昨日、「日本科学者会議山口支部」などが主催された「イージス・アショアを考える」学習会に参加しました。
イージス・アショア配備撤回の情勢を受けて、これまでの運動の成果を確認し合う学習会となりました。
イージス問題で講演を行う増山山大名誉教授
個々の先生方の話の内容は省略します。
私がこの学習会に参加してイージス・アショア配備に対する県の認識の不十分さがあったことを総括する必要性を感じました。このことをランダムに書いてみたいと思います。
一つは、ブースター落下についての県の認識についてです。
村岡知事は、昨年10月18日、ハワイ、カウワイ島米軍太平洋ミサイル実験施設を柳居議長らと見学しました。
県のホームページに知事のコメントがあり「ブースター制御について」も米軍側から説明を受けたとあります。
ハワイ視察直後の昨年10月28日、知事記者会見録には、ハワイ視察の関連質問に応える知事の発言が掲載されています。
共同通信の記者がブースターについて米側からどのような説明があったのか質問します。村岡知事は「そうですね。ブースターの話もありましたですね。ブースターが落下するのにコントロールできる。ハワイでは、ブースターの落下についてはコントロールしていないけど、ルーマニアではコントロールすると、するようにしていると言っていましたね。そのコントロール自体は可能だという言い方をしていました。」と答えています。
村岡知事は、議案説明で6月19日、河野大臣からブースターを制御できない旨の説明が行われた後、「ブースター問題は、住民の命に関わる重大な問題でけに、十分な精査が行われないまま説明がなされていたことに対し遺憾の意を述べるとともに、周辺住民が居住する地域へのブースター落下の危険性は取り除けないのであれば、そうした場所での配備は受け入れられないと申し上げました。」と述べました。
村岡知事は、昨年10月のハワイ視察で米軍から「ブースターは制御できる」と説明を受け「国の説明内容に関する理解のための参考としたい」とコメントしました。ブースターは制御できないとの説明を政府から受けた今、知事らのハワイ視察そのものの意味を再検証する必要があると感じました。
次に、イージス・アショア配備に対する県の基本施政を再検証する必要があるということです。
河野大臣のイージス凍結発言があった6月15日のわずか3日前の6月12日、「イージスふあんクラブ・山口」の知事への申し入れに私は同席していました。
この中で、県は、イージス・アショアの基本姿勢について次のように回答しました。「イージス・アショアの配備については、国の役割と責任に属する防衛政策を尊重する一方で、県民の安心・安全を守る立場から、言うべきことは言うとの姿勢で、引き続き、地元市町と連携しながら、国に対し、住民の思いを踏まえた真摯な対応を強く求めいくこととしています。」と答える一方、反対している阿武町長の意思をどう捉えているかとの質問には、「現在は、まだ、国による説明の途中段階であり、阿武町長の発言はそうした中で現時点の思いを述べられたものと考えています。」と答えました。
県が国に対して、ブースター落下の問題など何度も意見照会をしたことは評価しています。しかし、阿武町長が国の役割に属する防衛政策に対して、配備反対を主張したのに対し、村岡知事は、河野大臣の凍結発言までは、イージス・アショア配備の認否判断は行いませんでした。
阿武町長と村岡知事の6月14日までの首長としての姿勢の違いを検証していく必要があると感じました。
昨日の学習会で、宇生賀女性の会の原さんの挨拶が印象的でした。
「イージス配備撤回後、おとといは梅を漬けました。きのうは、らっきょを漬けました。」
陸上自衛隊むつみ演習場周辺で配備計画浮上前の日常が再び訪れたことを実感しました。
引き続き、市民の皆さんから学んで、7月1日の質問を準備したいと思います。
6月県議会の一般質問の通告をしました。
県議会のホームページで公開している通り、私は、7月1日の午前中に、中島県議さんの後に登壇する予定です。
しっかり、準備して質問にあたりたいと思います。今朝、一般質問の第一稿を書き上げました。
提出した通告の内容は、以下の通りです。
1、新型コロナウイルス対策について
①医療・検査体制の強化について
・地域外来・検査センター
・病床確保計画
・保健所体制の強化
②県単独事業の各種応援給付金にいて
・支給対象及び支給方法
・朝鮮学校及び付属幼稚園に対する諸問題
③米軍岩国基地問題
・コロナ情報開示
2、イージス・アショアについて
3、行財政構造改革について
①総人件費縮減
②公の施設の見直し
4、教育問題
①少人数学級について
②空調の整備
③日本語教育の推進
・夜間中学設置
5.防災対策
①県管理ダムの事前放流
②コロナ下の災害時における避難所確保問題
6、メガソーラー建設問題
・岩国市美和町のメガソラー建設問題
・・・
インターネット中継もされるので多くの皆さんの視聴をお願いいたします。
引き続き、県政に関わる皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
帚木蓬生さんの近著「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」を読み終えました。
この本は、5月27日の読売新聞の帚木さんへのインタビュー記事で知りました。帚木さんは、インタビューで、「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」について、こう述べています。「表題は19世紀初めの英国の詩人キーツの言葉です。和訳は難しいですが、『負の能力』でも良いでしょう。副題に『答えの出ない事態に耐える力』とあるように、手頃な答えに飛びつかず、分からなさ、不思議さに耐え、中ぶらりんな状態に踏みとどまる能力という意味です。そうすることで知性が研ぎ澄まされる。」と述べています。
精神科医としての帚木蓬生さんを支えてきたのが「ネガティブ・ケイパビリティ」だとして次のように述べています。
「精神科医としての私を支えてきた考えですが、私はコロナ禍に際しても負の能力の精神で対処すれば、人や情報について本物と偽物の見極めが冷静にできると考えます。」
帚木さんは、本の中で、「為政者は特に、そして国民ひとりひとりが、ネガティブ・ケイパビリティを発揮しなればならないのです。」と書いています。
帚木さんは、同時に、戦争とネガティブ・ケイパビリティについて次のように書いています。
「先の戦争は、国の主権を軍部に乗っ取られた時点で、もう破滅への道を歩み始めていたのです。軍隊は、ネガティブ・ケイパビリティとは全く無縁の存在であり、それが大手を振って歩きだした先では、寛容も踏みにじられ、戦争が待っていると言っていいでしょう。」
帚木さんは、ナチスとネガティブ・ケイパビリティの関係及び現代について次のように考察しています。
「悲しいことに、現代は不寛容が社会に深く根を張りつつあるのです。格差や貧困、差別が存在するときこそ、寛容の精神が発揚されなければいけないのにもかかわらず、喧嘩腰の不寛容さが世の中を支配しています。障害者は世の中のお荷物だとうそぶいて、重度の障害者を19人殺害した若者の考え方は、ナチスが障害者を抹殺した思想の丸写しです。」「不寛容が行く先は、いったい何でしょうか。私はそれが戦争だと考えています。そして平和を支える精神こそが寛容だと心から思うのです。」
政治家として、「平和を維持するためには、為政者は特に、ネガティブ・ケイパビリティを発揮しなければならない」「平和を支えていく精神こそが寛容だ」との帚木さんの言葉をこれからも大切にしていきたいと思います。
新聞のインタビューに戻ると、帚木さんは、インタビューをこう結んでいます。「私は、人と人の共感が利潤追求よりも人生では大切だという意識が人々の心のどこかに生まれ、とどまることに期待した。共感を柱に国民が一致団結して克服できたとなれば、世の中は一段とよくなるはずです。人々は外出を自粛するなか、ビデオ通話でお互いの表情を確かめ合いながら、真剣に対話しているようです。そうした姿を傍らで見るにつけ、人々に共感が芽生え、連帯が育まれることを私は願ってやみません。人はうちひしがれるばかりの存在ではないのです」
答えの出ない事態に耐える力=ネガティブ・ケイパビリティを大切に生きていきたいと、帚木さんの言葉に励まされています。
これからも、帚木蓬生さんから学んでいきたいと思います。
河野太郎防衛大臣は25日、防衛省内で記者会見し、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田、山口両県への配備を断念することを24日の国家安全保障会議(NSC)で決定したことを明らかにしました。今朝のしんぶん赤旗日刊紙に、この問題で、竹下岳記者の解説が掲載されましたので紹介します。
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政府は陸上配備型ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備断念を受け、新たな「ミサイル防衛」のありかたを含む、新しい安全保障戦略の検討に着手しました。重要なのは、「ミサイル防衛」計画そのものが破綻に直面していることを直視し、そこからの脱却を図ることです。
もともと、「ミサイル防衛」は宇宙空間を音速の10~20倍で飛行する弾道ミサイルに迎撃ミサイルを直撃させて破壊する、技術的にも極めて困難なものです。しかも、敵の攻撃能力が強化されれば、従来の迎撃システムが陳腐化され、開発をやり直さなければならないため、際限のない支出につながります。
実際、政府は従来、「ミサイル防衛」網の総額について「概ね8000億~1兆円」と説明していましたが、すでに2兆円を大きく超えています。この間、北朝鮮はロフテッド(超高高度)攻撃や発射位置が特定できない潜水艦からの発射、多弾頭による飽和攻撃など、攻撃能力を飛躍的に向上させており、日本の「ミサイル防衛」能力はこれに追い付いていません。
陸上イージスも、その能力は従来のイージス艦と本質的な違いはありません。そもそも、北朝鮮から日本上空を通過してグアムやハワイに向かう弾道ミサイルを迎撃し、日本近海に展開する米イージス艦の「肩代わり」をすることが配備の目的であり、「日本防衛」とは無縁の存在です。
重大なのは、「ミサイル防衛」の限界を口実に「敵基地攻撃能力」保有の動きが強まっていることです。
安倍政権はすでに、長距離巡航ミサイル(スタンドオフミサイル)や「いずも」型護衛艦へのF35Bステルス戦闘機の搭載など、敵基地攻撃能力の保有に向かっています。これに偵察衛星や電子戦機、爆撃機などを加えれば、兆単位の軍事費支出につながります。
「敵基地攻撃」は国際法上も違法である先制攻撃につながるものであり、憲法9条とは根本的に相いれません。
日本が行うべきは、弾道ミサイルが不必要となる平和な安全保障環境の構築に力を尽くすことです。ところが、ボルトン前米大統領補佐官が23日発売した回顧録で、安倍晋三首相はボルトン氏と一緒になって、朝鮮半島の非核化・朝鮮戦争終結に向けた日朝交渉を妨害したことが暴露されています。
これでは、憲法9条改悪の口実にするために、むしろ安全保障環境の悪化を望んでいるとしか思えません。
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河野大臣が陸上イージス断念を表明したことは、山口・秋田での住民・自治体の配備反対の声に追い詰められた結果です。
同時に、竹下記者が指摘するように、「敵基地攻撃能力保有」の議論が始まったことは重大です。
今こそ、憲法9条の立場に立った平和外交が求められています。
私は、6月県議会でイージス・アショアの問題をしっかり議論していきたいと思います。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、山口朝鮮学園(厳潤徹理事長)と山口朝鮮初中級学校(呉栄哲校長)は、村岡嗣政県知事に対して「新型コロナウイルス感染拡大防止対策に伴う学校法人山口朝鮮学園への対応に関する要望書」を提出しました。
朝鮮学校の要望書を県学事文書課が受ける
要望書は「新型コロナウイルス対策として、山口県が6月補正予算案に盛り込んだ幼稚園などの教職員に支給する『応援給付金』の対象に朝鮮幼稚園を外しているが、この間の朝鮮学校幼稚園の実績をみれば、その対象に含むのは当然のこととなる。」としています。
新型コロナウイルス感染症対策に伴い、朝鮮学校付属幼稚園は下関市内の学校・幼稚園に準じ、3月3日から休業措置を行いました。しかし、共働き等の保護者からの要望があり、新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で、幼稚園を、3月に5日、4月に2日、5月15日開所し、学童保育は、3月12日、4月は16日、5月は5日開所しました。
県は予算説明資料で、慰労金等支給関連事業の趣旨として「新型コロナウイルス感染症の拡大リスクなど厳しい環境下にあっても、感染症対策を講じながら医療や介護、障害者福祉サービスなどの業務を継続している施設従事者等に対し、慰労金又は応援給付金を支給する。」としています。
県は、学童保育に従事した職員や、幼稚園等の教職員に一人5万円を支給する応援給付金制度を創設しましたが、朝鮮学校及び付属幼稚園関係者に支給しようとしていません。
朝鮮学校及び付属幼稚園は、感染症対策を講じながら、保護者の要望を聞いて、学童保育や幼稚園を開所してきました。開所した実態に応じて、他の施設同様、県は、応援給付金を支給すべきです。
要望書は、朝鮮学校及び付属幼稚園に応援給付金を支給しないことは、「憲法25条(生存権)をはじめ、憲法14条(法の下の平等)・憲法26条(教育を受ける権利)に抵触し、マイノリティーの子どもたちの権利保障を謳う国連『子どもの権利条約』や国連『人種差別撤廃条約』に明確に反する」と指摘しています。
広島県では、休業への協力要請対象施設に「大学・学習塾等」を含め、各種学校である朝鮮学校へ協力金を支給しました。
山口県は、休業への協力要請対象施設に、学校等は、含めておらず、朝鮮学校に協力金は支給していません。
県学事文書課は、幼稚園職員等への応援給付金支給の前提は、今年2月28日、文部科学省初等中等教育局幼児教育課などが各都道府県私立学校主管課などに発出した「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての幼稚園の対応について」との文書を県が送付した幼稚園に限るとしています。
文部科学省初等中等教育局幼児教育課の山村企画係長は「この文書は、幼稚園に対して周知することを都道府県などにお願いした文書である。この文書をどこに送付するか判断するのは都道府県である。文科省は、どこに文書を出してはいけないなどの指示は行っていない。」と答えました。
朝鮮学校付属幼稚園は、未就学児童を預かり、他の幼稚園と同等の役割を発揮しているにも関わらず、文科省の文書を県は朝鮮学校付属幼稚園に送付しませんでした。
文科省の文書を朝鮮学校付属幼稚園に送付しなかったことだけを理由に、朝鮮学校付属幼稚園の教職員に「応援給付金」を給付しない行為は、要望書が指摘する「憲法25条(生存権)をはじめ、憲法14条(法の下の平等)・憲法26条(教育を受ける権利)に抵触し、マイノリティーの子どもたちの権利保障を謳う国連『子どもの権利条約』や国連『人種差別撤廃条約』に明確に反する」ものと言わなければなりません。
広島県では、朝鮮学校に休業協力金を支給しているのです。
山口県は、朝鮮学校及び幼稚園が学童保育や幼稚園を開所していた実態に鑑み教職員に「応援給付金」を支給すべきです。
山口県は、朝鮮学校及び幼稚園の教職員に応援給付金を支払おうとしません。皆さんはこの問題をどうお考えですか。
昨日、「イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会」(森上雅昭代表)は、森田治男防衛省中国四国防衛局長に対して、申し入れを行いました。
イージス・アショア「撤回」を求める申し入れ
申し入れは、6月15日、河野太郎防衛大臣が、「イージス・アショア配備計画のプロセスを停止する」ことを発表したことを受けてのものです。
申し入れ項目は以下の通りです。
(1)森田治男防衛省中国四国防衛局長に対し、これまでの住民説明会での説明の責任をとるための、謝罪文の提出を求める。
(2)佐々木知昭現地連絡所長に対し、非公開説明会の開催によって、むつみ住民の賛成・反対の分断を招いたことに加え、6月22日、2団体を分断しようとしたことの責任と謝罪を求める。
(3)河野防衛大臣は、21日、秋田県庁で、「停止に至った背景をNSCに報告し、なるべく早く結論が得られるようにしたい。その後、地元住民に結論を説明したい」旨、発言している。よって、萩市での説明会開催にあたっては、昨年12月の説明会のように、以下の3点の事前質問に丁寧な説明を求める。
①イージス・アショア整備推進本部の「停止」に係る総括
②専門家会議の「停止」に係る見識
③防衛省陸上イージス専門班を含む「新な検討チーム」について
申し入れを受けて、佐々木知昭現地事務所長は冒頭「ご迷惑をおかけしたことをお詫びします」と発言しました。その上で河野大臣の発言と同様の主旨である「ブースターを演習場内に落下させると説明してきたが、そのためにはシステム全体の見直しが必要だということが判明した」などと説明しました。
私は、河野大臣が山口での説明で「なるべく速やかに(配備計画の)結論を得るべきだと考えている。結論が出れば地元に報告する」と述べたと報道されていることを指摘し、「地元説明会の開催について現地事務所としてはどのように認識しているのか」質しました。
佐々木現地事務所長は「結論がいつどのように出るのか分からないが、結論が出れば、何らかの説明を地元に行うことになるとは認識しているが、現時点では、詳細な説明はできない」と答えました。
その上で私は、「県と萩市と、阿武町からの照会に対する防衛大臣の昨年12月17日の回答に『迎撃ミサイルの発射を正確に制御することは可能』とし、『
ブースターを演習場内に落下させることは可能』とある。河野大臣が直接住民説明会に出席し、謝罪されることを要望する」と発言しました。
また、佐々木現地事務所長は、「申し入れのあった内容は、上級機関に報告する」と答えました。
更に、佐々木現地事務所長は、「プロセス停止の方針を知ったのは、大臣記者会見の直前だった。凍結現地事務所の存廃については、現時点ではわからない。」とも答えました。
参加者からは、防衛省に謝罪を求める声が数多く出されました。
河野太郎防衛大臣は、6月15日「イージス・アショア配備計画のプロセスの停止」を発表し、近く国家安全保障会議を開催し、イージス・アショアの配備計画について最終判断を行い、その結果を山口・秋田の地元に説明する場を設ける模様です。
イージス・アショア配備の「撤回」をしっかり見極めつつ、防衛省の責任の所在を明らかにしていく必要があります。
イージス・アショア配備に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。