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山口県人権推進指針「10年以上ぶりにLGBTの表記など改定作業中」と部長答弁

 私は、26日に一般質問で登壇しました。
 今日は、山口県人権推進指針について報告します。
 前回の改定から10年以上が経過した人権推進指針は、社会情勢に対応していない点が散見されます。
 特に、LGBT問題を「性同一性障害の問題」と表記し、「生物学的な性と性の自己認識が一致しない疾患」としている点については、今年1月の山口県人権施策推進審議会で、事務局から「『性同一性障害の問題』は、LGBT全体の対象とした記述に改めたい」との提案がありました。
 私は、「山口県人権推進指針をどのような点について、いつまでに改定しようとしているのか」質しました。
 藤田環境生活部長は「本県の人権に関する総合的な取組を推進するための基本指針である『山口県人権推進指針』については、前回の改定から10年以上が経過し、その間、社会情勢の変化等が生じていることから、改定に向けて検討を行っているところだ。改定に当たっては、人権に関連する新たな法令の制定や県計画の改定等に対応するとともに、お示しの『性同一性障害の問題』をいわゆるLGBT全体を対象とした記述に見直すこととしている。また、改定案は、今後、山口県人権推進審議会に諮ることとしているが、改定の時期については、現時点でその見通しを示せる状況にない」と答えました。
 WHOが国際疾病分類を改定し、性同一性障害を精神疾患から外すことを発表しました。
 私は「山口県が人権推進指針の内、性同一性障害の内容を変更する背景に、WHOの国際疾病分類の改定があったのか。性同一性障害が疾病であるという指針を放置する期間は短期間にすべきだ」と質しました。
 藤田部長は「前回の指針改定以降、様々な分野で人権に関連する新たな法令の改正等が行われており、これに対応するために、現在、改定の検討を行っている。性同一性障害については、精神疾患、それから精神障害から除外されておりますし、このことや、今年、LGBT理解増進法が施行されるなど、社会的な動きもあった。そういったことが、改正の理由の一つだ。改定の時期については、今後、人権施策推進審議会に諮ることとしているので、現時点、お示しできない。」と答えました。

生物多様性の観点から重要度の高い海域である「長島・祝島周辺」は生物多様性やまぐち戦略で保全すべきと主張

 私は、26日に一般質問で登壇しました。
 今日は、生物多様性やまぐち戦略について質した部分を報告します。
 9月12日、山口県自然環境保全審議会に、生物多様性やまぐち戦略(骨子案)が示されました。
 私は、今後の改定スケジュールと骨子案の概要及び30by30目標の設定について県の認識を質しました。
 藤田環境生活部長は「改定スケジュールについては、来年2月に素案を作成し、パブリックコメントなどを経て、6月に最終案を取りまとめる予定だ。骨子案については、本年3月に改定された生物多様性国家戦略に掲げる5つの基本戦略を踏まえ、『多様な生態系の保全と健全性の回復』など3つの目標を設定するとともに、民間等の取組により保全する『自然共生サイト』の推進など、新たな施策の方向性を示した内容となっている。また、2030年までに陸と海の30%以上を保全する30by30目標については、具体的な数値を設定することは考えていない。」と答えました。
 環境省が選定した「生物多様性の観点から重要度の高い海域」には、県内17海域が含まれています。
 私は、「これら海域こそ、生物多様性やまぐち戦略の30by30目標に含めるべき」と質しました。
 藤田部長は「環境省は『生態学的・生物学的な観点からの基礎資料であって、保全施策の対象とすべき場所を直接示すためのものではない』としており、国家戦略において30by30目標の対象地域としていないことから、やまぐち戦略においても、対象地域とすることは考えていない。」と答えました。
 17海域の一つは、長島、祝島、宇和島周辺の海域です。
 環境省は「長島、祝島、宇和島周辺の海岸は、護岸のない自然海岸が多く、瀬戸内海のかつての生物多様性を色濃く残す場所である」と選定理由を述べています。
 環瀬戸内海会議の湯浅一郎共同代表は「このような海は、生物多様性基本法に基づいて作成された生物多様性国家戦略に照らして、そのまま保護するのが妥当な選択であろう。従って『田ノ浦海岸に関する山口県知事の埋立承認には、生物多様性基本法に照らして法的に瑕疵がある』と言わざるを得ない」と指摘しています。
 私は、県の見解を質しました。
 藤田部長は「生物多様性基本法は、規制等を定めたものではなく、法的な瑕疵があるとは考えていない」と答えました。
 中間貯蔵施設が長島に建設された場合、使用済み核燃料を入れたキャスクを運搬する専用船が接岸できる専用ふ頭の建設が想定されます。
 私は、「『長島、祝島周辺』の海岸は、生物多様性やまぐち戦略で保全すべき海域であり、埋立などの改変は拒否すべきだ」と質しました。
 藤田部長は「やまぐち戦略において、お示しの海域を30by30目標の対象地域とすることは考えておらず、埋め立て等の個別の行為が行われる場合は、個別の関係法令等に基づき判断されるものと考えている」と答えました。

26日に登壇しました 中間貯蔵施設問題に関する質問 

 私は、26日、一般質問で登壇しました。

 9月県議会で一般質問を行う私

 今日は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設について報告します。
 上関町長は8月18日、中国電力が要請した「中間貯蔵施設」の立地可能性調査の受け入れを表明しました。
 福井県は、関西電力に県外への搬出を繰り返し要請してきました。これに対し関西電力は2021年2月、「2023年12月末までに、中間貯蔵施設の候補地を確定できない場合は、美浜、高浜両原発の運転を停止する」と約束しました。
 中国電力が関西電力との共同事業として、上関町への中間貯蔵施設の建設のため調査を上関町に要請したのは、関西電力を救済するためのものと言わざるを得ません。
 私は、「知事の認識を尋ねる」と質しました。
 また、「福井県が県外搬出を求めている使用済み核燃料を貯蔵する施設は山口県にも不要だ。知事は福井県同様、きっぱり拒否すべきだ」と質しました。
 鈴森産業労働部理事は「中国電力は、上関町の地域振興や島根原発の安定稼働に資すること、国のエネルギー政策にも合致すること等から回答をしたものと承知している。現在はあくまでも、中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査の実施について、上関町が中国電力に対し了承し、調査が開始された段階であり、当該施設に関し、県としての対応を申し上げる状況にない。」と答えました。
 次に、再処理施設についてです。
 中国電力は「青森県六ケ所村にある再処理施設は、24年度上期に竣工する見通し」と記したチラシを住民に配布しています。
 六ケ所村再処理施設について原子力規制委員会は、基本設計が規制基準に適合していることは認めましたが、詳細設計と工事計画については、昨年度末に出された申請書類に多数の不備があることを指摘しています。
 私は、「再処理施設が24年上期に竣工できるという確かな情報を持っているのか。『中間貯蔵施設』は、再処理施設の稼働を前提としたものだと思うが、県の認識を尋ねる」と質しました。
 鈴森理事は「エネルギー政策は国家運営の基本であることから、使用済燃料を再処理することで有効活用する核燃料サイクルをどうするかについては、国の責任において判断されるべきものと考えている。再処理工場の竣工の見通しや、中間貯蔵施設と再処理施設の関係について、県として独自に見解を述べることは考えていない。」と答えました。
 私は、日本原燃の六ケ所再処理施設に関した、原子力規制委員会が9月4日に行った第494回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合の議事録を紹介しました。
 この会合の中で、長谷川原子力規制部新基準適合性調査チーム長補佐は日本原燃に対し「これ以上で、意見とかをきちっと尊重していかないといけない。これを怠った瞬間にたぶん崩壊する。もう誰も手伝ってくれないということになるので、これはしっかり肝に銘じてやっていただきたい。」「年明けくらいというのがある種、これから技術的に始まると思っている。絶対に守らなければならないものは何なのか。原燃をどう変えていかないといけないのかというところをしっかり考えていただきたい」と述べています。
 私は、「原子力規制委員会は、日本原燃の再処理工場について、24年の年明けから審査が始まるとしている。中国電力が言う再処理工場が24年度上期に竣工する見通しはないと考える。県の見解を尋ねる。」と質しました。
 鈴森理事は「エネルギー政策は国家運営の基本であることから、使用済燃料を再処理することで有効活用する核燃料サイクルをどうするかについては、国の責任において判断されるべきものと考えている。このため、再処理工場の見通しについて、県として独自に見解を述べることは考えていない。」と答えました。
 次に、「調査開始年度からの交付金の問題について、鈴森理事は、今年度は受け取らないと答弁された。新年度新たに受け取るかどうか検討するということなのか尋ねる。」と質しました。
 鈴森理事は「電源立地地域対策交付金、県は来年度申請するのかについて、現時点、申し上げられるものはない」と答えました。
 次に、「知事が同意するか判断する前に、市町の意見を県としてどのように集約するのか尋ねる。」と質しました。
 次に、「知事がどうするかどうか判断する前に、安全性について、原子力安全顧問の意見を聞くべきだ」と質しました。
 鈴森理事は、「現在はあくまでも、中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査の実施について、上関町が中国電力に対し了承し、調査が開始された段階であり、当該施設に関し、県としての対応を申し上げる状況にないものと考えている」と答えました。

 私は、「再処理施設の見通しがたつまでは中間貯蔵施設の設置に同意すべきではない」と質しました。

 鈴森理事は「現在はあくまでも、中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査の実施について、上関町が中国電力に対し了承し、調査が開始された段階であり、県としての対応を申し上げる状況にない」と答えました。

県立高校で、女子生徒にスラックス認める校則持つ学校が14校にとどまる

 23日、しんぶん赤旗日刊紙は、全日本教職員組合などでつくる実行委員回が主催した「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどいー教育研究全国集会2023」の分科会の様子を次のように報じました。
 「分科会『こども・青年たちの生きたい社会づくりー平和・環境・ジェンダー平等と性を手がかりとしてー」では、京都府内の中学校の養護教諭が、学校全体で、性の多様性について、正しい知識を子どもたちに伝える授業づくりに取り組んでいることを報告しました。実勢’の中で教員側も学びを深めています。養護教諭の中西美紀さん(45)が務めている中学校では、2年生を中心に性の多様性に関する研究授業を実施しました。中学校の養護教諭の研究会が作成した指導案をもとに、各クラスの担任が授業を行いました。研究授業は、まず総合的な学習の時間に取り組んだ障害者理解の内容を取り上げ、マイノリティーについて身近に感じられるように工夫しました。『養護教諭の視点で作成した指導案を、子どもの実態を理解している担任が読み込むことで、子どもたちにより伝えたいことが伝わる授業づくりになる』と中西さんはいいます。『授業する側の担任が何をどう伝えたいかを考えながら授業に向かってもらえたのが成果だった。』生徒にはLGBTについての基本的説明や当事者の経験談を収めた動画を見てもらいました。生徒からは、『トランスジェンダー(出生時に割り当てられた性と性自認が異なる人)にとっては男女で分けられている学校の制服やトイレなどで生きづらさを感じていると思った』といった感想が寄せられました。事前のアンケート調査では7割の生徒が性的マイノリティーについて『知らない』『具体的には知らない』と回答していました。動画を通して当事者の思いを見聞きする中で、性的マイノリティーに『抵抗があり』と答えた生徒はゼロになったといいます。2年生への研究授業と合わせて、1、3年生にも授業を実施しました。全校生徒を対象にしたトランスジェンダー当事者が講演。『性の多様性を知ることは自分や相手を知ることにつながる』との当事者の話に対して、生徒からは『周りのに当事者がいても一人の人間として受け入れたい』『自分の言動が差別になっていないか考えたい』などの感想がありました。中西さんは『授業を通じて知識を得たり、当事者の体験を聴くことで、生徒の受け止めにも前向きな変化が起き、柔軟な意見も多くあった』と強調しました。制服を見直そうということになり、来年度からは男女の区別のない制服に変わるといいます。中西さんは、『まだまだ生かしきれていない面もあるが、授業実践を重ねる中で教職員間の性の多様性に対する認識は高まっている。生徒も教員もお互いに意識を高めていけたら』と話しました。」
 6月23日、文科省は、都道府県教委などに、「『性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律』の公布について」を通知しました。
 文科省が示した文書の中に「生徒指導提要(改訂版)※性的マイノリティー関係の記載抜粋」があります。
 この中に、「性同一性障害に係る児童生徒に対する学校における支援の事例」があり、その一番に、「制服=自認する性別の制服・衣服や、体操着の着用を認める」とあります。
 山口県教委は、7月10日、文科省の通知を各県立学校長に通知しました。
 私は、本日の質問で、県立高校の校則の問題を取り上げます。
 この夏、県立高校全ての校則を入手して読みました。
 この結果は、以前のブログにも掲載した通りです。
 制服という点でいうと、男女の区別のない制服に対する配慮がなされている校則が49校中14校ありましたが、多くの校則は、そのことを明記していませんでした。
 県立高校で、男女の区別のない制服に対する配慮が行えるような校則の見直しは求められています。この点についても今日の質問でしっかり指摘していきたいと思います。

本人の同意がないままマイナ保険証に利用登録 全国で27件。山口市でも1件

 23日、読売新聞は、マイナ保険証をめぐり、本人の同意がないまま利用登録された事例について次のように報じました。
 「厚生労働省は22日、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した『マイナ保険証』を巡り、本人の同意がないまま利用登録された事例が、7月5日~9月22日の間に札幌市など27自治体で27件確認されたと発表した。誤った利用登録は計38件となった。マイナンバーカードの新規発行時や公金受取口座の意思確認が不十分だったことなどから申し出を受け、厚労省が登録を解除した。」
 22日、厚生労働省保険局医療介護連携政策課保険データ企画室は、「自治体等の事務処理誤りにより生じたマイナンバーカードの健康保険証利用登録の解除について」とする報道発表を行いました。
 厚労省は、被保険者本人が健康保険証利用登録を希望していなかったにもかかわらず、自治体等の事務誤りにより、利用登録がされた27件27自治体は次の通りと公表しました。
 北海道札幌市、北海道新十津川町、岩手県盛岡市、宮城県名取市、宮城県多賀城市、山形県山形市、山形県鶴岡市、栃木県下野市、群馬県太田市、群馬県富岡市、埼玉県上尾市、埼玉県和光市、千葉県船橋市、東京都三鷹市、東京都青梅市、石川県金沢市、長野県飯山市、静岡県三島市、愛知県名古屋市、大阪府枚方市、和歌山県和歌山市、山口県山口市、徳島県徳島市、福岡県宗像市、福岡県糸島市、福岡県遠賀郡岡垣町、大分県国東市、
 2月1日、厚生労働省保険局医療介護連携政策課は、都道府県に対し、「事務処理誤りにより生じたマイナンバーカードの健康保険証利用登録の取扱いについて」とする事務連絡を都道府県などに行っています。
 厚労省は、次のQ&Aを周知するよう事務連絡を行っています。
 Q自治体等が実施するマイナポイント受付事務等において、被保険者本人が健康保険証利用登録を希望していなかったにもかかわらず、職員の事務処理誤りにより利用登録がなされた。このような場合も、利用登録の解除はできないのか。
 Aマイナンバーカードの健康保険証利用登録は任意であり、利用登録による制度上の不利益が生じるものではないため、まずは、対象者の方に、
・マイナンバーカードにより医療機関等を受診することで、ご本人の過去の健康・医療情報のデータに基づいたよりよい医療を受けることは可能となること
・利用登録を行っても、マイナンバーカードにより医療機関等を受診するか否かはご本人の選択に委ねられていること
・利用者登録により、ご本人の医療情報の漏洩等セキュリティ上のリスクが生じるわけではないこと
等、利用者登録の意義等について丁寧にご説明いただき、ご理解をいただくことが基本と考えています。
 なお、上記のような対応をとっても、対象者の方のご理解が得られない場合については、システム上、解除処理を行うことができませんが、当該事例はそもそもご本人の同意なく行われた手続であることを踏まえ、以下のとおり、事案の詳細及びご本人の解除処理を行うことは可能です。
【自治体から書面で証明いただき、厚生労働省へ申出いただく事項】
・対象者がマイナンバーカードの健康保険証利用登録を希望していなかったにもかかわらず、職員等の事務誤りにより登録手続がなされた旨及び当該事案の詳細
・対象者の氏名、生年月日、性別、保険者番号、被保険者等記号・番号、連絡先(電話番号、住所等)
・対象者が現在でも利用登録の解除を希望している旨(署名)
 今回、被保険者本人が健康保険証利用登録を希望していなかったにもかかわらず、自治体等の事務誤りにより、利用者登録がなされ、解除されたケースが27件発生し、県内でも1件の事例があったことは重要です。
 県には、被保険者本人が健康保険証利用登録を希望していなかったにも関わらず、利用登録された場合は、解除できることを更に市町に徹底していただきたいと思います。
 マイナ保険証のトラブルが続いています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

前衛7月号 鈴木剛論文「破綻ずみの核燃料サイクルに固執する岸田政権」を読んで

 日本共産党中央委員会理論政治誌「前衛」7月号に、日本共産党学術・文化委員会の鈴木剛さんによる「破綻ずみの核燃料サイクルに固執する岸田政権」と題する論文は、中間貯蔵施設問題で揺れる山口県民にとってとても興味深い内容です。
 鈴木さんは、六ケ所村の再処理工場について次のように述べています。
 「使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場は、核燃料サイクルに不可欠の施設です。六ケ所再処理工場(日本原燃(株)、青森県)は、竣工(完成)時期が当初の1997年12月から26回も延期され、現在は2024年度上半期とされています。建設費は、1993年着工当時の7600億円から3兆1300億円へ約4倍になりました。原子力規制委員会は、六ケ所再処理工場の基本計画について規制基準に適合していると認めましたが(2020年7月)、その後の詳細設計と工事計画については、昨年末に出した申請書類に多数の不備があることが発覚し大問題になっています。今年1月の審査会合で原子力規制庁側から、多数のミスが指摘され、『審査に値しない』、『原燃に足りてないのは設計の理解』、『時間ありきで適当に出したんじゃないか』との発言もありました。その後の調査では、申請書約6万ページのうち、約400ページの落丁を含め約3100ページに誤りがあることが明らかになりました。原子力規制委員会は4月に、日本原燃の増田尚宏社長ら経営陣との意見交換を行い、スケジュールありきではなく『審査に足る申請書』を出すよう求めました。スケジュールなど経営上の都合が最優先となれば、仕事の丁寧さが犠牲になります。今回は書類の不備でしたが、原子力施設にとって、ずさんな仕事は重大事故につながります。これまでも、ケーブル敷設の不備(2016年)、非常用電源室への雨水流入(2017年)、高レベル放射性廃液を保管するタンクの冷却機能の一時喪失(2022年)など、管理の不備が続発しています。日本原燃に原子力施設を運営する資格があるのか、厳しく問われます。日本原燃がスケジュールを最優先してきた背景には、再処理工場が稼働していないために、各原発に使用済み核燃料がたまり続け、このままでは原発の運転ができなくなるという事情があります。また、六ケ所再処理工場については、青森県、六ケ所村、事業者(当初は日本原燃、現在は使用済燃料再処理機構)の3者で、『再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合』には使用済み核燃料を施設外に搬出するとの『覚書』を交わしています。『施設外に搬出』ということで原発に返納されれば、原発の運転が困難になります。GX実現基本計画に『六ケ所再処理工場の竣工目標実現』が明記されたのは、原発がとまるような事態をなんとかしても避けるという政府の決意の表れと言えます。」
 鈴木さんは、「核燃料サイクルに固執すれば、将来世代に大きな困難を押し付けることになります。一刻も早く原発・核燃料サイクルから撤退することが求められます。」と結論づけています。
 中国電力は、周辺住民に対し「中間貯蔵施設の設置に係る調査・検討の実施について」とするチラシを配布しています。
 この中に、「これまで皆さまから頂いたご質問にお答えします」があり、「再処理施設も稼働していないし、高レベル放射性廃棄物処理施設の候補地も決まっていない状況では、中間貯蔵施設にいつまでも貯蔵しておくことになるのでは?」との質問が設定されています。
 中国電力はこの問いに次のように答えています。
 「青森県六ケ所村にある再処理施設は、現在、建設工事が行われており、2024年度の上期に、しゅん工する見通しです。また、高レベル放射性廃棄物処分施設は、国が候補地を選定する段階であり、その最初のステップとして、北海道寿都町、神恵内村において、文献調査を実施しています。国では、ほかにも多くの地域で文献調査を受け入れてもらうよう取り組んでいるところです。今回の調査を経て、今後、上関町が中間貯蔵施設の建設を受け入れていただくことになれば、貯蔵期間をご相談することになります。なお、青森県むつ市の中間貯蔵施設では、貯蔵期間を50年間と決められています。」
 しかし、鈴木さんの論文を読む限り、核燃料サイクルの破綻は明確です。上関町の中間貯蔵施設が最終処分場になるのではないかとの県民の懸念は払しょくできません。
 本議会に、原発をつくらせない山口県民の会、市民連合@やまぐち、上関原発を建てさせない山口県民会議、上関原発用地埋め立て禁止住民訴訟の会の4団体から「使用済み核燃料『中間貯蔵施設』の上関町への誘致に反対することを求める請願」が提出される予定です。
 多くの県民が疑問を持つ「中間貯蔵施設」は、上関町だけの判断で推し進めてはなりません。
 知事も同意すべきではありません。

 本議会には、現時点で県内5団体から「中間貯蔵施設」の建設に反対する請願書が県議会に提出されました。

 26日の県議会で、しっかり中間貯蔵施設の問題について県知事の姿勢を質していきたいと思います。

 中間貯蔵施設の問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。