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風力発電事業に関し保安林解除問題を質す

 私は、9日に一般質問で登壇しました。
 本日は、メガ発電施設の内、風力発電事業について報告します。
 第一は、保安林解除についてです。
 日本共産党・井上佐賀県議の唐津市の七山風力発電所計画における保安林の解除に関する一般質問に対し、佐賀県農林水産部長は「開発に係る土地利用がその地域における公的な各種土地利用計画に位置づけられていない」ことを主な理由として「解除要件に合致していない」と答えました。
 私は「阿武風力発電事業と天井山風力発電事業計画地内において、阿武町、長門市、美祢市が策定した公的な各種土地利用計画があるのか」と尋ねました。
 松岡農林水産部長は「国において『公的な土地利用計画』とは、国又は地方公共団体が策定等を行った計画であり、都道府県あるいは市町村の総合振興計画又はそれに類する計画等が当てはまるとしており、いずれの市町においても、これらに該当する計画を策定されているものと承知している」と答えました。
 阿武町には阿武町過疎地域持続的発展計画があります。この計画には、再生可能エネルギーの促進と言う明記はあるが、その内容は、プールのバイオマス化、薪ストーブの補助です。
 私は「公的な計画があるだけでなく、風力発電事業の明記がなければならないと考える。公的な計画があることのみをもって、保安林解除の要件を充足しているとは言い難い」と指摘しました。
 松岡部長は「『公的な各種土地利用計画に即している』ためには、転用に係る事業の具体的な位置又はゾーニングが計画に示されているか、あるいは、具体的な記載がないものの、定性的に当該事業を推進する記述がある場合には、事業予定箇所が計画に沿うことを、計画策定者によって証されることが必要とされている。実際に、保安林解除申請がなされた段階で、申請内容を確認の上、計画に即したものか否かを審査することとなるので、当該風力発電事業が、保安林解除要件を満たしているか否かについて、現時点で、答える段階にない」と答えました。
 私は、①両計画地内の保安林を解除する場合は、所有権のあるもの全ての同意が必要なのか②保安林の中に県有地があるが、県はどう判断するのか③天井山風力発電事業に関し美祢市秋芳町嘉万坂水地区で反対決議が採択されたと報じられているが、天井山風力発電事業計画地内で同地区に関する保安林はないのかと質しました。
 松岡部長は、①について「保安林の指定解除に当たっては、その解除に直接の利害関係を有する者の同意を得ていること、又は得ることができると認められるものであること、を要件の一つとしており、指定を解除される森林の所有権を有する全ての者の同意を取得することを原則にしている」と答えました。
 松岡部長は②について「天井山風力発電事業地内の保安林には、地上権設定契約に基づき、県が森林保有者となる県行造林地がありましたが、現在、全て解約しており、県が所有する森林は存在していない」と答えました。
 松岡部長は③について「坂水地区に関する森林を特定することは困難であるため保安林の有無については、答えることができない」と答えました。
 私は「住民から保安林の地番を聞いて、県に確認したら、坂水の住民が所有する保安林であることが分かった。しかし、その保安林が、解除の対象になるかどうか分からないので、今の答弁を受け入れる。坂水地区住民が直接の権利者でなかったとしても、利害関係者として、同意が得られなければ保安林は解除できないのではないか」と質しました。
 松岡部長は「保安林の解除については、解除申請がなされた段階で、申請内容を確認の内、直接の利害関係者を特定して、利害関係者の同意の有無を含め、解除要件を満たすか否か審査することとなるため、現時点で、保安林解除の可否について、答えられる段階ではない」と答えました。
 島根県吉賀町、山口県岩国市、周南市にまたがる山間部に最大33基で14万kWを超える県内最大規模の西中国ウインドファーム事業の計画段階配慮書が提出されました。
 私は、この計画にどのような検討を行っているのか尋ねました。
 神杉環境生活部長は「県では、環境影響評価法等に基づき、西中国ウインドファーム事業に係る計画段階配慮書に対する知事意見の作成に向けて、現在、学識者からなる環境影響評価技術審査会からの意見や、関係市や庁内関係課からの意見を集約しているところだ」と答えました。
 私は「西中国地域ツキノワグマ個体群保護計画の恒常的分布域と西中国ウインドファームの計画エリアが重なっている。配慮書に対する知事意見の中で、ツキノワグマへの配慮は十分に明記されるべきだ」と質しました。
 神杉部長は「今、知事意見の集約を行っている段階なので、知事意見の内容について、答える段階にない」と答えました。
 私は、西中国ウインドファームの計画地内に保安林はあるのか尋ねました。
 松岡部長は「当ファームの計画地内には『水源の涵養」『土砂の流出の防備』『公衆の保健』を目的とした保安林がある」と答えました。
 県内で相次いで巨大な風力発電事業計画が進めらています。
 私は、引き続き、この問題について必要な発言を行っていきたいと思います。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
 

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