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県市長会が原子力発電所の安全確保対策に関し国に要望

 上関原発を建てさせない山口集会美祢・山陽小野田・宇部地域実行委員会は、3月8日、篠﨑圭二宇部市長に「上関原子力発電所建設に関する再質問書」を提出し、昨日、回答が行われました。
 回答は古林総務財政部長から小畑共同代表に手渡されました。私は、実行委員の一人としてその後の懇談会に参加しました。

 回答書を小畑共同代表に渡す古林総務財政部長(真ん中奥が私)

 再質問の第一は、「宇部市長としての上関原発に対するお考えをお示しください。」です。
 この再質問に対して「私たちの生活は、エネルギーによって成り立っており、経済活動や市民生活に重大な影響があるエネルギーの安定供給は、全ての国民にとって、大変重要な取り組みです。また、変化の激しい現代の国際社会において、エネルギーの安定供給を始め、経済性、地球温暖化対策、大気環境悪化への対応などのさまざまな要素が絡み合うエネルギー政策は、国家運営の基本であり、国において判断されるべきものと考える。従って、上関原子力発電所の立地について、国のエネルギー政策及び原子力発電所立地のまちづくりを町政の基本的考え方とする上関町の政策判断を今後も尊重していきたいと考えていますが、原子力発電所建設においては、原子力発電所及び周辺自治体の安全確保対策が大前提であり、本市においても、山口県市長会の活動を通じて、国に要望しているところです。」との回答が寄せられました。
 県市長会が原子力発電所問題で国に要請している具体的内容について、後日、資料が提供されることが明らかになりました。
 再質問の第二は「原発の安全性の確保は国や電力会社に丸投げという印象を抱くがいかがか。併せて、障がい者や高齢者の原発事故の避難計画についてどのように考えおられるのかお示しください。」です。
 この再質問に対して、「原子力防災に関しては、国が定める原子力災害対策指針に基づいて対応するものと理解していますが、山口県近郊の原子力発電所はいずれも原子力災害対策指針に定める範囲外にあるため、本市においては原子力災害時の避難計画を含め、地域防災計画の原子力災害対策編は策定していません。しかしながら、万が一近郊で原子力災害が発生した場合は、速やかに国、県、関係機関と連携して必要な体制をとり、県地域防災計画原子力災害対策編を参考に適切に対応していきます。また、高齢者や障害者など、災害時特に支援を要する方々への対応については、宇部市災害時避難支援制度(災害時要援護者避難支援プラン)により、情報提供や避難支援など、適切な支援を実施することとしています。」との回答が寄せられました。
 原子力災害対策指針に定める範囲について県市長会で国に改善を要望していることが懇談会の中で出されました。この資料についても、後日、提供されることが明らかになりました。
 上関原発建設予定地から半径70キロ圏内に宇部市があります。一面海で遮蔽物がありません。
 上関原発が設置されれば、宇部市民に影響が及ぶことは必至です。
 引き続き、宇部市に対して、上関原発建設に関して様々な市民の声を実行委員会として届けていくことにしています。
 上関原発建設に関して皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

防府市役所新庁舎敷地内に防府警察署を移転するなと要望書提出

 昨日、防府市の「新庁舎建設を考える会」(那須正幹代表)は、谷滋行山口県警本部長に「防府市役所新庁舎建設に伴う『空地』への警察署移転に関する要望書」を提出しました。
 要望書提出に木佐木県議と私が同席しました。


 要望書を提出する新庁舎建設を考える会の那須正幹代表(那須氏手前が木佐木県議、那須氏奥が私)

 防府市は、山口県が防府警察署を建替える際に、防府市役所建設に伴い生じる「空地」への防府警察署の移転の検討を、2018年の要望書提出以降、毎年、県への予算要望をしています。
 防府市がパブリックコメントにかけた「防府市新庁舎基本計画(案)では、この「空地(1号館解体跡地)」について「防府警察署の移転について山口県に要望中」と記載されています。
 要望書は防府市の新庁舎建設敷地の「空地(1号館解体跡地)に」に「防府警察署を移転」しないよう求めています。
 要望書は、移転に反対する理由を5点あげています。
 第一は「『防災空地』をなくさないで頂きたい」です。
 要望書は、「この『空地』は当初は『芝生広場』、その後は『防災空地』として、一時的な避難場所、支援物資の置き場など、多面的に利用することが、想定されていたものです。しかし、警察署が来れば、こうした多面的な利用ができなくなります。」としています。
 第二は、「市民が利用しやすい警察署の位置を考えて頂きたい」です。
 要望書は「仮にこの『空地』に警察署が移転すれば、現在の警察署よりも交差点に近く、市民が警察署への車での出入りするのに、これまで以上に苦労することとなります。警察車両の出入りも同様に難しいと推察されます。」としています。
 第三は、「警察署がこの『空地』に移転すれば、交差点の渋滞がひどくなる」です。
 要望書は、「仮に警察署が移転したとすえば、交差点に近いところに車の出入り口を設置しなければなりません。そうなれば、交差点で信号待ちの車と移転した警察署へ出入りする車が錯綜することとなり、現在の状況よりも、交差点の混雑がひどくなることが懸念されます。」としています。
 第四は、「防府警察署の立地を検討したゾーニングではない」です。
 要望書は、「防府市が山口県に提出した要望書には、『防府警察署が移転するにふさわしいゾーニングの検討』という文書もありますが、当初は『防災空地』とすることを考えていたものです。防府市が、新庁舎建設にあたり、庁舎棟、駐車場、出入り口を幾つかのパターンで検討し、その結果として残った『残地』に警察署を誘致したいということが現状と推察されます。事前に警察ご当局と防府市が建物のゾーニングを検討したということは、これまで聞いておりませんし、そうした事実ないと存じます。」としています。
 第五は、「市民は広い平面駐車場を望んでいる」です。
 要望書は「市は、新庁舎に必要な倉庫棟の上の階を立体駐車場とする基本計画ですが、『立体駐車場よりも平面駐車を多くしてほしい』との考えは、前述の基本計画のパブリックコントについても、多くの市民から出されています。警察署が来なければ、『空地』は平面駐車場としての利用も可能であり、平面駐車場を広く確保する上でも警察署が来ることには反対です。」としています。
 要望書を受け取った山口県警の担当者は、「要望の内容は上司に伝える。防府警察署の移転について防府市から要望は受けているが、現在、県警本部としては何も決まっていない。」と答えました。
 新庁舎建設を考える会代表の児童文学作家の那須正幹さんは「全国でも市役所と警察署が同じ敷地にある例はないと聞いている。」と述べています。
 要望書提出に同席した日本共産党県議団は、引き続きこの問題を注視していくことにしています。
 防府警察署が防府市役所新庁舎内に移設することが検討されています。
 この問題に対する皆さんのご意見お聞かせ下さい。

艦載機移転で「うるさい」倍増

 18日の毎日新聞は、米軍岩国基地の騒音状況について次のように報じました。
 「岩国市は2020年度の米軍岩国基地の航空機による騒音発生状況をまとめた。市が騒音を測定している市内5地点全てで、18年3月に米空母艦載機部隊の厚木基地(神奈川県)から岩国基地への移転が完了後、騒音測定回数が前年度を始めて下回ったものの、移転開始前の16年度に比べ2倍前後の高い水準が続いている。市は『データを収集し、訓練の状況などを今後も注視していきたい』としている。市は、日常生活でうるさいと感じる70デシベル以上が5秒以上続く騒音を測定しており、20年度の測定回数が最も多かったのは、基地滑走路南側の尾津町がほぼ横ばいの9301回(19年度9308回)だった。北側の川口町が7820回(同8426回)で続き、基地から約10キロ南の由宇町港で4509回(同4871回)と、いずれも19年度を下回った。しかし、16年度と比べると、尾津町は約2.6倍、川口町で約2.3倍、由宇町港は約2.2倍と高止まり状態にある。市は前年度の測定回数を下回った要因の一つを、艦載機が空母に搭載されて洋上展開する前後の4、5月に、事前訓練を含めて集中する陸上空母離着陸訓練(FCLP)や空母着艦資格取得訓練(CQ)の方法が新型コロナウイルス対策により変更されたことにあるとみている。これまではFCLPは硫黄島(東京都)、CQはFCLP後に岩国基地を拠点に九州沖の洋上で実施されていた。しかし、20年はどちらもコロナ禍の影響で5、6月に硫黄島と付近の洋上での訓練となり、艦載機が硫黄島にとどまって岩国基地を離れる期間が長くなった。このため、事前訓練を含めた4、5月の測定回数が減少したという。その一方で、艦載機が洋上展開後に帰還した11月以降は測定回数が急増し、尾津町では12月~21年3月の測定回数は各月1000回を超えた。特に米空軍のステルス戦闘機F22ラプターが飛来した21年3月には基地の常駐機などとの活発な訓練がみられ、尾津町の測定回数は1746回と、10年5月の新滑走路の運用開始以降、月別当たりで最も多くなった。」
 岩国市は「基地政策の基本姿勢」で、「基地機能が変更される際には、、その影響により、周辺環境が現状より悪化することとなる場合及び十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合には、これを容認できないという立場を基本姿勢として堅持する考えである。」
 山口県と岩国市は、この基本姿勢に照らして、空母艦載機部隊の移駐に関し「周辺環境が現状より悪化することと」ならないと判断し、移駐を容認した経緯があります。
 しかし、この記事にあるように、昨年度は、新型コロナの影響があったので、前年度よりは、回数は減ったものの、空母艦載機移駐前の16年度と比べ2倍前後の高い水準となっている実態があります。
 13日、最高裁は、岩国基地周辺住民が騒音被害を訴えた訴訟で、飛行差し止めは退けましたが、騒音被害については、約7憶3540万円を賠償するよう国に命じた二審広島高裁判決が確定しました。
 これらの実態に照らして、空母艦載機移駐を県と市が検証する作業を行うべきです。
 空母艦載機部隊移駐により「周辺環境が現状より悪化」したことは明白です。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

気候ネットが宇部市の石炭火力発電所計画取り止めで声明

 16日、電源開発と宇部興産は、宇部市西沖の山での石炭火力発電所建設計画の取り止めを発表しました。

 特定非営利活動法人気候ネットワークは、16日、「電源開発による西沖の山発電所(仮称)新設計画の計画取り止めを歓迎する~石炭火力発電のフェーズアウトへ、他の計画見直しを~」とする声明を発表しましたので以下紹介します。

・・・

電源開発による西沖の山発電所(仮称)新設計画の計画取り止めを歓迎する

~石炭火力発電のフェーズアウトへ、他の計画も見直しを~

2021年4月16日

特定非営利活動法人気候ネットワーク

代表 浅岡美恵

2021年4月16日、電源開発及び宇部興産は西沖の山(仮称)発電所の石炭火力発電所の新設計画を断念し、計画を白紙撤回することを公表した。本案件は2020年7月に梶山経済産業大臣から既存の非効率な石炭火力発電の休廃止の方針が示され、同10月に菅首相が2050年カーボンニュートラルを宣言した状況下で残されていた新規石炭火力発電所の計画の一つであった。計画は当初60万kW2基を建設するものだったが、大阪ガスが撤退を決めた後、両社は、60万kW1基に規模を縮小し、酸素吹石炭ガス化複合発電(IGCC)への変更を検討するとして計画を継続する方針を2019年4月に発表していた。

両社は本日のプレスリリースの中で、「本計画が位置する西日本エリアにおいて、電力需要は横ばいで推移すると見込まれることや、再生可能エネルギーの導入が拡大していることなど、事業環境を巡る状況を総合的に判断した結果、本計画を取り止める」と述べている。私たちはかねてより、本計画は気候変動に甚大な影響を及ぼすだけでなく、電源開発および宇部興産の企業価値を毀損するものだと指摘するものであり、日本の脱炭素社会の形成・発展、企業の持続的な中長期的成長のために計画を白紙撤回することを求めてきた[1]。本計画の中止により、少なくとも年間360万トンのCO2排出(日本の年間温室効果ガス排出量の0.3%)が回避される(60万kW、USC1基とした場合)。今回両社によって示された企業判断はその要請に沿うものであり歓迎したい。

なお、下表の通り、現在も、関電エネルギーソリューション、丸紅、コベルコパワー神戸第二、JERA等、多くの事業者が、石炭火力発電所の建設計画を継続している。今回の両社の決断は、それらの事業者に対しても、経営判断の観点から再考を促すものである。

とりわけ、西沖の山以外で新規石炭火力発電所計画のなかで西沖の山の他に着工に至っていない丸紅と関電エネルギーソリューションによる秋田港発電所(65万kW×2基)計画については、未だ正式な中止の発表はされていないが、環境アセスメント終了の時点で動きが止まっている。同案件も白紙撤回されれば、西沖の山発電所1基分とあわせて、日本の温室効果ガス排出量の1.1%に相当する年間1,226万トンのCO2の追加的排出が回避されることになる。さらに、現在建設工事中の案件も含めると、これらの新設計画による排出量は年間5,000万トンを超え、日本の排出の4%に相当する。石炭火力の新設計画を見直すことで、現在、検討されている2030年の温室効果ガス排出削減目標引き上げに大きく貢献する。

気候ネットワークは、脱炭素社会の実現と事業者の経営リスク回避の観点から、これらの事業者に対して石炭火力新設問題を真摯に受け止め、建設段階にある計画も含め、中止することを求める。さらに政府に対し、石炭火力発電所の新設・拡大方針を抜本的に見直し、速やかに中止すること、及びすべての既存発電所を、目標年次を明確に定めたうえで、フェーズアウトの具体的な道筋を描き、その着実な実施を改めて求める。

・・・

 山口県内で、建設中の石炭火力発電所は、周南市で進められています。発電所名は、徳山製造所 東発電所 3号。施設容量300MW。2022年4月運転開始予定です。

 気候ネットワークの声明通り、建設中の石炭火力発電所の方針の抜本的見直し、及び既存発電所のフェーズアウトの着実な実施への方針を確立していくことが今後求められていると思います。

 宇部市の石炭火力発電所計画が中止される方向です。引き続き、この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

宇部市西沖の山に計画中の石炭火力発電所は取り止めに

 大阪ガス、宇部興産、電源開発は「山口宇部パワー」を設立し宇部市西沖の山に石炭火力発電所を建設する計画でが、大阪ガスが撤退し、残る2社で計画を継続していました。
 2019年6月県議会で私は、企業局が取り組む宇部・山陽小野田市区工業用水供給体制再構築事業(以下・再構築事業)について「本事業は、西沖の山地区に、石炭火力発電所が建設されることを前提としたものだ。しかし、石炭火力発電所事業は抜本的見直しが行われているさなかだ。計画の見直しが必要」と質しました。
 企業局は、2020年度予算で再構築事業に1億7800万円を計上し、工業用水の施設整備に着手する計画でが、2021年度予算に、再構築事業は計上されませんでした。
 4月16日、電源開発は「山口宇部パワー計画取り止めについて」とするコメントを発表しました。電源開発は「本計画が位置する西日本エリアにおいて、電力需要は横ばいで推移すると見込まれることや、再生可能エネルギーの導入が拡大していることなど、事業環境を巡る状況を総合的に判断した結果、本計画を取り止める」とコメントしました。
 同日、宇部興産も、電源開発と同じ理由で「本計画を取りやめる」ことを明らかにしました。

 私は、県議会で計画中止を求めてきた者として、電源開発と宇部興産の石炭火力発電所の計画取り止めの判断を歓迎します。

 引き続き、山口県に対し地球温暖化対策の強化を求めていきたいと思います。

 宇部市内に計画中の石炭火力発電所計画が中止されました。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

県の「新集中的実施計画」に新規入所者の検査がないのはなぜか?

  山口生活と健康を守る会が発行する「社会保障資料(2021年4月臨時号)」は、県が策定した「新集中的実施計画」を特集しています。

 「社会保障資料」は以下の通りです。

・・・

  山口県は、厚生労働省の3月22日付け事務連絡を受けて、高齢者施設等の従事者に対するPCR検査の実施計画「新集中的実施計画」を策定、4~6月に県下454カ所の高齢者・障がい者施設、精神科・療養型医療機関で検査を実施することとしました。

【厚生労働省事務連絡「4月以降の高齢者施設等の検査について(要請)」の概要】
 都道府県、保健所設置市、特別区は、以下の①~⑧のいずれも満たす新集中的実施計画を3月29日までに策定すること。
① 対象地域は保健所等の区域(保健所管轄区域の全部または一部)を単位とすること。
② 対象施設種別を地域の実情に応じて設定すること。障害者施設、医療機関の実施も検討
すること。
③ 高齢者施設の従事者は必ず含めること。その他、外部と接触のある新規入所者なども含めることを検討すること。
④ 検査の実施は基本的に施設単位で行い、各施設の希望を確認し充分な配慮を行うこと。
⑤ 検査方法(個別検体によるPCR検査・抗原定量検査、検体プール方式によるPCR検
査・抗原定性検査など)を定めること。
⑥ 適切な頻度を定め、定期的に検査を実施すること。2~3月に行われた「集中的実施計画」
では週1回、2週間に1回などの事例もあり、参考にすること。
⑦ 感染症法に基づく行政検査として実施するものか、それ以外の地方公共団体の独自事業
として実施するものかを区別して計画に記載すること。
⑧ 検査は6月までを目途に実施すること。

  山口県の「新集中的実施計画(2021年4月~6月)」の内容は次のとおりです。
  〔対象地域と実施区分〕
   ○岩国市・周南市・山口市・宇部市・山陽小野田市・下関市(これまでに感染者の累計が100人以上で、かつ、クラスターの発生した6市)⇒行政検査として実施
   ○その他の13市町⇒県の独自事業として実施
 〔対象施設〕
  ○介護保険施設288カ所(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・認知症グループホーム・介護療養型医療施設・介護医療院)
  ○障害者施設101カ所(障害者支援施設(入所施設)・共同生活支援事業所・自立訓練事業所(宿泊型)・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設)
  ○医療機関65カ所(精神科入院医療機関・療養型医療機関)
 〔対象者〕
  ○施設従事者(施設に勤務する事務職員、給食職員、運転職員などを含む)
 〔検査方法〕
  ○唾液採取によるPCR検査 ※民間検査機関を活用予定(業務委託)
 〔検査頻度〕
  ○計画期間中1施設当たり1回
 
▽評価と疑問点
 国の全国要請を受けてとは言え、山口県でも高齢者施設等の従事者を対象にPCR検
査を行うに至ったことは一応評価できます。
 しかしながら、一方で、①対象地域を行政検査として実施する6市とそれ以外の13市町に区分したことで検査の実施に濃淡が生じないか、②高齢者施設を介護保険施設に限定しているが、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅を対象外とした理由は何か、③検査対象を入所施設の従事者に限定しているが、通所・訪問事業所の従事者は検査しないのか、④事務連絡で言及されている新規入所者が検査対象となっていないのはなぜか、⑤検査頻度について、事務連絡では週1回、2週間に1回といった頻度に言及しているのに、計画では期間中に1回とした理由はなにか、などの疑問があります。
 また、保育所など他の福祉施設や医療機関、教育施設でのPCR検査や地域でのモニタリング検査について、県はどう対応しようとしているか不明です。
 いずれにしても、山口県は相変わらず国の方針を後追いするばかりで県独自の“検査戦略“が見えてきません。独自戦略で先進的な取組を行っている広島県を参考にして更なる拡充を図るべきと思うのですが・・・。

【広島県の取組~いつでも誰でも検査が受けられる(湯崎知事)~】
○全県民を対象としたPCR検査の実施
⇒県下5カ所(広島市中区・西区、東広島市、福山市、三次市)のPCRセンターで検体採取
⇒広島市内の指定薬局(約200カ所)で検査キットを配布
 ○転入者や県外往来者との接触者を対象にしたPCR検査の集中実施
  ⇒広島市内に特設会場(19カ所)を設けて検査キットを配布(2021.4.12~25)
 ○感染症指定医療機関、帰国者・接触者外来のある医療機関(50カ所)の医療従事者
を対象に月1回の定期的PCR検査(2021.9~)
 ○介護施設(475カ所)の従事者を対象に月1回の定期的抗原検査(2021.12~)

・・・

 「社会保障資料」にある「評価と疑問点」での指摘は重要です。

 また、広島県では、医療や介護施設の従業者に対して月1回の定期検査を行っているとの指摘も重要だと思います。

 山口県で高齢者施設等の職員に対して大規模な検査が実施されることは評価しつつ、更なる拡充に向けて、「社会保障資料」の指摘に大いに学んでいきたいと思います。

 山口県内の高齢者施設等の職員を対象に大規模な検査が始まります。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。