水木しげるさんが執筆に参加している雑誌「怪」29号に「宮本常一」が特集されていました。
宮本常一の名前は、郷土・山口県の偉人の一人として度々耳にしていましたが、彼の仕事に関心を持ったのは初めてでした。
この雑誌の中に、彼の資料を所蔵している「周防大島文化交流センター」の事が掲載しれていました。
この建物は星野哲郎記念館の隣だとありました。星野記念館には数度訪ねたことがありますが、交流センターは一度もありません。
今度、ゆっくり訪ねてみたいと思います。連休に、家族で四国方面に行こうかと話していますので、行きかえりに寄ってみようかと思いました。
宮本常一さんの著作は膨大だとあります。生前の昭和42年から刊行が始まった「宮本常一著作集」は、現在50巻を越えているそうですが、完結には程遠く、全業績を網羅するには優に百巻は超えるだろうと雑誌にありました。
宮本常一さんの著作の中の一部は、文庫となり、書店で手に入ります。その一冊講談社学術文庫「民俗学の旅」を読んでいます。
これは、宮本さんの自叙伝のような内容です。宮本さんは、貧農の家に生まれ、苦学しながら柳田国男氏や渋谷敬三氏に師事し、日本を代表する民俗学者として名を残した人物です。
彼が民俗学の道に進んだ背景には、周防大島の風土や父母の影響が大きかったとあります。
「郷土から広い世界を見る。動く世界を見る。いろいろな問題を考える。私のように生まれ育ってきた者にとっては。それ以外に自分の納得のいく物の見方はできないのである。」
例えば、本の中のこのような言葉に心が動きます。
私は、山口県の中山間地域の農家の家に生まれ育ちました。その生い立ちからも彼の言葉が響きます。
同じ郷土にいながら、45歳になってようやく宮本常一さんの著作に触れた私ですが、少しつづその量を広げていきたと思いました。
宮本さんは、自らを「大島の百姓」と称しておられたようです。私は、彼の著作に触れ「宇部の百姓」の端くれとして生きていきたと思いました。
宮本ファンの皆さん、色々お教えください。
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