山田伸幸山陽小野田市議が発行する「山陽小野田明るいまち」(No,759 2020年8月9日)は、埴生地区の宇宙監視レーダーを特集しています。山口県民の命と暮らしに関わる重大な内容なので、全文紹介したいと思います。
「7月31日午後から、議会議員連絡会が開催され、埴生地区に建設が進められている宇宙監視レーダーについて、防衛省の説明がありました。会議は非公開でした。◆会議の冒頭山田議員は、市民に公開されていない場での説明会について議長にたいして、『なぜ市民に公開される場で開催しないのか』と詰め寄りましたが、満足な回答もなく事前の資料が配布されなかったことについても『内容が変わってしまうこともあるから』と納得ができない回答でした。◆防衛省の説明では『これまでの説明では宇宙ゴミ(デブリ)の除去としか説明しなてこなかったことを謝罪する』ことから始まりました。説明ではハッキリと中国、ロシアのスパイ衛星やキラー衛星の監視が任務に含まれることや米軍の宇宙作戦部隊への情報を提供することなどが説明されました。◆質疑では山田議員から、Q、最初の説明では宇宙ゴミしか言わず、今になって他国のスパイ衛星が監視対象とするなどまさに後出しじゃんけんではないのか。A、言われることはごもっともである。Q、レーダー基地がテロの標的になった際にどうするのか。A、今後の検討事項となる。Q、レーダーの向きは航空路に当たるが航空機にむかって照射するのか。A、航空機の航路には当たらない。Q、前回の説明で仰角20度としていたが、航空路の上をとおるか下をとおるのか。A、航空路には当たらない。6機のレーダーをまとめて照射するので電磁波が集中し、大丈夫。Q、6機のパラボラアンテナの電波位相を揃えて照射するとなるとかなり強力な電波になり、サイドローブ(漏れる電波)も強力になり影響が広がりはしないのか。A、電波防護指針に沿って設計されているので問題にならない。Q、6機のレーダーで観測するのは静止衛星のうちどこを飛んでいるものを対象とするのか。A、赤道上の日本の静止衛星が対象。Q、赤道上の静止衛星と言っても30程度の衛星が飛んでいるが、どの衛星を対象とするのか決まっているのか。A、※※※ Q、赤道上と言っても、インド洋上空から日付変更線付近まで幅があるので、一定方向だけを監視するのはあり得ないと思うがどうか。A、※※※ Q、レーダー電磁波の影響は市民生活で必要な携帯電話や漁業無線、ドクターヘリなどに及ぶが問題ないと言えるか。A、設計が済んでないので答えられない。Qイージスアショアでは、基地からの保安距離が700メートルとされていたし、米軍では2キロとしていたが、イージスアショアの数百倍強力な電磁波が出力されるが、保安距離はどれほどの距離か、ちなみに600メートルのところに小学校や民家がある。A、設計が済んだ後でないと今ここでは答えられない。◆多くの質問にまともに答えられない状況でした。」
防衛省は、7月31日、山陽小野田市議会議員連絡会に非公開で説明会を開きました。これだけ重大な内容であるにも関わらず、一部の議員だけに非公開で説明会を行うことだけで済ますわけにはいきません。
私は、昨年9月県議会で、この問題を取り上げ、再度の住民説明会の開催を求めました。これに総務部長は「国においては、先の地元説明会での意見を踏まえ、今後、山陽小野田市と相談あるいは調整の上、更なる説明会の開催について検討するとされています。」と答えました。ここで言う「説明会」が、山陽小野田市議会の一部の議員への説明で済まされるものではありません。公の議会での答弁であり、県は責任をもって国に住民参加の説明会の開催を求めるべきです。
次に、防衛省が「中国、ロシアのスパイ衛星やキラー衛星の監視が任務に含まれることや米軍の宇宙作戦部隊へ情報を提供する」ことなどを山陽小野田市議会で説明したことについてです。
昨年9月県議会で私は、「山陽小野田市のレーダー基地の位置づけをどう理解しているのか」質しました。これに総務部長は「8月28日に地元説明会が行われたところでありますが、それに先立って8月21日に、県の方にもその説明会についての説明がございました。その中で、国の方からは、使用済みの衛星やロケット、あるいはその破片といったような宇宙ゴミ、いわゆるスペースデブリでありますが、それが急増している中で、宇宙空間の利活用が重大な危機にさらされていることから、その安定的利用を確保するために、宇宙ゴミ等の探索・追跡を行うことが必要であり、これを目的として宇宙監視レーダーを整備するということで、その必要性のご説明がありました。」と答えました。
防衛省は、昨年、山口県や地元に「宇宙ゴミの除去」だけが任務と説明してきました。防衛省は、山陽小野田市議会議員だけではなく、県行政と地元住民に対して、違う説明を行ったことを「謝罪」すべきです。この点からも、防衛省は、再度の地元説明会を開催すべきです。
次に、防衛省が「レーダー電磁波の影響」や「保安距離」について「設計が済んだ後でないと答えられない」と答えたことについてです。
昨年の6月県議会で私は、「山陽小野田の宇宙レーダーの影響はどうなのかと(防衛省に)聞いたら、レーダーの機種がまだ選定されていないということを理由に説明できないと答えた。」ことを指摘し、「レーダー選定後に、防衛省に地元で説明会を開くように県として求めるべき」と質しました。これに総務部長は「国において今からいろんな形で、更なる説明をするとされているので、その中で適切に対応されるものと考えている」と答えました。
防衛省は、7月31日の段階では、「設計が済んでない」ことを理由に、レーダーの具体的な影響について説明を行いませんでした。
山口県は、防衛省に対して、適切な時期に、レーダーの影響について、県と山陽小野田市と地元住民に説明するよう求めるべきです。
防衛省は、先月末、山陽小野田市議会の一部の議員に、宇宙監視レーダーについて非公開で説明を行いました。
この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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