今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、「政府が『ブースターを演習場内に確実に落下させることができない』として配備を断念した陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』をめぐり、実際は、ブースターの落下について全く想定していなかったことが、日本共産党の穀田恵二衆議院議員が入手した防衛省の報告書で明らかになりました。」と報じました。
この事について、竹下岳記者は、次のように解説しています。
「北朝鮮の弾道ミサイル迎撃を口実に、導入が強行された陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』(陸上イージス)。政府は、配備予定地の一つである陸上自衛隊むつみ演習場(山口県萩市)での『ブースターの制御不能』を理由に配備断念を決定しました。しかし、日本共産党の穀田恵二衆議院議員が入手した、むつみ演習場での『基本構想』(2019年5月)で、ブースター落下については検討外であることが明らかになりました。防衛省の説明の不自然さが浮き彫りになっています。さらに、同省は昨年12月、むつみ演習場を陸上イージス配備の『適地』と最終決定するにあたり、昨年5月以降、『イージス・アショア整備推進本部』を設け、専門家会合も開かれましたが、議題は①レーダーの電波照射②施設建設-にほぼ絞られており、ここでもブースターの落下位置は埒外だったことがうかがえます。陸上イージス導入に関わった河野克俊・前統合幕僚長も『ブースター落下が配備の支障になるなど在任中に聞いたことがなかった』(朝日15日付)と証言しています。そもそも、迎撃ミサイルを発射するのは、核弾頭を搭載した弾道ミサイルが上空を飛ぶ事態であり、ブースターの落下位置まで考慮しないのは軍事の常識だという指摘は、自衛隊のOBなどから相次いでいます。柳沢協二・元内閣官房長補は都内の講演で、『防衛省は、ブースターを演習場内に落下させるためには改修で10年以上の歳月と1000億円以上の経費がかかるというが、本当に必要だと考えているのなら、辺野古新基地のように、どれだけ時間と経費をかけても強行するはずだ』と指摘。『陸上イージスの能力は、迎撃ミサイルをより高く飛ばすことにあるが、北朝鮮やロシアが開発している高速滑空弾は低空を高速で飛行するため、対応できない』と述べ、『ブースターの制御不能』を利用して、完成前から役に立たないことが分かってきた陸上イージスから撤退した可能性を指摘しました。穀田氏が入手した『基本構想』は、もう一つの重大な事実を浮き彫りにしました。これまで防衛省は、陸上イージス導入費用のうち、施設建設費については、詳細が未定としており、明らかにしていませんでしたが、『基本構想』には建設費の詳細な見積もりが示されています。(実際の金額は非開示)。また、同省はもう一つの配備候補地である新屋演習場(秋田県秋田市)に関しても、『基本構想』を作成していることを認めており、ここにも詳細な見積もりが提示されているとみられます。参議院決算委員会は7日、陸上イージス配備断念までの経緯を検証するよう政府に求める決議を全会一致で可決。河野太郎防衛相は8日の衆院安保委員会で、経過の国会報告に前向きな意向を示しました。防衛省は『ブースター落下』問題にどう対処してきたのか、見積もっていた施設建設費はいくらだったのかを含め、一刻も早く国会と国民に明らかにする責任があります。」
今日、午後2時から、私は、オンラインシンポジウム「『この国に問う』-イージス・アショア配備計画の撤回決定を検証する-」に参加する予定です。
自衛隊が、ブースター落下問題を検証していなかった問題も多くの識者から語られると思います。
配備候補地だった地域の県議として、この問題をしっかり検証して、必要な問題は引き続き、県議会にも取り上げていきたいと思います。
イージス・アショア配備計画の撤回決定を検証することは、この国の将来にとって極めて重要な価値があるものだと思います。
シンポジウムでしっかり学んで、今後の活動に生かしていきたいと思います。
防衛省がイージス・アショアのブースター落下を検証していなかったことが明らかになりました。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
No comments yet.
コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。
メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。