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夜間中学が25年度までに36都道府県・指定都市に58校に広がる見通し

 4日、読売新聞は社説で、夜間中学校について次のように報じました。
 「様々な事情で義務教育を受けられなかった人を対象にした夜間中学の重要性が増している。誰もが最低限の学ぶ権利を享受できる場としたい。夜間中学は元々、戦後の混乱期に生活苦で小中学校に通えず、卒業できなかった人が義務教育を受けられるよう設置された。かつては高齢者の生徒が多かったが、現在は母国や日本で義務教育を受けられなかった外国籍の人が7割近くを占める。日本人も、不登校などでほとんど通学しないまま中学校を形式的に卒業した人が学びなおす例が増えている。2020年の国勢調査では、最終学歴が小学校も卒業していない人は約9万人に上った。家庭の事情や不登校など原因は様々だが、見過ごしていい問題ではない。義務教育を終えていないことは社会生活を送る上で制約となる。16年に成立した教育機会確保法は年齢や国籍を問わず、希望者に義務教育相当の学習機会を提供するよう定めている。夜間中学の役割は大きくなっているといえよう。夜間中学は都市部を中心に44校が設置されているが、合計の生徒数は約1500人で、国勢調査の結果と比べてあまりにも少ない。夜間中学の存在すら知らない人が多いのではないか。国は27年度までに都道府県・政令都市に少なくとも1校の夜間中学を設置する目標を掲げており、地方でも新設に向けた動きが相次いでいる。一方、夜間中学で学びたい人を把握する方法やカリキュラム作成などのノウハウが乏しく、設置に二の足を踏む自治体もある。国は財政支援に加え、こうした面での情報提供を進めなければならない。遠隔地で通学が難しい人のために、オンライン授業の活用も積極的に検討すべきだ。夜間中学では、教える側も工夫が求められる。外国籍の人は日本語の習得状況にばらつきがあり、授業を十分に理解できないことが少なくない。習熟度に応じた複数のカリキュラムを作る必要がある。中学校を不登校のまま、形だけ卒業した人には、小学校の内容から学び直しができるよう、個別に指導することが欠かせない。こうした取り組みは、夜間中学の教職員だけでは限界があるだろう。不登校児童を支援する団体や自治体の日本語教室などと綿密に連携し、きめ細かい教育を行うことが重要だ。」
 文部科学省初等中等教育局は、9月14日、都道府県教委夜間中学担当課などに「夜間中学の設置・充実に向けた取組の一層の推進について(依頼)」とする事務連絡を行いました。
 この通知によると、夜間中学は、今年4月時点で、23都道府県・指定都市に44学が設置され、来年度には、新たに7都道府県・政令市に、再来年度には、6都道府県・指定都市に設置される予定とあります。
 今年4月時点で設置されている都道府県は、北海道・宮城・茨城・埼玉・徳島・香川・高知・福岡の8道県です。来年度に設置予定としている都道府県は、群馬・鳥取・佐賀・熊本の4県です。再来年に設置予定の都道府県は、石川・愛知・三重の3県です。都道府県だけカウントすると、15都道府県になります。指定都市を入れると36都道府県に夜間中学校が設置及び設置予定となります。
 国勢調査における山口県内の未就学者は851名、最終学歴が小学校の者が7925名おられます。
 文科省は、この事務連絡で「未設置自治体におかれてはニーズ調査の実施など夜間中学設置の速やかな検討に着手していただきますよう」要請しています。
 私は、19年9月に、広島市立の夜間中学=観音中学を視察し、19年9月県議会、20年6月県議会、23年2月県議会で、夜間中学校の設置を県議会で求めてきました。
 23年2月県議会で木村副教育長は「県教委では、今回のニーズ調査の結果を踏まえ、今後各市町教委と協議の場を設け、引き続き夜間中学設置の必要性について検討していくこととしている」と答えました。
 36都道府県・政令市に夜間中学が設置される予定の中、山口県は、文科省の事務連絡通り、「夜間中学設置の速やかな検討に着手」すべきときです。
 山口県で一日も早く夜間中学が設置されるよう、引き続き、必要な発言を行っていきたいと思います。
 夜間中学に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

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