国の防災指針検討ワーキングチームは、原子力安全委員会事務局たたき台として「原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方(案)を10月20日に明らかにしました。
国は、これまで、「事故発生時の初期段階で実施する原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域(EPZ)を原発から8~10キロ圏としていました。
今回示された案では、これに代え、準備する対策の違いにより、3段階の区域を設けるとしています。
第一は、予防的防護措置を準備する区域(PAZ)。
PAZの区域では、特定の事故事象が発生したら直ちに退避を実施するとしています。
PAZの区域の範囲のめやすは概ね5キロ(要検討)としています。
第二は、緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)。
UPZの区域では、予測的な手法による意志決定ではなく、測定可能な判断基準である運用上の介入レベルに基づく退避、屋内退避等を準備するとしています。
UPZの区域の範囲のめやすを概ね30キロ(要検討)としています。
第三は、プルーム通過時の放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを避けるための屋内退避、安定ヨウ素剤服用等の対策を準備する区域(PPZ)。
PPZの区域の範囲の参考値を、概ね50キロ(要検討)としています。
示された案では、留意事項として、「地域防災計画を作成する範囲については、(中略)具体的な地域を定める必要がある」「防災対策を重点的に拡充すべき地域が複数の都道府県に跨る場合には、関係行政機関等による調整等を図ることが必要」としています。
尚、退避も想定している30キロ圏を愛媛県の伊方原発に当てはめると山口県上関町が入ります。
新聞報道では、今後、来年3月末を目途に、中間報告としてまとめられるとのことです。
私は、この国の案に対して、県がどう対応するのかについて、本日、県防災危機管理課の担当職員と懇談しました。
まず、県地域防災計画に今回の案をどのように反映させるかについて、県担当者は、「国が示しているのは、ワーキングチームのたたき台の案の段階だ。当面は、国の検討状況を見守る。今後、対応が必要となった段階で、検討を始める」と答えました。
また、伊方原発の30キロ圏に山口県上関町が入っていることに対する対応について、県担当者は、「愛媛県との協議や四国電力との安全協定の締結などの課題が想定されるが、今は、国の動向を注視する段階である」と答えました。
国は、EPZに代わる原発に係る防災対策を重点化する地域を早急に明らかにすべきです。
その上で、山口県地域防災計画の改定を急ぐべきです。更に、山口県は、伊方原発に係る協議を愛媛県・四国電力と開始すべきです。
この問題での皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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