昨日、県議会環境福祉委員会で、環境生活部の審議を行いました。
3月2日、地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案が閣議決定され、今国会に提出されようとしています。
改正案は新たに盛り込んだ基本理念で「環境の保全と経済の発展を統合的に推進しつつ、2050年までの脱炭素社会の実現を旨として、国民や国、地方自治体、事業者、民間の団体などの密接な連携のもとに行う」と明記されました。
本委員会に提案された「山口県地球温暖化対策実行計画(第2次計画)(最終案)」でCo2の削減目標を「温室効果ガス排出量を2030年度において、2013年度レベルの17.8%削減を目指す」としました。
私は、今国会に提出されようとしている地球温暖化対策推進法の改正案に「2050年までの脱炭素社会の実現」が盛り込まれた中で、県の実行計画の削減目標は、2050年までに温室効果ガス排出ゼロを明記すべきだと質しました。
小田環境政策課長は「地球温暖化対策推進法改正の成立後、国の地球温暖化対策計画が見直される見込みだ。その動向を見極め、必要に応じて、県計画の見直しを検討したい。」と答えました。
県計画は、2030年までに、701万トンの温室効果ガスを削減する目標です。その内、約半分の354万トンは、産業部門で削減しようとするものです。
私は、県計画の削減目標を達成するために、計画を所管する環境生活部として、産業部門の温室効果ガス削減をどう推進しようとしているのか尋ねました。
小田課長は、「大企業には温室効果ガス削減の法的対応が求められている。産業分野の削減に対する県環境生活部としての役割は、啓発活動が主なものだ。」と答えました。
私は、先日、平田仁子気候ネットワーク国際ディレクターの講演をリモートで聴取しました。
平田さんは、日本のCo2排出量の内、22%が石炭火力発電所からの排出だとの資料を示しました。
資源エネルギー庁の資料によると、県内に石炭火力発電所が17カ所あり、合計、約241万kWの発電を行っています。中国地方の他県の状況は、島根県1カ所(100万kW)、岡山県2カ所(約27万kW)、広島県8カ所(約199万kW)となっており、中国地方で石炭火力発電所が一番多く、発電量も多いのは、山口県です。
私は、産業部門の内、山口県ではとりわけ石炭火力発電所での温室効果ガスを削減する必要性があるのではないかと質しました。
小田課長は「県内に石炭火力発電所が多いことは認識している。」と答えました。
3月2日、グテレス国連事務総長は、各国に対し、6月に開くG7までに、石炭火力発電所を2030年までに段階的に廃止する計画を策定することを求めました。
私は、宇部市に建設されようとしている石炭火力発電所(山口宇部パワー)は、国際的な要請から建設すべきではないと指摘した上で、「山口宇部パワーの環境影響評価準備書の再提出はされたのか。環境生活部として、石炭火力発電所の新設についての認識について尋ねる」と質しました。
小田課長は、「山口宇部パワーの環境影響評価準備書の再提出は現時点ではない。石炭火力発電所新設に関し、環境生活部としては、環境アセスメントによる審査により関わりがある。」と答えました。
昨年7月16日、(仮称)室津吉母風力発電事業に関し、事業者が「計画段階環境配慮書」を提出し、昨年9月、知事意見が出されました。
本風力発電事業の予定地には、室津在生産森林組合の共有地があります。同組合は、理事会を開き、建設反対を決議しました。また、地元室津自治会と吉母自治会連合会も建設反対を明確にしています。
昨年11月、室津自治会連合会長と室津在生産森林組合組合長が提出者となり、下関市議会に「(仮称)室津吉母風力発電事業の実施に関して、下関市が保有する土地の売却等を行わないことを求める請願」が提出され、所管の委員会において全会一致で可決されました。
私は、「本事業に関し、事業を実施していくことは困難と思われる、対象事業の廃止などの公告が示されているか。」と質しました。
小田課長は「対象事業の廃止公告などは届いていない。」と答えました。
本委員会に「山口県動物愛護管理推進計画(第二次改定版)(最終案)が示されました。
本計画は、目標値を犬の殺処分は「減らす」、猫の殺処分は「500匹以下」としました。
私は、パブリックコメントにおいて、殺処分ゼロにするようもとめる意見はなかったのか尋ねました。
白銀審議監は「殺処分をゼロにすべきとの意見はあった。殺処分数を減らす現実的な目標を設定した。」と答えました。
9日、県議会環境福祉委員会が開催され、健康福祉部の質疑が行われました。
私が取り上げた問題のいくつかを報告していきます。
第一は、県環境保健センターにおける変異株のPCR検査についてです。
私の本会議での質問で、弘田部長は変異株のPCR検査について「本県では、既に環境保健センターにおいて、陽性が確認された検体の全数を検査している」と答えました。
私は、いつから何件調査しているのか質しました。
石丸健康増進課長は「2月中旬から陽性者の検体について変異株であるかの検査を行っている。これまでに、変異株は発見されていない。」と答えました。
私は、陽性者の内、県環境保健センターで検査された割合を質しました。その上で、山口大学や民間検査機関と連携し、県全体の陽性者の検体の全数について変異株であるかどうかの調査が実施できる体制を構築すべきだ。」と質しました。
石丸課長は、「陽性者の内、約8割が、県環境保健センターで検査されている。変異株の検査には、今後、大学や民間検査機関とも連携して取り組んでいく。」と答えました。
次に私は、ワクチン接種の状況について質しました。
まず、医療従事者へのワクチン接種についてです。
山口県内で優先接種の対象になる医療従事者は約5万6千人です。全国での対象者は約470万人で、3月の第1週、2週に配分が決まったのは、約117万人です。
私は、山口県の医療従事者への優先接種のために、確保されたワクチンは何人分なのか質しました。
石丸課長は、「国から、3月1.2週目の2回に分け、約1万4千人分が配分される見通しだ。」と答えました。
県が市町とワクチン接種について協議した会議では、3月中に医療従事者へのワクチン接種が完了することとなっています。
私は、医療従事者へのワクチン接種が、4月以降にずれ込むのかと質しました。
石丸課長は、「国は5月前半に全てのワクチンを配布する予定のため、それに合わせて対応する。」と答えました。
次に、高齢者等へのワクチンの優先接種についてです。
厚労省は、3月1日の通知で、4月12日から高齢者等への優先接種に向けて山口県に届けられるワクチンは約1000人分であることを明らかにしました。
私は、4月上旬から県内で高齢者等へのワクチンの集団接種が出来る状況になく、県が市町と1000人分のワクチンをどう配分するのか協議すべきだと質しました。
石丸課長は「市町が実施主体となるため、圏域会議で調整していく。」と答えました。
新年度予算に、地域医療構想に基づき、病院再編を進めるための予算が計上されています。
事業名は、「医療機能分化連携推進事業」で、約6億7382万円が計上されています。
その内、地域医療構想調整会議及び医療審議会の合意を踏まえて行う自主的な病床削減や病院の統合による病床廃止の取組への給付金として、5億2212万円が計上されています。
この問題に関連して、知事会の代表から「(コロナ対策として)病床の確保をしようとしている病院に再編整理を持ちかけるなどというのはナンセンスだ。」との意見が出されています。
私は、県が主導して病床の削減や病院の統合を進めるべきではないと質しました。
中本理事は「圏域の中での話し合いを踏まえ、進めていく立場に変わりない。」と答えました。
次に、介護福祉士国家試験の会場についてです。
中国地方で唯一県内に介護福祉士国家試験会場がないのが山口県です。
介護福祉士国家試験を受験するのは、学生だけではありません。毎年、県内の介護施設・医療機関などで介護に従事している方々、約1000人が介護福祉士国家試験を受験しています。
今年は1月末に国家試験が実施されましたが、施設側から県内への外出を控えるよう指導されている職員の方々が、国家試験を受けるために福岡県や広島県などに外出せざるを得ませんでした。
私は、感染リスクの高い介護・医療施設で働く方々が介護福祉士国家試験を受験するために県外に出ることがないよう県内に試験会場を設けるよう県として関係機関に要請すべきだと質しました。
山﨑厚政課長は「関係団体からの要望を受け、介護福祉士の国家試験を実施している公益財団法人社会福祉振興・試験センターに1月に県内に試験会場を設置するよう要望した。センターは『今年度、試験会場の追加は出来ないが、今後、設置の検討を行っていく予定はある。』との回答を得た。」と答えました。
私は、3月3日に一般質問で登壇し、知事の政治姿勢について質しました。
その中で、上関原発計画について質しました。
私は、「2019年7月26日、村岡知事は、上関原発建設予定海域の埋立免許の3年6カ月の延長を許可した。知事が許可した埋立免許の期限まで、2年を切ったが、上関原発計画の進展はない。この間、中国電力とどのようなやり取りを行ってきたのか、同社は期限内に竣功できると説明しているのか。」と質しました。
阿部土木建築部長は「令和2年4月に、前年度の埋立てに関する工事の進捗状況について報告を受けており、その報告では、竣功予定年月日は、竣功期限と同じ令和5年1月6日とされているところです。」と答えました。
私は、「県が同社に埋立免許を交付して12年4カ月間、上関原発計画の進展はない。今後、同社が埋立免許延長の申請をしても許可すべきではないと考えるが尋ねる。」と質しました。
阿部部長は「公有水面埋立法においては、事業者から延長申請がなされた場合には、その時点において、『正当な事由』の有無を審査し、許可の可否を判断することとなっている。」と答えました。
私は、3月3日、一般質問で登壇しました。
知事の政治姿勢についての質問の中で、東京2020オリンピックについて質問しました。
私は、「丸山島根県知事は2月17日、東京2020オリンピック聖火リレーについて中止を検討していると表明した。発言を受け、県にどのような意見が何件寄せられているか。」と質しました。
三坂観光スポーツ文化部長は「県に寄せられた意見については、これまでに『山口県の聖火リレーを中止すべき』との意見が4件、また、『沿道を通らず1箇所の陸上競技場に集めて実施すべき』との意見が1件寄せられている。」と答えました。
私は、「島根県知事は、中止の理由として『感染拡大地域と非拡大地域に対する著しい格差を当然とするような姿勢が続くようであれば、許容できない』と述べたことに対し、知事は『感染防止対策をしっかり講じることを促している。重要なことだと思う』と発言したと報じられている。知事は、島根県知事の発言をどう評価しているのか。」と質しました。
三坂部長は「このたびの島根県知事の発言は、国における更なる新型コロナウイルス感染症防止対策の実施や、緊急事態宣言対象外地域における飲食店への支援を求められたものと受け止めており、この点については、全国共通の課題として重要であり評価している。」と答えました。
私は、「新年度予算には『東京2020オリンピック聖火リレー開催事業』として7327万円計上されている。島根県知事同様、中止を検討すべきだ。」と質しました。
三坂部長は「先般、組織委員会が公表した、聖火リレーの実施に係る感染症対策のガイドラインの中で、聖火リレーについては、コロナ禍においても、万全の対策を講じた上で、日本全国の人々に希望と勇気を与えるものとして実施することとされています。これを受けて、全国知事会としても組織委員会に対し、安心・安全な聖火リレーの実現が図られるよう要請を行ったところであり、県においても、組織委員会のガイドラインに沿って、市町・関係機関と連携し、諸準備を進めているところだ。」と答えました。
私は、「島根県奥出雲町が、東京五輪の事前合宿受入を断念することを表明した。県内に、東京五輪のキャンプ地決定が何カ所あるのか。それら自治体で、新型コロナウイルス感染対策が十分行える状況なのか。これら自治体から出た声を国に上げていくべき問題はないのか。」と質しました。
三坂部長は「現在、県内で東京2020大会のキャンプ地が決定しているのは7市となっている。現在、国の方針に基づき、各受入自治体の方で、万全な感染症対策を実施するためのマニュアルを作成している。このマニュアルに基づく対策を実施するための基金も創設することにしている。これにより、感染症対策をしっかりと講じることができると考えている。こうした体制下で、国や受入自治体と緊密に連携しながら、適切に対応していきたいと考えている。」と答えました。
日本共産党は、東京五輪は中止し、世界と日本は、コロナ収束に集中する時だと訴えています。
引き続き、県や自治体での東京五輪の問題点を指摘していきたいと思います。
東京五輪に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
私は、3月3日に一般質問を行い、知事の政治姿勢を質しました。
2月18日、山口県が皇室対応車両としてトヨタ・センチュリーを2090万円で購入したことは、知事の「裁量権の逸脱・乱用」であり「知事は違法な支出を阻止すべき指導監督義務を怠った」とし、購入金額相当額を県に賠償するよう求める住民訴訟が山口地裁に提訴されました。
私は、このことを受けて「知事は、センチュリー購入を県民にどう説明し、今後、どう対処するのか」と質しました。
内畠会計管理局長は「今回の購入は、老朽化した車両の更新であり、併せて、県全体の保有を3台から2台に削減した上で、県側において一元管理し、県側が使用しない時は、議会に貸し出すものだ。今後とも、2台による効率的な運用に努め、次回更新時には、運用状況も踏まえ、車種の選定などについて検討を行う。」と答えました。
私は、「新年度予算案の知事査定では、公用車と100万円以上の物品購入に関し知事に説明したとのことである。今回の事案を契機に、物品購入に関するルールを見直すべきだ。」と質しました。
内畠局長は「現状において問題はないと認識しており、ルールの見直しは考えていない」と答えました。
2090万円を購入したことに対し、住民訴訟が提訴される事態になったにも関わらず、今回の事案を受けても「問題はない」との答弁に唖然としました。
引き続き、この問題については、県の姿勢を正していきたいと思います。
センチュリー購入に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
私は、3月3日に一般質問で登壇し、新年度予算に関し、デジタル化の推進について尋ねました。
私は、「国は、昨年12月『自治体DX推進計画』を示したが、外部専門人材を活用するCIO補佐官の確保など、国のDX計画をそのまま実行する新年度予算である。CIO補佐官の人選と報酬について尋ねる。」と質しました。
平屋総合企画部長は「デジタル化やデジタルトランスフォーメーション、DXの推進に向けて、来年度、最高情報責任者、CIOである知事に対し、専門的見地から提案や助言等を行う民間人材をCIO補佐官として配置することとしていますが、お尋ねの人選及び報酬については、現在、相手方と調整中であるため、答える段階にない。」と答えました。
私は、「国のDX計画は、『自治体は、目標時期を2025年度としてGov-Cloudの活用に向け準備を始める必要がある』としている。県は、新年度、Y-Cloudを構築する計画であるが、事業費を示されたい。Y-Cloudは、将来、Gov-Cloudに結合するのか尋ねる。」と質しました。
平屋部長は「Y-Cloudは、本県のDXを推進するため、AIなど様々なツールが活用できるICT環境をクラウド上に構築するものであり、事業費としては、サーバやアプリケーション、セキュリティ対策費等を含めて、1億2580万円を予算に計上しています。国のGov-Cloudについては、自治体の基幹システムに係る共同利用基盤としても提供されることとなっており、現在、国において、その整備が進められている。現時点では詳細が示されていないため、結合の可否は不明だが、県としては、今後 、Gov-CloudとY-Cloudの連携について、検討を行っていくこととしている。」と答えました。
私は、デジタル化の問題点として2点指摘しました。
第一は、個人情報の保護についてです。
私は、「各自治体が情報システムを庁舎内で保有・管理している限りは、当該自治体に情報流出の被害は限定される。クラウドは複数の自治体の情報をまとめて保管しており、情報流出の被害は拡大する。県は、クラウドの構築に向け、各自治体が保有する個人情報をどのように保護しようとしているのか尋ねる。」と質しました。
平屋部長は「個人情報の保護については、国は、昨年12月、『地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』を改定し、情報資産の分類に応じたサービス利用の判断や国際認証による評価など、クラウドサービスの利用に係るセキュリティ対策のポイントを示している。県としては、このガイドラインに基づき、適正かつ安全なクラウドサービスを選定するとともに、クラウド環境内においても、セキュリティの高い閉域ネットワークを構築するなど個人情報の保護に万全の対策を講じることとしています。」と答えました。
第二は、自治体業務のコスト削減についてです。
私は、「クラウドの共同利用が拡大した場合、特定の事業者がユーザーを自社製品で囲い込むベンダーロックインに陥るおそれがある。将来的な価格水準の上昇など、コスト削減に反する事態も生じかねないと考えるが、見解を尋ねる。」と質しました。
平屋部長は、「クラウドの共同利用に当たっては、その前提として業務の標準化を行った後、業務システムの標準仕様書を作成する。事業者は、この仕様書に準拠してシステムを開発することになるため、別の事業者においてもシステムの更新や改修が可能となり、競争原理が働くことから、将来的にもベンダーロックインが防止され、コスト削減につながるものと考えている。」と答えました。
新年度の新規事業の殆どがデジタル化に関するものです。
新年度予算において、「デジタル化の推進」に関する総額が41億7460万円です。
新年度県予算は、「デジタル特化予算」と言えるものです。
今後とも、デジタル化の問題点について発言していきたいと思います。