月別アーカイブ:2024年2月

自民党山口県連主催の政治資金パーティー 参加者の4倍にパー券販売(19年~22年)

 2月4日付山口民報は、自民党山口県連主催の政治資金パーティーについて次のように報じました。
 「自民党山口県支部連合会が県選管に提出した政治資金収支報告書によると、同県連が2018年から22年の5年間、毎年1回、開催した『山口県連政経セミナー』の収入は計2億4369万円、支出は計1404万円、差し引き2億2965万円の『利益』が上がっています。政治資金規正法はパーティーは『対価を徴収して行われる催事』と位置づけています。会場に入れない人数分の収入は政治献金にあたり、同法に違反する疑いがあります。自民党県連主催の政経セミナーは、20年は山口市民会館大ホールで開催され、収入は5188万円、対価の支払者数(パー券の購入者数)は3648人ですが、参加者数は800人です(同県連ニュース)。21年は同じ会場で開かれ、収入は4546万円、購入者数は2945人ですが、参加者数は700人(同)。22年はかめ福ロイヤルホールで開かれ、収入は4434万円、購入者数は3204人ですが、参加者数は800人です(同)。同県連は、少なくとも20から22年の3年間、参加者数の4倍から4.6倍ものパーティー券を売っていたと推測されます。清和会政策研究会(安倍派)が収容人数の5倍ものパーティー券を販売していた問題では、神戸学院大学の上脇博之教授(政治資金オンブズマン代表)が、『大半が参加しないことが分かった上でパー券を売っていたとしか考えられない。収容人数を超えた分は政治資金収支報告書に寄附として記載すべきで、政治資金規正法違反の虚偽記載にあたる疑いがある』(しんぶん赤旗・23年12月18日付)と指摘しています。自民党県連の政経セミナーも同様の疑いはぬぐえません。」
 日本共産党山口県委員会と県議団は、昨年12月25日に、自民党山口県連に対し、「政治資金パーティー収入を巡る疑惑の徹底解明を求める要請書」を提出しました。要請書では、「県支部連合会及び在京顧問である8人の国会議員が開催した政治資金パーティー収入を巡って、違法行為がなかったかを精査し、その結果を県民に広く公開すること」を求めました。
 1月17日には、「市民連合@やまぐち」が自民党山口県連に「自民党の政治資金パーティー『裏金』疑惑 山口県での実情を明らかにすること等を求める申入書」を提出しました。
 市民連合の申入書では、自民党県連または、8名の在京顧問の国会議員が開催した過去3年間の政治資金パーティーに関して①それぞれのパーティー収入②パーティー券収入のノルマ超過分のキックバック(還流)の有無及び額③キックバック分についての法所定の収支報告の有無ーについて回答を求めています。
 この間、自民党県連からの回答は行われていません。
 本ブログで紹介したように、私の照会に対して、村岡つぐまさ後援会事務所が、22年の自民党県連の「政経セミナー」について、「パーティー券を私費で購入し、本人が出席」したことを認めました。
 私費であっても、知事自らが、利益率が90%以上と高く、収容人数の4倍の人にパー券が販売されているなど、行われた政治資金パーティーが政治資金規正法が定める「対価を徴収して行われる催事」なのかが疑われる行事に、参加したことは検証されるべきと思います。
 知事は、今後、同様の政治資金パーティーに参加してもいいのかという点についても検証が必要だと思います。
 今日は、岸田首相が参加しての衆院政治倫理審査会が行われます。政治資金パーティー問題が徹底解明されることを願います。県内での問題解明に引き続き、努力していく決意です。
 これら問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

山口県は、犯罪被害者遺族に対する転居費用の助成対象に同性パートナーを含めるべきです。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、愛知県が、犯罪被害者遺族見舞金を同性パートナーにも支給する改正を準備していると次のように報じました。
 「犯罪被害者の遺族らが受給する国の給付金を、同性パートナーが受け取れるかどうかが争われた訴訟の被上告人となっている愛知県で、国の給付金とは別の自治体独自の犯罪被害者支援制度について、県が、遺族見舞金の対象に同性パートナーを含む改正を準備していることがわかりました。県は、性的マイノリティーのパートナー関係などを公証する『ファミリーシップ宣誓制度』の4月施行を目指していますが、それに歩調を合わせた措置です。現行の県犯罪被害者等見舞金給付要綱は、遺族見舞金の給付対象として、『犯罪被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む)』としています。同県の県民安全課は、『現在でも対象に同性パートナーを否定しているわけではない』と前置きした上で、『ファミリーシップ宣誓制度のスタートに対応する形で原稿の要綱に追記する改正を準備している』と説明します。本紙は、自治体独自の遺族見舞金制度のある14都県(愛知県を含む)に、見舞金の対象に同性パートナーを含むかどうか問い合わせました。8都県が『含む』、3県が『含まない』、3県が『検討中』などの回答を寄せました。同性パートナーを『含む』と回答した8都県のうち7都県は、現行の愛知県の想定とほぼ同様です。『(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者)』の中に、同性パートナーを含むと答えました。残る1県は三重県で、2021年4月、『性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例』を制定したのを契機に、見舞金給付要綱を改訂。『(婚姻の意思及びこれに基づく共同生活の実態がある者をいい、異性間、同性間であることを問わない)を含む』と追記しています。同県も、同年9月、条例に基づき、パートナーシップ制度を導入。同制度利用に限らず、共同生活の実態に基づき判断するとしています。犯罪被害者の遺族らが受給する国の給付金を同性パートナーが受け取れるかどうかをめぐっては、最高裁第3小法廷が、当事者双方の意見を聞く弁論を来月5日に開きます。そこで争点となっているのが、『犯罪被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上の婚姻関係と同様の事情にあった者を含む)』の中に同性パートナーが含まれるかどうかです。最高裁の弁論は、二審の判断を変えるのに必要な手続きで、『同姓パートナーは給付対象にならない』とした二審の名古屋高裁の判断が見直される可能性があります。愛知県に住む上告人が、給付金の不支給を裁定した愛知県公安委員会を訴え、愛知県は被上告人となっています。本紙既報(2月6日付)のように、自治体独自の遺族見舞金のある14政令市については、13市が『含む』と回答。その時点で『検討中』としていた1市も26日、本紙に『含む』と回答しました。」
 2月6日のしんぶん赤旗日刊紙を紹介した際の本ブログで、県犯罪被害者等支援条例に見舞金がないことは書きましたが、転居費用助成を実施されています。
 この制度は、犯罪被害者又は遺族に、転居費用を最大20万円まで助成するものです。
 今日までに、「山口県犯罪被害者支援に係る転居費用助成金交付要綱」(以下、交付要綱)を入手しました。
 交付要綱で「遺族」の定義の中に「被害者が被害を受けた際に被害者と同居していた者(婚姻の届出はないが、事実上婚姻関係と同等の事情にあった者を含む)」とあります。
 私は、先ほど、この制度を所管する「環境生活部」に「婚姻の届出はないが、事実上婚姻関係と同等の事情にあった者」の中に同性パートナーを含むのか照会を行いました。結果については、本ブログで報告したいと思います。
 その上で、県は、犯罪被害者遺族への見舞金を創設し、同性パートナーをその対象にすべきです。
 山口県公安委員会は、犯罪被害者遺族への国の給付金について、同性パートナーを対象にすべきです。
 この辺りは、来週から始まる県議会の一般質問でも取り上げたいと考えています。
 犯罪被害者遺族支援制度を同性パートナーに支給する問題について、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

かえる通信(2024年3月1日)No107

県が、「パートナーシップ制度」9月施行を表明

 パートナーシップ制度について、今朝の山口新聞は次のように報じました。
 「県は26日、LGBTなど性的少数者のカップルを公的に認める『パートナーシップ制度』について、9月の施行を目指す方針を明らかにした。制度案では、当事者双方が署名した宣誓書を県へ提出すると、知事が受領証と受領カード、宣誓書の写しを交付。申請や届け出といった行政手続きの際、委任状が不要な家族と同等の扱いを受けられる見通し。県は3月に県議会へ報告し、4月にも実施要綱を公布する。同日、県庁であった調整会議で県が制度案を示した。制度は一方もしくは双方が性的少数者の場合が対象。18歳以上で、一方または双方が県内に居住もしくは転入予定といった要件を設ける。宣誓書への署名と届出は、知事が指定する場所で非公開で行い、その際に住民票の写しや公的身分証明書を提示。宣誓書では日常的に使っている通称も使用できる。県は今後、県内で既に導入している宇部市と、4月にも導入予定の山口市のほか、近隣県と連携して利用できるサービスの相互乗り入れを実施する計画。病院や介護施設でパートナーの病状説明や賃貸住宅で共に入居できたりするよう、民間事業者の取り組みも募集する。調整が異議には、弁護士や市町の担当者のほか、自身がゲイであることを公表している田中愛生さんも出席。委員からは『宣誓が市町の施設でもできるようになったら』『市町で代行できる仕組みができないか』といった意見が出ていた。県によると、1日時点で21都府県がパートナーシップ制度を導入。中国地方では鳥取、島根両県が、政令市として岡山、広島市が導入し、全国の人口化カバー率は7割を超えている。(記者メモ)パートナーシップ制度の導入が遅々として進まなかった山口県。県政記者として歯がゆさもあって、元日付紙面では『県政の本質が問われている』と指摘したが、約3週間後に村岡嗣政知事が導入方針を明らかにして以降の県の迅速な動きは率直に評価したい。市町での対応の格差をなくす点でも、広域自治体である県が導入する意義は大きい。26日に明らかになった制度案には、県の心遣いも垣間見えた。パートナーが亡くなった場合、使用停止処理をした上で受領カードを再交付するという。戸籍上は双方の関係が記憶に残らないためで、他県と比較しても先行的な事例だ。制度の実現は大きな一歩だが、浸透させるためには県民の理解が欠かせない。多様な性を認め合う地域社会が『当たり前』になるためのスタートとしたい。」
 私は、過去の議会での一般質問や環境福祉委員会での質疑の中で、繰り返し、パートナーシップ制度の導入について発言してきました。
 県が、昨日の調整会議で「パートナーシップ制度」を今年9月の施行を目指すことを表明したことを評価したいと思います。
 その上で、まず、山口県が県職員の福利厚生や県営住宅への入居などで、積極的に受領証を持ったカップルに対応していくことを求めたいと思います。
 更に、記事にある、県内市町や近隣県との連携したサービスが利用できるにすることや、病院や介護施設での対応、賃貸住宅に入居を可能にするような民間事業者の取り組みの募集などが重要だと思います。
 私は、これまで繰り返しこの問題を議会で指摘した者として、調整会議での議論を受け、2月県議会で、全国に先行した制度になるように、また、多くのサービスが受領証を持ったカップルに提供できるよう、しっかり発言したいと準備を進めています。
 山口県が、パートナーシップ制度の9月施行を表明しました。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

実効性のない避難計画ならば原発計画を進めるべきではありません

 中国新聞は、20日、「島根原発と地震 避難計画の実効性あるのか」と題する次の社説を掲載しました。
 「8月に予定される中国電力島根原発(松江市鹿島町)2号機の再稼働まで、半年となった。2012年の運転停止以来、12年ぶりの運転再開となる。だが、このまま再稼働していいのだろうか。元日に起きた能登半島地震では、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)で外部電源を一部喪失するなどトラブルが相次いだ。運転停止中で放射性物質を放出するような重大事故には至らなかったが、家屋の倒壊や道路の寸断などで、住民の避難計画が『絵に描いた餅』であることが浮き彫りになった。島根半島に立地する島根原発の周辺住民にとって人ごとではない。国と立地自治体は能登で起きたことを地元に当てはめ、万全の対策を取る必要がある。とりわけ避難計画の見直しは絶対だ。原子力規制委員会が東京電力福島第1原発事故を受け、重大事故が起きた場合の住民避難や被曝(ひばく)防護策を原子力災害対策指針にまとめている。それによると放射性物質が放出された場合、5キロ圏内の住民はすぐに避難。5~30キロ圏内はいったん屋内退避し、放射線量を見極めながら移動する段階的避難を原則とする。ところが能登半島地震では石川県が定める避難ルートの大半が通行止めになり、孤立集落が相次いだ。多くの住宅が倒れ、屋内退避もままならない状況に。原発事故が重なれば到底、住民を守れまい。島根半島も、道路事情は似通う。島根原発2号機の再稼働に向けて国と自治体がまとめた避難計画では、住民がマイカーや専用バスで県内外の避難先へ逃げる手順を決めてはいるが、実効性を疑う声は住民の間でかねてあった。地震などで避難ルートが断たれた場合は、道路管理者が復旧作業を速やかに進め、難しければ自衛隊などに支援を要請する運びだ。しかし、能登では現場に重機が入れない状況が何日も続いた。海路や空路も津波や放射線量を警戒しながらどれだけ柔軟に対応できるのか、見通せない。島根原発は全国で唯一、県庁所在地にあり、30キロ圏内に約45万人が住む。混乱の中で住民が計画通り動けるとは思えない。寝たきりの高齢者や障害者ら1人で避難できない要支援者への対応も十分に示されているとは言い難い。避難の受け入れ先となる広島や山口などの自治体の備えは万全だろうか。能登では、長期に及ぶ広域避難の困難さも露呈した。規制委は、能登半島地震後、原子力災害対策指針を見直す議論を始めた。来年3月までに結果を得るという。ただ段階的避難の原則は変えず、屋内退避の期間や避難の判断基準などに論点はとどまる見通しだ。そんな問題意識で大丈夫なのか。島根県や松江市は国の対応を待つことなく、地域防災計画の見直しに着手することが求められよう。避難計画の実効性が確認されるまで、再稼働をすべきではない。」

 問題を上関原発に移して考えてみましょう。

 上関原発において避難計画を立案しても、地震による被害と原発事故が重なった場合、計画通りになることは困難であることは明らかです。

 能登半島地震の教訓を重く受け止め、上関原発計画と中間貯蔵施設の建設は中止すべきです。

ヴィム・ヴェンダース監督の映画「PERFECT DAYS」を観ました。

 しんぶん赤旗は、映画「PERFECT DAYS」について映画ジャーナリスト・藤井克郎さんのコメントを次のように報じました。
 「東京の渋谷区に点在する公衆トイレをモチーフに、日本文化に造詣が深いドイツ出身のヴィム・ヴェンダース監督が、何気ない日常にあふれるいとおしさを、心に染み入る映像美で紡いだ。主人公を演じた役所広司が今年のカンヌ国際映画祭で男優賞に輝いている。古いアパートに一人で暮らす清掃員の平山は、まだ薄暗いうちに目を覚まし、作業車で公衆トイレに向かう。若い同僚(柄本時生)から『やり過ぎ』と言われるぐらい丁寧に磨き上げ、公園のベンチでの昼食をはさんで各トイレを回って帰宅した後は、近所の銭湯で一番風呂を浴び、いつもの居酒屋で軽くたしなむ。めったに口を開かない彼の楽しみは、公園に降り注ぐ木漏れ日をフィルムカメラでそっと撮影することだった。映画は、そんな平山の日々の繰り返しに寄り添うように、ありふれた風景をさりげなく映し出す。首都高から望む摩天楼も下町の路地裏も、いつもと変わらないのに毎日が輝いている。木漏れ日が一つとして同じものがないのと一緒だ。妹の娘(中野有紗)が家出をしてくるなど、平山の過去がうかがえる場面もあるが、詳しいことは何も語られてない。ただ平山を演じる役所のほほ笑みをたたえたような微妙な表情が人生を物語っていて、横幅の狭いスタンダードサイズの画面にあり余るほどの想像の余白が広がる。『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』といったヴェンダース監督の名作群に珠玉の一本が加わった。」

  私は、昨日、映画「PERFECT DAYS」を観ました。

 この映画を熟語に例えれば「日々是好日」だと感じました。平山の日々が「いつもと変わらない毎日が輝いている」ことをこの映画で感じました。

 清掃員の平山を演じた役所広司さんは、映画のパンフレットのインタビューでこう述べています。

 「台本では平山さんは喜怒哀楽が少なく、寡黙で、笑顔もなければ怒りもない人物だった。同僚のタカシが急に仕事を辞める場面、そのせいで毎日の清掃のローテーションが乱れてしまい、平山さんが怒るシーンがあった。台本を読む限り、それほど激しい怒りではないと僕は思ったんです。でも監督は怒りをはっきりと表現するように演出された。それは、平山さんに対して親しみやすさを出そうとしたのかもしれません。台本では平山さんは修行僧のようにいた。監督は平山さんに人としてのリアリティを求めたのだという気がします。」

 私たちは、修行僧のように生きることは出来ません。日々喜怒哀楽が訪れます。

 そんな毎日であっても、「日々是好日」なのだとこの映画は思わせてくれます。

 そして、この映画を観た誰もが、「平山さんに会いたくなる」作品でした。

 名匠、ヴィム・ヴェンダース監督の他の映画も観たくなりました。

 映画館に行けば、次の作品が観たくなります。

 次回は、成島出監督の「52ヘルツのクジラたち」を観たいと思っています。

 皆さんはどんな映画を観ましたか。感想をお聞かせください。