議員日誌

鴨川ホルモー

 議会は、明日閉会します。一般質問の準備をして、委員会の質疑を終えるころまで、かなり精力を集中します。

 委員会が終わったら何をしようかとつらつら考えながら精力を絞り出します。

 映画に行こうかとも考えましたが、前回観た「愛を読むひと」があまりにも良かったので、かえって触手が伸びる作品が見当たりません。

 その頃、今期の直木賞候補の発表があり、その一人に彼の名前を発見しました。その名は「万城目学」。書店通いが趣味の私は、彼の名前はよく目にしていました。

 彼の作品が映画化やドラマ化されていることも知っていましたが、それこそ触手が伸びなかったのですが。

 しかし、本の題名からして何やら面白い作品だろうと思い、委員会二日目の審議を終えて帰りに書店に立ち寄り「鴨川ホルモー」を購入しました。

 奇想天外なストーリーではありますが、とても真面目な青春小説でした。

 私もホルモーをやってみたいと思いました。映画「鴨川ホルモー」も観たいと思いました。

 今でも上映しているところはありませんかね。小説を読んで、これが映像でどうなっているのかとても興味深々です。

 DVDレンタル開始を待つことにしましょう。

 そして、今、彼の初のエッセイ集「ザ・万歩計」を読み終えました。

 彼は、1976年生まれ、私より12歳年下ですが、とても誠実で真摯な人柄が溢れたエッセーでした。

 彼の作品に貫かれている「やさしさ」の訳が少しわかったような気がします。

 それにしても彼の作品の特徴は、「ユニークさ」でしょう。

 彼は、エッセーの最後に、中学校の時のエビソードを引用しています。突然、掃除当番を押し付けられた班のメンバーが不平を言った時、ある生徒がこう叫んだそうです。

 「お前ら、先生の言うことにハムかうんやったら肉屋に行けッ」

 彼は、この時に、「ユーモアがもたらす絶大な効果に心を打たれた」と語ります。

 そして、「阿呆な話を重ねていくことが、果たして役に立つのかどうかはわからない。だが、これまでの出来事同様、きっと無駄にはならないだろうと思ってまたぞろ阿呆な話を紡ぎ出す」とエッセイを締めくくっています。

 私も、日々、人と接するときに「ユーモア」を大切にしているつもりです。

 その一環として、一般質問に入る前に一言入れてしまうのが、常になりました。

 今回は、「議会はチェック機能です。そのために私は、チェックのシャツとネクタイをしてきました」と冒頭切りだしました。

 「掴み」になったかどうかは別ですが、自分をリラックスさせるためにも冒頭に小噺を入れています。

 私は、子どもの頃から冗談好きでそれが抜けないだけなのですが、万城目作品を学ぶことでその質を高める努力をしたいと思います。

 彼の作品は他にもあります。鴨川ホルモーの続編「鴨川六景」。ドラマ化された「鹿男あをによし」。最新作の「プリンセス・トヨトミ」。どれも楽しみです。

 万城目ワールドに浸ることが、この夏の私の最大の喜びとなりそうです。 そして、万城目学氏の直木賞受賞をも期待しています。

 読書はやっぱり面白いですね。議会論戦の疲れが一気に癒されました。

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