11月県議会が閉会しました。
私は、議案に対する討論で登壇しました。
昨日の県議会閉会日、討論で登壇しました。
・・・・・
日本共産党県議団を代表して、本議会に提出された議案の討論を行います。
反対する議案は、第1号、11号、14号、19号、20号及び21号です。
その他の議案には賛成します。
継続審査中の議案については、第16号及び第18号に反対し、その他の議案には賛成します。
請願については、第3号の第2項、2項、4項、5項、7項、8項及び12項を不採択とする文教警察委員長報告に反対します。
議案第1号、11号、14号は、関連しますので一括して討論いたします。
議案1号、2019年度山口県一般会計補正予算(第3号)は、職員等の給与を引き上げることが中心の内容です。
職員給与の引き上げには賛成しますが、同補正予算案には県議会議員の報酬等の引き上げも含まれているため、賛成しかねます。
一般職員に準じて、知事等の給与及び県議会議員の報酬等を引き上げるための条例改正が議案第11号です。
10月から消費税が10%に引き上げられ、景気動向指数は、5.6ポイント低下、実質消費支出は5.1%減少―どちらも8%への増税直後の2014年4月を上回る落ち込みを示しました。消費税10%による経済や景気へのダメージは8%増税時を上回っています。
そのような中で、低い水準とは言えない県議会議員の報酬等をさらに増やすことは県民の理解を得ることはできません。
議案第14号は、教育委員会の一般職の職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例です。
本条例は、教員の土日の部活動指導に対する特殊勤務手当の改定です。
改定は、これまでの4時間3600円を3時間2700円に引き下げるものです。広島県・島根県・福岡県などでは、4時間3600円を維持しています。山口県でも4時間3600円を維持すべきです。
山口県の最低賃金で休日出勤手当を計算すると、829×1.25倍×3時間=3109円となります。
「部活動のガイドライン」では、土日の部活動時間を3時間程度としていますが、準備や片付けなど入れると実労働時間は4時間です。高体連や高文連等の大会については、出張扱いとなりますが、非公式の練習試合や大会引率では6時間前後になることもあります。
それでも、3時間2700円が上限の特殊勤務手当となると、若年層の教員離れ、部活動の顧問離れが加速することになります。よって本条例に反対します。
議案第19号、20号は、国道490号の道路改良と橋梁の整備工事のための請負契約を締結するもので、いずれも通称・小郡萩道路に係る区間となります。
全長30Kmの小郡萩道路のうち、美祢東ジャンクションから絵堂インターまでの12.9Kmには470億円が投じられ、2011年5月までに供用開始されました。
14年度に着手された絵堂インターから萩三隅道路の萩インターまでの15Km区間の事業費は当初260億円と説明されていましたが、現在は300億円に増加し、18年度までに53億円が投じられました。
同事業は、18年度の事業再評価で、投資効果などが再検証され、当初1.8倍あった費用対効果は1.3倍に低下しています。事業費の増大も要因の一つで、今後、さらに事業費が増えれば、限りなく1に近づく恐れもあります。
また、事業効果は「萩市役所と山口宇部空港の移動時間が68分から63分」と5分短縮される、と説明されています。
財源不足を理由に、職員リストラや県有施設の見直しなどに奔走する一方で、5分のために300億円を超える予算を投じることは容認できません。
議案第21号は、県立多部制定時制高等学校新築工事の請負契約に係るものです。
新設される高等学校は、新山口駅北地区に造られ、午前部、午後部、夜間部を併せ持つ3部制定時制に加え、通信制も併設されます。
問題の1つは、これに合わせて、光、防府商工、山口、宇部工業、小野田、厚狭の6高校の夜間定時制課程の生徒募集が停止されることです。近隣地の定時制がなくなることで、高校進学を断念する生徒が生まれる恐れがあります。
問題の2つは、日本高等学校教職員組合が多部制導入後の実態を調査したところ、勤務形態の多様化により、勤務の長時間化や多忙化・複雑化が起こり、教職員の健康破壊が進みやすい、勤務形態が複雑なため、教職員間の自由な話し合いや会議の時間設定が困難、研修時間も制約される、といった弊害が指摘されています。
こうした問題が懸念される多部制高校の新設には同意できません。今後も、多部制高校の新設を進めるのなら、指摘した懸念が現実のものとならないよう対策に万全をつくすよう要望します。
次に継続審査中の議案第14号から18号のうち、16号、18号に反対します。
まず、議案第16号、2018年度山口県歳入歳出決算についてです。
私は、決算特別委員会で、県が保有する塩漬け土地と水の問題を取り上げました。
まず、塩漬け土地問題です。きらら浜は、国が干拓した286㌶の農用地でした。1979年に国は事業化を断念し、2001年のきらら博開催に向けて、県は、2001年に「自然観察公園」を含め、73㌶を購入。2009年には、37.1㌶を買い入れ、2011年には、141㌶を購入。これまで県がきらら浜に負担した県財政は、275億円となっています。
当初面積の約3分の1の93㌶が塩づけ土地として残されたままです。
次に、塩漬け水問題です。小瀬川第二期工業用水道事業の計画給水量は、日量5600トンですが、当初は3万7600トンでした。3万2000トンの未利用水を2013年に企業会計から一般会計に移行しました。その際、155億円を一般会計で負担し、今年度までにダム分担金と企業債元利償還金の合計7億3300万円を一般会計から負担しています。
県債残高が増高し、県財政が硬直化している状況に合わせ、県が、膨大な塩漬け土地と水に巨額の県財政が支出され、未処理のまま残されていることに対して県民の理解は得られません。
その一方で、先ほども指摘をしたように、県は、財源不足見込額を約300憶円として、総人件費の縮減、事務事業の見直し、公の施設の見直しなどを進めています。
財政難を理由に県民サービスを削る一方で、塩漬け土地や水を放置している県財政運営を厳しく指摘をし、平成30年度決算に反対します。
次に議案18号、平成30年度工業用水道事業会計の決算についてです。
決算特別委員会の審査で、私は、企業局から一般会計に移管したものの、塩漬けされ
たままとなっている弥栄ダムの日量3万2千トン未利用水についての活用策を質したところ、企業局長は「先行水源の利用方策については、県庁全体で組織されている『水資源対策協議会』の利用部会において、活用方策の検討が進められています。」と答えました。
小瀬川第二期工業用水道事業で未事業化となった3万2千トンの水に対するダム分担金の今年度分は4200万円の見込みです。問題が解消されるまで負担は続きます。
今日においても、この問題が未解決となっている原因を作った企業局の責任は、今日的にも重大だと言わなければなりません。
二つ目は、私が、6月県議会で指摘をした宇部・山陽小野田地区工業用水供給体制再構築事業についてです。
本事業は、西沖の山地区に、石炭火力発電所が建設されることを前提としたものです。想定事業費は約26憶円、2016年から調査、設計が行われ、今年度から工業用水施設の追加整備などが計画されています。
石炭火力発電所の計画の抜本的見直しが発表されたことを受け、当該工業用水道敷設計画の見直しを質した私の質問に対し、企業局長は「このたびの石炭火力発電所建設事業計画の見直し状況を踏まえ、必要な工業用水施設の整備等について、適切に対応してまいります。」と答えました。
国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)開催期間中に、環境NGOの国際ネットワークのCANインターナショナルは気候変動に最悪の貢献をした国に「化石賞」を与えていますが、これまでに日本は2回、受賞しています。
受賞理由は、国連環境計画(UNEP)が報告書で日本に二酸化炭素排出量が多い石炭火力発電所の新規建設をやめ、既存の発電所を廃止するよう促しているのに対し、梶山弘志経済産業相は「石炭火発を選択肢として残す」と述べ、同会議で演説した小泉進次郎環境大臣が、脱石炭などの意思を示さなかったことが挙げられています。
COP25の開会セッションで議長に選出されたシュミット・チリ環境相は、「私たちは気候変動という最も困難な課題に直面している。今は、スローガンではなく行動をとる時だ」と指摘し、パリ協定に基づく各国の目標設定を見直す2020年にむけ、より野心的な数値を掲げることを参加国に求めました。
地方公営企業法の3条には、地方公営企業は「その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」と定めています。
世界が、気候変動という最も困難な課題に直面している今、石炭火力発電所の新設などもってのほかです。未だに石炭火力発電所の新設を前提とした工業用水道の拡張計画を中止しない企業局の姿勢を厳しく指摘したいと思います。
以上の理由から、本議案に反対します。
最後に、請願第3号についてです。
山口県ゆきとどいた教育をすすめる会から提出された請願項目の内、第2項、全ての学校で30人以下学級を実現すること。3項、複式学級の解消をさらに進めること。4項、県独自の予算措置による、教職員の加配を進めること。5項、臨時的教職員ではなく、正規・専任の教職員をふやすこと。7項、給食費の無償化を進めること。8項、私学の学費実質無償化を早期に実現すること。12項、エアコン使用に係る光熱費を増額すること、を不採択とする文教警察委員会の委員長報告に反対します。
決算特別委員会資料に、「問題行動等の出現数と率」を示した資料があります。
30年度における、暴力行為の発生数と発生率、いじめの認知件数と認知率、不登校の出現率は小学校、中学校、高等学校とも全て前年度を上回っています。
今ほど、県内の子どもたちに行き届いた教育を行うことが求められているときはありません。
昨年6月県議会で、わが党の河合県議が山口県独自の子どもの貧困実態調査を行うよう求めました。
県は、子どもの貧困対策推進計画の改定と子どもの貧困に関する独自調査を行うことを明らかにし、現在、小学校5年生及び中学校2年生の子どもと親を対象に抽出方式で「山口県子どもの生活実態調査」が行われているところです。
先月閣議決定された国の「子供の貧困対策に関する大綱」の冒頭に「貧困の連鎖によって、子供たちの将来が閉ざされることは決してあってはならない」とあり、「地方公共団体の役割は重要」としています。
山口県の子どもたちの将来が閉ざされることがあってはなりません。
私は、以上の観点から、不採択とされた項目は全て、子どもの将来にとって重要な項目ばかりです。採択されるべきであり、不採択とした文教警察委員長の報告に反対します。
・・・・・
No comments yet.
コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。
メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。