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長生炭鉱水没事故79周年犠牲者追悼集会行われる

  昨日、長生炭鉱水没事故79周年犠牲者追悼集会が行われました。
 第一部は、水没事故が起こった近くの追悼ひろばで式典が行われました。
 第二部は、ヒストリア宇部で講演会などが行われました。
 第二部では、福岡在住のシンガーソングライターのハルナユさんが長生炭鉱水没事故をテーマにした「カジマヨ」の演奏を披露しました。ハルナユさんは犠牲者の姪の孫にあたる方です。

 犠牲者の姪の孫にあたるシンガーソングライターのハルナユさんが長生炭鉱水没事故をテーマにした歌を披露

 今年の追悼式は、新型コロナ感染拡大の影響で、ご遺族が参加されない中での集会となりました。
 大韓民国遺族会の楊玄(ヤンヒョン)会長のビデオメッセージが流されました。楊会長は「私達遺族の願いは位牌を韓国に持ち帰り国が管理する『国立歴史博物館位牌安置室』に安置し、家族や誰でも自由に参拝できるようにすることです。尊敬する西光寺のご住職と『歴史を刻む会』の会員の皆様におかれましては私達遺族の気持ちを察してくださり、位牌を一日も早く故郷韓国の地へ安置できますようご協力下さることを切に切にお願い申し上げます。」と述べました。
 その後、証言ビデオが上映されました。これまでの追悼集会で発言された7名の証言を上映しました。
 私は、追悼式を主催する「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の運営委員になり約10年経過しますが、私が役員になる前の証言ばかりで、胸を打つものでした。証言をされた方の中に、ご遺族の子どもさんの証言が複数ありました。ご遺族は、強制連行されて父を奪われ、水没事故で父の命まで奪われました。
 事故後、母子だけで戦中戦後を生きて来られた様子は、まさに辛酸を嘗めるものでした。
 水没事故から約80年、子ども世代のご遺族の証言を映像で残した「証言ビデオ」は、事故の歴史を未来に刻む意味でとても貴重なものだと感じました。
 第二部の集会の最後に、長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会の内岡貞雄顧問が「『強制連行』と長生炭鉱および今後の展望」と題して講演を行いました。

 長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会の内岡顧問が「『強制連行』と長生炭鉱および今後の展望」と題して講演

 内岡顧問は、ときわ公園の石炭記念館に展示されている年表にある長生炭鉱水没事故に関する記述が「殉職者183名」とあったのを「犠牲者183名」に改められたことを報告しました。
 また、内岡顧問は、ピーヤ近くの説明版に「石炭は郷土の産業経済だけでなく、国のエネルギー政策を支えてきました。私たちは先人たちの命をかけた炭鉱への思いを未来へと継承していかなければなりません。」という箇所を7年かけて削除させたことを話しました。
 内岡顧問は最後に「『刻む会』は、追悼ひろばにある追悼碑をピーヤ正面の坑口付近に移動し、『殉職者之碑』(1982年4月建立)と共に歴史の真実を語るものにしたいと願っている。」と語りました。
 来年は、80周年の節目の追悼集会となります。来年は、ご遺族を招いた追悼式が出来るように運営委員の一人として引き続き刻む会の活動を支えていこうと思っています。

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