1日、県議会文教警察委員会の内、教育委員会の審議が行われました。
私が、質疑した主なものを報告します。
文教警察委員会で教育委員会関係の質疑行う
第一は、県立周防大島高校専攻科の募集停止についてです。
県教委は、委員会への報告事項の一つとして、周防大島高校専攻科を来年度入学選抜から生徒募集を停止することを明らかにしました。
周防大島高校の専攻科は、高校を卒業した生徒が、介護福祉士の国家資格取得に必要な科目を取得するものです。
毎年、周防大島高校の安下庄校舎から進学する生徒が数名います。
まず、地域や生徒への説明はどうしたかについてです。
県教委は、県立高校再編整備計画に基づく実施計画は、パブリック・コメントや地域説明会を開催して、県民や地域の声を集約してきました。
私は、地域住民にどのように説明してきたのか質しました。
中野高校教育課長は、「地域住民に説明したが、誰に説明したか、公開を前提にしていないので答えられない」と答えました。
私は、事前に生徒や保護者に説明したのか質しました。
中野高校教育課長は、「生徒には本日、説明を行う。保護者には、本日メールで周知し、後日文書で説明する」と答え、事前の説明は、なかったと答えました。
私は、日本福祉大学の卒業生です。通信制の卒業生の中で、県内の介護施設で責任者をしている方が多数おられます。先日行われた山口県同窓会で、「介護福祉士が現場で不足している」との話をお聞きしました。
現在、県立学校で福祉を学べるのは、宇部西高校と、周防大島高校の専攻科でした。
私は、「ついに、県立学校において、福祉を学べる場所がなくなることになるが、引き続き、福祉を学べる場所を確保すべきだ」と質しました。
中野高校教育課長は「県立学校で福祉を学ぶ場をどうするかについては、県立高校の再編整備や学校の特色づくりを考えていく中で、検討していく」と答えました。
宇部西高校の募集停止については、22年度に決め、24年度から実施されました。
私は、「専攻科は、募集停止のわずか半年前の提案となったことに対する認識を問う」と質しました。
中野高校教育課長は「今回は、学科の改編である。学科改編については、7月の入学定員の発表に合わせて公表している」と答えました。
私は、「今回は、学科を廃止する提案である。学科を廃止する場合も、こんなに目前の提案が、過去あったのか」と質しました。
中野高校教育課長は「調査し、報告する」と答えました。
私は、「これだけ性急な提案は、かつてないものと考える。この提案は、久賀校舎をなくすという提案だ。周防大島高校の付属高校化によって、安下庄校舎には光が当たる一方で、久賀校舎は影となる提案だ。あまりにも性急な今回の提案は、一旦、保留すべきだ」と主張しました。
次に県立大学付属高校の職員についてです。
5月9日、文教警察委員会の県内視察で、県立大学を視察した際、岡理事長が、付属高校の教職員について「県立大としてプロパーを雇用する予算はない、県からの教職員の派遣をお願いしたい」との趣旨の発言をしました。
私は、「県立大学付属高校の教職員について、大学と教育委員会はどのような協議を行っているのか」と質しました。
岡田学事文書課長は「付属高校の教職員については、県立大で協議中だ。県教委とは協議されていない」と答えました。
22年9月県議会文教警察委員会で、宇部西高校の募集停止などに関する高校再編整備計画についての素案が提案され、11月県議会文教警察委員会で、成案となり、年末の教育委員会議で決定されました。23年9月議会文教警察委員会では、熊毛北高校などの再編統合に関する高校再編整備計画についての素案が提案され、11月県議会文教警察委員会で、成案となり、年末の教育委員会議で決定されました。
望ましい学校規模を1学年4~8学級という高校再編の方針が変わらないのなら、残された分校や3学級以下の県立高校が再編統合の対象となります。
私は、「9月県議会に新たな高校再編の計画を示そうとしているのか」と質しました。
中野高校教育課長は「現時点、報告できることはない」と答えました。
次は、未配置教員についてです。
今年5月1日と6月1日の小・中・特別支援学校での未配置教員数は次の通りです。
小学校10名→15名、中学校12名→11名、特別支援学校22名→26人
私は、「小学校、特別支援学校で、未配置教員数が、わずか1カ月で増えている。夏までに未配置教員数をなくす努力が必要だ」と質しました。
林義務教育課長は「未配置教員を解消する努力を継続している」と答えました。
次に加配教員についてです。
年度ごとの小・中学校における加配教員の推移は次の通りです。
21年度→614名、22年度→567名、23年度→315名、24年度→313名
2月県議会で、私の一般質問で、木村副教育長が24年度の加配教員について「23年度並みに確保する」と答えました。
木村副教育長の答弁通り、24年度の加配教員は、23年度並みに確保されましたが、22年度と24年度比べると、250人を超える加配教員が減少しています。
私は、「22年度並みの加配教員を確保しなければ現場は回らない」と質しました。
根ケ山副教育長は「加配教員の確保については、引き続き、努力していきたい」と答えました。
私は、6月25日、一般質問で登壇しました。
今日は、原発関連施設の内、公有水面埋立竣工の見通しについて報告します。
中国電力は、4月25日、「埋め立てに関する工事の進ちょく状況報告書」を県に提出し、2024年3月末現在の埋立工事進ちょく率を0%とする一方、2027年6月に竣功するとしています。
中国電力は、延長許可申請書で訴訟の所要期間を11月としていますが、裁判は11月7日まで予定されており、訴訟期間は2年を超える見通しです。
私は、「竣工期限までに埋立てを完了させることは困難だと考えるが、県の見解を尋ねる」と質しました。
大江土木建築部長は「竣功期限に向けて、どのように対応するかは、中国電力において判断されるべきものと考えている」と答えました。
中国電力が県から埋立免許の交付を受けたのが16年前の2008年です。中電は2012年10月に竣功期限としていましたが、いまだに竣功できていません。
直近では2022年10月25日に、5回目の、中電は期間伸長許可申請書を県に出し、11月28日に、同年11月28日に県は許可しました。中電は2027年6月6日を現時点、竣功期限としています。着工から竣功予定まで17年8カ月となります。
そして、今年3月末日の埋立工事進ちょく率は0%です。残る3年で竣功できる見通しはありません。
中国電力は、22年10月17日、経済産業省に上関原発について照会を行い、上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効と回答を得て、県は期間延長に正当な事由があるからと許可をしました。
その理由は、土地需要があること。その理由は上関原発が重要電源開発地点であることに変わりはないからです。
私は、「期間中に竣功する見通しが立っていないにも関わらず、県は、上関原発が重要電源開発地点であることのみで許可したことは、知事の裁量権の乱用と言えるのではないか。」と質しました。
大江土木建築部長は「令和4年度の延長申請については、埋立免許権者として法令に従い厳正に審査したところ、正当な事由があり、許可要件を満たしていると認められたことから延長許可したものであり、裁量権の逸脱があるとは考えていない」と答えました。
村岡知事は22年11月28日、中国電力に上関原発予定地の埋立工事について、発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは埋立工事は施行しないよう要請しています。
その要請の前提は①上関原発の原子炉設置許可申請に関わる国の審査が行われていない②中国電力の電力供給計画において上関原発の着工時期が未定であるーです。
私は、「この二つの前提は、現時点でも変化がないのか」質しました。
鈴森産業労働部理事は「県としては、現在ところ、国の審査会合が開催されていない状況、中国電力の電力供給計画において、上関原発の着工時期は未定とされている状況に変わりはないものと認識している」と答えました。
私は、「村岡知事は中電に2027年6月6日に埋立工事を竣功してはいけないと要請しているのか」と質しました。
鈴森理事は「この知事の要請については、どうゆう状況になれば発電所本体の着工時期の見通しがつくといえるのか、具体的に想定はしていない。中電は、発電所本体の着工時期の見通しがついたと判断できる状況になった時点で、改めて県に相談するとされていることから、相談があった時点でその内容を踏まえ、判断することとなると考えている。ご指摘は当たらないものと考えている」と答えました。
県が、中電への要請文の中で、①国の審査会が開催されていない②中電の電力供給計画に上関原発の着工時期は未定との前提を設定しておいて、鈴森理事の「どうゆう状況になれば、発電所本体の着工時期の見通しについて、具体的に想定していない」という答弁は、自己矛盾していると思います。
この辺りをあいまいにする辺りが、要請内容を中電の意向で変更できる余地を残す意味を感じてしまいます。
引き続き、上関原発を建てさせない立場で、論戦を続けていきたいと思います。
昨日、山口レインボープライド2024が、山口市で開かれ、本日のしんぶん赤旗日刊紙は、次のように報じました。
「LGBTQをはじめとして社会を構成するみんなが差別や偏見にさらされず、多様な価値観を大切に生きられる社会の実現をめざし、山口レインボープライド2024(同実行委員会主催)が29日、山口市で開かれました。LGBTQへの理解を深める展示やトーク企画が行われました。『ありのままの自分にプライド(誇り)を持とう』というメッセージを込めたプライドパレードには360人(主催者発表)が参加。カラフルな衣装や帽子、フェイスペインティングなどをした人たちは虹色の旗を手に『ハッピープライド!』と声を上げて市内を歩き、沿道や車内から手が振られました。山口でのレインボープライドは昨年5月に続き2回目の開催です。イベントに合わせて当事者の声を集め、パートナーシップ制度導入を行政に要望しました。県は3月にパートナーシップ宣誓制度を制定し、9月から実施。山口市や阿武町でも制度が始まりました。田中愛生実行委員長は『パレードの人数も昨年より増え関心が高まっていると感じる。当事者や支援者、理解者が相互に関係しあい、すべての人が幸せな人生を築く社会にしたい』と語りました。山口市の男性(47)は『誰もが生きやすい社会になるのが一番』と話し、小学生の娘とパレードに加わりました。パートナーシップ制度実現を求めてきた日本共産党の地方議員もパレードやイベントに参加。藤本一規県議は『制度が当事者の権利向上や多様なサービス利用に結び付くよう頑張る』と話しました。」
私は、昨日のパレードに初めて参加しました。
山口レインボープライド2024でパレードする人たち 写真左に私がいます
県制度が9月にスタートしますが、記事の私のコメントの通り、宣誓証が多様なサービス利用と紐づくよう引き続き力を尽くしたいと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
今朝の中国新聞は、周防大島高校の福祉専攻科の募集停止が検討されていると次のように報じました。
「県教委が周防大島高の久賀校舎にある福祉専攻科について、2025年度入学者選抜から生徒募集を停止する方針を固めたことが28日、複数の関係者への取材で分かった。県立大(山口市)が26年4月に同行を付属化することなどを踏まえたとみられる。福祉専攻科は、高校を卒業した人たちが介護福祉士の国家資格を受験する資格の取得に必要な科目を中心に2年学ぶ。普通科や地域創生科がある同校の安下庄校舎から進学する人もいる。募集人員は20人程度で、近年は入学者数が半数に満たない年が目立っている。複数の関係者によると、県立大は付属高校と同大社会福祉学部の計7年を通じて社会福祉士を養成する福祉教育をする傾向があり、付属高校に福祉専攻科を設置する予定はない。県教委は近く公表する見通し。」
高校再編計画の場合、パブリックコメントや地元説明会などを開催し、広く県民や地元住民の意見を集約して計画を進めてきました。
今回の場合は、久賀校舎をなくす提案です。来年度からの生徒募集停止という案ですが、安下庄校舎で学ぶ3年生の中で、久賀校舎の福祉専攻科を進路に選んでいた生徒にとっては、突然の募集停止だと思います。
また、専攻科で教える教員にとっても、この先、県立高校で教える場がなくなる可能性もあります。
県立大には、介護福祉士を養成するコースはありません。
私は、先日参加した、日本福祉大学の同窓会で、介護施設の責任者をしている多くの方から、「介護福祉士が現場で不足している」という話をお聞きしました。
福祉専攻科の募集停止という案は、周防大島高校を県立大付属高校化する上でのデメリットとも言える重大な問題だと思います。
県教委は、性急な提案を一旦保留し、パブリックコメントや地元説明会を開催し、生徒や教職員の声を聴いた上で、新しい案を検討すべきです。
この案が、月曜日からの県議会文教警察委員会で報告されるのなら、しっかり、発言していきたいと思います。
周防大島高校の福祉専攻科が来年度から募集停止とする案を県教委が検討しています。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
27日、朝日新聞山口版は、私が25日に取り上げた「山口ならではの特別な体験創出支援事業補助金」について以下のように報じました。
「豊かな自然を生かし、山口ならではのアウトドア体験ができる観光コンテンツを開発しませんかー。県がそう民間事業者などに呼びかけ、上限1億円という破格の補助金を設けて募集した事業の一部に遅れが生じている。県によると、資材価格の高騰や地元との調整が続いているためで、現時点では補助金の返還を求めることは考えていないとしている。昨年、県が創設した『山口ならではの特別な体験創出支援補助金』事業で、補助上限額は1億円以内。村岡嗣政知事は昨年5月の記者会見で『本県のこれまでの観光施策では例のない思い切った支援を行うことによって、観光事業者等による意欲的な取り組みを力強く後押しする』と説明した。昨年9月、三つの事業が採択されたが、このうちの2事業で計画に遅れが生じていることが、25日の県議会本会議で明らかになった。藤本一規氏(共産)の一般質問に県が答えた。県によると、うち1件は、平生町周辺でクルーズ船を運航したり、海底湧水のサウナを設けたりする事業(補助額約5900万円)。クルーズ船の運航は今年5月に始める予定だったが、停泊場所の調整が続いていて、まだ始まっていない。サウナは春にオープンしたという。もう1件は、山口市の秋穂二島半島で『最上級グランピングリゾート』を始める事業(同約9千万円)。資材高騰や人手不足の影響で、今年7月の予定だった開業時期が来年3月に変更されたという。藤本氏は『審査に不備があったことは否めない』とし、補助金の返還を求めるべきではないかとただした。道免憲司観光スポーツ文化部長は、『変更は採択後に生じた事由によるものであり、審査に不備はない。現時点において補助金の返還を求めることは考えていない』と答弁した。」
NHKに続き、朝日新聞で、体験創出補助金の問題が報じられたことは重大です。
他のマスコミからも取材を受けています。また、この問題は、県内の大物政治家案件だと伝えてきた方もおられました。
久々に反響の大きい質問となりました。引き続き、この問題の調査を継続していきたいと思います。
この問題に対する情報や意見を藤本までお寄せください。
昨日、NHK山口放送局が、私が一般質問で取り上げた、山口ならではの特別な体験創出支援事業について、次のように報じました。
「県内の自然を活かした観光コンテンツ開発のために1億円を上限に県が設けた補助金に採択された3件の事業のうち2件で、施設の完成やオープンに遅れが出ていることがわかりました。山口県は、豊かな自然を活かして観光客を呼び込もうと、昨年度、県が行う観光関係の予算としては破格の1億円を上限とした新たな補助金を設けて3件の事業を採択しました。県などによりますと、このうち、9000万円の補助を受けた山口市の秋穂二島半島で最高級のグランピングリゾートを開業する事業は当初、昨年度中に施設が完成し、7月、オープンの予定でした。ところが、資材価格の高騰などの影響でオープンが今年度末までずれ込んでいるということです。また、5900万円の補助を受けた平生町にサウナやクルージングなどを楽しむ複合施設を整備する事業では、地元との調整に難航し、5月予定されていたクルージング事業が始められていない状態だということです。観光政策課は、『どちらの施設についても現時点で補助金の公募要領などに違反する状況ではなく、事業開始に向けてきちんと進捗を管理していきたい』としています。」
他のマスコミからも取材を受けており、近く報道予定の所もあると聞いています。
引き続き、調査を継続し、事業が適正にスタートできない場合は、事業者に補助金を返還させるなど、県自らが定めたルールに従って対応するよう監視していきたいと思います。
また、今年度の補助金締め切りが近づいています。今年度の公募状況も調査したいと思います。
更に、次年度以降は、この事業の改廃を含めて、抜本的な見直しを求めていきたいと思います。
NHKのニュースを見られた皆さん、この問題に対するご意見をお聞かせください。