議員日誌

映画「独裁者」

 チャップリンのDVDシリーズの第一回目「独裁者」を観ました。

 この映画は、ご承知の通り、ヒットラーを痛烈に批判した映画です。

 私は、この映画が、ヒットラー亡き後ではなく、ヒットラーの独裁政治の最中に作製され、発表されたことに驚きました。

 「独裁者」は、1939年に製作が開始され、1940年に最初の上映が始まりました。

 解説書にはこう書かれています。

 「1938年前後に保養地ぺブル・ビーチで静養しながらアイディアを練り、同年の秋からストーリー構築を開始。年が明けて1939年からスタジオでの準備や脚本執筆が本格化した。『独裁者』製作の噂が流れると、ドイツは外交ルートを通じて妨害工作を始めた。ドイツだけではない。当時、ドイツと同盟国だったイギリスも外務省が役人を撮影所に派遣して、チャップリンに脚本の提出を求めるなど、国をあげて政策を中止させようとした。いまでは信じがたいことだが、当時まだ中立国だったアメリカでも、世論調査で反ユダヤ主義を標榜する人は全体の9割を超え、親ナチス勢力もかなりの割合で存在した。それどころが、恐慌を切り抜けたリーダーとしてヒトラーを英雄視する向きもあった。映画をつくっても、ドイツ、イタリア、日本はもちろん、イギリスとその植民地、さらにはアメリカの公開も危ぶまれた。そんな状況下でも、チャップリンは『独裁者』製作にまい進する。ヒットラーがポーランドに侵攻して8日後の1939年9月9日に、あたかも参戦するかのように撮影を開始。翌年3月末までに本撮影はひと通り終了した。その間ドイツは破竹の勢いで進撃しフランスを占領した。全世界がドイツの侵攻に怯えるなか、チャップリンはラストの演説の推敲を重ねた。そして、1940年6月23日にヒットラーがパリ入城し、全世界にその威光を見せつけた翌日に、チャップリンはラストの演説を撮影。平和への闘いをフィルムに焼き付けた。」

 有名な「独裁者」の結びの演説の一部を紹介します。

 「申し訳ない。私は皇帝なんかにはなりたくない。そんなの私のやることじゃない。誰かを支配したり征服もしたくない。できれば、ユダヤ人にしろキリスト教徒にしろ、黒人にしろ白人にしろ、みんなを助けたいと思っている。私たちはみんなお互いを助けたいとの望んでいる。人間とはそういうものだ。他人の不幸によってではなく、お互いの幸福で支えあって生きていきたい。私たちは、お互いを憎んだり軽蔑したりしたくはない。この世界にはひとりひとりのための場所があるんだ。そして、良き大地は豊かでみんな恵みを与えてくれる。」

 「けだものたちもそんな約束をして権力に上り詰めた。だが、彼らは嘘つきだ!彼らは約束を守らない。絶対に守ろうとしない。独裁者たちは自分たちを自由にし、民衆を隷属にする。いまこそ、あの約束のために戦おう!世界の解放のために闘うんだ。国同士の壁を取り除くために、貪欲と憎しみと偏狭を取り除くために。理性ある世界-科学と進歩がすべての人びとの幸福へ通じている、そんな世界のために闘うんだ。兵士たちよ、民主主義の名のもとに、もてる力を集めよう!」

 安部信三首相は12日の防衛省での自衛隊最高幹部に対する訓示で、集団的自衛権行使容認の戦争法=安保法制の整備や日米新ガイドライン(軍事協力の指針)の策定などをあげて、「今こそ実行のときだ」と述べ、本格的な運用段階への移行を求めました。

 解説書には、「2002年の秋。フランスで『独裁者』が再公開され、新作を押さえて堂々の週間4位を記録した。世界が混迷を深めるなか、困難な状況でもたったひとりで立ち向かったチャップリンが現代人の心を捉えたものだ。『独裁者』はヒトラー亡きいまも『ヒトラー的なもの』と闘い続けている-ユーモアという武器でもって。」と書かれあります。

 日本でも戦争法の成立を受けて、「ヒトラー的なもの」が取り分け跋扈しはじめてきたのではないでしょうか。

 チャップリンがヒトラー隆盛の中で『独裁者』を作製し「自由と民主主義と平和」を訴えて闘ったように、今、私たちは、「自由と民主主義と平和」を壊そうとする日本での「ヒトラー的なものと闘うときではないでしょうか。

 戦争法強行から1年を迎えるこの秋に。

 チャップリンDVDシリーズでチャップリンの作品を学びたいと思います。

 私の尊敬する人にチャップリンが加わりました。

 とりあえず、スマホの壁紙をチャップリンにしました。

 チャップリンの「独裁者」に対する想い。また、チャップリンの他の作品に対する想いをお聞かせ下さい。

 

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