私は、2月県議会において、3月7日に一般質問で登壇しました。
弥栄ダムに県が保有している未事業化分の未利用水問題について報告します。
弥栄ダムに、企業局が保有していた水量は日量37600トンだったが、現在の契約水量は3600トンで、保有水量の10分の1以下しか契約できていません。
2012年度2月補正予算で、一般会計から企業局に155億4300万円の補助金を交付し、未事業化分32000トンは一般会計に移管されました。県はこの未事業化分を「県民共有の貴重な財産」とし、一般会計から毎年約4000万円のダム分担金を払い続け、昨年度末までの一般会計での負担合計は163億9400万円となります。これでは、県民共有の貴重な財産ではなく、県民共有の負の財産と言えます。
私は、一般会計に移管して10年が経過した今、弥栄ダムの未事業化分をどう総括しているのか、短期集中的に未事業化分を解消する手立てをとるべきだと質しました。
永富総合企画部長は「まず、弥栄ダムについては、その完成が、県東部地域の上水道の安定水源の確保や、台風等の災害被害の軽減につながるなど、県民生活の安心・安全に大きく寄与している。ダム建設後の社会経済情勢の変化等から事業化に至らなかった先行水源については、一般会計移管後、様々な観点からの検討を進めたが、新たな利活用には至っていない状況にあり、県民共有の貴重な財産として、その有効活用が図られるよう、今後も取り組む必要があると考えている。これまでも、関係部局で連携を図りながら、出来るだけ速やかに有効な活用策を見出していけるよう、取り組んできたところであり、今後も引き続き、そうした考えの下、検討を進めてまいる」と答えました。
県は、水資源対策推進協議会で未事業化分の活用方策を検討しています。
私は、以下の対策について質問を行いました。
まず、弥栄ダムで発電を行っている中国電力への水利権の譲渡についてです。
永富部長は、「平成29年に中国電力に検討をお願いしていますが、採算性が合わないということで困難との回答を受けている」と答えました。
次に、弥栄ダムを管理している国に対する治水への振り替えの働きかけについてです。
永富部長は、「平成28年に国と協議を行っているが、治水容量の増大の必要はないという検討結果だった。」と答えました。
私は、引き続き、治水への振り替えについて国と協議すべきだと質しました。
永富部長は「国においては近年気候変動の影響で、激甚な水害が頻発する状況を踏まえて治水計画の見直しを始めている。現時点、弥栄ダムは対象となっていないが、国の動向については、今後も情報収集を行っていく」と答えました。
次に、未事業化を抱える工業用水道事業者への調査についてです。
永富部長は「平成24年時に先行水源を抱える13県は、福島、茨城、新潟、石川、岐阜、愛知、三重、島根、岡山、徳島、高知、大分、山口だ。現在、他県の先行水源の状況の調査は行っていない」と答えました。
私は、未事業化を抱える他県の状況を調査すべきだと質ししました。
永富部長は「現時点、他県の調査を改めて行うことは考えていないが、他県の状況等にはアンテナを張って、必要に応じて情報収集を行ってまいる」と答えました。
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