台風10号により、9院もの犠牲者を出した岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽ん楽ん」。
1日付毎日新聞は、以下のように報じています。
「『楽ん楽ん』近くを流れる小本川を管理する岩手県によると、水位は30日夜、短時間で急上昇した。同ホームから約4キロ下流にある観測所では、同日午後6時に3.17メートルだった水位は、1時間後に5.10メートルに。ピーク時の同8時には6.61メートルを記録し、正午時点(1.56メートル)の4倍になった。国土交通省の担当者は「通常ではなかなか想定しずらい数字(上昇)だ」と驚きを隠さない。この観測所では、危険度の目安として設定できる4段階の水位のうち、『水防団の待機や出動』の目安となる2段階までしか設定されておらず、避難準備情報や避難勧告の目安となる残り2段階の水位は決まっていなかった。」
山口県内で、老人施設が水害に襲われるという事故が複数起きています。
09年7月、防府市の特別養護老人ホーム、ライフケア高砂に土石流が流れ込み入所者7人が死亡する事故が発生しました。
13年7月、萩市の特別養護老人ホーム、阿北苑に原中川の水が流れ込み、入所者が自衛隊の支援を受け避難する事態となりました。
川から施設へ濁流が流れ込み、職員の方は、入所者を机の上に上げて難の逃れたという話をお聞きしました。
阿北苑で犠牲者が出なかったのは職員の方々の献身的な努力のたまものであり、まさに奇跡だと感じました。
私は、09年のライフケア高砂、13年の阿北苑、発災直後に両方の施設を視察した経験があります。
私は、その都度、現場で掴んだ事実を議会で明らかにしてきました。
阿北苑の視察を受けて、13年8月の臨時議会では、床上浸水の被害を発生させた原中川は、当時、水防警報河川に指定されておらず、ハザードマップの作成もされていなかったこと事を指摘しました。
毎日新聞の記事に、東京大学の高橋裕名誉教授(河川工学)は、「中小規模の河川の氾濫は、日本中の至る所で起きる可能性がある。日本は『水害大国』であり、河川事業だけでは被害を防げないことを多くの人が自覚し、日ごろから備えを考えておく必要がある」と指摘しています。
水防法では、10条11条で洪水予報河川、13条で水位周知河川、16条で水防警報河川がそれぞれ位置づけられています。
岩手県の事故を繰り返さないために、高齢者施設などが周辺にある河川は、水防法上の河川としの指定を急ぐ、また指定河川である場合であっても、避難判断水位などの設定を急ぐ必要があると痛感しました。
そのために国は、支援を強めるべきだと思います。
高齢者施設で水害による死亡死後が発生しました。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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