための乱開発が、森林破壊や土砂崩れ、住環境の悪化や健康被害の危険を広げていることです。目先の利益追求での乱開発・環境破壊を放置するなら、再生可能エネルギーへの大胆な転換を阻害し、気候危機も打開できなくなってしまいます。」
この章では、解決策を二つ提起しています。
第一は、環境を守る規制を強化し、乱開発をなくすことです。
「森林法などの現行法は、森林を伐採してメガソーラー発電所をつくるなどの事態を想定していません。環境保全のための森林法改正、土砂崩れの危険性も評価事項に加えるなどアセスメントの改善が必要です。発電開始後も点検を行い、環境破壊や人体への悪影響がある場合には必要な是正措置をとらせます。環境保全地区と建設可能地区を明確にしたゾーニング(区分)を、自治体が住民の参加・合意のもとで行うことも必要です。域外・外国の資本による乱開発を防止することは、利益の地域外への流出を防ぎ、地域のエネルギーであり資源である生成可能エネルギーを、地域の産業として開発し、地域の雇用や需要の創出につなげることにもなります。」
第二は、「『新たな開発』ではなく、既存の施設・建築物・未利用地などの活用を推進する」です。この内容及び「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」は、日本共産党のHPを検索し、参照ください。
私は、森林法や環境アセス法など国の規制の強化を求めます。
その上で、全国で多くの自治体でメガ発電施設を規制する条例等を制定しています。私は、引き続き、山口県に、メガ発電施設を独自に規制する条例等の制定を求めて行きたいと思います。
メガ発電施設の乱開発に対する規制について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
瀬々敬久監督の映画「護られなかった者たちへ」を観ました。
10月3日付のしんぶん赤旗日曜版の「にちようシネマ館」の解説を引用したいと思います。
「映画のテーマは難しいと思われる『生活保護』問題に切り込んだミステリーです。作・中山七里、監督・瀬々敬久。仙台市で前身を縛って放置し餓死させる殺人事件が相次いで起こります。被害者は生活保護課の職員で、人格者として知られる人物です。県警の笘篠誠一郎(阿部寛)と蓮田智彦(林遣都)が捜査を担当。保護課の円山幹子(清原果那)が生活保護の実態を聞きます。2人は放火で逮捕され出所した利根泰久(佐藤健)を疑います。10年前の大震災で、孤児だった利根は、一人暮らしの遠山けい(倍賞美津子)と、親を亡くした少女・カンちゃんと出会い、家族のように暮らしていました。世を捨てたようで何かを求めるような佐藤の目がいい。けいが生活保護申請に行った時の職員のずさんな対応に腹を立てた利根が、福祉保健事務所に放火し逮捕されたのでした。生活保護申請の場面がリアルです。保護資格のある人も国の保護は受けたくないと受けない場合が多いのです。『生活保護は権利』と言っただけでは済まされない感情が絡みます。結末は意外過ぎますが『共生』を願う制作者の思いがあふれます。」
この中にある「世を捨てたようで何かを求めるような佐藤の目がいい。」は、映画を観て実感しました。
佐藤健さんの主演映画では「世界から猫が消えたなら」を観ましたが、この映画での佐藤さんの目と今回の映画での佐藤さんの目は全く別人です。このように役で目を演じ分けることができることが、本物の役者さんといえる所以なのでしょう。佐藤健さんは、本物の役者である。これから日本の映画界の中心になる逸材であることを実感しました。
この中にある「『共生』を願う制作者の思い」に関して、しんぶん赤旗のインタビューに瀬々監督がこう述べています。
「この映画の根っこにあるのは『共感』ということです。今、すごく社会が分断されていますが、それに立ち向かうのは、共感ということができるか否かだ、と。立場が違っても共感していけるか。そういうことが基本にないとなかなかいい世の中にはならないと思います。共感の連鎖が分断社会を覆していけるのではないでしょうか」
瀬々監督の「共感の連鎖が分断社会を覆す」との言葉に共感します。
私は、大学の卒業アルバムに「孤立は分散を生み、自立は連帯を生む」と先輩からの受け売りだった言葉を書いていますが、この映画を観て、この言葉の重要性を再認識しました。
映画のパンフレットにジャーナリストの津田大介さんがこう書いています。
「生活保護をめぐる環境の悪化というのは、コロナ禍によってもより顕著になっています。我々はわずか10年で、東日本大震災とコロナ禍というふたつの大災害を経験しました。まさにこの物語のように、生活保護を受けなければならない人たちがより困窮し、新たにそのような境遇になる人たちが増えています。この映画を企画された時は、コロナ禍はなかったわけですから、まるで未来を先取りしているようなところもありますね。こんな時期に公開されることに運命的な皮肉を感じざるを得ません。新型コロナのさらなる感染拡大によって、政治の混乱が加速し、おそらく解散総選挙に突入するだろうという今の時代背景が、この映画の何よりの『演出』になっている。過酷な現実を劇画化することなく描き切ったからこそ、作品全体のメッセージでもある、利根の『死んでいい人なんて、いないんだ!』という言葉が映画の中でもっとも心に響きました。」
麻生太郎氏は、9月21日の閣議後の会見で、森友問題に関する質問が総裁選の候補者に向けられたことを指摘した上で「これからの候補者に対して前の政権の話を聞くのにえらい時間をとっておられたけど、読者の関心があるのかねぇ」と答えたと報じられています。
麻生氏は、岸田総裁の元で、副総裁に就任したとの報道です。
麻生氏は、改竄を強いられ、自殺した赤木俊夫さんの気持ちが分からないのでしょうか。
この映画がコロナ禍の中、総選挙目前の中、昨日公開されました。
映画「護られなかった者たちへ」を一人でも多くの人に観ていただきたいと思います。
「共感の連鎖が分断社会を覆すような、時代を開く総選挙にしたい」とこの映画を観て決意を新たにする私でした。
この映画を観られた方は感想をお聞かせ下さい。
私は、9月15日、一般質問で登壇しました。一般質問では、項目の一つとしてメガ発電施設問題を取り上げ、
その中で、阿武風力発電事業について質問しました。
阿武風力発電事業に関し、今議会の一般質問で、いくつかの問題を解明しましたので報告します。
第一は、保安林の解除についてです。阿武風力発電事業の計画地内には、保安林があり、発電所を建設するためには、事業者は、保安林の解除申請を県知事に行う必要があります。
私は、「現時点で、業者から保安林の解除申請が出されているのか」質しました。
松岡農林水産部長は「保安林解除の申請は、現時点なされていない」と答えました。
また、保安林の一部が、土石流危険渓流のエリアであることも明らかになりました。
千葉県商工労働部が作成した「新エネルギー等施設設置に関する手続き情報」に、保安林解除が可能な「公益的理由」がある二つの例示があります。一つは、送電施設に関するもので、もう一つは、発電用施設周辺地域整備法に基づくものです。
私は、発電用施設周辺地域整備法の解釈を質しました。三浦商工労働部理事は「発電用施設周辺地域整備法に規定する発電用施設は、原子力発電施設、水力発電施設、地熱発電施設、火力発電施設の4種類の発電施設。風力発電施設は含まれていない。」と答えました。
私は、「千葉県では風力発電施設は、保安林解除をする公益上の理由にあたらないとしているが、県の保安林解除における風力発電の取扱いをどう解釈しているのか」質しました。
松岡農林水産部長は「実際に、風力発電事業に係る保安林解除申請がなされた段階で、申請内容を確認の上、公益上の理由に該当するか否かを含め、解除要件を満たすかどうか、所定の審査をしていくこととなる」と答えました。
保安林には傾斜地25度以上のものは一級地とみなし、原則、保安林の解除は不可と規定されています。私は「阿武風力発電事業の計画地内の山林は傾斜地25度以上のものがあるとの指摘がある。保安林解除申請が業者から出されたときに、山林が傾斜地25度以上あるかどうかチェックするのか」と質しました。
松岡部長は「県に対して風力発電施設の建設に係る解除申請がなされ、解除を要する区域が明らかになった時点で、現地調査等を行いながら、傾斜度を含め、第一級地の条件に該当するかどうか等の審査を進める」と答えました。
次に環境影響評価法に関する問題です。
環境影響評価法では「事業用電気工作物であって発電用のものの設置」の事業で一定規模以上を環境アセスメントの対象としています。事業者は、変電所を対象事業実施区域に含めていません。私は、「変電所を対象事業実施区域に含め、環境アセスメントの手続きを最初からやり直すべきだ」と質しました。神杉環境生活部長は「変電所を『発電用のもの』と捉えて、対象事業実施区域に含めるかどうかは、事業者が判断するものであり、従って、環境アセスメントの手続きをやり直すかどうかも、事業者が判断するもの」と答えました。
変電所が計画されている山林の面積は1600㎡です。環境影響評価法第28条に、環境影響評価書を修正する場合と軽微で修正しなくていい場合が規定されています。
環境影響評価法の政令で修正をしなくてもいい軽微な場合が規定されています。
軽微なものの第一は、発電所の出力が10%以上増加しないもの。二つ目は、対象事業実施区域から300メートル以上離れていないものです。
私は、「変電所は、対象事業区域から数キロ離れている。軽微な修正とは言えない。変電所周辺の1600㎡の山林の環境影響評価は行われるべきであると思うがいかがか」と質しました。
神杉環境生活部長は「環境影響評価法において、県は事業者を指導する権限を有していない。しかし、住民等から県に対し、環境アセスメントに関する意見が寄せられれば、必要に応じて、事業者など関係者に伝えている。」と答えました。
私は、「阿武風力発電事業に関して環境アセスに関する住民からの意見は県に寄せられているのか」と質しました。
神杉環境生活部長は「この件に関しては、まだ要望を受けていない」と答えました。
今後、県民から変電所を環境アセスの対象にすべきとの意見が県に届けられたら、県は、事業者にその声を届けるべきです。