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映画「ラーゲリ―より愛を込めて」を観ました。

 12月30日、パートナーと一緒に、瀬々敬久監督の映画「ラーゲリより愛を込めて」を観ました。
 映画のパンフレットからストーリーを少し引用したいと思います。
 「第二次世界大戦後の1945年。そこは零下40度の厳冬の世界・シベリア・・・。わずかな食料での過酷な労働が続く日々。死に逝く者が続出する地獄の強制収容所(ラーゲリ)に、その男・山本幡男は居た。『生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます。』絶望する仲間たちに彼は訴え続けたー。」
 主演の山本幡男さん役を演じた二宮和也さんは、映画のパンフレットでこう述べています。
 「僕らは歴史を過少にも過大にもせず、偏ることなく、起こったことを真摯に聞いてそのまま作ったので、後は受け取っていただくだけですね。観ていただいた方々に、それぞれの価値観でこの映画と向き合ってもらい、未来につなげていってもらえればと思います。辛くて、悲しくて、苦しくて、さみしくて、目を背けたくなるようなシーンもたくさんあると思います。だからこそ、その中にある笑顔や涙が胸に迫るものになっているんじゃないかと。人間にとって大切なものを教えてくれるものが、ここにあると思っています。」
 私も、価値観を超えて、若い皆さんにも、多くの方に観ていただきたい映画だと思います。正月休みの間、是非、映画館にお出かけください。
 映画の中で、山本さんが家族に遺書を書いて、それが家族に届けられるシーンがあります。
 昨年の「しんぶん赤旗日刊紙」に、山本幡男さんの息子の山本厚生さんの手記が掲載されていました。二宮さんの言う「人間にとって大切なものを教えてくれる」部分を紹介します。
 「父はまた、遺書で『人類の文化創造を増進するという進歩的な思想を忘れてはならない』と子どもたちに呼びかけました。そして、『最後に勝つのは道義であり、誠であり、まごころである』と書かれています。いつか、人権が大切にされ、人々が対等に生きる社会がくると信じていたのでしょう。これこそ目指すべき未来社会なのだと私は思っています。」
 私が、敬愛する映画ライターの平沢清一さんは、しんぶん赤旗日刊紙に現在と照らし合わせこのようにこの映画を評しています。
 「約60万人も不法に拘留・虐待したスターリンの蛮行がウクライナの戦禍と重なる。戦争被害を継承する真摯さが、加害にも目を向ける契機となればと願う。山本が体現した誰にも奪えない尊厳と人間愛は、今も絶えない戦争や抑圧に抗して、平和の礎となる希望である。」
 昨年11月19日第11回アジア政党国際会議総会で採択した「イスタンブール宣言」にはこうあります。
 「私たちは、共通の課題には集団的な対応が必要であるから、ブロック政治を回避することの重要性を強調し、競争よりも協力を強調した。また、21世紀の課題に対応するためには、紛争解決への唯一の道として国際法に基づく対話と交渉による平和的共存、協力、経済的・文化的なつながりへの揺るぎないコミットメントに基づく有益な環境が必要であることを強調した。」
 山本幡男さんの息子さん厚生さんが言う「人権が大切にされ、人々が対等に生きる社会」をこの映画の主人公である山本幡男さんが望んでいたのでしょうし、今の世界に最も求められていることだと
 イスタンブール宣言にある「競争よりも協力」こそが、求められている時代だということをこの映画を通じて感じました。
 とにもかくにも映画「ラーゲリより愛を込めて」を多くの方に観ていただきたいと思います。

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