10月1日、朝日新聞デジタルは、鳥取県で大規模な盛土を規制する条例を制定する動きがあると次のように報じています。
「静岡県熱海市での土石流災害を受けて『盛り土』の対策を進めている県は、防災や地質学の専門家の意見を参考に『斜面の安全の確保に関する条例』の案をまとめた。一定規模の盛り土だけでなく、斜面地への太陽光・風力発電施設の設置も知事の許可制にするのが特徴だ。来年の梅雨時期前の施行を目指す。盛り土については、高さ5メートル以上、または面積2千平方メートル以上で高さ1メートル以上の場合、知事の許可が必要と定める。1件ずつの盛り土を規制対象より小さくする『抜け道』を防ぐため、地理的に近接していたり、計画に一貫性があったりする場合は複数の盛り土を一体とみなし規制する。傾斜度が15度を超え、かつ斜面の高さが5メートルを超える場合、面積300平方メートル以上か高さ15メートル以上の工作物の設置について知事の許可が必要と規定する。傾斜度が30度を超える場合では設置そのものを禁止する。盛り土の施工や工作物の設置の際、近隣関係者への説明を義務づける条文も盛り込む。工事中や完了後の定期点検と県への報告も求める。無許可の施工への罰則規定も設ける。鳥取大学や島根大学の専門家4人によるアドバイザー会議は8月以降、『安全性を重視した条例を作る』との方針のもと、抜け道やずさんな施工を防ぐ方策などを県へ提案してきた。9月29日の第3回会議では、県が作った『中間とりまとめ』案を了承した。県の担当者は『この条例は施工者に(基準を守って工事をしてください)というものであって、商活動を妨げるのが目的ではない』と話す。県は今後、10月上~中旬にこの条例案をパブリックコメントにかけ、広く意見を募る。同月下旬に第4回となる最終アドバイザー会議を開き、条文の修正などを検討して『最終とりまとめ』案を仕上げる。年内には県議会に議案として諮る方針だ。」
鳥取県では、今年8月から「盛土等安全確保アドバイザー会議」をこれまでに3回開催し、「鳥取県斜面の安全の確保に関する条例」策定に向けて検討を重ねてきました。
7月3日の熱海市の災害を受け、約40日後に、鳥取県は、条例制定を前提としたアドバイザー会議を開催した対応を評価できるものです。
鳥取県は、第一回目のアドバイザー会議の資料で「盛り土の規模等を規制する条例を独自に定めている都道府県は26都府県」あるが「鳥取県においては、この条例を定めていない」ことを率直に認め、条例の検討を開始したことも評価できると思います。
また新聞報道にある通り、鳥取県の条例は、「一定規模の盛り土だけでなく、傾斜地への太陽光・風力発電設備などの設置も」知事の許可制にしている点も評価できると思います。
本ブログで紹介したように、私は、9月県議会で、山口県にも盛り土を規制する条例を制定すべきと質しました。
県は、「国による法制化や他県の対応状況、国と連携した盛土の調査の結果等を踏まえ、必要に応じて、県独自の条例の制定について検討する」と答えました。
近県の鳥取県の動きは、山口県独自の条例制定を検討すべき大きな材料になると思います。
現在、国と連携して行っている盛土の調査結果を待ちながら、引き続き、県に対し、盛り土を規制する条例の制定を求めていきたいと思います。同時に、鳥取県のような傾斜地への太陽光・風力発電施設の設置の場合、知事への許可制にするなどの規制を条例に明記することも求めていきたいと思います。
山口県は、鳥取県のように、条例の内容を検討するための専門家会議を立ち上げるべきだとも思います。
鳥取県が、盛り土を規制する条例の制定に向けて「中間とりまとめ」を公表しました。
盛り土を規制する条例の制定に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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