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19の県立高校で下着の色などを指定する校則だった

 昨日、中国新聞は、県立高校の校則について次のように報じました。
 「生徒に理不尽なルールを強要する『ブラック校則』が注目される中、県内の県立高全48校のうち19校が下着の色や柄を指定するなど、多くの学校に厳しい校則があることが中国新聞の調べで分かった。全国で見直しの動きが出ているが、県教委は国の通知を受けて各校に見直しを促す一方、校長や教員に判断を委ねているのが現状で、校則の実態調査をする予定もないという。(中略)中国新聞が入手した県内の県立高全48校の校則によると、4割弱の19校が下着の色や柄を指定、約2割がツーブロックを禁止する規定を設けていた。生まれつき黒髪以外やくせ毛の生徒、宿泊を伴う旅行をする生徒に届け出を求めたり、校外で団体に加入・結成する際に届け出を求めたりする学校も多い。『明朗な交際でなくてはならない』など男女交際に関する規定もあった。一方、三重県の全県立高は4月までに地毛証明の提出、ツーブロックの禁止、下着の色指定、男女交際に関する規定、制服の男女規定を校則から廃止した。同県教委は、黒染めを強要されたとして大阪府立高の元女子生徒が起こした訴訟などを受けて見直してきた。各校則の点検に加え、見直し事例や視点を校長に伝えてきたという。『時代は変化するので今後も点検を続け、積極的に見直しを求める』とする。文部科学省は今月上旬、社会や時代の変化に合わせて校則を見直すよう都道府県教委などに通達した。通知では2019年、岐阜県教委が県立高の実態を調査し、下着の色の制限や外泊・旅行の届け出を求める学校にみ見直す促し、全て改定したことなどを紹介。生徒が見直しについて話し合う事例も挙げ『児童生徒の主体性を培う機会にもなる』とした。これを受けて山口県教委も、全県立学校や市町教委に見直しを促す通知を出した。県教委学校安全・体育課によると、これまでも校長や生徒指導担当の教諭が集まる会議で校則の見直しを呼び掛けてきた。しかしブラック校則に関する実態調査はしたことがないという。同課は『見直しは校長や教員の判断に委ねている。県教委が個別に変えてというものではないと考える』とし、調査の予定はないとしている。」
 日本共産党校則問題プロジェクト事務局長の藤森毅さんは、日本共産党中央委員会発行の「議会と自治体」2021年7月号で校則問題を考えるうえで大切な視点について次のように述べています。
 「一つは何より、校則の内容が憲法や子どもの権利条約からみてどうなのかの検討が重要であるということです。頭髪・服装などを規制する校則は、この点で見過ごすことができない問題をかかえています。憲法13条(個人の尊厳・幸福追求権)には、結婚する・しないなど家族のあり方、頭髪や服装、身じまい等々のライフスタイルをみずから決めていく自己決定権が含まれています。これは社会の進展のなかで、自分のことは自分で決めていくという自己決定がその人の人格的自律に不可欠なものであると言う認識が不可欠なものであるという認識が深まり、確立してきたものです。憲法13条はとうぜん子どもたちにも適用されています。また、子どもの権利条約は、表現の自由(13条)、思想・良心・宗教の自由(14条)、結社・集会の自由(15条)、私生活の自由(16条)などおとなが教授している自由と同じ自由を子どもの権利として規定しています。こうしたことから、子どもの頭髪や服装の自由は、憲法や子どもの権利条約によって保護されている子どもの基本的人権に属することは疑いありません。そして、憲法が保障する基本的人権を制限できるのは、他者などの基本的人権の保障・調整、あるいは法律による規制などに限られています。子どもの権利条約では、子どもの権利の制限は、そのことを明記した法律が存在し、かつ、『他の者の権利または信用の尊重』等々の目的に必要な場合のみに限定しています(13条2、14条3、15条2。16条には、規制についての規定がない)。こう考えていくと、校則による子どものライフスタイルの制限は、それが他者の権利侵害などになる場合をのぞき、ほんらい行うことが適当でないものです。二つ目の観点は、同時に校則問題は『基本的人権を制限しているからダメ』という非難だけで解決できる問題ではないということです。第一に、校則は教育活動ですから、その見直しには、生徒・保護者・教職員・あるいは住民による自主的主体的な議論と納得が重要です。私たちをふくめ学校外からの批判は、そうした自主的主体的な検討を促すようなものであることが大切です。私たちは、子どもの心身に明らかに深刻な被害を与えている校則を人権侵害だと批判することをためらいませんが、基本的人権を制限している現状の校則すべての中止を性急に求めるようなことは、教育活動の自主性・自立性を脅しかねず、見直しの適切なとりくみ方ではないと考えています。第二に、校則を子どもの基本的人権から批判するという考え方自体が、人権思想の発展のなかで確立してきた、歴史的には比較的新しいものであることです。それだけに丁寧な議論が必要です。たとえば、『地毛証明(地毛届け)は、染髪禁止が教育の維持に不可欠であり、その校則が子どもとの人間関係を損なわないよう、もともと地毛が明るい子どもを間違って校則違反と決めつけないよう、現場の教員たちが考案した、子どものための制度だった』との指摘があります。その経過は理解できますし、生徒に丁寧に接しようとする教員の気持ちもあると思います。同時に今日ではマイノリティーに身体的特徴を提出させること自体が、個人の尊厳を侵害するものとされつつあります。染髪制限のあり方も考え直す時期にきていると思います。」
 校則問題に関し教育行政の役割について藤森さんは次のように述べています。
 「大事なのは、教育行政は教育条件整備が大切な任務ですが、同時に、『指導助言行政』という分野の仕事があるということです。『指導助言行政』には二つの原則があります。第一は、その内容が卓越してすぐれているべきだということです。内容が魅力的なので教職員たちが思わず参考にしたくなる、そういう卓越性が期待されています。たとえば、今日なお読まれている『あたらしい憲法のはなし』は、戦後直後の文部省のすぐれた仕事です。第二は、指導助言は命令ではなく、たとえ内容が優れていても、参考にするしかないか、従うか従わないかは現場に委ねられてなければならないという原則です。内容がよくなければ教職員は無視すればよく、従わなかったからといって、指導助言には罰則がありません。ところが、実際の国の『指導助言行政』は、戦後直後の一時期をのぞき、内容の卓越性がないのに従うことを強要するという、あべこべなものがあまりに多すぎました。私たちはそうした『指導助言行政』には反対ですが、内容がすぐれ、強制性のない『指導助言行政』には反対しません。そして校則が矛盾を深め、子どもたちが声をあげ、社会問題になっているいま、校則の見直しについてのまともな『指導助言行政』も必要です。たとえば佐賀県教委が昨年出した校則の見直し通知は『教職員、児童生徒、保護者等が話し合いをしながら合意形成の上で策定する』、『児童生徒の人権を保障したものであること』などの見直しの観点を示しながら、見直しの対象として(頭髪について〈特徴ある髪型【赤毛・縮毛等】については届けること』、『下着の色を指定しているなど、その指導の過程で生徒の人権を侵す可能性のあるもの』などを例示しています。同時に、校則の見直しは、一遍の通知だけでいい通知がでればそれも活用して、教職員、保護者、子どもたちは子どもの基本的人権と教育についての真剣な議論をくぐって見直しをすすめることを重視たいと思います。」
 私は、藤森さんが指摘した校則問題を考える視点を参考に、中国新聞で報道された県立高校の校則の実態の改善を求め、来週から始まる6月県議会の一般質問で校則問題を取り上げたいと思っています。
 県立高校の校則に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

阿武町で計画中の風力発電所の中止求め要望書提出

 6月24日、阿武町で建設が計画されている風力発電所について、阿武風力発電所建設計画を考える会など3団体は、健康被害や土砂災害のリスクが高まることなどが懸念されるとして、県が事業者に計画の中止を求めるよう要望しました。


 阿武風力発電所建設計画を考える会の浅野代表が、要望書を県環境生活部の担当者に提出する

 阿武町では、日立サステナブルエナジー株式会社(以下、日立)が最大13基の風車を設置する県内最大規模の風力発電所の建設を計画しています。
現在、計画段階環境配慮書に対する知事意見が昨年出され、日立は、環境影響評価方法書を作成し、今年4月住民説明会を開きました。今年9月6日までに県は、環境審議会技術審査会を開催し、知事意見をまとめる予定です。
 県へ提出された要望書は、①土砂災害発生の危険性と濁水処理について②超低周波音による健康被害について③景観について④自然環境、生態系への影響について指摘し、「環境影響評価への知事意見として、環境への影響が大きく県民に不安を与え安全な生活を脅かす風力発電計画の中止を希望すると書かれるよう要望します」としています。
 要望書提出後の趣旨説明の中で、参加者から、県環境審議会技術審査会の議事録が公開されていない問題が指摘されました。申し入れに参加した藤本県議の調査によると中国地方で、広島県、岡山県、鳥取県では、濃淡はありつつ、環境審議会の議事録が自治体のホームページに公開されています。
 徳島県議会は、巨大風力発電所建設計画を受けて、6月21日、「地元住民と事業者との円滑な合意形成が図れるとともに、地元自治体や地元住民の意見が適切に事業計画に反映されるよう、環境影響手続きの抜本的見直しを行う」ことを求める意見書が全会一致で可決されました。要望書の趣旨説明の中で、参加者から、山口県も環境影響評価手続きの抜本的な見直しを求めるべきだとの意見が出されました。
 要望書を受け取った県環境生活部の担当者は、近く文書で回答すると答えました。要望書を提出した阿武風力発電所建設計画を考える会の浅野代表は、「回答が出た段階で、担当する各課の担当者を交えた懇談会の開催を要望する」と述べ、県担当者は「検討する」と答えました。

県内自治体独自の東京五輪「ライブサイト」は取り下げられる

 東京オリンピックに係る県内の状況について県スポーツ推進課に問い合わせた結果を報告します。
 まず、事前合宿についてです。県内で事前合宿が実施されるのは、山口市、防府市、長門市、岩国市です。他の都市での事前合宿は全て中止されました。
 次に、様々なイベントを行う「ライブサイト」についてです。
 自治体と大会組織委員会が共同開催するライブサイトは県内では計画されていません。
 次に、自治体独自でのライブサイトです。県内で、1件計画がありましたが、取り下げられたとのことです。
 次に、パブリック・ビューイングですが、大会組織委員会の申請はこれからです。
 県としてパブリック・ビューイングを申請する考えはないとのことです。
 各団体が大会組織委員会に直接申し込む仕組みであり、県として市町がパブリック・ビューイングを申請するかどうか把握していないとのことです。
 日本共産党はオリンピックの開催は中止し、コロナ収束に力を集中すべきと訴えています。
 県内でのオリンピックの取組に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

埋立工事行うなとする知事がなぜ許可したか質す

 6月22日、原発をつくらせない山口県民の会など5団体は、村岡県知事に「中国電力による上関原発計画予定地の海上ボーリング調査申請について許可の取り消し及び、工事等の凍結を求める申し入れ」を行いました。

 原発をつくらせない山口県民の会など5団体が、中電への海上ボーリング調査を許可した県へ申し入れ行う

 5月20日、中国電力は、上関町に建設を計画する上関原発について、予定地の海域の調査に必要な海上ボーリング調査のため「一般海域占用許可申請」を県に行いました。県は6月11日、「申請に問題は無い」として中国電力に三度目の許可を出しました。中国電力に許可された海域の占用期間は7月7日から3カ月間です。中国電力は、6月29日からボーリング調査のための事前測量に入ることを明らかにしています。
 三浦商工労働部理事は一般海域の占用許可について「海上ボーリング調査について、原発の安全審査に万全を期すために実施するとの事業者の説明に合理性があることが認められ、申請内容が条例の許可基準に適合していることから許可した」と答えました。
 一方、村岡知事は、2019年7月、「発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないこと」を中国電力に要請しています。
 自由法曹団山口県支部の松田弁護士は「埋立工事は施行しないでとする知事が、海域の占用を許可することは矛盾している」と指摘しました。三浦理事は「中電へ申請したのは、原発計画が存する県の知事としてのもの。海域の占用許可は、免許権者として知事が、条例に基づき判断した。」と答えました。

山村由佳著「風よ あらしよ」

 5月31日のしんぶん赤旗日刊紙の「月曜インタビュー」に作家の村山由佳さんが登場し、女性解放運動家の伊藤野枝を描いた新著「風よ あらしよ」について述べていました。
 インタビューで村山さんは伊藤野枝について「当時100年前の女性たちは、家の犠牲になったり、夫の言うままに従ったり、あきらめる人生がいっぱいあったと思います。でも野枝は死ぬまで、あきらめない女でした。土壇場に追い詰められた時、自分にとって一番大切なものを選び取っていく。その生き方に私も重なるところがあると共感しました。」
 村山由佳さんの「風よ あらしよ」を読んでいます。650ページの大作です。今、100ページ程読み終えたところです。今まで読んだのは、野枝が、叔父・代準介の援助で東京の上野高女を卒業するまでの物語です。野枝が憲兵隊に虐殺されたのは28歳の時でしたので、高女を卒業してわずか10年後のことでした。
 野枝は、尋常小学校に入学して、14歳で地元の郵便局に就職するまでの8年間で、極貧の中、親戚に預けられ幾度となく転校を強いられます。郵便局に勤務した後、叔父・代準介に何度も手紙を書き、上野高女への入学を願い出ます。100年前の時代を生きた野枝は、「わきまえない」「あきらめない」女性でした。
 インタビューで村山さんが野江を最も身近に感じたのは、最愛の夫と子どもに囲まれた炉辺の幸福が、革命の精神を鈍らせてしまうのではないか、と揺れる心情が綴られた野枝のある随筆を読んだ時だったとして、野枝への想いをこう述べています。
 「わたしも、自分が幸せで満ち足りてしまったら、人の苦しみや悲しみが書けないんじゃないかと悩んでいた時代が長かったんです。火の玉のような野枝にこんな一面があったと知って、この人のことなら書ける、と。辻との子とは関係を取り戻し、大杉との子を5人産んで、野枝は子どもたちのためにも社会を良くしたかったんだ思います」
 村山さんは、数年前に他界した父にこの作品を読んでほしかったとこう語ります。
 「シベリアに4年間、抑留されていた父は、収容所でのつらい体験もよく話してくれました。ずっと『赤旗』を愛読していたんですよ。その父から受け継いだ戦争の記憶があったからこそ、野枝の人生にひかれたんだと思います。これからも野枝ならどうするか考えながら、怒るべき時には怒り、発信していきます」
 村山由佳さんは1964年生まれ、私と同年の生まれです。30年に渡って文壇での活躍を続ける村山さんの作品は、本屋で何度も触れていましたが、実際に購入して読んだのはこの本が初めてでした。本書の帯にエッセイストの小島慶子さんが「ページが熱を帯びている。火照った肌の匂いがする。二十八年の生涯を疾走した伊藤野枝の、圧倒的な存在感。百年前の女たちの息遣いを、耳元に感じた。」と書いていますが、村山さんの文章は、野枝に対する熱い愛情を感じるものでした。
 私が今から読む「風よ あらしよ」は、女性解放運動家としての野枝の姿が語られる場面に入ります。まさに野枝の生活に「あらし」が吹き荒れることでしょう。村山さんの熱い筆致から野枝の人生をしっかり受け止め、自らの人生に活かしたいと思います。
 そして、作家・村山さんのこれからの「怒る時には怒り、発信」に大いに注目していきたいと思います。
 関東大震災のわずか15日後の1923年9月16日に、大杉栄と伊藤野枝は憲兵隊構内で虐殺されました。改めて惨い死だと痛感します。二度とこのような時代の再来は御免だと痛感しています。
 大杉栄・伊藤野枝の人生について、皆さんのご感想をお聞かせ下さい。

二級水系の治水協定締結完了する

 私は、昨年6月県議会で、「山口県においても、県管理の二級水系で、事前放流に向けて関係利水者と治水協定を締結し、事前放流が行える体制を整備すべき」と質問しました。
 阿部土木建築部長は「二級水系については、一級水系での取組を参考に、近年、甚大な浸水被害を受けるとともに貯水容量の大きなダムがある水系から、関係治水者等の理解を得ながら、事前放流の実施に向け、治水協定を締結していく考えです。」と答えました。
 県は、3月30日、「二級水系の治水協定締結完了について」次のように報道発表しました。
 「県は、ダムがある二級水系において、令和元年12月に国が示した『既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針』に基づき、河川管理者、ダム管理者及び関係利水者の間で、令和2年8月末までに6水系で、令和3年3月末までに残る9水系の合計15水系で、事前放流の実施方針等を定めた治水協定を締結しました。なお、県以外の関係者がいない3水系については、治水協定の必要はなく、事前放流の実施方針等を定めた上で、県管理ダムの事前放流を実施します。」
 ダムがある二級水系(18水系)の内、昨年8月末までに締結したのは、次の6水系です。
 錦川、末武川、富田川、厚東川、木屋川、阿武川
 今年3月末までに締結した水系は、次の9水系です。
 柳井川、島田川、椹野川、厚狭川、川棚川、掛淵川、三隅川、大井川、大谷川です。
 県以外の関係者がいない水系は、次の3水系です。
 屋代川、真締川、有帆川です。
 治水協定の主な内容は以下の5点です。
 1、洪水調節機能強化の基本的な方針
 2、事前放流の実施方針
 3、緊急時の連絡体制の構築
 4、情報共有のあり方
 5、事前放流により深刻な水不足が生じないようにするための措置
 県内の二級水系の事前放流のための治水協定締結が完了したことに、締結を求めて質問した議員として、関係者の皆さんに心から感謝を申し上げます。
 県内は出水期に入りました。いつ豪雨災害が発生するのか分からない状況です。今回の事前放流のための治水協定締結が、県民の皆さんの命と財産を守るために役割を大いに発揮することを期待したいと思います。
 県内の二級水系で治水協定締結が完了しました。豪雨災害対策に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。