本日、新年度予算案の概要が発表されました。
いくつかの特徴を私なりに綴ってみたいと思います。
まず、県債残高を大幅に伸ばした新年度予算になったという点です。
新年度の税収の落ち込みは尋常ではありません。全体で、対前年度比マイナス17.1%。特に法人二税は、マイナス43%という大幅な落ち込みです。
それを補うのが、地方交付税であるはずなのに、地方交付税の伸びは、わずか1.3%です。
税収減を補うために結局は大幅な県債が発行されました。一般財源に充当する地方債は、対前年度比マイナス6.6%。一方で、地方交付税の振替又は補てん措置として発行された地方債は、35%と大幅に伸びています。新年度、地方交付税の振替として発行する臨時財政対策債が659億円となり、前年度より171億円増加しています。
その結果、県債残高は、新年度は、1兆25530億円となりました。二井知事が就任したH8年には、県債残高は、6616億円でした。二井知事の15年で、県債残高が倍になったことが新年度予算の大きな特徴ではないでしょうか。
雇用対策では、「緊急雇用創出事業臨時特例基金」を使って3168人の新規雇用が創出される予算となっています。県の直接雇用も287人となっています。
また、高校未就職卒業者優先枠100人が設定されていることなどは評価できます。その上で、危機的な県内雇用の実態に応える県独自の更なる取り組みが求められます。
福祉医療費助成制度では、一部負担金の廃止も制度の拡充も行われませんでした。とても残念です。
私学助成の対応は深刻です。私立学校運営費補助が、高等学校一人当たり2500円削減されました。昨年に続く削減で許せません。
国の事業として「私立高等学校等就学支援事業」が創設され、授業料軽減措置が行われますが、県独自の「特別就学補助金」は大幅に削減されました。
昨年度3億を越えていた予算が7千万円代に大幅に後退しました。広島県などのように、特別就学補助金をしっかり確保し、授業料だけではなく諸経費も無料にする措置を県は取るよう再検討すべきです。
財源対策として、歳入確保対策として「受益者負担の増」が行われました。職業能力開発校授業料や農業大学校、介護支援専門員実務研修受講試験手数料などの新設や値上げが行われたことは問題です。
歳出削減としては、県単独補助金が2億3300万円カットされています。詳細は明日以降、県から説明を求めますが、県民の暮らしへの影響が心配です。
大型プロジェクトの適切な進行措置として、国体の更なる簡素・効率化が行われます。大会運営経費は、昨年度47億円と見積もっていたものを更に3億円削減するとしています。
また、施設整備関連費を県有施設で2億、市町有施設で2億カットするとしています。県民はお粥の暮らしです。更なる国体の簡素・効率化はぜひとも必要と考えます。
更なる大型プロジェクトの見直しなどで、苦難に直面している県民を応援する予算へ転換させる必要があることを痛感する予算発表でした。
県税収入が落ち込んでいます。これを解消するためにも、県民の暮らしを応援する予算の確保が求められていることも痛感しました。
新年度予算の概要は、県のホームページで閲覧することが出来ます。皆さんの感想をお教えください。
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