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「『正当ノ事由』がない埋立を許可したのな指導できる」と回答

 上関原発用地埋立住民訴訟の会(小畑太作事務局長)は、9月12日、国土交通大臣に対し、「上関原発に係る公有水面埋立工事に関する質問書」を提出し、昨日、参議院議員会館で、国土交通省水管理・国土保全局水政課の小野河川利用企画調整官(以下、小野調整官)らから回答書について説明があり、その後、意見交換が行われました。福島みずほ参議院議員事務所の仲介で、懇談会が設定され、福島議員が参加しました。山口県からは、小畑事務局長と私と、戸倉、中嶋、宮本県議が参加しました。

起立しているのが福島参院議員、その左から、宮本、中嶋、私、戸倉の各県議

 要請項目の第一は、「埋立免許権利者は免許を受けたるものに対して毎年、工事の進捗状況の報告を求めることとなっていますが、その様になっていますが、その様になった時期と経緯について改めてご説明下さい。」です。
 小野調整官は「〇過去においては、無願埋立て、埋立地の利権化等の不正不当事案が社会的に問題とされてきましたが、それに加え、埋立てに伴う環境破壊、公害発生の問題がさらに大きな社会問題となるに至り、昭和48年に、公有水面埋立法の一部改正が行われました。〇この法律改正の趣旨は、埋立てを取り巻く社会経済環境の変化に即応し、公有水面の適正かつ合理的な利用に資するため、特に自然環境の保全、公害の防止、埋立地の権利処分及び利用の適正化等の見地から所用の改正を行ったものです。〇同法施行通知において、免許書の様式を定め、また免許条件として、埋立てに関する工事の進捗状況の報告について定めました。〇この改正を受けて、免許権者は、埋立工事の進捗状況を適切に把握し、適正な埋立行政に努めることを目的として、公有水面埋立ての免許の際に、工事の進捗状況を免許権者へ報告するように条件を付しております。」と回答しました。
 要請項目の第二は「前項の報告が毎年度為される目的について、わたしたちは、国の財産である公有水面について、委託を受けた埋立権者である知事がその監督責任を適正に果たすためと理解しています。もし、この理解に誤りがあれば、ご指摘ください。」です。
 小野調整官は「〇埋立てに関する工事の進捗状況の報告は、免許権者として、埋立工事の進捗状況を適切に把握して、適正な埋立行政に努めることを目的として求めているものです。」と回答しました。
 要請項目の第三は「上関原発のための公有水面埋立は、二度の延長により『13年3カ月以内』とされ2023年1月6日に竣功期限を迎えます。一方、免許を受けた中国電力(株)は2022年4月21日付『埋立てに関する工事の進ちょく状況報告書』において、『進ちょくはない』と報告しながら、報告書には埋立竣功2023年1月6日の当初工程表を添付しています。しかしながら、残すところ数ヶ月で埋立竣功が叶わないことは誰の目にも明らかです。明らかに埋立竣功が出来ない状況を認識しながら、埋立事業者を放置している知事は、その監督責任の務めを適正に果たしていないと考えます。従って、免許権の委託者である国土交通大臣は、『監督する立場である知事に対しても、建設、運輸両省で十分に指導通達等も出しまして、まずそのような無願埋め立てがないようにいたしますとともに、また工事中の監督等につきましても、適正化の指導を十分やっていきたい』(第71回国会衆議院建設委員会第21号1973年(昭和48年)6月20日建設省河川局次長川田陽吉氏の答弁)と公言されており、知事に適正化を求めるべきですが、大臣は黙視しています。黙視する理由をご説明ください。」です。
 小野調整官は「〇公有水面埋立法においては、工事の進捗状況の報告により、竣功期間までに竣功できないことが明らかになった場合、工事中に免許権者が為すべきことを定める規定はありません。〇したがって、現時点において、国土交通省として山口県知事に指導することは考えておりません。〇なお、ご提示いただいた『第71回国会衆議院建設委員会7回第21号昭和48年6月20日』における当時の建設省河川局次長である川田陽吉氏の答弁については、無願埋立に関する追認制度の廃止等を内容とする公有水面埋立法の一部を改正する法律を審議した際のものです。〇これを踏まえ同法施行通知において、無願埋立の防止など適正な埋立行政に努めることを目的として免許権者は免許を受けたる者に対して工事の進捗状況の報告を求めること等の措置を講じたものです。」と回答しました。
 要請項目の第四は「中国電力(株)は、同報告書において進捗がない理由を『福島第一原子力発電所の事故を受け、当社は同年3月15日から建設予定地における準備工事を一時中断』しています。またこのことは、埋立を免許した知事自身が伸長許可の際に中国電力(株)に為した『発電所本体の着工時期の見通しがつくまで埋立工事を施行しないこと』という要請とも合致しています。ところでこの要請は、埋立免許と明らかに矛盾しているわけですが、これについて知事自身も、『許可の条件として処分の中でこのような条件を付すことは公有水面埋立法上できない』とも述べています。すなわちこの要請は、公有水面埋立法が規定する免許条件、第4条第1項『国土利用上適正且合理的なること』、また同条第3項『埋立地の用途が土地利用又は環境保全に関する国又は地方公共団体(港務局を含む)の法律に基づく計画に違背せざること』に違反していると言わざるを得ません。大臣の見解を伺います。」です。
 小野調整官は「山口県知事による中国電力(株)への『発電所本体の着工時期の見通しがつくまで埋立工事を施行しないこと』という要請は、公有水面埋立法に基づく手続きとは別に行われたものであり、国土交通省から回答できるものではありません。」と回答しました。
 要請の第五は「国政府の公有水面埋立法の理解によれば、原子炉設置許可がなくても公有水面埋立法工事は可能だとされているようですが、どの様な法理解によるのでしょうか。報道によれば先頃、岸田文雄首相は『新増設の検討』を口走ったようですが、エネルギー基本計画においえは新増設は見込まれていません。すなわち、福島原発事故以降、現在も日本国は、新規原発を想定していない以上、上関原発建設用地のための公有水面埋立免許は、前項でも示した公有水面埋立法が規定する免許条件に違反していると考えます。現在の大臣の法解釈を伺います。」です。
 小野調整官は「〇期間伸長許可は、事業者からの申請に対し、期間伸長後の竣功時点においても、継続して埋立を行う必要があること等を総合的に考慮し、期間伸長に『正当ノ事由』があるか否かを、都道府県知事が個別に判断するものです。〇上関原発に係る期間伸長許可についても、山口県知事が具体的な状況に照らして個別に判断をしたものです。」と回答しました。
 要請の三項目の国土交通省の回答「現時点において、国土交通省として県知事に指導することは考えておりません。」に対して参加者から様々な意見が出されました。
 第一は、国有財産法との関わりです。
 国有財産法の第9条の5は「各省庁の長は、その所管に属する国有財産について、良好な状態での維持及び保存、用途又は目的に応じた効率的な運用その他の適正な方法による管理及び処分を行わなければならない。」としています。
 小畑事務局長から、「国有財産法により、適正に国有地を管理されているとは思われない山口県を指導できないのか。」との質問が出されました。
 小野調整官は「国有財産法との関わりは所管が国土交通省大臣官房になる。大臣官房に質問してほしい。」と答えました。
 上関原発どうするネットの伴さんは「エネルギー基本計画に原発の新増設が想定されていない以上、事業が行える見通しがない。事業の見通しが立たない以上、埋立に『正当ノ事由』があるとは言えないのではないか。正当ノ事由のない埋立を許可した県に対して国は指導できないのか。」と質しました。
 小野調整官は「県は正当な事由があるとして埋立を許可したものと考える。現時点、国は県を指導する考えはない。」と答えました。
 私は、「公有水面埋立法に基づき、『正当ノ事由』がない埋立を許可したと国が判断した場合は、国土交通省として知事を指導できるのか。」と質しました。
 小野調整官「その場合は、国土交通省は知事を指導できる。」と答えました。
 中嶋県議は「中国電力は、今回の期間伸長に当たり、埋立期間と県条例に基づく、一般海域の占用許可によるボーリング調査の期間を併せて3年6カ月とし、埋立法に基づく申請を行った。これは、公有水面埋立法の範疇を越えた過大な期間伸長申請と言えるのではないか。」と質しました。
 小野調整官は「後日、文書で質問をいただきたい。」と答えました。
 私たちは、公有水面埋立法の第4条に基づき、上関原発の埋立に合理性がないと指摘しているのに、国交省は、第13条の「正当ノ事由」があることだけに注目して、県の判断を是とし、国は指導を行わないと強弁しました。
 国が言う、公有水面埋立法13条の「正当ノ事由」に合致しているとする県の言い分は、上関原発は重要電源開発地点に変わりないといというものです。
 私たちがかねがね主張している通り、重要電源開発地点は、福島原発事故前のもので、正当性が極めて脆弱なものです。
 この1点にしがみついて、来年1月の中電の期間伸長申請に県が許可し、国がそれを是認するのであれば極めて重大です。
 中電が埋め立てる見通しがなく、県も見通しが立つまでは埋め立てるなとしている埋立の許可がなぜ出せるのか、この疑問に、国交省は答えようとしていない姿勢を昨日の意見交換で痛感しました。
 上関原発用地埋立禁止住民訴訟の会では、昨日の懇談で明らかになった新たな質問を今後、国交省に届けていくことにしています。
 私は、住民訴訟の会の事務局の一員として、県議会議員として、来年1月の埋め立て免許の期限切れを注視し、原発のために埋立が行われないよう、皆さんと力を尽くしていきたいと決意を新たにしています。
 上関原発問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

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