今朝の読売新聞は、上関原発について次のように報じました。
「中国電力が山口県上関町で進める上関原子力発電所の建設計画を巡り、同社は10日、県に対し、予定地の公有水面埋め立て工事の完了期限を今年7月から3年6か月延長し、2023年1月までとするよう申請した。」
「上関原子力発電所の建設計画を巡り、中国電力が10日、県に申請した公有水面埋め立て免許の延長。中電は申請後の記者会見で、『一人でも多くの方に理解いただけるよう取り組む』と述べ、原発建設に向けて改めて意欲を示した。」「延長を申請した根拠について、県が2016年に免許延長を許可した際に重視した国による上関原発に対する重要電源開発地点の指定が続いていると主張した。」
「村岡知事も報道陣の取材に、『申請書の内容を審査し、国が示す『延長許可の要件を満たしていれば許可しなければならない』というルールにのっとって処理していく』と語った。県は『期限までに埋め立て工事が合理的理由』『埋め立て工事を継続する必要性』について審査する予定。行政手続法では審査期間は約1か月と定められており、知事は許可の可否を判断する時期について『(その)期間を念頭に置く』と述べた。」
上関原発用地埋立禁止住民訴訟の会が経済産業省と原子力規制委員会に対して行った質問に対し、国が回答を行う交渉の場に6月7日、参加しました。
経済産業省は、「原発の新設は想定していない。現在のエネルギー基本計画に原発の新設は入っていない。上関原発は原発の新設に入る。」などと答えました。
原発の新設を国が想定していない中、上関原発の埋め立てを3年後までに竣工できる見通しは皆無だと思います。
しかし、中国電力は、新聞報道にあるように「上関原発が重要電源開発地点」であることを唯一といっていい根拠として、延長申請を行ってきました。
経済産業省は、「重要電源開発地点は、一つでも欠けると要件を満たさなくなる」と答えました。
重要電源開発地点の要件の一つに「計画の具体性が確実である」とあります。
この点、知事が2016年に埋め立て工事について要請した内容が重大です。
知事が中電に「発電所の本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないこと」と要請した理由は次の2点です。
①上関原発に係る国の審査が現在まで開催されていないこと。
この点について原子力規制委員会は、6日の交渉の中で、現在まで国の審査が行われていない事実を認めました。
②中国電力が国に届け出た電力供給計画に上関原発の着工時期が未定とされている。
この点は、直近の2019年の電力供給計画でも上関原発は未定とされています。
原子炉を設置する見通しのない原子炉設置のための埋め立ては、公有水面埋立法の正当な事由に欠けると言わざるを得ません。
にもかかわらず、知事が埋立を許可するのであれば、知事の裁量権の濫用と言わなければなりません。
電源開発地点の要件を満たさないことが明らかにも関わらず、国が解除しないことを理由に、知事は申請を許可することは認められません。
私は、明日から始まる6月県議会で、この問題についてしっかり発言していきたいと思っています。
皆さんは、中電の埋め立て延長申請をどうお考えですか。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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