17日、ワシントンで開催された日米外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)では、北朝鮮情勢を口実にした日本の役割強化に加え、在日米軍再編の推進が主要議題となりました。
昨日のしんぶん赤旗日刊紙の竹下岳記者の記事を参照しながら岩国基地と関連する問題について述べてみたいと思います。
普天間基地について記事を引用します。
「『(辺野古新基地の)可能な限り早期の完了及び長期にわたり望まれてきた普天間飛行場の日本への返還を達成する』。2プラス2共同発表文はこう明記し、沖縄県民の大半が反対する新基地建設を強引に推進する意向を示しました。しかし、『可能な限り早期』の具体的な時期はいつなのか。政府関係者によれば、2プラス2の会合でも言及がありませんでした。日米両政府は13年4月の在沖縄米軍『統合計画』で、普天間基地の返還時期を『22年度又はその他』と指定。安倍政権は15年10月に辺野古新基地建設の本体工事に着工し、工期を5年としました。しかし、工事は沖縄県の翁長雄志知事による辺野古埋め立て承認取り消しをめぐる訴訟に伴う『和解条項』で16年3月から12月まで停止。その後も、県民の粘り強い抵抗や荒天、さらに埋め立て区域の地盤のぜい弱性などが指摘され、工事は大幅に遅れています。米政府監査院(GAO)が今年4月に公開した報告書に米海兵隊作成の工程表が示されています。それによれば、埋め立て区域の工事が終了するのは26年末。手続きや機材調整などで3年程度が見込まれており、新基地運用はさらに先になります。普天間返還は、順調にいっても30年前後となる計算です。しかも、この工程表では『護岸工事』が16年春開始ですが、実際に着工されたのは今年4月。『埋め立て』も16年秋開始とされていますが、まだ埋め立て土砂すら確保できていません。『新辺野古基地は15年、20年かかる』。翁長知事の警告が現実味を帯びつつあります。」
日米2プラス2で、辺野古新基地建設の「可能な限り早期の完了及び長期にわたり尾曽稀手きた普天間飛行場の日本への返還を達成する」と書かれてありますが、実際には、普天間返還の見通しがたっていないというのが現状です。
山口県は、空母艦載機部隊受け入れに問題の基本スタンスとして「普天間基地移設の見通しがたたないうちに、空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められない」としてきましたが、日米2プラス2でもその見通しが立っていないことが露呈しており、県は空母艦載機部隊移駐をこの点からも認めるべきではありません。
次に、NLPの恒常的訓練施設についてです。竹下記者の記事を引用します。
「2プラス2共同発表文では、『恒久的な艦載機着陸訓練用の施設を可能な限り早期に確保する』ことが盛り込まれました。米海軍厚木基地(神奈川県綾瀬市、大和市)所属の米原子力空母艦載機部隊の米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)移転計画に関して、在日米海軍司令部は18日、今秋から二つの戦闘攻撃飛行隊と電子攻撃飛行隊の移転が開始されると発表。早期警戒機飛行隊はすでに移転が完了しており、艦載機部隊61機のうち、約半数・4個飛行隊の移転を今秋までに完了させる狙いです。しかし、現在小笠原諸島南端の硫黄島(東京都)で行われている空母への着艦訓練(FCLP)の移転先はいまだ確保されていません。これに関して、11年6月の2プラス2共同発表文では、『馬毛島』(鹿児島県西之表市)を検討対象と明記していましたが、今回は明記していません。『可能な限り早期』とはいうものの、こちらも辺野古と同様、具体的な時期を明示していません。政府関係者は『馬毛島所有者と交渉している』と述べるにとどまっています。地元では超党派での移転反対の動きが起こり、今年3月の西之表市長選でも、移転反対を掲げる新人が当選しています。このままでは、岩国に移転しても当面は硫黄島で訓練をせざるをえず、中継地として厚木を再使用する危険もあります。」
山口県は空母艦載機移駐に関する基本姿勢の一つに「NLPの実施は容認できない」を掲げています。
日米2プラス2共同発表文では、「恒久的な艦載機着艦訓練用の施設を可能な限り早急に確保する」としながら、その見通しは全く立っていないことが露呈しました。
このままでは、硫黄島で訓練ができない場合の予備基地として岩国基地が指定され、岩国基地で訓練が実施される可能性が残ります。
この点からも、山口県は、空母艦載機部隊を受け入れるべきではありません。
山口県は、県民との約束を守る観点から、空母艦載機移駐容認を撤回すべきです。
日米2プラス2で「辺野古」「馬毛島」の見通しが立っていないことが露呈しました。
皆さんはこのことをどうお考えですか。
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