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米軍岩国基地のオスプレイ12月16日に飛行が確認 安全にかかわる問題に十分対処されない中での飛行再開は許されない

 12月23日、NHK山口放送局は米軍岩国基地のオスプレイが飛行を再開したと次のように報じました。
 「アメリカ軍は、一部の飛行を停止していた輸送機のオスプレイについて、エンジンからの動力をプロペラに伝える部品を検査したうえで、基準を満たす機体の飛行を再開すると発表しました。山口県の岩国基地に配備されたオスプレイについては、今月(12月)14日から、運用上の必要性がある飛行に限り再開していて、今回の発表で本格的な飛行が再開されるものとみられます。アメリカ軍は、輸送機オスプレイについて、安全確保のちゃめの追加の措置が必要かどうかを判断するためなどとして、今月上旬から一部の飛行を停止し、アメリカのAP通信は、先月(11月)、アメリカ西部の空軍基地で起きた墜落寸前の事故を受けたものだと伝えていました。これについて、アメリカ海軍航空システム司令部は、20日、今後、機体でエンジンから動力をプロペラに伝える『ギアボックス』の飛行時間を検査したうえで、基準を満たした機体は飛行を再開すると発表しました。オスプレイをめぐっては、在日アメリカ海軍司令部は、岩国基地に配備されたオスプレイは、すでに今月14日から運用上の必要性がある場合に限り飛行を再開していることを明らかにしていて、今回の発表を受けて本格的な飛行が再開されるものとみられます。」
 中国新聞は、12月17日、「岩国市の米軍岩国基地で16日、配備されている米海軍の輸送機オスプレイ1機の飛行が確認された」と報じました。
 私は、昨年の内に、オスプレイの飛行再開について、県総務部に照会を行い、次の回答が寄せられました。
 Q1、オスプレイの飛行再開について県はどのように把握したのか。
 A1、12月21(土)に、中国四国防衛局から県に対し、オスプレイに対する追加的措置について防衛省が発表したとの情報提供があった。
 防衛省が12月21日に発表した「オスプレイに対する追加的な措置について」とする文書の概要は以下の通りです。
・・・
 〇オスプレイについては、本年3月以降、昨年11月の屋久島沖における墜落事故において発生したPRGR(プロップローターギアボックス)の不具合について、各種の安全対策の措置(※)を講じることで、同様の事故を予防・対処してきました。
 (※)安全対策の措置の概要
・チップ探知機を用いて、全機を対象に運用再開前の予防的点検を行うとともに、維持整備の頻度を増やすことで、PRGBの不具合の予兆を早期に把握。必要に応じPRGBを交換
・先般の事故におけるチップの警告灯表示後の乗務員の対応を踏まえ、予防的措置や緊急時の対応要領を定めたマニュアルについて、同種の事故を防ぐための手順を整理し、追加
・日々の飛行の際に事前に作成する運用計画についても、同種の事故を防ぐための手順を整理し、ダイバート飛行場に着陸するまでに必要な飛行時間を制限するといった安全対策の措置を実施
・・・
 その後も、米側においては、オスプレイの安全性の更なる向上に向けて継続的に取り組んできたものと承知しているところ、今般、米側が行った分析の結果、一定の飛行時間に満たないPRGBにおいて、不具合が発生する潜在的な可能性が示唆されたため、安全性を更に向上させる観点から、米国時間12月20日、米海軍航空コマンドから、以下の措置を講じるよう指示が示されたと説明を受けております。
・・・
・次の飛行の前に各種のPRGBの飛行時間を確認する点検を実施
・一定の飛行時間を満たないPRGBを搭載したオスプレイについては、リスクを更に緩和する追加的な措置がとられる。これは、当該機のPRGBが更新されるか、又は、特定の飛行時間を上回るまで、継続する。
・それ以外のオスプレイについては、引き続き本年3月より実施している既存の措置を継続しながら飛行を行うこと。
・・・
 Q2岩国の状況はどうか
 A2国からは、運用上の必要性があるCMV-22オスプレイの飛行を12月14日から行っていると説明を受けています。
 つまり、12月17日の中国新聞の報道にある、12月16日に岩国基地でオスプレイ1機の飛行が確認されたことは、以上の説明から理解できます。
 しかし、防衛省が米側から説明を受けた内容を記載した「オスプレイに対する追加的な措置について」という文書は納得できるものではありません。23年11月屋久島での事故で、PRGBの不具合があり、改善したが、24年11月アメリカ西部で起きた事故を受けて、「一定の飛行時間に満たないPRGBにおいて、不具合が発生する潜在的な可能性が示唆された」。
 この事故を受けて、オスプレイの飛行を中止したが、点検しながら飛行を再開させるというのです。飛行時間の制限を加えながら飛行は再開させるというのです。
 結局、PRGBの不具合を回避するための根本的な対策は講じられないまま、点検しながら、飛行時間を制限しながら、飛行を再開させる措置に納得できません。
 山口県などは、CMV-22オスプレイの岩国配備などを受けて、昨年7月に国に意見照会しました。
 その一つが、「米国議会の公聴会において、『オスプレイの全面的な任務再開は2025年度半ばとなる』また、『安全に関わる問題に十分に対処するまで無制限の飛行運用には戻さない』旨の米海軍関係者の発言があったとの一部報道」についての国の認識です。
 国は、「今回の事故を踏まえ、ダイバード飛行場に着陸するまでに必要な飛行時間の制限といった措置も講じているところ、米海軍航空システムコマンドにおいて、こうした制限を課さずとも安全に飛行運用することが可能となるような、物質的・ひっぶ質的な変更について検討中であると承知しており、米側からは、2025年半ば頃から、こうした変更の運用が開始される見込みであるとの説明を受けております。」と答えました。
 私は、せめて、オスプレイの飛行再開は、ここで指摘されている「安全に飛行運用することが可能となるような物質的・非物質的な変更」が完了したあとにすべきであると考えます。
 それまでは、どのような点検を行おうとも、事故が繰り返される可能性は否定できないと思います。
 横田基地でも普天間基地でもオスプレイの飛行が再開されたとの報道がありました。
 岩国を含めた、在日米軍基地に配備されているオスプレイ、また、自衛隊に配備されているオスプレイを今、飛行再開させるべきではありません。
 皆さん、この問題に対するご意見をお聞かせください。

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