議員日誌

ジョニーは戦場に行った

 ジェニファー・ワーナー著・梓澤登訳「ダルトン・トランボ」を読み、益々、「トランボ」に魅了されています。

 レンタルショップで、トランポ作品を借りて最初に観たのがダルトン・トランポ監督の映画「ジョニーは戦場に行った」です。

 この作品は、原作・脚本・監督が全てトランボによるものです。

 小説が書かれたのは、第二次世界大戦が勃発する1939年です。

 冒頭紹介したジェニファー・ワーナー著・梓澤登訳「ダルトン・トランボ」には、小説について次のように書かれてあります。

 「この反戦小説は、第一次世界大戦の帰還兵ジョー・ボナムが、砲弾の爆発で、両手、両足、顔面全体を吹き飛ばされ、残ったのは命と想像力だという痛ましい様子を描写している。呼吸停止による自殺を試みるものの失敗に終わってから、ジョーは戦争の恐怖を象徴するものとして自分の姿を人目にさらすことを思いたつ。死ぬことも、戦争に抗議することもかなわないと自覚してからは、これまでの人生の記憶を語り、戦争の現実をじっくり見つめることで精神の正気を保とうとする懸命な闘いの日々を送っている。」

 映画「ジョニーは戦場に行った」に関して、同上の伝記小説はこのように書いています。

 「映画化いあたってトランボは、ジョーの顔にはカメラを向けず、失われた手足は白い布で終われたままにした。ジョーのあまりにもひどい現実の姿とかつて抱いた夢の違いをいわだたせるために、病室の場面はモノクロで、瞬間的に断片がよみがえる生々しい記憶や幻想の場面はカラーで表現する演出法を採用した。」

 映画の冒頭部分、ジョニーが記憶をたどる中に、戦争を推進する為政者が、「戦争は社会発展の基礎」という主旨の発言をする場面があります。

 私は、念仏者9条の会主催で纐纈厚山大名誉教授を講師にした連続講話「日本近現代史を読み抜く」の一場面を思い起こしました。

 それは、1937年に陸軍省新聞班が作成した「国防の本義と其の強化の提唱」(陸軍パンフレット)です。

 纐纈先生は、「国防が至高の価値を有するという見解が公然と表明される」と説明されました。

 陸軍パンフレットには、「たたかひは創造の父、文化の母である」と書かれてあります。

 今日、「国防が至高の価値を有する」とするイデオロギーを隆盛させようという動きがみられます。

 これに反撃するためには、戦争の現実を思い起こすことです。

 その上で、「ジョニーは戦場に行った」は最良の教材の一つと言えると思いました。

 映画「ジョニーは戦場に行った」をご覧になられた皆さん、感想をお聞かせ下さい。

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