昨日、宇部市内で第63回山口県母親大会が行われました。
午前中は、映画「さとにきたらええやん」の上映や「学校現場の状況を考えよう」などの分科会が行われました。
午後は、女性コーラス(原コール・ドリーム)ので始まり、一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃さんによる記念講演が行われました。テーマは、「若者が希望を持てる社会に~居場所のない少女たちに寄り添って~」でした。
「若者が希望を持てる社会に」と話す仁藤さん
仁藤さんは、家庭や学校に居場所をなくし、高校を中退します。
仁藤さんは、高校卒業認定試験の予備校に入塾します。その中に「農園ゼミ」があり、その講師が阿蘇敏文さんでした。
仁藤さんは、自著「難民高校生」の中で、農園の中での自らの変化についてこう書いています。
「農園ではそれまで私が生きてきた世界とは違って、見た目が派手とか地味かとか、可愛いか可愛くないかとか、真面目とかちゃらちゃらしているかとか、学校を辞めたとか引きこもっていたとか、そういういろいろな見た目や肩書や、それに他する偏見は抜きに、お互いを『その人』として見ることができる雰囲気があった。それは、阿蘇さんが生徒を色眼鏡で見るのではなく、個人として向き合うことを大切にしている大人だったからだと、今になって思う。私は自分を自分として見てくれる人がいることで、これまで誰かに傷つけられないために被っていた仮面を少しづつ外していくことができた。いつも間にかネコ語を話さなくなり、少しずつ心から笑えるようになり、自分や他人に素直になっていった。」
仁藤さんは、周りの支えがあり、大学を卒業し、今は、「居場所がない、生きる希望ない、頼れる人や相談できる人がいない、性暴力を受けている、いじめ、虐待、ネグレクト」などで苦しむ若者を支援する団体(CoLabo)の代表として活動しています。
仁藤さんは、昨年から企画展「私たちは『買われた』展を」を行っています。
企画目的は以下の通りです。
「中高生世代を中心とする当事者がつながり、声を上げることで、自分たちの権利を回復し、児童買春の現実を伝え、世の中の持つ『売春』のイメージを変えたい。これまで表に出ることができなかった『買われた』私たちの声を伝え、今も苦しんでいる少女たちや、かつて似た苦しみを経験した女性たち、すべての女性たちに勇気を与えたいと、Colaboとつながる14~26歳までの24人のメンバーが立ち上がりました。」
仁藤さんは、貧困問題に取り組む社会活動家の湯浅誠さんの「貧困というのは『溜め』のない状態のことだ」を引用します。
「金銭的な溜め」「人間関係の溜め」「精神的な溜め」
仁藤さんは、「『難民高校』たちの問題も同じだ。彼らは『溜め』を持っていない。」と語ります。
子どもの貧困は6人に一人。虐待通告は10万3260件、高校の中退は年間約5万人、不登校は中学が9.5万人、高校が5.6万人。
物理的にも精神的にも難民化する青少年が増えている現状を仁藤さんのお話しでリアルに感じることが出来ました。
山口県にかぎって、宇部市にかぎってなどということはあり得ず、これが当たり前の日常だということを私たちが認識することが大切だと感じました。
その上で、私の関わっている団体などを通じて、できることを行っていきたいと思いました。
仁藤さんの著書を少しづつ読んでいきたいと思いました。
山口県母親大会は、盛況のうちに終わりました。
私は、大会では写真係を務めました。
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