議員日誌

マグマ

 真山仁さんの真実を探求する眼に惚れ込み、「マグマ」を読んでいます。

 この小説は、表題から連想する通り、地熱発電がテーマになっています。

 この小説は、3.11前の2006年に刊行されたものですが、痛烈な原子力発電を批判する内容となっています。

 原発の1キロワットアワーを発電するのにかかる発電コストについて、このように分析する下りがあります。

 「原発の5.9円というのは大嘘で、電力各社は、大体9円程度だと言っています。ところが、それでも原発で使用した高放射性廃棄物の処理費用が含まれていなかったり、発電所の稼働率が水増しされていたり、国の様々な補助金でカモフラージュしたりというトリックがいっぱいありましてねえ。我々は、せいぜい15円がいいところじゃないかと見ています。ある学者の計算では、100円しても驚かないと言っています」

 その上でこんな下りにはドキリとします。

 「愚かなるは人間ばかり。地球上の動物の中で一番賢いと思いながら、実際は自らを破滅に追いやる愚行に走ってばかり・・・。」

 人間が自らを破滅に追いやる愚行の最たるものが私は、原発の新設や再稼働だと思います。

 昨日のしんぶん赤旗日刊紙に「原発再稼働しなかれば交付金を減額」の記事がありました。

 「国が地方自治体に出す交付金をてこにした原発立地自治体への圧力が強まっています。安倍晋三政権は2016年度予算案の作成にあわせて電源立地対策交付金の算定方法を変更しました。再稼働しなければ交付金が大幅に減額される仕組みです。なかでも知事が再稼働に慎重姿勢をとっている新潟県の下落幅が最も大きくなることが、本紙の調べでわかりました。」

 「これまで国は、停止中の原発について一律81%の『みなし稼働率』を適用し、発電電力量を試算してきました。16年度以降は、原子炉ごとに福島事故前10年間の平均稼働率を適用します。上限は68%で下限はありません。」

 「新潟県の東電柏崎刈羽原発は、2000年度代に東電のトラブル隠しや中越沖地震によって運転停止が相次いだため、7基合計の平均稼働率が約48%と15年度末までのみなし稼働率と比べ30ポイント以上落ち込みます。」

 元経済産業省官僚の古賀茂明さんは「再稼働に前向きな自治体には補助金で優遇するが、後ろ向きな自治体は他の予算を含め徹底的に冷遇するという脅し」と解説しています。

 予算は政治の鏡といいます。

 政府は、口では再稼働に慎重と言いますが、予算では再稼働を促進しています。

 予算によるあからさまな原発再稼働の促進は許されません。

 福島県の人口が大幅に減少しているとのニュースもありました。

 福島原発の事故は収束せず、深刻さを増しています。

 国民は福島原発事故を忘れてはいません。

 真摯な反省に立てば再稼働は中止すべきだと私は考えます。

 自らを破滅に追い込む愚行である原発の新設や再稼働はやめるべきだと真山仁さんの「マグマ」を読みながら痛感しています。

 日本のエネルギー政策について皆さんはどうお考えですかお教え下さい。

 マグマはドラマにもなりました。そのDVDでドラマも楽しんでいます。

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