議員日誌

「面従腹背」読書ノート①

 加計学園の獣医学部新設問題を巡り、「総理の意向があった」と記された文書の存在を証言した前文部科学政務次官・前川喜平さんの書作「面従腹背」を読んでいます。

 この本から前川喜平さんという人物の沸き立つ気迫を感じることが出来ました。

 「私が後輩である現役公務員に伝えたいのは、組織の論理に従って職務を遂行するときにおいても、自分が尊厳ある個人であること、思想、良心の自由を持つ個人であることを決して忘れてはならないとうことだ。組織人である前に一個人であれ、ということだ。自由な精神を持つ独立した人間であってほしい、ということだ。それは、組織人として行っている職務が、人間として正しい行動だと言えるかどうか、個人である自分が常に組織人である自分の姿をみつめているということでもある。これは公務員として仕事をしていく上では、確かな人権感覚を持つということにつながる。尊厳ある個人としての自覚をもっていれば、個人の尊厳が冒される事態を直ちに感得することができるはずだからだ。」

 大企業のリコール隠しを題材にした映画「空飛ぶタイヤ」を観た直後にこの文章を読むと、公務員を民間企業に置き換えることが重要だということも分かります。

 全ての社会人に当てはまる言葉だと思います。

 その上で、公務員は特別だと前川さんは書いています。

 「主権者としての意識を持つ公務員は、憲法が命じる公務員の在り方に忠実であろうとする。憲法15条の2項は『全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない』と定めている。権力を持つ者が一部の者の利益のためにその権力を使おうとするなら、それに抗おうとするのは、公務員として当然のことだと言わなければならない。また、憲法99条は、公務員は『この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ』と定めている。憲法を制定した国民としての自覚を持つ公務員は、自ら進んで憲法の尊重、擁護に努めるであろう。」

 前川さんは、その上で、集団的自衛権行使を認めた閣議決定は、憲法違反だと断じています。

 2015年9月18日、安保法制の参議院可決の夜、前川さんは、どこで何をしていたのでしょうか。

 「文科省を退庁後にそぼ降る中、シールズの若者たちに混じって『憲法守れ』『アベはやめろ』『集団的自衛権は要らない』と抗議の声を上げていた。私の中の『主権者』がどうしてもその夜にそれだけはやっておかなければ死んでしまうと呻いていたのである。」

 前川さんの主権者としての呻きをしっかり私も受け止めたいと思います。

 前川さんの生き方にしっかり学びたいと思います。

 この本は多くの皆さんの読んでいただきたいです。

 この本を読まれた皆さん感想をお聞かせ下さい。

 

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