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26都府県で土砂条例が制定される 山口県でも制定すべき

 自治体研究社主催の第55回市町村議会議員研修会が昨日行われました。私は、滋賀環境問題研究所所長の畑明郎さんが講師の「危険!建設残土 土砂条例と法規制を求めて」と題する講義を受講しました。
畑さんは、今年5月「危険!建設残土 土砂条例と法規制を求めて」と題する本を自治体研究社より出版されています。建設残土問題のスペシャリストのお一人が畑さんです。
 国交省は、建設残土を「建設発生土」とし、建設工事で有効に活用できる有価物とされ、産業廃棄物の対象外としてきました。
 畑さんは、「大量に発生する建設発生土のうち、有効に活用されない建設残土は、場外に搬出され、内陸受入地に搬入されている。」と指摘します。
 2018年度建設副産物実態調査(確定値)によると、建設発生土場外搬出量約1.3億㎥のうち、44%の約6000万㎥が内陸受入地に搬入されています。
 畑さんは、「大量の建設残土が無い陸地、とくに残土捨場に搬入されているため全国的に残土捨場が不足し、各地で森林破壊、不法投棄、崩落事故、水質汚濁などの問題を引き起こしてきた」と指摘します。
 次に畑さんは、全国の土砂条例の制定状況について話を進めます。
 今年3月末現在、全国のいわゆる土砂条例を制定した都府県は、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、兵庫県、和歌山県、香川県、徳島県、愛媛県、大分県、神奈川県、東京都、群馬県、山梨県、岐阜県、三重県、京都府、大阪府、広島県、高知県、福岡県、宮城県、佐賀県、静岡県、新潟県、鳥取県の26都府県に及んでいます。
 畑さんは、「26都府県の条例の内容を検討した結果、25自治体が知事への許可等を求め、18自治体が、知事への許可等が必要となる面積の下限が3000㎡である」と指摘しました。罰則規定は、懲役2年以下、罰金100万円以下となっています。
 私は、昨年9月に山口県でも土砂条例を制定すべきと質し、和田土木建築部長は「必要に応じて、県独自の条例の制定について検討することとしている」と答えました。
畑さんは、条例がない自治体に建設残土が集中するとも指摘しました。近県では、福岡県、大分県、佐賀県、広島県、鳥取県、愛媛県、香川県、高知県で土砂条例が制定されています。山口県でも土砂条例を制定すべきであることを再度、訴えたいと思います。
 最後に、畑さんは、国の「宅地造成等規制法の一部を改正する法律案」について、4月13日に野党4会派が提出した修正案が重要」と指摘しました。
 野党の修正案は次の通りです。①盛土等工事の許可基準に環境影響評価の実施を加える②許可の際、審議会等の意見聴取を義務付ける③規制区域の空白地域が生じないよう原則届出制として、大規模なものは許可制とする④政府案は建設残土の適正な処理の仕組みがないため工事の発注者が最終処分まで責任を持ち適正処理を求める。
 法律案は、この修正案とともに全会一致で所管の衆院国土交通委員会で可決されました。
 国土交通省の「盛土等防災対策検討会」は、8月1日、第二回検討会が開催され、都道府県知事が「盛土等により人家等に被害を及ぼしうる区域を規制区域として指定」できる法律に定められた「規制区域設定要綱案」が示され審議されました。9月上旬に、第3回検討会が開かれ、「規制区域設定要領及び既存盛土調査要領」を統合した「基礎調査実施要綱案」が示される見込みです。
 来年度に、法律が施行され、政省令が示される見込みです。その後、基礎調査実施要領、不法盛土対策ガイドラインが公表される予定です。
 来年度以降、山口県知事が法律に基づき、危険な盛土等の規制区域を設定し、規制区域内で行われる盛土等は知事の許可の対象となります。
 山口県として、法律の施行後、迅速な対応が出来るよう準備を行う必要があります。その上で、野党4党の修正案の内容も重要になってくるとものと思います。
 県に、法律の施行にあたって、どのように準備しているのかしっかり質していきたいと思います。
 昨日は、建設残土・盛土についてしっかり学ぶことができました。昨日学んでことを今後の議会活動に生かしていきたいと思います。
 建設残土や盛土等に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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