昨日、萩市内で、イージス・アショアの配備計画の撤回を求める住民の会主催の「イージス・アショアの配備について-各種調査の結果と防衛省の検討結果について-」と題する学習会が行われ参加しました。
増山博行山口大学名誉教授は、防衛省が示した調査報告書の中の電波環境調査結果について報告しました。
防衛省の説明資料について意見を述べる増山氏
まず、電磁波の影響は、230メートル離れると「人の健康に影響はない」という防衛省の説明についてです。
増山名誉教授は「ここでの計算式は、レーダーのメインビームが照射することはなく、サイドローブの影響のみを考え、かつ『通常の報謝』を想定したレーダーに共有する電力の時間平均値を使っているという。『通常』とは何か、どういう平均かの説明はない。」と解説しました。
更に増山名誉教授は「報告書では地形や植生、水蒸気・塵、建物などによる減衰を考慮すれば大丈夫とか、遮蔽壁設置で大丈夫という。しかし、電波の影響があり得る、しかも上空では顕著であり、住民の生活・地域経済活動に大きな影響があるというのが正しい評価のはずである」と話しました。
防衛省の説明資料、69ページ。「仰角が5度以上なので、メインビームが地表に当たることはありません。」とある部分が議論となりました。
増山名誉教授は、「メインビームが西台に当たらないという根拠を防衛省は明確に示すべきだ。仮に西台にメインビームが当たる可能性が否定できないのなら、西台を立ち入り禁止にしなくてはならない事態となりうる。」と説明しました。
西台で以前農業をしていた参加者が「西台で農業を営んでいる人が現在もいる。メインビームの問題はとても心配だ」と話しました。
大田啓一滋賀県立大学名誉教授は、防衛省の説明資料の「地質・測量調査」を中心に問題点を指摘しました。
大田名誉教授は「ボーリング調査により、建物の基礎を支える地盤は地下水位よりも上層にある。従って配備工事そのものが地下水に影響を与えることはないとしている。しかし、根拠となるデータが示されていないので判断できかねる。」と指摘しました。
また、太田名誉教授は、「地下水の年代が2年から9年とされているが、どこの湧水の値であるか地図上に明示する必要がある」と指摘しました。
参加した君波山口大学名誉教授(専門は地質学)は、防衛省の資料36ページについて次のように指摘しました。
「演習場内における不透水層と推察されるエリアが明示されているが、防衛省は根拠を示すべきだ。また、地下水の流れの矢印の根拠を示すべきだ。『周辺の溜池には、地下水(演習場内の地中に浸透した雨水)は流れていないことが分かりました。』とする根拠を防衛省は示すべきだ。ボーリング調査は地下15メートルまでしか行われていない。地下水は、その下を流れているのであり、溜池に地下水が流れないとは言えないのではないか。」
防衛省が断定的に明記している部分に対しても、専門家から数多くの指摘がされました。
防衛省は、一つ一つの根拠を示すべきです。
この報告書で、「住民生活に影響がない」と断じることが出来ないことが今回の学習会に参加して分かりました。
特に、メインビームが、西台に当たる可能性があるのではないかとの指摘に、防衛省は詳細なデータを示すべきだと感じました。
イージス・アショアの防衛省の報告書に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
No comments yet.
コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。
メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。