18日付しんぶん赤旗「日曜版」に作家の安部龍太郎さんのインタビューが掲載されています。
安部龍太郎さんの最新刊は「家康」。安部さんは、家康について次のように語っています。
「江戸時代の家康像は、『神君・家康公史観』です。江戸幕府を倒した明治政府は、幕府の理念を否定し創健者の家康にも非常に否定的な見方をした。そこから生まれたのが、『タヌキおやじ史観』です。われわれも、知らず知らずのうちに明治政府の思想操作に影響されている。でも僕は、神君でもタヌキおやじでもない、生身の人間としての家康が書きたかった。約260年の江戸幕府の基礎を描いた人間を、生きた現場から見直したかったんです。」
安部さんは、現代の現象に警鐘を鳴らします。
「戦国だけでなく、日本史全域に若い人たちが正しい歴史観を持ちにくくなった。この現状は大変な問題です。戦前は歴史を正しく認識する知力が育っていない」
「日本はもちろん、世界中でナルシシズム(自己愛)が肥大化しています。これがぶつかりあったらどうなるか。戦争になりますよ。この風潮は非常に危うい。でも、その方向へ誘導しようとする人たちがいるんです。例えば戦前の歴史を肯定すべきところと否定すべきところを客観的に評価して、そこから自分の方向性を見いだす必要があると思います。そこで手抜きして『日本良い国』と思い込んでいては、また戦前のような過ちを繰り返してしまう」
私は、安部さんの言葉が脳裏から離れず、今、安部龍太郎著「下天を謀る」を読んでいます。
信長、秀吉、家康の激動の時代を生き抜いた武将・藤堂高虎の物語です。
安部さんが描く戦乱の中に入り込んだような気持ちで読み始めました。
安部龍太郎さんの作品を少しづつ読んでみようと思います。「家康」も読んでみたいですね。
歴史を評価する視点を学びたいと思います。
安部ファンの皆さん。お勧めの作品を紹介してください。
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