議員日誌

陸上イージス計画「停止」

 昨日、河野防衛大臣は、陸上イージスの配備「停止」を発表しました。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、この問題に関し次のような竹下岳記者の「解説」を掲載しました。

 「陸上配備型ミサイル迎撃システム『イージス・アショア』の配備『停止』が唐突に発表されました。河野太郎防衛相は15日の会見で、迎撃ミサイルのブースターが演習場内や海に確実に落下する保証がないことをあげました。しかし、この問題は以前から繰り返し指摘されていたことであり、防衛省側も当然、分かっていたはずです。安倍政権は就任以来、米国の要求に応じて、F35ステルス戦闘機やV22オスプレイなど、防衛省・自衛隊さえ必要としていない高額兵器の導入を次々と決定し、軍事費の高騰を招いてきました。イージス・アショアの配備計画『停止』は、そうした官邸主導の『米国製武器爆買い・おしつけ』路線の破綻の始まりであり、『ブースター』問題は、それを覆い隠すための口実にすぎません。もともと、防衛省は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対して、イージス艦の増勢などで対処する方針を掲げており、同省の『中期防衛力整備計画』にも、イージス・アショアの導入は盛り込まれていませんでした。ところが、2017年、米側から『米本土防衛』のためにイージス・アショア導入を要求されると、安倍晋三首相は同年秋の日米首脳会談で、トランプ政権の『バイ・アメリカン』(米国製の武器を買え)路線に迎合し、12月に『2基導入』を閣議決定しました。しかし、その導入費用は当初の『2基1600億円』から、公表された部分だけでも4504億円に。さらにレーダーや迎撃ミサイル、施設建設費を含めれば1兆円規模に膨れ上がります。単価でみれば、自衛隊史上最も高価な兵器です。しかも、その迎撃能力は限られており、現在、主流となっている多弾頭や超高高度の弾道ミサイルや、ロシアが開発している極超音速ミサイルなどには全く対応できません。まさに壮大なムダです。河野防衛相は会見で、あくまで配備計画『停止』であることを強調し、イージス・アショアで使用が予定されていた迎撃ミサイルや、防衛省が米軍企業から直接購入を計画している最新鋭レーダーなどはそのままイージス艦で使用する考えを示しています。しかし、いま求められているのは配備計画の『撤回』であり、イージス・アショアにかかる予算措置をすべて解消し、その費用を新型コロナウイルスで苦しむ国民のために回すことです。」

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、「イージス・アショア配備を考える山口の科学者」共同代表の増山博行・山口大学名誉教授の次のようなコメントを掲載しています。

 「計画停止の理由である迎撃ミサイルのブースター部分が自衛隊演習場内に確実に落とせない問題は、われわれがずっと指摘していた通りで、決断が遅すぎるぐらいです。地元住民は当初からブースターが住宅地に落下すると懸念していました。計画は『撤回』ではなく『停止』です。別のレーダー基地を建設するなど新たな計画が持ち上がる可能性もあります。反対の手を緩めることはできません。」

 今月24日から6月県議会が開幕します。国や県の動向を注視し、県議会でこの問題についてしっかり発言していきたいと思います。

 河野防衛相がイージス・アショアの配備「停止」を発表しました。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。