「落語 昭和の名人 極めつき」第三回は、「五代目 柳屋小さん」(その一)です。
柳屋小さん師匠は、2002年に享年87歳で亡くなられました。
1995年、80歳で人間国宝に認定されるまで、高座にあがり続けた方ですので、私もテレビなどで、直接、小さん師匠の落語を聞いた記憶があります。
CMなどに登場した姿も思い起こします。臼か狸かを連想する体躯で、いつも笑顔で穏やかな印象のある方です。
マガジンには、小さん師匠の信念がこう綴られています。
「その高座はつねに自然体で、過剰な演出はない。『酔っぱらいは酔っぱらいの了見で、狸は狸の了見で演じる』。それが小さん落語の要諦だ。さらに、大前提にあったのが『心邪なる者は噺家になるべからず』という自戒であった。」
「うどん屋」の酔った客の演技は、まさに人間国宝です。
「狸賽」の狸の演技も、目の前に見えるようです。
寄席文字書家の橘左近さんが、小さん師匠をこう評しています。
「淡々としたなかに、ほのぼのとしたふくよかな笑いをもたらす。小賢しさはなく、下卑た笑いは決して起こらない。」
正に、小さん師匠の生きざまそのもが噺の姿形となったのでしょう。
志ん生も圓生もいいけれど、小さんもいいですね。
落語はいいですね。皆さんのごひいきの昭和の名人をお教えください。
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