しんぶん赤旗に掲載された映画「福田村事件」を製作した監督の森達也さんのインタビュー記事を紹介します。
「舞台は、千葉県東葛飾群福田村(現・野田市)。関東大震災から5日後の1923年9月6日、香川から行商に来ていた薬売りの一行15人が、日本刀や猟銃を手にした100人以上の村人に襲撃されます。死者は妊婦を含む9人。言葉遣いで朝鮮人と間違われてのことでした。『朝鮮人暴動化』のデマにより、朝鮮人虐殺が広がる中、起きた悲劇です。監督が事件の概要を知ったのは、2002年。ネタ探しで新聞の小さな囲み記事を目にしたことが、きっかけでした。『野田市の慰霊碑建立の計画が始まった、という内容でした。朝鮮人虐殺が関わっている、というニュアンスだったけど、よくわからない記事で・・・。現地に行っても説明してくれる人はいないし資料もほとんどなかった。』犠牲になった行商団は被差別部落出身。事件は野田市でも香川でもタブーでした。なぜ普通の人が、ここまで残虐になれるのか。そのメカニズムを解き明かそうと、監督は野田市に通い続けます。『僕の原点は、オウム真理教のドキュメンタリー映画なんです。オウムの視点から社会を見る映画でしたが、中に入ると信者たちが穏やかだったことにビックリしました。でも彼らも指示されていますから、サリンをまいたと思うんです。つまり普通の人でも、ある条件が整えば、とてつもなく残虐になる。それが人間なのだというのが、僕の大きなテーマになりました』その条件とは何か。キーワードは『集団』だと監督は話します。『人間は弱い。だから群れる。集団化には副作用があって、結束を強めるために、異物を排除しようとする。暴走の燃料となるのは不安と恐怖です。人類の過ちのほとんどは、集団の暴走によって引き起こされています。世界はそんな敵視にあふれている』今回の悲劇は日本の植民地支配が原因でした。ポーランド、パレスチナ、カンボジア・・・世界の虐殺と戦争の跡地を訪ね歩きました。『暴走を抑止する方法は、しっかりした歴史認識を持つことです。だけど、この国は自分たちが過去の過ちを直視しようとしない。加害国こそ検証が必要なんです』映画では『加害側の日常生活や喜怒哀楽をしっかり描く』ことを心がけました。共同体として支え合っていた村人たちは、関東大震災で結束を強めます。『不逞鮮人』から村や家族を守ろうと、自警団を結成。組織を呼びかけたのは、内務省の通達でした。印象的な場面があります。物語の主人公でもある朝鮮半島帰りの元教師・智一(井浦新)が妻・静子(田中麗奈)にこう語ります。『韓国を併合してから日本人は朝鮮人をずっといじめてきた。だから、いつやり返されるか、ずっと恐怖心があったんだ』『野獣の如き鮮人暴動』と新聞も恐怖心をあおります。加熱する村人たちの間で、行商団が日本人か朝鮮人かをめぐる、激しい論議が繰り広げられます。行商団のリーダー・沼部伸介(永山瑛太)が発したひと言に端を発し、虐殺が始まり・・・。映画は若い女性記者(木竜麻生)を登場させ『新聞はなんのために存在しているのか』とメディアの責任について語らせます。『この場面にはメディアの現状を重ねました。今、記者クラブに入っているようなメインストリームのメディアは、政権監視をやっているのか。僕が見る限り、『赤旗』と『週刊文春』だけですよ。僕はメディアと社会と政治は、三位一体だと思っています。メディアが三流ということはその国も三流なんです』『ただ僕は現場で歯を食いしばっている記者をいっぱい知っています。集団にいながらどうやって個を保つか。映画では、一人一人の記者の苦悩、出したい、と思いました」
私は、昨日、防府市のイオンシネマで森達也監督の映画「福田村事件」を観ました。
今年観た映画で最高の映画でした。過去見た日本映画の中でも5本の指に入るものでした。
実は、私が事務局を務めていた団体で、15年くらい前に、森達也さんを宇部市にお呼びして講演会を開いたことがあり、その頃から注目している監督です。
最近では、「iー新聞記者 ドキュメントー」も監督した森監督ですが、初の劇映画でした。
劇映画「福田村事件」は、大成功だったと思います。
映画では、捕らえられた行商団の皆さんが「奇妙無量寿如来」と正信偈を合唱する場面が出てきます。
映画のパンフレットに東京大学の外村大教授が次のように書いています。
「私は『歎異抄』の次の一節を思い出す。『わがこころのよくて、ころさぬにはあらず。また害せじとおもうとも、百人千人をころすこともあるべし』。良い心の持ち主であるから自分が他人を殺さないということなのではない、殺すまいと思っていても百人、千人という多数の人びとを殺すこともある、というのである。親鸞聖人のこの言葉は、仏教に特別の関心をもっていない私のような者にも、心に響く。1923年9月、少なくない数の日本人庶民が、朝鮮人、中国人、朝鮮人に間違われた日本人、社会主義者・共産主義者ら何千人を殺害した。」
私たちは、これらの事実を忘れてはいけません。
そのためにも一人でも多くの方の森達也監督の映画「福田村事件」を観ていただきたいと思います。
私は、9月26日、一般質問で登壇しました。
今日は、JR美祢線の早期復旧に関して、厚狭川について報告します。
JR西日本は、9月19日に、厚狭川について「河川管理者において、厚狭川全体の河川計画を検討される必要がある」との報道発表を行いました。
私は、厚狭川水系の河川整備計画に対する①現在の進捗率②JRとの協議状況③今後の見通しを質しました。
片山土木建築部長は「厚狭川では、平成22年7月豪雨災害を踏まえ、下流側から、抜本的な河川改修を実施しており、厚狭川水系の河川整備計画に対する進捗率は、約6割となっている。河川の改修計画の策定については、JR等、河川を占用している者との協議を要するものではないが、厚狭川においては、再度災害を防止するための抜本的な河川改修を実施することとしており、今後、改修計画がまとまった時点で、JRに提示することとしている。」と述べました。
私は、①9月県議会に提出された補正予算に厚狭川の改修に関する予算が計上されていない理由②厚狭川水系河川整備計画の鉄橋が崩落した区間である寝太郎堰から祖父ケ橋までの17.8キロの進捗率は3%だが、その理由は、の二点を質しました。
片山部長は「厚狭川については、現在、この度の豪雨や平成22年7月の豪雨等を踏まえ、具体的な改修計画を検討中であることから、今回の補正予算では改修予算を計上していない。厚狭川については、下流側から河川改修を実施してきており、改修が進んでいない上流側については、今後、再度災害を防止するため、抜本的な河川改修を実施することとしている。」と答えました。
10月3日、文教警察委員会が行われ、警察本部の審議が行われました。
まず、ビッグモーターの店舗前で街路樹が相次いで枯れていることを受けた対応についてです。
9月13日、国土交通省は、宇部店前の街路樹の土壌から除草剤の成分が検出されたと発表しました。
国土交通省は、地元の警察署に被害届を出したとの報道がありました。
9月27日、山口県警は、器物破損の疑いで、ビッグモーター宇部店の家宅捜索を行ったとの報道がありました。
国道190号線沿いのビッグモーター宇部店には、ハクチョウゲという低木が52本植えられていたが、2021年11月から今年3月までの間、いずれも枯れるか伐採されるなどしていた、との報道がありました。
私は、捜査の内容について質しました。
松原捜査第一課長は「捜査中であるため答弁は差し控える」と答えました。
2019年度の警察官の応募者は402人でした。今年度の応募者数は231人と、4割以上減少しています。
私は、「警察官の応募者が減少していることをどう認識しているか」と質しました。
末永警務課長は「今年度の応募者数は、大卒程度採用試験の年2回実施を再開した平成20年以降の結果では、警察官(A)(2回目)、警察官(B)ともに最も少ない応募者数となった。」と答えました。
警察官の応募者増に向けて、警察学校のオープンキャンパスや、若手警察官をリクルーターとして任命する取組が行われています。
私は、「これら取組の成果について」質しました。
末永警務課長は「警察学校のオープンキャンパスは7月31日に行われ、約50名が参加した。リクルーターは若手警察官129人に任命し、約70件の問い合わせがあった。それぞれ、成果があったものと考える」と答えました。
次に男女の賃金格差についてです。
男女の賃金格差を公表する制度が出来て、この程、第一回目の数値が公表されました。
県警本部における男性の給与に対する女性の給与の割合は、常勤職員で77.9%、非常勤職員で66.8%、全体75.4%でした。
知事部局では、常勤職員の差異が91.4%、非常勤職員が76.3%、全体が79.2%でした。
教育委員会では、常勤職員の差異が90.9%、非常勤職員が109.2%、全体が92.8%でした。
県警は、男性の給与に占める女性の給与の割合が、常勤、非常勤、全体の全てで、知事部局、教育委員会よりも低いことが明らかになりました。
私は、「県警において、男性の給与に対する女性の給与の割合が低い理由」を質しました。
末永警務課長は「制度上男女の給与体系に差異はないが、警察官に占める女性の割合が低く、若い女性の割合が高いことによる差が生じていることが理由と考えられる」と答えました。
次に、職員に占める女性の割合についてです。
山口県警の職員における女性の割合は、警察官11.1%、一般職員54.9%、会計年度任用職員29.5%でした。
鳥取県警は、警察官に占める女性の割合は、19%です。
山口県警の採用した職員に占める女性の割合は、警察官で、24.4%、一般職員で82.4%、会計年度任用職員は78.6%でした。
私は、「山口県警察官特定事業主行動計画では、令和8年度に、全警察官の女性比率を12%にするという目標だが、新規採用で女性を増やすべきではないか」と質しました。
末永警務課長は「目標が達成できるように努力する」と答えました「。
次に女性の幹部登用についてです。
山口県警において、幹部に占める女性の割合は以下の通りです。
警察官の警視で1.8%、警部で2.1%、警部補で4.7%。
行政職員の主幹で20%、課長補佐で32.7%、係長で43.8%です。
鳥取県では、警部4.6%、警部補5.6%です。
私は、「女性幹部を増やすべきだ」と質しました。
末永警務課長は「昇任試験に合格した能力のある人間を適材適所に登用するよう努めていく」と答えました。
10月2日、文教警察委員会一日目、教育委員会の質疑が行われました。
私は、高校再編や県立大付属高校などの問題で質疑を行いました。
文教警察委員会で質疑を行う私
まず、柳井地域・周南地域にある高校の再編整備計画についてです。
県教委は、柳井高校、柳井商工高校、熊毛南高校、田布施農工高校、熊毛北高校について、「教育の質の確保・向上を図るため、対象校5校を再編統合して、新高校を2校設置」すると説明しました。
また、県教委は、具体的に①新高校については、普通科及び商業に関する学科を設置した高校と、農業、工業及び家庭に関する学科を設置した高校とする②地域バランスや交通の利便性等を考慮し、校地は現在の柳井高校と田布施農工高校とすると説明しました。
私は、柳井商工高校のバドミントン部女子の評価について質しました。
今年8月の全国高校総体(インターハイ)のバドミントン女子団体で3年連続3度目の優勝を決めたのが柳井商工高校です。チームは、2021年3月の全国高校選抜大会から、高校の大会連続で全国大会6冠を飾っています。
今年8月の全国中学校体育大会では、女子シングルスで、柳井中学校の阿波選手が、優勝しました。彼女は福岡県出身です。柳井商工に入るため中学時代から柳井市に引っ越しています。
多くの柳井商工の選手も全国から集まってきています。
私は、柳井商工のバドミントン部をどう評価し、どのように再編しようとしているのか質しました。
梅田高校教育課長は「柳井商工バドミントン部の全国的な活躍は評価している。バドミントン部について、今後の協議の中で、検討していきたい。」と答えました。
柳井市のバタフライアリーナで、今年7月24日から、西日本高校女子バドミントン選手権大会が開催されました。
私は、「柳井商工バドミントン部を地域で後押ししている柳井市の関係者と十分協議をすべきだ。」と質しました。
梅田高校教育課長は「柳井市や柳井市教育委員会とも協議をしていきたい。」と答えました。
次に、成案までのスケジュールについてです。
宇部西高校の募集停止の場合、昨年9月県議会文教警察委員会で素案が示され、昨年11月県議会文教警察委員会で成案が示され、昨年末の教育委員会会議で募集停止が決定されました。
過去を振り返ると、光高校と光丘高校の統合は、2016年11月県議会で素案が示され、2018年6月議会で統合時期が示されました。
このように過去の提案は、1年半以上かけて素案を地域で説明して成案にしてきました。
私は「11月県議会で成案を提案するようなスケジュールにすべきではない」と指摘しました。
梅田課長は「成案を示す時期は、決めていない」と答えました。
次に周防大島高校の位置づけについてです。
周防大島高校は、3学級以下で、再編統合の対象になります。また、柳井地域に、周防大島町が入っています。
このルールならば、周防大島高校も高校再編の対象になるはずでした。
私は、「周防大島高校が再編統合の対象にならなかった理由は」と質しました。
梅田課長は「地理的条件などを総合的に勘案した結果だ」と答えました。
私は、地理的条件を高校再編の基準に加えるよう要望しました。
次に奈古分校についてです。
梅田課長は「新年度入学者の試験は行う。その後は、地元中学校卒業者の入学状況等を勘案した上で、生徒募集の停止を検討する」と答えました。
次に宇部西高校についてです。
梅田課長は「宇部西高校の卒業生の書類を引き継ぐ高校及び造園の国家資格の試験会場については現在も検討中だ」と答えました。
次に、県立大学附属高校についてです。
私は、公文書開示請求で、昨年12月27日に開催された第二回検討会議で、兵庫県立大学附属高校について「附属高校は近隣の子どもが少なく定員割れ状態。(中略)デメリットは、県教委の施策が入らないこと、国・県からの教育関係の情報が入らないこと、臨時教員等の人集めが大変なこと」との視察報告がなされていたことを掴みました。
私は、今議会の一般質問で、このことが、検討協議会で報告されたのか質しました。
総務部長は「6月16日に開催された第2回『山口県立大学高大連携の推進強化に関する検討協議会』において、附属高校の検討に当たっての参考として、兵庫県及び奈良県に設置されている県立大学附属高校の現状等について、事務局から説明があった。お示しの課題に関する委員からの質疑等はなかった」と答えました。
私は、公文書開示請求で、第二回検討協議会の資料も入手しました。公開された資料の内、附属高校の候補となる高校のリストなどは黒塗りでしたが、兵庫県立大学附属高校の資料がありました。
その資料は、両附属高校の沿革と概要に関するものでした。
私は、「第2回検討協議会で、兵庫県立大学附属高校の定員割れの状況などは報告されたのか」質しました。
水野学事文書課長は「直接的な説明はありませんでした」と答えました。
私が、請求し、公開された第二回検討会議の資料に奈良県立大学附属高校の資料があります。
その資料に、①県から財政支援として、中期計画関連費補助金2・5億円が交付②県教委から教員の派遣など業務援助ありというものがありました。
私は、「検討協議会の中で、奈良県立大学附属高校に関し、このような説明はされたのか」と質しました。
水野課長は「直接的な説明はありませんでした」と答えました。
私は、「検討協議会は、周防大島高校を附属高校にすることを決めて終了したのか。県立大学が附属高校を設置することでの財政的、人的見通しについて、検討協議会で協議すべきだ」と質しました。
水野課長は「県教委から設置者変更の承認が得られたのち、付属高校に関し、どのような議論を行うかについては、県立大学において、県や県教委とも相談しながら、今後検討されるものと考えている」と答えました。
木村副教育長は、検討協議会の委員を務めています。
私は、「木村副教育長は、附属高校に係る議論に参加した人物ではあるが、公平・中立の立場で、設置者変更の事務に対処すべきだ」と尋ねました。
木村副教育長は「設置者変更の事務は公平に対処したい」と答えました。
次に、校則問題についてです。
私の一般質問の答弁で、「生徒指導提要の改訂を受けて、3月23日、県立学校長に校則の見直しを通知した」と答えました。
その通知に、校則のホームページ公表を4月末までに完了を求めています。
大下学校安全・体育課長は、「6月末の時点で、全ての県立高校が校則をホームページで公表していることを確認した」と答えました。
最後に、35人学級復活の見通しについてです。
今年度から教員不足のため、中学校2・3年が38人学級になっています。
過去の議会で、木村副教育長は「38人学級は1年限りにしたい」と答弁しました。
私は、「新年度、35人学級復活の見通しは」と質しました。
山本義務教育課長は「38人学級が1年限りとなるよう取り組んでいるところだ」と答えました。
私は、9月26日に一般質問で登壇しました。
今日は、JR美祢線・山陰線の早期復旧問題について報告します。
9月19日、JR西日本は、6月30日からの大雨で、美祢線で80か所、山陰線で69か所の被災があったと発表しました。
JRは、今後の見通しについて、美祢線は、「今後の進め方について関係自治体の皆様に相談させていただきたい」とし、山陰線は、「粟野川橋りょうの被災メカニズムの調査や構造物の詳細調査を引き続き進めて」いくと述べました。
美祢市は、JR美祢線災害復旧対策室を設置しました。対策室は、美祢市、県、山陽小野田市、長門市の職員で構成されています。
私は、「対策室に情報と対策案を集中させ、美祢線・山陰線の早期復旧を実現すべきだ。JRとどのような協議をしているのか、復旧に対する現状認識を尋ねる」と質しました。
京牟礼観光スポーツ文化部長は「JRとの協議については、被災直後から、先日のJRによる被害状況等の公表までの間、重ねて、JRから調査の進捗状況の報告を受けており、その度に、県からは、沿線自治体と連携して、早期復旧を要請し続けてきたところだ。現状認識については、こうした復旧の要請と併せ、県や沿線自治体等においては、両路線の利用促進協議会の中で、鉄道復旧後を見据えた路線の活性化の議論を深めていく必要があると考えている。とりわけ、美祢線においては、美祢市に設置した『JR美祢線災害復旧対策室』を核として、協議会の中に新たな検討チームを設けることを、沿線自治体やJRに働きかけてまいる。県としては、鉄道が被災した場合には、事業者の責任において、速やかに復旧させる必要があると考えており、引き続きJRに対し、両路線の早期復旧を要請してまいる。」と答えました。
美祢線利用促進協議会に沿線自治体やJRも参加した新たな検討チームを作るという回答は、前向きなものとして評価したいと思います。
引き続き、美祢線・山陰線の早期復旧のために、必要な発言を続けていきたいと思います。
皆さんのご意見をお聞かせください。
私は、9月26日に一般質問で登壇しました。
今日は、やまぐちデジタル改革基本方針についての質疑と回答を紹介します。
やまぐちデジタル改革基本方針はマイナンバーカードについて次のように書いています。
「マイナンバーカードは『デジタル社会のパスポート』となるもの」との認識に立ち、「市町と連携して、カードの本人確認・認証機能を活用したオンライン行政サービスの充実や、マイナンバーカードをかざすだけで、各種証明書交付や図書館での本の貸し出しなど、様々な行政サービスの提供を受けることができる『市民カード』等に取り組む」
「市民カード化」について、龍谷大学の本田滝夫教授は「住民は、住民たるに当該自治体の区域に住所をもっているだけで足りる(自治法10条1項)にもかかわらず、自治体のサービスを受ける際の住民であることを『証明』するためマイナンバーカードの所持が事実上義務付けられることになる」と指摘しています。
私は、「マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次ぎ、県民の不信が高まっているなか、マイナンバーカードの取得を事実上、義務化する『市民カード』を促進する方針は見直すべきだ。県の認識と、県内での市民カード化の実施状況を尋ねる」と質しました。
永富総合企画部長は「マイナンバーカードにより様々な行政サービスが受けられる『市民カード化』の推進は、国の『デジタル社会の実現に向けた重点計画』において、重点的な取組として位置付づけられているものであり、本件としても、引き続き、その推進に取り組んでいく。マイナンバーカードをかざすだけであらゆる行政サービスを市民が受けられる多機能な市民カード化に至っている事例はまだないが、各市町において、マイナンバーカードを活用した住民票の写し等のコンビニ交付が受けられる取組などは進んできているところだ」と答えました。